doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 黛 敏郎

2CD『伊福部 昭 米寿記念演奏会 完全ライヴ』「定評のある美しか認めぬ人を私は軽蔑する」(アンドレ・ジイド − フランスの小説家)
「芸術家たるものは、道ばたの石の地蔵さんの頭にカラスが糞をたれたその跡を美しいと思うような新鮮な感覚と心を持たねばいけない」(伊福部 昭 − 1946年、管弦楽法の教官として赴任した現在の東京芸術大学での最初の授業における言葉)

伊福部先生は、アンドレ・ジイドの言葉の引用に続き、上記の発言をされたらしい。この時の授業を「忘れることが出来ない」という作曲家の故・黛 敏郎が、そう著している。

伊福部先生の弟子の一人で、多彩な顔を持つ黛 敏郎は、前衛作曲家として1953年にミュージック・コンクレート、1955年にはNHK電子音楽スタジオで制作した日本最初の電子音楽を発表。後者を始めとする同スタジオにおける黛 敏郎の作品は、同スタジオのエンジニアであった故・塩谷 宏への追悼盤CD『音の始源(はじまり)を求めて − 塩谷 宏の仕事 −』等で聴ける(左の画像の上。下は『黛 敏郎: 《涅槃》交響曲、他』岩城宏之 指揮, 2002年発売)。

なお、CD『音の始源(はじまり)を求めて − 塩谷 宏の仕事 −』は、2001年に「増補」となった際、カールハインツ・シュトックハウゼンが1966年にNHK電子音楽スタジオで作った「Telemusik(テレムジーク)」(17分25秒)が追加された。だが、追加収録のクレジットは、表&裏ジャケットにはない。CD未開封での外観では、「Telemusik(テレムジーク)」が追加されているのかわからない。

2006年02月16日(木)
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