子育て情報交換
sunclinicの日記

2004年02月14日(土) 抱かれることで子どもは育つ

健診に来られたお母さんが“私のことではないのですが、友達が5か月くらいの子供のことで悩んでいるんです。その子は抱かれるといやがるというのです。そんなことってありますか?”と尋ねました。
本来人間の子どもは生まれて1年間は歩くことができません。抱かれることで生命が守られます。泣くこと、笑うことは抱かれるために備わった人間の能力ですし、おっぱいを吸うことは栄養や免疫だけではなく、母親の愛情を勝ち取ることにもつながる、プロラクチンという母性ホルモンを沢山引き出す行為にもなります。しかもこの間に、こころの発達の基礎になる、母親への絶対的信頼感が培われます。ですから、赤ちゃんが抱かれて喜ぶのは当たり前のはずです。
生きることを放棄したとも見える、抱かれることをいやがる行動は何か変です。しかし、このような報告はずいぶん前からありました。日本で知られるようになったのは30年ほど前、アメリカからのmaternal deprivation(母親離断症)という言葉でした。その後、胎児行動学や、赤ちゃんの能力、親と子の絆などについて非常に沢山の研究が行われました。そして、抱かれなくとも静かにしている、親たちを困らせない、いわゆる“いい子”こそ、将来心身に問題を持つ可能性があることが指摘されました。そして抱き癖がつかない“しつけ”がその原因の一つであるといわれました。実際私の経験でも、3日間抱くのを我慢するとほとんど泣かなくなります。
“もしかして、その子はあまり手のかからない、いい子と言ってませんか?”“そういえばたしかそうです。”
一度小児科を受診していただくことと、積極的にスキンシップをしていくことで、だんだん抱っこやおんぶに慣れさせていくように、彼女のお友達に伝えてもらうよう、お願いしました。


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