妊婦健診についてくるこどもたちを見るのは実に楽しいです。
妊娠4か月のお母さん、お膝にまとわりついているお兄ちゃんを見ながら、「もう2才になるのですが、まだおっぱいが大好きで、離れられないんですよ。おっぱいおいしいね!といいながらますます欲しがるのですが、いいんでしょうか?」
おっぱいの話題になると、そばにいるこどもは、不安そうに、どうなるのだろうという顔をします。
その子を見ながら私、「お母さんが嫌でなければいいですよ。」
「私は好きなだけ飲ませてあげようと思うのですが、家族や友人たちが、おなかの子によくないとか、自立ができないとか、赤ちゃんが生まれたら赤ちゃんの分が無くなるとか、いろいろな理由で止めさせた方がいいというのです。」
「大丈夫ですよ。確かにおっぱいを吸われると、お乳を出すホルモンが子宮を固くする働きがあるので、おなかが張ったりはするのですが、それで流産や早産をすることはないのです。それにこどもの自立を邪魔することもありません。」
「ああよかった。」
「妊娠するとこどもは敏感に赤ちゃんが来るのを察知するようで、お母さんを取られまいと思うようです。赤ちゃん返りという現象が起きて、おっぱいを欲しがるということもあります。」
「なるほど。それで私から離れなくなったんですね。」
「ただ、これからホルモンの働きで、お乳が出にくくなりますから、吸われると痛くなることがよくあります。」
「確かに。いまのところ痛みはそれほどでもないので大丈夫かと思います。でも、産んでからが心配です。」
「産んでも飲ませていいですよ。」
「それって、赤ちゃん大丈夫ですか?」
「ええ。同じようなこどもたちが結構いるのですが、お兄ちゃんが全部飲んじゃって困りますというお母さんが抱っこしてる赤ちゃんは、まるまると肥えていることが多いのです。それは上の子と赤ちゃんのおっぱいの吸い方が違うからで、上の子は顎の使い方が大人のようになって、表面の水っぽい分しか吸えないのです。赤ちゃんは舌と上顎でしごくように吸い出すので、奥の方の栄養分いっぱいのおっぱいを十分飲めるのです。」
「そうなんですか。安心しました。よかったね!」と子どもに語りかけました。
子どもも嬉しそうに笑いました。
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