doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 琵琶盲僧・永田法順

音楽において、日本人である自分のルーツと向き合う。
安東ウメ子さんの『ウポポ サンケ』(2003年12月)と出合ってからの私は、瞽女唄(ごぜうた)、説経節、盲僧琵琶などを聴くことによって、そうしてきたつもりである。
「根なし草からは花も咲かないし、実もならない」(「伊福部 昭インタビュー」より, 『新交響楽団ホームページ』)

インパクトのあるだみ声ながら穏やかな響きの語り(声)、音楽的な創意工夫が加えられた琵琶の音色や倍音、延々と繰り返される琵琶の軽やかなリズム。6/3(土)に銕仙会能楽研修所で“最後の琵琶盲僧”永田法順師の演奏会を観て以降、それらが頭の中で鳴っている。

永田法順師の演奏会から受け取ったものは大きい。その影響だろう、全集『日向の琵琶盲僧 永田法順』(6CD+DVD+写真集)収録のCDを、ここ3週間ほとんど毎日聴いている。言い換えると、永田法順師の音楽を通じ、何百年も前の世界とつながる感覚を日常的に体験していると言えるかもしれない。
CDを繰り返し聴き、永田法順師から受け取ったものを血肉化したい。

盲僧琵琶が教えるもの(小島美子・国立歴史民俗博物館名誉教授, 『福島民報』「日曜論壇」2006年06月11日)
第九回「琵琶盲僧」(前編)(『続・職業外伝』秋山真志)

2006年06月23日(金)
TOP Antenna MAIL About