おぎそんの日記
おぎそん



 ものすごく見栄っぱり

 「いいか。あんたはね、すごく見栄っぱりなんだよ。ものすごくプライドが高いんだ」
 私の言葉に、彼女は顔を上げた。涙で濡れた瞳の中に、ほんの少しだけ抗議の色が混ざっていた。
 「違うって思うなら、そう言いなよ」 「・・・違います」
 彼女は蚊の鳴くような声を出す。 「いいや、そうだね。自分で気がついてないだけなんだよ。あんたは失敗して、みっともない姿を人前に晒すのが嫌なんだよ。なんでも人から褒められなきゃ気が済まないんだ。褒められないようなことは、最初っからやりたくないんだ。だから、苦手なもんをそうやって避けて通って知らん顔してんだよ」



(『絶対泣かない』山本文緒)

2003年10月18日(土)
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