真夜中にお産がありました。
深夜のお産は日中とは違った良いものがあります。
薄暗い分娩室には、産婦さんを照らすろうそくほどの明かりが一筋天井から降り注いでいます。
頑張っているお母さん、付き添っているお父さん、介助している師長、看護師、医師、みんなの思いの先はおなかの赤ちゃんへ集中しています。
その思いがぎゅうっと集約し、生まれた瞬間はじけます。
一斉に、おめでとう!、ありがとう!、よく頑張ったの連呼です。
赤ちゃんの元気な泣き声を交えたしばしの歓声の後、カンガルーケアで母子像のように神々しい姿を柔らかく包む一筋の光に、静寂が訪れます。
とてもいい光景です。
朝の外来は打って変わって緊張気味でした。
予定日を越えて分娩が破水から始まり、数日たっても産まれないお母さんが発熱し、赤ちゃんに危険が迫りました。
お父さんを交えて現状の説明と、対策の相談をして、緊急の帝王切開が決まりました。
麻酔科医派遣を依頼し、全てのスタッフがそれに連動して動き出しました。
池に石を投げるとその波紋は池全体に広がるのと同じです。
幸い、11時には元気な赤ちゃんがお母さんの胸に抱かれていました。
安堵が外来で待たれている妊婦さんも含め、クリニック全体を包みました。
今日も感謝の一日でした。
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