空虚。
しずく。



 もう、終わったんだ。

解からないと思ってた。
解からないようにしてた。
自分はもう、何も映せない事を。

ひたすら外を眺めてた。
窓から見える、ずっと眺め続けた景色。
段々白く染まる視界。
靄がかかったように不鮮明に映る。
私の精神は解離して、身体がぽつんと取り残される。

喉が乾く。
水。
口に流し込んでも、渇きは一向に治まらず。
遠くの遠くから、音楽が聴こえる。
鳥のさえずり。
車の通行音。
子供の無邪気な笑い声。

ある瞬間。
全てが遮断され、
全くの無音。

手をのばし。
壁に触れる。
ざらついた感触。

いつの間にか戻った精神。

笑う。
声をあげずに。

(私は死んだのか?)

少なくとも、生きてはない。

漏れる、声。

『もう、終わったんだ。』

2002年02月23日(土)
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