| 2019年08月18日(日) |
生理ちゃん、二ノ国(東京アディオス、クロール 凶暴領域、残された者 北の極地、KUSAMA: INFINITY) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『生理ちゃん』 2019年「手塚治虫文化賞短編賞」を受賞した小山健原作 Web コミックスを、2019年7月14日題名紹介『人間失格』などの 二階堂ふみ主演で実写映画化した作品。 主人公は中堅の女性編集者。仕事も恋も充実しているつもり だが、全てが順調という訳ではない。そんな彼女が後輩の尻 拭いでデートもままならなくなった日に、生理ちゃんがやっ てくる。それは腹にパンチを食らわせたり、血を抜いたりと やりたい放題だが…。 この他、担当する雑誌の連載コラムに匿名のブロガーを起用 しようとする話や、主人公の妹とそのボーイフレンドの話。 さらに思いを寄せる男性の亡くなった前妻の忘れ形見の少女 の話など、女性の直面する様々な出来事が、そんな女性の心 にそっと寄り添う生理ちゃんと共に描かれる。 それは原作コミックスからそのまま抜け出したキャラクター や、さらに童貞くん、性欲くんといったブサカワと称される 造型が次々に登場して、登場人物を困らせたり、愚痴を聞い たり、後押ししたりなど、全体はコメディの仕様で、様々な 活躍を見せる作品だ。 共演は2018年6月3日題名紹介『榎田貿易堂』などの伊藤沙 莉、2018年4月29日題名紹介『兄友』などの松風理咲。他に 岡田義徳、須藤蓮、狩野見恭兵、豊嶋花、信太昌之、藤原光 博らが脇を固めている。 脚本は赤松新。監督は品田俊介。いずれもテレビでの実績は あるが、映画は初挑戦の俊英が担当している。 筆者は男性だから生理に関して女性の本当の悩みの部分は判 らないし、また原作コミックスの評価を観ても賛否両論ある ようだ。しかし部外者の目で本作の物語はそれなりに面白い し、悩みに関しても多少は理解できたかなあ、という気分に はさせてくれた。 それに後半の編集長が倒れるシーンは、多分尿路結石だと思 われるが、僕自身が体験者としてその猛烈な痛みは理解ので きるもの。その罹病の際にも結石は女性の生理の痛みと比較 されると言われたものだが、このシーンではその通りなのだ ろうという思いには至った。 この他にも男性の立場に立った描写もいろいろあって、僕は 男性も共感できる作品になっていると感じたものだ。まあこ の映画の場合は脚本家も監督も全員男性なのだから、それは 当然か? 女性の意見は判らないが、男性としては観ていて いろいろ考えさせてはくれる作品だ。 公開は11月8日より、東京はヒューマントラストシネマ渋谷 他にて全国順次ロードショウとなる。
『二ノ国』 『イナズマイレブン』などで知られるゲームソフト開発会社 レベルファイブが2010年に発表開始したRPGシリーズに基 づく物語を、自らの手で長編アニメーション化した作品。 製作総指揮・原案・脚本の日野晃博、監督の百瀬義行、音楽 の久石譲は、いずれもゲームのスタッフがそのまま担当して いる。 物語の始まりは現代の日本。主人公の高校生は幼い頃の事故 で両親を亡くし、自身も足が不自由で車椅子を使っている。 そんな主人公には幼い頃からの親友がいて、バスケットでも 活躍する活発な彼は、学内の人気者でもある。 そんな人気者には相思相愛のガールフレンドがいて、3人で 行動することも多かったが、実は主人公も秘かに彼女を思っ ていた。その彼女が通り魔に襲われ、駆け付けた主人公の前 で致命傷を負ってしまう。 ところが後から来た親友の行動は3人を危機に陥れ、その瞬 間に彼らは別の世界に飛ばされていた。そこは中世を思わせ る世界で、その街中で意識を取り戻した主人公と親友は姿の 見えない彼女を探すが…。 彼女はその世界では城に住む姫で、しかも呪術によって危篤 の状態だった。 声の出演は、山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁。他に2019年 8月11日題名紹介『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第 一章』などの宮野真守、2017年1月15日紹介『黒執事 Book of the Atlantic』などの坂本真綾。 さらに『銀河英雄伝説』などの梶裕貴、『テニスの王子様』 などの津田健次郎。また山寺宏一、伊武雅刀、ムロツヨシら が脇を固めている。 物語は、2018年に発表のゲームシリーズ最新作『二ノ国�� レヴァナントキングダム』の設定を主にしているものだが、 主人公が高校生であるなどの「一の国」の展開はオリジナル のようだ。 そこで主人公と親友の関係性などは成る程と思わせるものに なっているのだが、最後にそれが明らかになった時のカタル シスが少し弱いかな。多分それは言葉での説明が主になって いるせいで、ここにはもう一つドラマが欲しかった。 それともう1点、水彩画のような背景はゲームもそうなのか もしれないが、映画でファンタシー世界を描くのにそれが適 当かどうか。映画の背景はもっとクリアであって欲しいとは 思うものだ。 それは例えば1995年のジブリ作品『耳をすませば』の劇中劇 「バロンのくれた物語」に採用された「イバラード」のよう な存在感。ファンタシー物語の背景にはこれくらいのものが あって欲しい感じがする。 でもまあゲームのファンには本作の方が良いのかな。それを 変えてしまうのは得策ではないという考えは理解するが。 公開は8月23日より、全国ロードショウとなる。
この週は他に 『東京アディオス』 (冒頭ナレーションで、東京には2000(?)人以上の芸人がい て、それはギネス級ではないかとされる。そんな中でテレビ などで活躍しているのはほんの一握り。大半はバイト収入で 困窮した暮らしを続けながら、ギャラもほとんど出ないライ ヴ会場でネタを披露している。「地下芸人」と称される彼ら は2通りで、何時かは売れたいとする者と逆に地下でしかで きないネタを追求する者。本作は後者の代表とも言える地下 芸人・横須賀歌麻呂が自身を演じるドキュメンタリーとフィ クションが交錯する作品だ。共演は2017年2月26日題名紹介 『破裏拳ポリマー』などの柳ゆり菜、2006年12月紹介『素敵 な夜、ボクにください』などの占部房子。さらにコムアイ、 玉山鉄二、村上淳。またチャンス大城、柴田容疑者ら地下芸 人も多数登場する。脚本と監督はテレビで『女王の教室』な どを手掛けた大塚恭司の映画デビュー作。公開は10月11日よ り、東京はシネ・リーブル池袋にてロードショウ。)
『クロール 凶暴領域』“Crawl” (アメリカ・フロリダの低海抜地帯を舞台に、最大級のハリ ケーンが接近する中、連絡の取れない父親を捜しに主人公が 空き家になった実家を訪れると、そこは巨大な人食いワニの 巣窟になっていた…、というワニワニパニック・ムーヴィ。 製作は2016年11月紹介『ドント・ブリーズ』などのサム・ラ イミ。脚本は2011年6月紹介『ザ・ウォード』などのマイク ル&ショーン・ラスムッセン。監督は2011年7月紹介『ピラ ニア3D』などのアレクサンドル・アジャ。出演は、2013年 3月紹介『17歳のエンディングノート』などのカヤ・スコデ ラリオと、2012年5月紹介『プリンセス・カイウラニ』など のバリー・ペッパー。主人公は競泳の選手という設定だが、 それでも人間が泳ぎでワニに勝てる可能性はほとんどないと 思う。でもそんなことは別にしてハラハラドキドキの映画に はなっている。ただし主人公が自分の家のことを知らなすぎ とは思ったが。公開は10月11日よりロードショウ。)
『残された者 北の極地』“Arctic” (2019年7月28日題名紹介『アダムズ・アップル』などのマ ッツ・ミケルセン主演で、小型機の事故により北極の地に取 り残された男性を描いた作品。主人公は雪原に大きくSOS の文字を描き、1日1回の無線による救難信号の発信や、魚 を獲ったり、獲った魚を調理するなどの仕事をルーティーン にして過ごしている。それは生き延びて行くための確実な方 策だった。ところが飛来したヘリコプターが着陸に失敗して 大破し、中から瀕死の女性を救出する。そこで主人公は、彼 女の命を救うために行動を始めなくてはならなくなるが…。 白夜らしく陽の沈まない中で腕時計のタイマーに合わせた生 活や長く伸びた影など、正に現地ロケでしか描けない風景の 中でドラマが展開される。脚本と監督は、テレビ俳優の傍ら 短編やテレビシリーズの演出を手掛けてきたジョー・ペナの 長編デビュー作のようだ。公開は11月8日より、東京は新宿 バルト9他で全国ロードショウ。)
『KUSAMA: INFINITY(原題)』“Kusama: Infinity” (1929年生まれで、今も旺盛な創作活動を続ける女性芸術家 の半生を、多数の関係者や評論家、画商、芸術家仲間、さら に美術館の学芸員などへのインタヴューを基に描いたドキュ メンタリー。草間の作品は水玉のアートやカボチャの造形な ど目にしたことは多かったが、ここに描かれたのは半生その ものが波乱万丈で、全くもってスクリーンから目が離せなく なる作品だった。しかも現在もなお創作を続けている様子や その間に発する言葉なども収録されており、そこにインタヴ ューや過去の活動の様子、トラブルのアーカイヴ映像なども 挿入され、これはファンにはたまらない作品と言えそうだ。 この手の芸術家のドキュメンタリーでは、2018年7月15日題 名紹介『太陽の塔』もあったが、本作で感じるのは制作者ら の草間に対する愛情だ。それも心地よい作品になっている。 脚本と監督はヘザー・レンズ。公開は11月下旬より、東京は CINE QUINTO SHIBUYA PARCO(仮称)他で全国ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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