doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 『ロックンロール・バビロン』

入れ歯が大きくずれているステージ上のマーク・ボランの写真。6/1発売のT.レックスの3枚組DVD『Born To Boogie』を見ていた時、『ロックンロール・バビロン』に載っているマーク・ボランのショッキングなあの写真を、ふと思い出してしまった。

1950年代から70年代のロックのスキャンダラスな裏面を綴った書籍『ロックンロール・バビロン』(ゲーリー・ハーマン著, 中江昌彦 訳, 白夜書房, 1988年1月30日初版発行, 原著1982年)。本書には、エルヴィス・プレスリーやジェリー・リー・ルイスの特異な性癖の記述や、自家用機の墜落事故で亡くなったオーティス・レディングが湖から引き揚げられている目を背けたくなる現場写真。ブライアン・ジョーンズの変死の5日後、150錠のソディウム・アミタールを飲んで自殺を図り、病室のベッドの枕を大量の血(?)で染める昏睡状態のマリアンヌ・フェイスフルなどが掲載されている。言わば、日本の写真週刊誌にも通じる醜い面があり、コアなロック・ファンなら誰にでもお薦めという類の書籍ではない。

日本ではそのまま掲載するわけにはいかないはずの写真が3点載っていることにも驚かされた。Tシャツ1枚のみ身に着け、ノーパンでステージに立つデボラ・ハリー。トップレス女性のステージ登場に全裸で応じるストラングラーズのベーシスト、ジャン・ジャック・バーネル。白熊の毛皮の敷かれたベッドに全裸で横たわり、イカれた表情でポーズをとるキース・ムーン。デボラ・ハリーの写真は辛うじてOKかもしれないが、後の2枚の写真は当時も今でも問題だろう。

『ロックンロール・バビロン』を買った後年、本書が地元の図書館に置いてあり、このような書籍を蔵書として仕入れるなんてと思いながらページをパラパラめくったところ、キース・ムーンの写真などに修正が入っていた。私が持っている『ロックンロール・バビロン』は、発売日に買った初版本&完全無修正だが、重版もしくは増補新装改訂版(1992年?)は修正入りなのかもしれない。
なお、海外では2002年に『Rock 'N' Roll Babylon』のペーパーバック版が出版されている。







2005年06月07日(火)
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