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| 2003年03月03日(月) |
システムがおかしい。。 |
最近システムトラブルが多い。 おととい航空管制のシステムトラブルで100本以上の国内線が運休になったが、最近日本のコンピュータシステムがどうもおかしい。
企業にコンピュータシステムが導入されだした昭和40年代当時のシステム部門は、とにかく少ないメモリとハードディスクをいかに有効活用するのかが重要だった。日々頭を悩ましながらプログラムやJCLを組み換えては最適なシステム運用とは?ということを考えながらシステムを作っていた。
当時はシステム部門に配属されると、とにかく一からプログラミングを学び、細心の注意を払ってシステムを組み立てる訓練をしていた。(というよりは、秩序立ててシステムを組まないとすぐにダウンしてしまうような能力の弱いコンピュータを相手に格闘していたという感じだ。)
ところが、コンピュータが一般の人にも使われ出したここ数年のコンピュータの進歩は著しく、プログラミングの基礎などわからなくても、プログラムが作れるようになってきた。メモリの有効利用やそもそものコンピュータの特性など知らなくても、プログラムが要領良く動いてしまうようになってしまったのだ。
これが、最近のしょーもないミスの連発につながっているのではないだろうか?
経営はとにかくスピードを求め、システム部門も簡単になったプログラミング技術でその要求に答えようとして、昔のように細心の注意を払って隅々まで検証するということをしないようになってきた。それよりも早く作って、一発勝負で成果を早くだそうとしている。
昔のようにゆったりとシステムを構築していると、経営に非難されるので、プロトタイプを作っては、じゃんじゃん変更して、とにかくスピードをあげて成果を急いでいるという感じになってきた。
ここ数年の大企業が引き起こしたシステムトラブルはみんなそうだ。システム部門の慢心が引き起こしたものだ。
15年以上前のシステム部門は縁の下の力持ちだった。経営の中枢には全く縁がなく、深夜まで労働しているのにその見返りもないが、「おれたちがこの会社の屋台骨を背負っているのだ」という自負があった。そして、いつか経営陣を唸らせる存在になりたいと思って、みんなが一生懸命力を合わせて頑張っていた。
ところが、最近は経営陣もシステムの価値がわかってきて、IT部門が一躍経営の表舞台にのし上がってきた。これがそもそもの間違いだ。システムが縁の下の力持ちで、みんな一所懸命やっていた時代と異なり、浅い知識で十分システムが作れる時代になったことが、災いしたのだ。それでいてシステム部門は自分たちを偉いものと錯覚しはじめた。経営の中心がシステムと思うようになった。とにかく慢心のはじまりである。
一昔前なら、絶対にテストしていたようなことを簡単に忘れてしまうようになった。新聞などをみても「なんでこんなテストしてないんだろう?」と思うような事象ばかりだ。
基本がとにかくなっていない。わけのわからない専門用語を並べては偉そうにしているシステム部門になど未来はないのだ。
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