| 2026年03月01日(日) |
オールド・オーク、マテリアリスト 結婚の条件、スマッシング・マシーン |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『オールド・オーク』“The Old Oak” 2019年10月20日付題名紹介『家族を想うとき』などのイギリ スの名匠ケン・ローチ監督による2023年の作品。2016年製作 の『わたしは、ダニエル・ブレイク』、『家族を想うとき』 と共に英国北東部3部作の最終章とされる作品のようだ。 舞台は2016年、英国北部の炭鉱町。同国の炭鉱も日本と同じ 斜陽産業のようで、町は寂れて空き家も目立っている。そん な空き家の一つに地元のヴォランティアの斡旋でシリアから の難民の一団が引っ越してくる。 しかしその引っ越しには最初から冷たい目が向けられていた もの。それでもその引っ越しを手伝っている地元のパブの主 は毅然とした態度で対処していたが…。彼が営むパブの常連 客からも非難の声は上がってくる。 そんな中で難民の女性が愛用のカメラを壊され、頼られたパ ブの主は長く閉ざしていたパブの別室を開けてそこにあった 古いカメラを修理の当てに提供する。そしてその部屋には炭 鉱町の歴史を綴った写真が飾られていた。 出演は英国北東部3部作全てに登場のデイヴ・ターナー。元 は現地の労働組合役員で、前2作の製作の際に手伝いをして いた流れで本作のオーディションに参加、主演に抜擢された そうだ。 他にイスラエル占領下にあるシリアゴラン高原出身のエブラ ・マリ。元慈善団体事務局員のクレア・ロッジャーソン。そ してローチ監督の1991年作『リフ・ラフ』などのトレヴァー ・フォックスらが脇を固めている。 脚本はインド出身で1996年ローチ監督の『カルラの歌』以来 の盟友とされるポール・ラヴァティが担当している。 日本でも地方に行くと多くのシャッター街が見られるが、英 国も同様のようだ。しかもその原因は政府の失政に依るとこ ろが大きいようで、その非は日本よりも深刻なのかもしれな い。そしてそこに難民が送り込まれた。 日本でも異国の人々との軋轢はいろいろ問題にされて来てい るが、その状況は民衆の右傾化を呼びさらにそれを深刻化さ せる。そんな状況は日本の現状ともぴったり重なるような作 品だった。 ローチ監督の作品は今までにもいろいろ観て来ているが、正 直に言って今までの作品は素晴らしいものであってもやはり 英国(ヨーロッパ)の話であり、観ていて多少の距離はあった 感じがする。しかし本作は違う。 それは正に今の日本が直面している問題に関るものであり、 今の自分に直接訴え掛けられているものだった。僕は恐らく ローチ監督の作品で初めて涙を流した。こんな気持ちに多く の人になって貰いたいものだ。 公開は4月24日より、東京地区はヒューマントラストシネマ 有楽町、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷他に て全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社ファインフィルムズの招待で試 写を観て投稿するものです。
『マテリアリスト 結婚の条件』“Materialists” 2024年2月紹介『パスト ライブス/再会』がデビュー作で高 い評価を受けたセリーヌ・ソン脚本、監督による第2作。前 作は監督自身の出自にも根差したものだったが、今回も彼女 の実体験に基づくものだそうだ。 主人公は大都市ニューヨークの結婚相談所で婚活のマッチメ ーカーとして働く女性。今まで難しいとされる婚活を何度も 成功させ、「天性の婚活カウンセラー」とも絶賛される才能 の持ち主だ。 その手法はマッチメイクする2人の感情だけでなく、両者の 「資産価値」も冷静に判断するマテリアリスト(物質主義者) の考え方。しかしそんな彼女自身は独身で、自分は生涯結婚 することはないとも考えていた。 ところがそんな彼女が自分の手掛けたカップルの結婚式に参 列したとき、高身長、高収入の理想の「資産価値」の男性が 現れる。そこで彼女はその男性を結婚相談所に登録させよう と画策するが…。 その男性は彼女に一目ぼれして彼女に付き合いを申し込んで くる。しかもその会場ではもう1人、彼女が20代の頃に付き 合っていたが「資産価値」が合わずに別れてしまった男性も 登場する。 そんな2人の間で揺れ動く彼女の許に別のマッチメークでの トラブルの訴えが届く。そのため落ち込んだ彼女は、理想の 男性との付き合いを始めてしまうが、彼女の前にいくつもの 問題が生じて行く。 出演は2018年12月紹介『サスペリア』などのダコタ・ジョン スン。2013年11月紹介『スノーピアサー』などのクリス・エ ヴァンス。2025年9月紹介『エディントンへようこそ』など のペドロ・パスカル。 日本ではマッチングアプリが全盛のようだが、アメリカの状 況は実際どうなのかな。アプリこそ究極のマテリアリストだ と思うが、ここに提示されるトラブルは同様に起きる可能性 も感じるものだ。 それは兎も角この作品では、そんなマテリアリストの理想を 超えた真実の愛の行方が描かれて行く。これこそが理想の婚 活なのだろうな。昭和生まれの男性としてはそんな風にも捉 えたが、若い人にはどう映るのだろう。 いずれにしても理想の結婚を目指す素敵な作品が描かれたも のだ。因に監督はブレイク以前にマッチメーカーとして働い ていたことがあるそうだ。 公開は5月29日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて 全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社ハピネットファントム・スタジ オの招待で試写を観て投稿するものです。
『スマッシング・マシーン』“The Smashing Machine” 格闘技家の“The Rock”こと、2013年5月紹介『ワイルド・ スピード/ユーロ・ミッション』などのドウェイン・ジョン スンが自ら権利を獲得して描いた伝説の格闘技家マーク・ケ アーの実話に基づく物語。 オハイオ州出身のケアーは学生時代にレスリングでNCAA ディヴィジョン1のチャンピオンとなり、1990年代後半に始 まったばかりのエクストリーム・ファイティングの世界に参 入。そこでも無敵の強さを発揮し題名の称号を得る。 そんなケアーは1999年、日本の総合格闘技イヴェントPRIDE に参加。しかしそこでは思わぬ結果が待ち受けていた。それ は相手の反則技に屈したもので、試合自体は無効となるが、 彼自身に心には深い傷が残る。 そのため彼の生活は荒んでいったが…。 共演は、2024年5月紹介『フォールガイ』などのエミリー・ ブラント。なおジョンスンとは2021年『ジャングル・クルー ズ』でもコンビを組んだ間柄だ。他にライアン・ベイダー、 バス・ルッテン、オレクサンドル・ウシク。 そして日本のシーンでは大沢たかお、石井慧、光浦靖子、布 袋寅泰(本人役)らが登場して脇を固めている。 脚本と監督は、2025年12月紹介『マーティ・シュプリーム世 界をつかめ』の兄ジョシュと共にサフディ兄弟として活動し てきた弟のベニー・サフディ。単独では初の長編監督作品で ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞に輝いた。 また特殊メイクを2018年『ウインストン・チャーチル』でア カデミー賞®受賞のカズ・ヒロが手掛けている。 その特殊メイクではジョンスンを見事に変身させているもの だが、これが正に格闘技家としてのドウェイン・ジョンスン を描き出しており、普段の映画では見せない真のアスリート の姿になっている。これは元々の“The Rock”ファンにはた まらない作品とも言えそうだ。 それと実話の映画化らしくエンディングロールには実際の写 真も登場するが、そこに映画の巻頭で出てきたペットの写真 が添えられていたのも嬉しいところ。その姿が本物と瓜二つ なのにも感激した。 それにしても兄弟監督が独立したら揃ってアスリートの実話 に基づく物語で、しかも共に転機となる舞台が日本という面 白い巡り会わせだ。 公開は5月15日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて 全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社ハピネットファントム・スタジ オの招待で試写を観て投稿するものです。
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