※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ハルビン』“하얼빈” 1909年<明治42年>10月26日に現在の中国黒竜江省にある鉄道 駅で起きた歴史的事件の背景を描いて、韓国では4週間連続 興行1位を記録したという史実に基づくドラマ作品。 物語の発端は朝鮮半島北部のシナ山。その雪に埋もれた山中 で大韓義軍は劣勢にも拘らず作戦の巧みさで日本軍に勝利。 そしてその指揮を執っていた安重根は捕虜にした日本兵を周 囲の反対を押し切って国際法に基づき開放する。 ところが解放された日本軍の森辰雄少佐は直ちに大韓義軍の 陣地を襲い、多くの義軍兵士を殺害。しかしそこに安重根は いなかった。そこから森少佐は執拗に安を追い詰めて行くこ とになる。 一方の安重根は豆満江を渡ってロシア・クラスキノの隠れ家 に辿り着くも、彼への同志たちの視線は厳しかった。そんな 中で韓国統監を務める日本の政治家伊藤博文がハルビンでロ シアとの交渉に臨むとの情報が伝わる。 そこで韓国独立を実現するため目途として韓国併合を進める 伊藤博文の暗殺が計画されるが…。 脚本と監督は2020年『KCIA−南山の部長たち』で青龍映画賞 作品賞に選ばれたウ・ミンホ。史実に基づく映画作品の名手 が朴正煕大統領暗殺事件に続いて描いた作品だ。 出演は、2023年8月紹介『コンフィデンシャル:国際共助捜 査』などのヒョンビンと、2018年10月21日付題名紹介『それ だけが、僕の世界』などのパク・ジョンミン。それに日本か らリリー・フランキーが伊藤博文役を演じている。 他にチョ・ウジン、イ・ドンウク、チョン・ヨビン、パク・ フン、ユ・ジェミョン。それに2005年7月紹介『私の頭の中 の消しゴム』などのチョン・ウソンらが脇を固めている。 伊藤博文役のリリー・フランキーはエンドクレジットでは何 故か本名も併記されていたが、単なるカメオ出演ではなく、 当時の伊藤博文の思想も述べるなど主人公らとの絡みはない もののしっかりとした役柄だった。 それにしても巻頭の雪山での白兵戦などには、旧来の戦争映 画には見られないような厳しくリアルな戦いの様相が描かれ ており、しかも実際にラトヴィアなどで史実に近い状況での 撮影が行われるなど、渾身の映像が繰り広げられている。 それくらいに大韓義軍への思いが込められた作品ということ もできるだろう。その辺を日本人は心して観なければならな い作品だ。そこに挿し込まれる伊藤博文の演説も、今の日本 の政治に照らし合わせて観る必要も感じた。 中々見事な作品だ。 公開は7月4日より、東京地区は新宿ピカデリー他にて全国 ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社KADOKAWA、KADOKAWA K プラス の招待で試写を観て投稿するものです。
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