| 2019年02月17日(日) |
おそ松さん、誰がために憲法は(ベトナムを懐う、桜の森の満開、アメリカン・A、バイス、シベリアからの、リアム16歳、JK☆ROCK、4月の君) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『えいがのおそ松さん』 赤塚不二夫&フジオ・プロの作で1962年〜69年に連載された ギャグ漫画を原作として、1966年からと1988年からも放映さ れたテレビアニメをベースに、2015年から放送された深夜枠 アニメシリーズの劇場版。 物語の設定は、松野家の六つ子が20歳を過ぎてもクズでニー トで、全員彼女なしの童貞、未だに親のすねかじりというも の。そんな六つ子が高校の同窓会にやってくる。そこには幼 馴染みのトト子ちゃんも来ているが…。 予想通りに皆に馬鹿にされて追い詰められた六つ子は揃って やけ酒をあおり、ふて寝。ところが翌朝起きると6人は高校 の卒業式の日にタイムスリップしていた。そこで彼らはある 果たされなかった思い出に向き合うことになる。 こんな物語が、イヤミやチビ太らによる往年のギャグと共に 描かれる。 声優は、公開中の『コードギアス 復活のルルーシュ』など の櫻井孝宏。他に中村悠一、神谷浩史、福山潤、小野大輔、 入野自由と、2018年11月18日題名紹介『revisions』などの 遠藤綾。 監督はテレビシリーズも手掛けた2013年『劇場版銀魂』など の藤田陽一。脚本も『銀魂』や2016年1月紹介『珍遊記』な どの松原秀が担当した。 盛られているギャグはかなりブラックであったり、下ネタで あったりもするが、基本となる物語はSFとしてそれなりに しっかりと描かれている。それは正直に言って少し真面目過 ぎるとも思えるものだ。 その中で時間遡りの青春ドラマが描かれるのだが、その展開 も巧みだったし、さらに結末には少し衝撃的なものも置かれ ていた。因に物語はエンドロールの後にも続くので、そこま でしっかりと観て貰いたい。 もちろん物語の主題は妄想だから、科学考証を云々するよう なものではないが、全体の流れをSFファンとして納得でき た。この人たちの作った『銀魂』は観ていないが、それも観 たくなった。 ただここまでやれるのなら、セルルックの2Dアニメーショ ンではなく、CGIの3Dアニメーションでも観たくなる。 ただのギャグアニメなら2Dがお似合いだが、ここまでSF 的だと立体的な造形が栄えるし、それを観てみたい。 それはテレビシリーズとの繋がりでは難しい面はあるだろう が、将来的には考えて欲しくなった。なお本作のアニメーシ ョン制作は、1988年のシリーズから継続のstudioぴえろが、 同社の設立40周年記念として行ったものだ。 「どんな思い出も、ぜんぶ宝物。」という本作の宣伝コピー も素敵だ。 公開は3月15日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード ショウとなる。
『誰がために憲法はある』 芸人・松元ヒロ原作による一人舞台『憲法くん』を、女優・ 渡辺美佐子の出演で2018年に映画化した12分の作品をベース として、渡辺が1980年から仲間の女優たちと続けてきた朗読 劇『夏の雲は忘れない』について描いたドキュメンタリー。 朗読劇には『一九四五・ヒロシマ ナガサキ』という副題が 付けられており、広島・長崎の原爆禍で被災した主に子供た ちの手記や残された最後の言葉を、舞台に並んだ数人の女優 たちが交代で朗読してゆくというもの。 そこに当時の惨状を伝える写真や、被災した子供たちの生前 の写真などが添えられる。それは人類史上唯一の被爆国であ る日本の国民が、永久に語り継いでゆくべき出来事の記録で あると考える。 しかしそれが2019年に終演を迎えるという。そこには渡辺と 共に朗読劇を続けてきた女優らの事情もあるが、以前はどこ でも歓迎されていた公演が、最近はなかなか迎えられない状 況もあるようだ。 そんな中での広島での公演の模様が記録されている。そこに は地元の生徒たちも一緒に舞台に上がり、朗読の一部に参加 するという演出もなされていた。そして公演後の懇談会では 生徒たちの思いも伝えられる。 さらに本作では、渡辺が朗読劇を立ち上げるに至った背景も 語られており、そこには天の配材とも言える衝撃の物語も描 かれる。それは2016年5月29日題名紹介『いしぶみ』にも繋 がる特別なものだった。 朗読劇への参加者は高田敏江、寺田路恵、大原ますみ、岩本 多代、日色ともゑ、長内美那子、柳川慶子、山口果林、大橋 芳枝。本作は、2013年『戦争と一人の女』などの井上淳一監 督による。 実は僕は、偶然この作品の初号試写に立ち会うことができた もので、その会場には出演の女優たちも多数来場していた。 その中で挨拶に立った渡辺は、別作品である『憲法くん』と の合体の是非を心配していた。 それは確かに構成は二元的ではあるが、テーマは通底してい るものであり、僕はこの構成でも理解はされると思ったもの だ。ただしできることなら『憲法くん』も併映して貰えたら とは考えた。 最近映画界でもいろいろあって、かなりきな臭い雰囲気が漂 う中で、このような作品がしっかりと上映されてゆくことが 重要だと思えるものだ。 公開は4月27日より、東京はポレポレ東中野他にて全国順次 ロードショウとなる。
この週は他に 『ベトナムを懐う』“Dạ cổ hoài lang” (1994年の初演からベトナム各地で再演されてきたという舞 台劇の映画化。1995年冬のニューヨークを背景に、異国に暮 らす三世代のベトナム人の姿を描く。主人公は先に母国を離 れた息子を追って渡米した老いた男性。すでに老人ホームに 入っているが、妻の命日を家族と共に過ごそうと息子の家に やってくる。ところがそこにいたアメリカ生まれの孫娘は祖 母のことなど知る由もなかった。そしてその2人の対立が始 まるが…。三世代の中では息子の境遇が一番大変だったはず だが、荒海を行く小舟の特撮シーンなどはあるものの肝心な 点には触れず、ただ望郷とそこに思い至れない孫娘の姿だけ が強調される。それがベトナム人に受けたのは判るが、配慮 かなあとも考えてしまうところだった。監督は商業的な映画 を多く撮っているグエン・クァン・ズン。公開は2019年1月 27日題名紹介『漂うがごとく』と共に3月23日より、東京は 新宿K's cinema他で全国順次ロードショウ。)
『シネマ歌舞伎・野田版 桜の森の満開の下』 (坂口安吾の短編小説「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳 男」をベースとする野田秀樹の戯曲「贋作 桜の森の満開の 下」を基に、野田と十八世中村勘三郎が歌舞伎の舞台として 企画。しかし2012年に急逝した中村の遺志を継いだ野田が、 2017年に自身の演出により上演した舞台からの作品。主人公 の耳男は仏師の師匠と共に飛騨の里に向かう途中、満開の桜 の森で師匠を殺害してしまう。しかし師匠と間違われて城に 迎えられた耳男は、夜長姫の求めに応じた仏像を彫ることに なるが…。やがてそれが国家を揺るがす大事へと発展する。 物語はどちらかというと「夜長姫」に寄ったものだが、それ にしてもその壮大なスケールには圧倒された。しかもそれが 歌舞伎の舞台に見事にマッチしていることにも感動した。た だ音楽に関してはやはり邦楽で聴きたかったかな。洋楽は何 かしっくりこなかった。公開は4月5日より、東京は東劇、 新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。)
『アメリカン・アニマルズ』“American Animals” (ケンタッキー州レキシントンのトランシルヴェニア大学で 2004年に起きた強盗事件の顛末を描いた実話の映画化。主人 公は平凡な生活に飽きた学生。そんな彼が目にしたのは、大 学図書館の特別室に置かれた希少本。時価1200万ドルとされ るその本を盗み出せば人生を変えられる。狙いの本はジョン ・ジェームズ・オーデュボン著「アメリカの鳥類」。確かに 高額で取引された本のベスト10中5冊を占めるというものだ が、サイズは1m×72�僂發△辰峠鼎気眩蠹�。それを見るだ けで普通は諦める。しかし主人公らはハリウッド映画から手 口を学び、いざ実行となるが…。出演は2016年4月紹介『ラ ザロ・エフェクト』などのエヴァン・ピータースと、2017年 8月6日題名紹介『ダンケルク』などのバリー・コーガン。 これに4人の犯人と被害者女性本人へのインタヴューも挿入 されて、馬鹿げた犯罪の全貌が明かされる。公開は5月17日 より、東京は新宿武蔵野館他で全国ロードショウ。)
『バイス』“Vice” (2000年の選挙戦でブッシュ陣営の副大統領として選出され たディック・チェイニーの実像を描いた作品。元々は「副大 統領なんて飾りに過ぎない」と言っていた男が、無能な大統 領を支えるどころか事実上の施政者として君臨する。2018年 12月16日題名紹介『記者たち』でも描かれた米国政界最大の スキャンダルを、その当事者の側から暴露する作品だ。出演 は見事な変貌を見せるクリスチャン・ベールと、2014年4月 紹介『her』などのエイミー・アダムス。他にスティーヴ・ カレル、サム・ロックウェルらが脇を固めている。製作・脚 本・監督はSNL出身のアダム・アッケイ。監督自身もリサ ーチするまで真相を知らなかったという影の大統領の実態が 描かれる。それは「ザ・官僚」とも呼べる政界に精通した男 の所業だが、ブッシュ同様の2世政治家が政界を牛耳る国の 予兆とも言えそうだ。公開は4月5日より、東京はTOHOシネ マズ日比谷他で全国ロードショウ。)
『シベリアからの手紙』“Lettre de Sibérie” (1995年にテリー・ギリアムが監督した『12モンキーズ』の 元となる1962年『ラ・ジュテ』などを遺し、2012年に他界し たクリス・マルケル監督が、1958年に発表したソビエト連邦 の辺境部を写したドキュメンタリー。そこは東洋系の民族も 多く暮らす地域だが、その地の自然やそこに暮らす人々の姿 を、アニメーションも交えた多彩な手法で描いている。因に 監督は、本作の2年前に革命直後の中国で撮影した『北京の 日曜日』なども発表していて左翼系の人ではあるが、本作で はアメリカへの揶揄などはあるものの特に共産主義賛美とい う感じではなく、詩的な映像の中で全体はユーモラスに当時 の風物が描かれている。そこには温かさもあり、観ていて心 地よさも感じられる作品だった。それにしてもあのポスター は? 公開は4月6日〜19日に、東京は渋谷ユーロスペース にて、上記の『北京の日曜日』など全8作品が「クリス・マ ルケル特集2019<永遠の記憶>」として上映される。)
『リアム16歳、はじめての学校』“Public Schooled” (通学はせず、シングルマザーとの自宅学習で高校生の年代 になった少年が、大学受験に必要な高卒資格を得る試験のた めに高校を訪れる。そこで1人の女子高生を見初めた彼は、 思わず答案用紙を白紙にして高校編入を希望するが…。まあ かなりありそうもない話ではあるが、そんな架空の話の中で アメリカの高校生を取り巻く環境などがコメディタッチで巧 みに描かれる。共同脚本と監督は、カナダの演技学校スタジ オ58を卒業のカイル・ライドアウト。2015年のデビュー作で 各地の国際映画祭の観客賞などを受賞した新鋭の第2作だ。 出演は2013年10月紹介『キャリー』などのジュディ・グリア と、スタジオ58出身でテレビや短編映画に多く出ているダニ エル・ドエニー。他に2003〜09年のテレビシリーズ『ギャラ クティカ』で人気を得たという韓国系のグレース・パークら が脇を固めている。公開は4月27日より、東京は新宿シネマ カリテ他で全国順次ロードショウ。)
『JK☆ROCK』 (徳間ミュージック所属のガールズ・バンド DROP DOLLが出 演する青春音楽映画。先に登場するのはJoKersという男性デ ュオ。彼らは人気絶頂で突然解散し、その一方は渡米、他方 は弁護士を目指して学業に戻った。しかし渡米した彼が成功 して凱旋が発表された頃、彼らを育てたスタジオのオーナー が学業に励む彼にJKバンドの指導を依頼する。それはほぼ 0からの挑戦だったが…。男性デュオ役は映画初主演の福山 翔大と『仮面ライダーゴースト』の山本涼介。観客層のター ゲットは彼らのようだが、映画ではJKバンドの鍛錬ぶりが スポ根的で面白かったし、演奏は本物だった。正直なところ は男性の話はもう少し省いて、JKバンドの方を重点に観た かったかな。脚本は2018年1月21日題名紹介『花は咲くか』 の監督を務めた谷本佳織。監督は2004年『恋人はスナイパー 劇場版』などの六車俊治が担当した。公開は4月6日より、 東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)
『4月の君、スピカ。』 (杉山美和子原作少女コミックスの実写映画化で、高校の天 文部を舞台に幼馴染みの男子2人と転入生の女子の三角関係 が描かれる。主人公は田舎暮らしに憧れた両親と共に星空の 綺麗な町に越してきた女子。ところが転校生の挨拶で田舎と 口走ったことからクラスの顰蹙を買ってしまう。そのため友 達もできず1人窓辺で空を見ていた彼女は、夕景に見えてき た星の名前が乙女座のスピカだと教えられる。そして教えて くれた男子の言うままに天文部に入るが…。出演は子役出身 で『プリキュア』の声優なども務めた福原遥と、2018年7月 29日題名紹介『DTC』などのEXILE TRIBE 佐藤大樹。他に 鈴木仁、井桁弘恵。さらに大谷亮平、酒井美紀らが脇を固め ている。脚本は2012年2月紹介『桜蘭高校ホスト部』の池田 奈津子、監督は2005年『NANA』や2013年12月紹介『黒執 事』などの大谷健太郎が担当した。公開は4月5日より、東 京は新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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