| 2019年08月11日(日) |
イエスタデイ、ロボット2.0(人生をしまう、つつんでひらいて、銀河英雄伝説第一章、毒戦BELIEVER、3人の信長、台風家族、いつかのふたり) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『イエスタデイ』“Yesterday” 2003年12月紹介『ラブ・アクチュアリー』などを手掛けたリ チャード・カーティスの脚本を、2009年1月紹介『スラムド ッグ$ミリオネア』などのダニー・ボイル監督で映画化した ファンタシー要素の強い音楽作品。 主人公は地元のパブなどで営業しているセミプロのミュージ シャン。幼馴染みの女性が学校教師の傍らでマネージャーを 務め、地元では幼馴染みが中心のファンもいる。しかし漸く 射止めたロックフェス出演で自らの限界を感じた主人公は、 音楽活動の終了を決意する。 そんなことでの帰路、マネージャーとは気まずい別れをして 自転車で帰宅の途中。突如全世界を襲った12秒間の停電の中 で、信号の消えた交差点に侵入した主人公はトラックに跳ね 飛ばされてしまう。とは言え悲惨な怪我の割には生命に別状 はなかったが…。 そんな怪我も癒えた快気祝いの席でアコースティックギター を贈られた主人公は、ふとビートルズの「イエスタデイ」を 弾き語る。しかしそれがとんでもない事態を引き起こす。そ こに居合わせた誰もその名曲を知らなかったのだ。何と12秒 間の停電は主人公を並行世界に送り込んでいた。 斯くしてビートルズの名曲を次々披露した主人公は、瞬く内 に音楽界のヒーローになってしまう。 出演は、BBCで1985年に放送開始のシリーズ“EastEnders” に2007年から16年まで登場し、スピンオフの短編シリーズま で製作されたタムワー・マスード役でブレイクのヒメーシュ ・パテル。 他に2017年6月25日題名紹介『ベイビー・ドライバー』など のリリー・ジェームズ、2016年7月17日題名紹介『ゴースト バスターズ』などのケイト・マッキノン。さらに2013年12月 紹介『ホビット・竜に奪われた王国』のエンディング曲で知 られるエド・シーランが本人役で登場して脇を固める。 著名な音楽グループの楽曲を使用した作品では、最近続編も 作られた2008年『マンマ・ミーア』などもあったが、ほとん ど無関係な物語が展開される同作に比べると、本作では正に ビートルズへの愛が感じられるものだ。 またビートルズの楽曲に限って言えば、2008年5月紹介『ア クロス・ザ・ユニバース』も思い出されるが、本作では楽曲 そのものにフォーカスされて、これもイギリスが生んだ偉大 なグループへの愛に溢れている。 そして全体がパラレルワールドものというのも、僕にとって は極めて大きな魅力になっているもので、さらに後半には、 SFファンの心を掴む展開と、正しく現代を反映した仕掛け も施されている。 本当に見事と言えるファンタシー作品だった。 公開は10月11日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国 ロードショウとなる。 考えてみれば、リチャード・カーティスには2014年6月紹介 『アバウト・タイム愛おしい時間について』があり、ダニー ・ボイルには2003年6月紹介『28日後...』や2013年『トラ ンス』などがある訳で、2人ともSFの造詣は深い。 そんな2人がSFの特質を最大限に活かして作り上げた作品 とも言えそうだ。
『ロボット2.0』“2.0” 2012年3月紹介『ロボット』の続編。2010年製作の作品が、 主演のラジニカーント(2役)、脚本・監督のシャンカール、 音楽のA・R・ラフマーンもそのままに復活した。 映画はかなり衝撃のシーンから始まる。しかしそのシーンと 本編との繋がりも定かでないままに、事件が勃発する。それ は街中のスマートフォンが消えるというもの。しかも新に搬 入されたスマホで人が殺される事態も発生する。 この事態に天才科学者バシー博士は、助手ロボットのニラー と共に事件の調査に乗り出す。その一方で消えた無数のスマ ホが合体し、巨大な怪鳥となって人々を襲い始める。それは 軍隊でも抑えられないパワーを持っていた。 これに対してバシー博士は、前作での暴走により解体された チッティの復活を提案。そして怪鳥に襲われた多数の人々を 復活したチッティが危機一髪で救出するが…。事件は新たな 局面を迎えようとしていた。 共演は、2014年1月紹介『デリーに行こう!』などのアクシ ャイ・クマールと、イギリス・マン島の出身で2010年頃から ボリウッドでキャリアを積み、DCコミックスのTVシリー ズ“Supergirl”にも出演のエイミー・ジャクスン。 映画は冒頭のシーンがかなり衝撃で、その背景が徐々に明ら かになると共に、それは社会問題の提起にも繋がっている。 それがコメディが基調の映画の割には予想以上に重いテーマ だった。 そこにはインド特有の事情もあるようだが、全体的には日本 人にも理解できる社会問題と言える。それは利便性だけを追 い求める現代人への警鐘とも取れるもので、こういう社会批 判的な作品がヒットするのも見事なことだ。 この他、映画の中には過去の作品に対するオマージュのよう なものも点々と描かれるが、その中で2002年8月紹介『オー スティン・パワーズ』への絡みでは、昨年4月に亡くなった 俳優ヴァーン・トロイヤーへの思いもあったのかな。 今回日本で公開される上映時間147分は、オリジナルとほぼ 同じのようだが、正直に言っていろいろな要素が詰め込まれ すぎて、観終わっても整理がなかなかつかない感じもした。 でもそれくらいにサーヴィス精神旺盛な作品でもある。 それにしても主演のラジニカーントは1950年の生まれだそう で、それが前作と変わらない風貌なのも恐れ入ったが。さす がに踊りのシーンは…なものの、正にスーパースターの貫禄 だった。 公開は10月25日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード ショウとなる。
この週は他に 『人生をしまう時間(とき)』 (2018年6月にNHK BSで放送され、日本医学ジャーナリスト 協会賞大賞を受賞したドキュメンタリー番組に、新たなシー ンも追加した決定版。埼玉県新座市の堀ノ内病院に勤務する 小堀鴎一郎医師を中心に、自宅で末期を迎えようとする人々 と、その患者に付き添う訪問診療医との姿が描かれる。小堀 医師は東大病院で外科の名医と謳われた人。そんな医師が定 年退職後に赴任した病院では、在宅患者を巡回してその最期 を看取り続ける。そしてもう1人、堀越洋一医師は国立国際 医療センターからアジア、アフリカ、南米に派遣されて、医 療関係の技術協力などに携わってきた。その医師が在宅での 看取りを見据えた訪問診療を続けている。そこには様々な家 族の事情などもあり、それは現代日本のいろいろな側面が見 て取れるような作品にもなっている。監督と撮影はNHKエ ンタープライズ所属の下村幸子。公開は9月21日より、東京 は渋谷のシアター・イメージフォーラムでロードショウ。)
『つつんで、ひらいて』 (2018年10月7日題名紹介『夜明け』で監督デビューを果た した是枝裕和、西川美和主宰「分福」所属の広瀬奈々子が、 今までに1万5000冊以上を手掛けたという装幀者・菊地信義 の仕事ぶりを3年間に亙って追ったドキュメンタリー。その 基本は自己模倣をしないということで、常に新しいことを考 えながら仕事が続けられる。その中には営業上実現しなかっ たものもあるようだが、丁寧な仕事ぶりは印刷所や製本所へ 出向いての対応にも表れている。ということで装幀者の業績 は良く伝わってくる作品だ。しかし装幀者本人に関してはそ の人間性みたいなものがあまり伝わってこなかったかな。そ こには旧知の編集者との酒宴なども紹介されるが、家族や家 庭なども描かれず、全体としては装幀者の業績カタログのよ うな感じで、勿論それも価値のある作品ではあるのだが…。 公開は今秋、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム他 で全国順次ロードショウ。)
『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章』 (田中芳樹が1982年から87年までに発表した全10巻からなる SFシリーズのアニメ化。すでに1988年から2000年にかけて OVAシリーズなどで映像化されていた作品が、2018年から テレビシリーズとして新規製作され、第1シーズン全12話に 続く第2シーズンが4話ずつ3章に分けて劇場公開される。 という経緯の作品だが、第一章とされた映画の始まりがいき なり第13話というのはかなり面食らった。しかも物語は戦闘 シーンの途中からで、第1シーズンを観ていない者にはハー ドルが高い。でもまあ原作やアニメのファン向けということ ではこれでOKなのだろうな。しかも本章の物語は、帝国の 皇帝が急死して内紛が始まる辺りからだから、ここから後の 展開は面白そうだ。製作は2012年2月紹介『ももへの手紙』 などのProduction I.G. なお残る2章も後日紹介できる予定 だ。劇場公開は9月27日より、東京は新宿ピカデリーの他、 全国35館にて3週間限定ロードショウ。)
『毒戦 BELIEVER』“독전” (2012年にジョニー・トーが監督した香港映画『ドラッグ・ ウォー 毒戦』の韓国版リメイク。巨大麻薬組織のボスの座 に君臨する“イ先生”。警察は組織壊滅のためにそのボスを 追っていた。しかし本名も素顔も組織の上層部の人間でさえ 知る者はいなかった。そんな折、麻薬精製工場が爆破され、 そこに集まった幹部の多くが殺される中、中国との連絡役の 男が救出される。そこで警察は組織から排除されそこなった 男に協力させ、中国のバイヤー向けと韓国の組織向け、二重 の舞台を使ったトリックでボスのおびき出しを図るが…。出 演は2017年2月5日題名紹介『お嬢さん』などのチョ・ジヌン と、2018年3月紹介『タクシー運転手 約束は海を越えて』 などのリュ・ジョンヨル。脚本を『お嬢さん』などのチョン ・ソギョンが手掛け、2015年『京城学校 消えた少女たち』 などのイ・ヘヨンが監督した。公開は10月4日より、東京は シネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)
『台風家族』 (2013年5月紹介『箱入り息子の恋』などの市井昌秀オリジ ナル脚本、監督による作品。映画の始まりは老年カップルに よる銀行強盗。2000万円を奪い金ピカの霊柩車で逃走する。 それから10年、犯人の住まいだった家に子供たちが集まって くる。犯行後は行方不明だった両親の法的死亡が認められ、 形式的な葬儀を行って財産分与をしようというのだ。そして 葬儀も済み、現れない末弟を除く3人で話し合いが始まる。 しかし長く疎遠だった兄弟の間にはいろいろな思惑が生じて いた。疑心暗鬼が渦巻く中でそれぞれが抱える事情も明らか になって行く。出演は草��剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千 子。他に若葉竜也、相島一之、榊原るみ、藤竜也らが脇を固 めている。自分も両親が亡くなった時にはいろいろあったか ら、本作には正にあるあるな感じで観ながらかなり笑わせて もらった。公開は9月6日より、東京はTOHOシネマズ日比谷 他で全国ロードショウ。)
『いつかのふたり』 (2017年7月23日題名紹介の黒沢清監督『散歩する侵略者』 や瀬々敬久監督作品などで助監督を務めてきた長尾元のオリ ジナル脚本による監督デビュー作。離婚した母親と共に東京 で暮らす女子高生が、卒業を前に小説家を志して大阪に住む 作家を訪ねる。そして作家も書生として受け入れることを認 めるが…。娘は母親を1人残して行くことが心配になり、母 親も娘と一緒に大阪に行くべきか迷う。そんな親離れ子離れ の出来ない母娘の物語。出演は2019年3月31日題名紹介『小 さな恋のうた』などの中島ひろ子と、2017年『チア☆ダン』 などの南乃彩希。他に仁科貴、田中隆三、霧島れいか、岡田 義徳らが脇を固めている。監督の言いたいことは理解する。 しかしだから何なのという辺りで共感が持てない。僕自身は 男性だから母親と娘の関係などは理解し難いが、もっと普遍 的な共感できる仕掛けが欲しかった。公開は10月12日より、 東京は新宿K's cinema他で全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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