井口健二のOn the Production
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2019年11月17日(日) ロング・S、スピード・S/エクスト・J(テッド・B、ナイト・OS、コンプリシティ、花と雨、ファンシ、シグナル、ペット・S、ダウントン・A)

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』
                     “Long Shot”
2016年10月16日題名紹介『ソーセージ・パーティー』などの
セス・ローゲンと、2017年8月27日題名紹介『アトミック・
ブロンド』などのオスカー女優のシャーリーズ・セロンが、
共同製作とW主演を務めるアメリカ政界を舞台にしたラヴ・
コメディ。
ローゲンが演じるのはリベラル派のジャーナリスト。東海岸
でネオナチ白人集団に潜入取材し命からがら脱出するなど、
突撃タイプで敏腕な彼だったが、所属会社が右翼系の巨大メ
ディアに買収されると判り、席を蹴って辞職してしまう。
一方、セロンが演じるのは好感度抜群の国務長官。地球全体
の環境保全を主な政治理念として全世界的な環境政策の取り
纏めに世界中を飛び回っている。その彼女が現職大統領から
次期大統領候補に推薦するとの話を貰う。
そんな一見掛け離れた立場の2人だが、実は彼らには重大な
接点があった。彼女は彼が幼い頃のベビーシッターで、その
当時に生徒会長に立候補していた彼女を、彼は憧れの眼差し
で見詰めていたのだ。
斯くして2人は、彼がBoyz �� Men を聴けるという目的で潜
り込んだ政治家のパーティで再会。そこで彼女は演説の原稿
にユーモアを入れたいという理由で彼を雇い入れるが…。大
統領候補に登って行く中で2人の関係が振り回される。

共演は、アイス・キューブの息子で2018年9月9日題名紹介
『ザ・アウトロー』などのオシェア・ジャクソン・Jr.と、
ジェーン・フォンダの娘で2010年8月紹介『遠距離恋愛/彼
女の決断』などのジューン・ダイアン・ラファエル。
さらにアンディ・サーキス、ボブ・オデンカーク、アレクサ
ンダー・スカルスガルド、ラヴィ・パテルらが脇を固めてい
る。
脚本は、ローゲンの盟友とも言える製作総指揮も務めるダン
・スターリングの原案から、2018年2月4日題名紹介『ペン
タゴン・ペーパーズ 最高機密文書』のリズ・ハナとスター
リングが共同で執筆。
監督もローゲンの盟友で、2011年9月紹介『50/50 フィフテ
ィー・フィフティー』や、2013年6月紹介『ウォーム・ボデ
ィーズ』などのジョナサン・レヴィンが担当した。
現職の大統領がロナルド・レーガンを彷彿させる元俳優で、
その支援者の風貌がトランプを思わせ、さらに地球環境問題
が政策に登場するなど、現アメリカ共和党政権に対する揶揄
も満載の作品で、それは観ていて胸がすく。
恐らくこれが民主党支持者のアメリカ国民の夢なのだろうな
とも思える作品だ。特にマスコミに対する圧力などは、実話
に基づく女性脚本家の前作にも通じるもの。そんなハリウッ
ドの思いが込められた作品とも言える。
ローゲンを始めとするアメリカのコメディはなかなか日本人
には馴染み難いが、本作は政治絡みでさらに難しいかと思い
きや、ラヴコメと政治劇を巧みに掛け合わせて、政治音痴の
日本人にも判り易い作品になっていた。

公開は2020年1月3日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他で
全国ロードショウとなる。

『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』“뺑반”
『エクストリーム・ジョブ』“극한직업/極限職業”
韓国警察が巨悪相手にとんでもない捜査を仕掛けるアクショ
ン作品が2本連続して公開される。
1本目は、元F1レーサーで大企業の会長に成り上がった男
と警察長官の癒着を巡って、本庁内部調査課の女刑事が活躍
するというもの。しかし刑事は長官の圧力で交通課ひき逃げ
専門捜査班に転属となるが…。
その捜査班には妊婦の係長と頼りなさげな巡査がいるだけ。
ところがその巡査が現場で意外な洞察力を発揮。しかも彼ら
は会長が建設中のレースサーキットの周辺で起きた未解決の
ひき逃げ事件を追っていた。
斯くして内部調査課との繋がりを見出した女性刑事は未解決
事件を追って動き出すが、そこには巨大な罠が仕掛けられて
いた。

出演は、2010年2月紹介『今、このままがいい』などのコン
・ヒョジンと、2019年8月11日題名紹介『毒戦 BELIEVER』
などのリュ・ジョンヨル。他にチョ・ジョンソク、ヨム・ジ
ョンア、チョン・ヘジン、ソン・ソック、キム・キボム、イ
・ソンミンらが脇を固めている。
監督は、2013年7月紹介『サイコメトリー〜残留思念〜』の
脚本を手掛けたハン・ジュニ。武術監督として、2019年5月
12日題名紹介『無双の鉄拳』などのホ・ミョンヘンが参加し
ている。
2本目は、麻薬組織の壊滅を狙って張り込みをしていた落ち
こぼれ気味の捜査班が、組織の拠点の向かいに建つフライド
チキン屋を隠れ蓑に、店を経営しながら捜査を続けるという
奇想天外な作品。
しかもその店が大繁盛して、捜査どころではなくなってしま
うのだが…。これに警察内部の確執なども絡まってとんでも
ない顛末となって行く。

出演は2012年8月紹介『高地戦』などのリュ・スンリョン。
他にイ・ハニ、チン・ソンギュ、イ・ドンフィ、コンミョン
らが脇を固めている。監督は2012年5月紹介『サニー 永遠
の仲間たち』の脚本を手掛けたイ・ビョンホン。
どちらもアクション中心の作品だが、前者はそれなりの推理
などもあってその点は面白い。対する後者はコメディの要素
も強く、あれよあれよという間に事件は勝手に解決してしま
うという感じかな。
それと後者では、撮影中に463羽が調理されたというフライ
ドチキンの描写も見事で、久し振りに丸亀の「骨付き鳥」が
食べたくなるという思いもした作品だった。

公開は『スピード・スクワッド』が12月13日より、『エクス
トリーム・ジョブ』が2020年1月3日より、いずれも東京は
シネマート新宿、大阪はシネマート心斎橋他で全国ロードシ
ョウとなる。

この週は他に
『テッド・バンディ』
    “Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile”
(ザック・エフロンが稀代の連続殺人鬼とされた男を演じる
実録ドラマ。先に登場はリリー・コリンズが扮するシングル
マザー。幼い娘をベビーシッターに預け外出したバーで2人
は出会う。そしてジュークボックスの音楽に誘われた2人は
彼女の家で一夜を過ごすが…。一緒に暮らし始めた2人は、
彼が他州で起きた連続殺人の容疑で指名手配されていること
を知る。さらに死刑を認める州の一つフロリダで逮捕された
彼は、テレビの全国中継という異例の裁判に向かうことにな
り、そこにはグルーピーも集まり始める。共演は2019年8月
18日題名紹介『クロール 凶暴領域』などのカヤ・スコデラ
リオ。他にジョン・マルコビッチ、ハーレイ・ジョエル・オ
スメントらが脇を固めている。作品は妻が発表した手記に基
づき、監督は2004年にメタリカのドキュメンタリーなどを手
掛けたジョー・バリンジャーが担当した。公開は12月20日よ
り、東京はTOHOシネマズシャンテ他で全国ロードショウ。)

『ナイト・オブ・シャドー-魔法拳-』“神探蒲松龄”
(ジャッキー・チェンが中国・清代の作者・蒲松齢に扮する
VFX満載のアクションファンタシー。作家は怪異短編集の
「聊斎志異」で知られ、映画ではその作家が「陰陽の筆」の
力を使って邪悪な妖怪たちを書物の中に封印して行くもの。
そして本作では、作家とその弟子が連続少女誘拐事件の謎を
追って2人の美女妖怪と対決する。しかしそこには蛇の妖怪
だった男の哀しい恋物語が隠されていた。中国の妖怪譚には
男女の悲恋を背景とするものが多いが、本作でもそれは踏襲
される。そしてそれを如何に解決するかが焦点となるが…。
共演は2010年11月紹介『モンガに散る』などのイーサン・ル
アン、2019年1月20日題名紹介『芳華 Youth』などのエレイ
ン・チョン。他にリン・ボーホン、リン・ポンらが脇を固め
ている。監督は中国第七世代と呼ばれるヴァッシュ・ヤン。
CG処理で若返ったジャッキーも見どころとされる作品だ。
公開は2020年1月より全国ロードショウ。)

『コンプリシティ 優しい共犯』
(藤竜也と2006年12月紹介『孔雀』がデビュー作という中国
俳優ルー・ユーライ共演で、技能実習生として来日し違法滞
在する人たちの実情を描いた作品。主人公は技能を学べると
信じ来日するが、夢破れ他人の在留カードを買って別人とし
て働き始める。そこは中国生まれの日本人男性が帰国して開
いた日本蕎麦の店だったが…。蕎麦打ちの修行を続ける中で
穏やかな師弟関係が築かれて行く。共演はファッションモデ
ルの赤坂沙世、舞台女優の松本紀保。脚本と監督は、藤主演
の短編作品で各国映画祭の受賞に輝いている近浦啓の長編デ
ビュー作となる。本作も東京フィルメックスでの観客賞など
受賞しているようだが、根本的に主人公2人は犯罪者なので
あって、その点をうやむやにした結末はいかがなものか。こ
こは字幕で説明するか、思い切って数年後に北京で開店して
いるような結末が欲しかった。公開は2020年1月17日より、
東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)

『花と雨』
(東京都出身だが幼少期ロンドンで過ごしたという伝説(?)
のラッパー SEEDAのリリックを基に、同じ経緯で社会から疎
外された若者の彷徨が描かれる。それは大麻草の栽培など麻
薬に彩られたものになるが…。出演は2019年9月紹介『羊と
オオカミの恋と殺人』などの笠松将。2012年10月紹介『カミ
ハテ商店』などの大西礼芳、2018年11月25日題名紹介『半世
界』などの岡本智礼。他につみきみほ、松尾貴史らが脇を固
めている。本作の主人公も上記と同様に犯罪者だが、本作で
は一度逮捕される描写はあるもののその後も再び売りに走る
など、犯罪に対する認識が少し甘いようにも感じる。マスコ
ミ資料に掲載されたリリックに直接的な表現は見当たらない
が、隠語があるのかな。脚本と監督はインスタレーションや
MVを多く手掛ける土屋貴史の長編デビュー作。社会的には
少し心配もある作品だ。公開は2020年1月17日より、東京は
ヒューマントラストシネマ渋谷他で全国ロードショウ。)

『ファンシー』
(2007年4月紹介『テレビばかり見てると馬鹿になる』など
の山本直樹原作を、テレビシリーズの脚本や2008年10月紹介
『ノン子36歳』のメイキングなどを手掛けてきた廣田正興の
脚本、初監督で映画化した作品。本業は彫師だが局員らが皆
副業を持つ郵便局の配達員の男性と、彼が毎日ファンレター
を配達するペンギンと自称する詩人。さらに詩人の許に押し
掛けてきたファンの女性がちょっと不思議な世界観の物語を
展開する。出演は永瀬正敏、窪田正孝、小西桜子。他に深水
元基、尚玄、榊英雄、佐藤江梨子、宇崎竜童、田口トモロヲ
らが脇を固めている。物語の舞台となる温泉街ではヤクザが
抗争を繰り広げていたり、かなり殺伐としているはずなのだ
が、映画はふわふわしたムードの中で、それなりにHシーン
なども織り込んで展開される。因にヤクザの話は原作にはな
いそうでその発想にも驚いた。公開は2020年2月7日より、
東京はテアトル新宿他で全国順次ロードショウ。)

『シグナル100』
(2017年9月紹介『不能犯』の宮月新原作によるコミックの
映画化。教師によって自殺催眠を掛けられた1クラス36人の
生徒が、最後の1人になれば催眠は解けるという条件の下、
引き金となる100個のシグナルを解明し、あるいは級友を自
殺に追い込んで自分は助かろうとするサヴァイヴァル劇。と
言うよりは自殺する生徒の死に様を描く究極の殺戮劇。同様
の生徒同士の殺し合いでは、2000年公開の『バトル・ロワイ
アル』が、その原作では顰蹙を買ったものの、映画化は同年
のキネ旬ベスト10で第5位に選ばれるなど高評価で、続編が
作られるほどのヒットとなった。本作も同じ道を歩めるのか
な? 出演は橋本環奈、中村獅童。他に小関裕太、瀬戸利樹
らが脇を固めている。脚本は2019年5月26日題名紹介『ザ・
ファブル』などの渡辺雄介。監督は2019年10月13日題名紹介
『オルジャスの白い馬』などの竹葉リサが担当した。公開は
2020年1月24日より、全国ロードショウ。)

『ペット・セメタリー』“Pet Sematary”
(2019年9月29日題名紹介『IT イット THE END』に続くス
ティーヴン・キング原作の映画化で、1989年公開作品のリメ
イク。原作はキング自身が出版を躊躇ったというほどのもの
だが、映画化は原作なしの続編は作られたものの、それほど
のものではなかった印象を持つ。それはキングの原作自体に
も問題があったと感じるが。今回のリメイクではその問題点
が解消され、観ていて納得のできる作品になっていた。その
改変は原作のファンにはどう映るか判らないが、子育てをし
た自分には理解できる気もしたものだ。出演はジェイスン・
クラークと、2017年『エイリアン:コヴェナント』などのエ
イミー・サイメッツ。それにジョン・リスゴーと子役のジュ
テ・ローレンス。脚本は2003年3月紹介『サラマンダー』な
どのマット・グリーンバーグの原案を基に執筆され、監督は
ケヴィン・コルシュ&デニス・ウィドマイヤーが務めた。公
開は2020年1月17日より、全国ロードショウ。)

『ダウントン・アビー』“Downton Abbey”
(2010年から2015年まで6シーズンに亙って放送された人気
テレビシリーズの劇場版。シリーズの最終回から2年後を背
景に、英国王夫妻の来訪を迎える大邸宅の主から使用人まで
の喧騒が描かれる。実はテレビシリーズを観ていなかったの
でキャラクターの把握などを心配したが、映画は往時の英国
貴族の暮らしぶりを描いたもので、その点では難なく物語に
入って行けた。しかもその中での庶民の反撃が描かれること
は、観ていて胸のすく思いもするものだった。出演はマギー
・スミス、ヒュー・ボネビル、ジム・カーター、ミシェル・
ドッカリーらのテレビのレギュラー陣に加えて、2018年5月
27日題名紹介『輝ける人生』などのイメルダ・スタウントン
らが新登場する。脚本はシリーズに引き続いてのジュリアン
・フェローズ、監督もシリーズからのマイクル・エングラー
が担当。物語はシリーズの視聴者でなくても充分楽しめた。
公開は2020年1月10日より、全国ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。


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井口健二