井口健二のOn the Production
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2019年04月07日(日) オーヴァーロード、アナと世界の終わり(夜会工場VOL.2、今日も嫌がらせ弁当、バイオレンス・ボイジャ、こはく、さよなら/退屈なレオニー)

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『オーヴァーロード』“Overlord”
『スター・ウォーズ』『スター・トレック』という2大SF
シリーズの監督を務めるJ.J.エイブラムスが、製作を担当
している第2次世界大戦を背景とした作品。
映画の開幕はDデイ。フランスのノルマンディー海岸に向う
連合艦隊の上空を、主人公ら空挺部隊の乗った輸送機が飛び
越えて行く。彼らの任務は、ナチス占領下の村の教会に設置
された妨害電波の電波塔を排除すること。それは上陸作戦の
成否を左右する重大な任務だった。
ところが激しい対空砲火の中、低空飛行せざるを得ない輸送
機は次々に撃墜され、主人公らの乗った機も被弾。墜落寸前
に何人かは降下できたものの、地上の集合地点に辿り着いた
のはほんの数人だった。それでも地元の住民の助けも借りて
任務を遂行しようとする彼らだったが…。
村人の情報から電波塔の置かれた教会では、並行してナチス
の秘密研究が行われていることも判明。そのため警備も厳重
で少人数の攻撃では破壊は困難と判断される。それでも活路
を求める彼らは思わぬ突破口を見出し、任務の遂行を可能に
して行く。

出演は、舞台中心の活動で2017年にはダーレン・アレノフス
キー監督作品にも出ているジョヴァン・アデポ。俳優カート
・ラッセルの息子で2016年10月2日題名紹介『エブリバディ
・ウォンツ・サム!!』などのワイアット・ラッセル。
さらに2017年4月紹介『ゴースト・イン・ザ・シェル』など
のピルー・アスペック。フランスの新進女優マティルド・オ
リヴィエ。2007年9月紹介『ブレイブワン』などのジョン・
マガロらが脇を固めている。
脚本は、2012年7月紹介『ハンガーゲーム』などのビリー・
レイと、2007年10月紹介『モーテル』などのマーク・L・ス
ミス。監督は短編映画出身で本作が長編2作目のジュリアス
・エイヴァリーが担当した。
開幕直後の対空砲火を浴びる輸送機のシーンは凄い迫力で、
これはとんでもない戦争映画を予感させる。そして地上に降
りてからも巧みな戦争シーンが展開されて行くのだが…。何
と言っても製作者はエイブラムス。映画の後半はあれよあれ
よという間に、とんでもない展開になっていた。
これはまあ僕らにとっては期待通りというか、思わずニヤつ
いてしまうものだが。観客の選り好みは生じてしまうかもし
れない。でもそれは製作者の名に免じて許して欲しいという
感じかな? いや本当に僕には期待通りの作品だった。
ナチスの秘密研究ものというのは、SF映画のサブジャンル
の一つとも言えそうだが、展開はほぼ同様になってしまう中
で、本作では捻りもあり、戦争場面もしっかりと作られて、
このジャンルの集大成とも言えそうな感じだ。
試写の直後には結末にもう一発外連があっても、という意見
もあったが、これはあえて続編を拒絶するという意味合いか
もしれない。でもまあ作るとなったら作ってしまうのもエイ
ブラムスだろう。それも期待したくなる。

公開は5月10日より、全国ロードショウとなる。

『アナと世界の終わり』“Anna and the Apocalypse”
ファンタシー映画祭の老舗の一つであるシッチェス・カタロ
ニア国際映画祭で、2017年のミッドナイト・エクストリーム
部門・最優秀作品賞を受賞した作品。
クリスマス時期のイギリスの田舎町を舞台に、突然蔓延した
ゾンビ禍と戦う高校生たちを描く。しかもその展開がミュー
ジカル仕立てという作品だ。
主人公のアナの家は、彼女が幼い時に母親を亡くした父子家
庭。それでも学校の用務員を務める父親にしっかりと見守ら
れて育ってきた。そして彼女も大学進学を目指せるくらいに
優秀だったが…。
彼女の周囲にはちょっとダサい幼馴染みのジョンや、人目も
はばからないラヴラヴカップルのクリスとリサ、オラオラ系
の元カレ・ニックらがいたものの、彼女自身は大学進学より
も海外雄飛を目指してバイトで資金を貯めていた。
ところがその計画が父親にばれて親子関係が険悪になってし
まった日。いつも協力的なジョンとバイト先を出てクリスマ
ス発表会の開かれる学校に向かっていると、突然血みどろの
男がジョンに襲い掛かる。
その場はアナの機転で難を逃れたものの、その様子からゾン
ビを確信したジョンは直ちに逃げることを提案。しかしアナ
は、発表会の準備で学校にいるはずの父親や友人たちを救う
ため、ゾンビと闘うことを決意する。

出演は、2012年12月紹介『レ・ミゼラブル』に出ていたとい
うエラ・ハントと、王立スコットランド音楽院卒業で本作が
映画デビューとなるマルコム・カミング。同じく王立音楽院
卒業で振付師でもあるサラ・スワイヤー。
他に多くのテレビシリーズに出演し2009年11月紹介『Dr.パ
ルナサスの鏡』に出ていたというマーク・ベントン、2014年
『ドラキュラZERO』などに出演のポール・ケイらが脇を固め
ている。
ゾンビとミュージカルとの組み合わせでは、『ショーン・オ
ブ・ザ・デッド』×『ラ・ラ・ランド』というような言い方
もされているようだが、すでにブロードウェイでもホラー系
の作品はある。
一方、2010年8月紹介『シネマ歌舞伎・大江戸りびんぐでっ
ど』みたいなものもある訳で、さほど目新しいという感じで
はない。とは言うものの、キャッチーということでは今どき
の作品ではありそうだ。
ただゾンビ狩りの風景が、ヴィデオゲーム並みに打ちのめす
だけなのは、ジョージ・A・ロメロ云うところの「死者への
リスペクトが足りない」ことになってしまうかな。でもそれ
も時流だろう。
2018年4月22日題名紹介『カメラを止めるな』のブーム的な
ものもあるし、公開のタイミングとしてはよろしい感じもす
るところだ。

公開は5月31日より、東京は新宿武蔵野館他にて全国ロード
ショウとなる。

この週は他に
『中島みゆき「夜会工場VOL.2」劇場版』
(中島みゆきの脚本、作詞、作曲、演出、主演により1989年
にスタートしたオリジナルコンサート『夜会』に関しては、
2016年1月『夜会VOL.18−橋の下のアルカディア−劇場版』
を紹介しているが、その生の舞台は東京以外では公演不可能
なのだそうだ。そこで始まったのが『夜会工場』で、これは
全国4都市で公演され、そこでは過去の『夜会』がダイジェ
ストで見られるものになっている。本作にはその2017−18年
の公演が収録されている。内容は全19作の『夜会』から29曲
の歌と2篇のポエムが、映画館の大スクリーンに5.1ch の音
響で再現される。共演者には植野葉子、香坂千晶、中村中、
石田匠、杉本和世、宮下文一ら『夜会』のメムバーたちが登
場し、オリジナルとは異なる演出も含め熱唱が再現される。
その他、舞台の両袖に演奏家がいたり、舞台転換にスタッフ
が登場するなど、『夜会』の裏表が観られる作品でもある。
公開は5月3日より、全国ロードショウ。)

『今日も嫌がらせ弁当』
(Amebaブログのデイリー総合ランキングで第1位に輝いた
「ttkkの嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」を基に書かれ
たエッセイ集からの映画化。伊豆諸島の東京都八丈町に暮ら
すシングルマザーが、反抗期の娘のために高校生の3年間作
り続けたメッセージで一杯の弁当と、母子の生活ぶりが描か
れる。出演は2018年9月2日題名紹介『人魚の眠る家』など
の篠原涼子と、2019年『居眠り磐音』などの芳根京子。他に
2018年11月11日題名紹介『輪違屋糸里』などの松井玲奈、劇
団EXILEの佐藤寛太。さらに佐藤隆太、岡田義徳、森三中の
村上知子らが脇を固めている。脚本と監督は2017年12月紹介
『レオン』などの塚本連平が担当した。題名の見た目はちょ
っときついけれど、内容は現代の親子関係を巧みに捉えた感
動的な物語になっている。八丈島で現地ロケされた映像も素
敵で、親子関係が希薄な時代にこれは良いと思える作品だ。
公開は6月28日より、ロードショウ。)

『バイオレンス・ボイジャー』
(2013年3月紹介『燃える仏像人間』に続き、京都出身の映
像クリエーター宇治茶が監督/脚本/キャラクターデザイン
/作画/撮影/編集の6役を務めた作品。主人公は山奥の村
で暮らす金髪の少年。彼が親友と2人で隣村に転校した友達
を訪ねようと村はずれにやってくると…。映像は切り絵を動
かす劇メーションという手法で、前作では一部実写の部分が
あったが本作では全編がその手法で撮影されている。そのデ
ザイン造形はかなり不気味で、正に宇治茶ワールドと呼べる
ものだ。そして声優には、2018年12月紹介『あした世界が終
わるとしても』などの悠木碧、2011年11月紹介『ドットハッ
ク/セカイの向こうに』などの藤田咲、2019年2月紹介『え
いがのおそ松さん』などの小野大輔に加え、「ココリコ」田
中、「サバンナ」高橋、さらに田口トモロヲらが起用され、
ナレーションを松本人志が担当している。公開は5月24日よ
り、東京はシネ・リーブル池袋他で全国ロードショウ。)

『こはく』
(2017年10月紹介『ゆらり』の横尾初喜監督が、故郷の長崎
県で撮った自伝的な要素もあるという作品。主人公は母子家
庭の2人兄弟で次男。父親が興したというガラス工場を切り
盛りして軌道に乗せているが、その父親は彼が幼い頃に出奔
したまま音信不通だった。そこに芸能界に身を置くという長
男が、父親を見掛けたという情報をもたらす。そして長崎市
の怪しげな界隈で父親の消息を探るが…。父親の所業と今の
自分の生活が重なり、家族の在り方が問われて行く。出演は
井浦新、大橋彰(アキラ100%)。他に遠藤久美子、嶋田久作、
鶴田真由、石倉三郎、鶴見辰吾、木内みどり、�好侫 璽譽�
長崎の応援番組に出ているという塩田みうらが脇を固めてい
る。主人公の回想シーンには仕掛けがあって、それが作品の
良いアクセントにもなっていた。公開は6月21日から長崎で
先行上映の後、7月6日より、東京は渋谷ユーロスペース、
シネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)

『さよなら、退屈なレオニー』
            “La disparition des lucioles”
(2018年の東京国際映画祭「ユース」部門に『蛍はいなくな
った』のタイトルで出品され、主演のカレル・トレンブレイ
に「東京ジェムストーン」賞が贈られた作品。カナダの田舎
町を舞台に、悶々とした日々を送る少女の姿が描かれる。最
近この手の作品がブームになっているようだが、初老の男性
にとってはなかなか理解し難い作品だ。それでもここに例え
ば『アメリ』のような捻りでもあってくれれば、それなりの
評価もできるのだが、そこも突き放されてしまう感じかな。
でもこれが若い観客には共感されるのだろうし、その感性を
失ってしまった自分を卑下するしかないのだろう。とは言え
映画祭時の題名が原題に近いものだが、そこに掲げられた蛍
はどこに行ってしまったのか? ただのパンチラインだけで
はないものがあっても良いのではないかな。まあそれもない
のが現代っ子なのかもしれないが…。公開は6月15日より、
東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。


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