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「なんなんだ、これは」 が、褒め言葉になってしまう不思議な作家 乙一(おついち)。
西野君から無理やり快く貸していただき、先日読了致しました。 この、乙一は昨年からブレイクするブレイクすると言われていてある種作家のスピッツって感じです。 まぁ、実際に売上も上がってきているようなので(なにせ、ミステリー大賞とったし)ファンとしては嬉しいですけれども。
さて、短編集ですし、この短編それぞれが厳密なミステリーとは言いがたい面もありますが着想がおかしいです、この人(褒め言葉)。 どっかおかしいと思います(あくまでも褒め言葉)。
一応、彼の作品の紹介を。 ジャンプコミックノベル大賞を受賞し、その受賞作「夏の花火と死体と私」が綾辻行人らに絶賛される。 作品発表は角川スニーカー文庫に収録されるため(その後、集英社文庫にも収録される)どうしてもライトノベルと考えられがちであるが読んでみて驚くなかれ。 弱冠20歳にも満たない彼が紡ぎ出す物語の先の読めなさや彼の考える独特の世界を。 「失踪HOLYDAY」「寂しさの周波数」などを発表した後に満を持して「GOTH」を送り出す。 この「GOTH」はこのミステリーがすごい!2003でも第3位になり一般読者からも注目を浴びる。
興味が湧いたら、読んでみてください。サラッと読めるので図書館なんかで探してみてもいいでしょう。
ネタバレになりますのでいつもの如く伏せておきますので、ネタバレなんか気にしないって人とか読んだ人はご覧になってください。 でも、おぎそんのことです。 あらすじなんか書かないで個人的に思ったメモ書きをそのまま転載です。 詳しいことを話したい方(ここの感想って納得いかない!)はどうぞメールなり掲示板なりにお書きくださいませ。
<カザリとヨーコ> 王子と乞食のパターンだが、疎外されたもの同士の寄り添い。これからの暗示をあえてせず、簡単な救いを見出さない(見出させない)ところにこの作家の考え(人生観?)が出ているのかも。 自分が可愛い、これを上手く表現しつつ。これが意思を持った主人公にも例外ではなく、他の登場人物のその後を書かないでラストを迎えることにも暗示しているだろう。 しかし、スズキさんとおばあちゃんの表記をどう考えるべきか。わかる人居たらメールプリーズ。
<陽だまりの詩> 死が訪れる瞬間が孤独でなくなること。 「ひとり」ぼっちのたたかいとの共通点(共通の世界観)を見出せる。 死への不安・喪失感 なにかを好きになったとき それが強ければ心が悲鳴を上げる これを乗り越えて生きていくことがなんと過酷であることか。この反面(二面性)に気づかされる。
やっぱり乙一っておかしい。この考えを何処から出してくるんだ? タイトルからして上手くないようを暗示しているとも言えるが狙い過ぎの感も。しかし、彼の才能としか言いようがない。星新一のショートショートに通じる無機質感も感じさせる。
<冷たい森の白い家> So-farと同じ無機質感。あえて寂しいとかを書かず(伝えず)行動から我々、読み手が読み取ることができる(自然に)。読み手の考え(思い)が作品を読むときに投影される。 非現実的であるがゆえの筆のさえがみられる。
<神の言葉> 設定が意表を突く。ある種SFチックとも宮部みゆき的な感じもある(もうすこしトリップした感じだけど)。 その異質なごわごわしているものを彼のフィルターを通すことで何かをクロースアップする。この場合は自己不全・自己嫌悪・ええ格好しい。
不思議な自己暗示。伏線が引いてあり先が読めるという難点があるもののそのれが解き放たれる(伏線が繋がる)瞬間が秀一。
少年は受け入れた時に大人になる。それは哀しみを知ったからである。それは必要であると言いきれるわけではないが何か(痛み)と引き換えに大人への道が開くのだろう。人の痛みのうえに成り立つ成長という過程。
<落ちる飛行機の中で> 舞台裏を自覚させながら(ある種反則で、赤川次郎的)微妙に時事ネタを扱う。村上春樹のような小説のスタイルを意識しているのかも。
2003年08月11日(月)
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