2017年10月29日(日) |
ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』 “Renegades” 邦題がほぼ内容を表しているボスニア・ヘルツェゴビナ紛争 を背景にしたアクション作品。 物語の発端は1944年の第2次大戦末期。フランスから絵画や 金塊を強奪したナチス軍は、とある山間の村にその財宝を隠 す。しかしその事実はある事情から外部には知られないまま になってしまう。 そして1995年は紛争の最中。主人公らネイビーシールズ5人 組は、敵将軍を拉致するなど華々しい活躍だったが、上官は 彼らの独断専行にいつも口喧しかった。それでも彼らの作戦 が成功すると上等の酒を奢ってくれていたが…。 そんなある日、主人公は親しくなった酒場の女性からある秘 密を告げられる。それは彼女の祖父がナチスによる財宝隠し の出来事を目撃しており、その祖父の言葉から金の延べ棒を 手に入れたというのだ。 その金塊の総量は27t、総額は3億ドルにも達するというも のだが、その眠る場所は湖の底。それでも彼らは密かにその 財宝を手に入れる計画を立てる。しかし戦地のど真ん中から 27tもの金塊を如何にして運び出すか…? しかも彼らには、活躍を煙たがる司令部から2日以内の転属 命令が出される。 出演は、2013年2月紹介『L.A.ギャングストーリー』などの サリバン・ステイプルトン、2017年10月紹介『ブレードラン ナー 2049』などのシルビア・フークス。他にJ・K・シモ ンズらが脇を固めている。 製作と原案はリュック・ベッソン。ベッソンと、2014年『イ コライザー』などリチャード・ウェンクの脚本から、2011年 9月紹介『ファイナル・デッドブリッジ』などのスティーブ ン・クォーレが監督した。 内容的には、1970年の『戦略大作戦』などを思い出すかな。 戦争に紛れて何かをやらかそうという話だが、さすがにフラ ンス=ドイツ合作のヨーロッパ映画らしく、現代の状況など が巧みに反映されているのも上手く出来た作品だ。 ただ地形的にこんなところに村があるかな? というのは問 題だが、その辺はお話ということにして、それ以上に奇抜な アイデアがいろいろと披露される。それにベッソンだから水 中でのアクションは決まりのようなものだ。 さらに本作では、巻頭のEuropaCorpのロゴマークに続いて、 身体に輪を纏った女性像の映像が登場する。これは本作の共 同製作にStudio Babelsbergが参加しているためで、それは 1927年『メトロポリス』のマリアの姿を模したもの。 このロゴマークに関しては、以前からイラストでは観ていた ものだが、それがCGI化されるとは…。SF映画ファンに は感激のロゴマークだ。 公開は2018年1月12日より、全国ロードショウとなる。
この週は他に 『マイティ・ソー バトルロイヤル』“Thor: Ragnarok” (2011年5月に第1作を紹介したマーヴル・スタジオ製作の アメコミヒーロー最新作。今回はソーの故郷アスガルドが最 恐の女神ヘラに襲われる。その戦いが義弟のロキと、アベン ジャーズからはハルクも参戦して繰り広げられる。共演はケ イト・ブランシェットと、2015年『クリード チャンプを継 ぐ男』などのテッサ・トンプソンが新登場する。さらにジェ フ・ゴールドブラム、ベネディクト・カンバーバッチ、浅野 忠信らも登場。テレビ“Agent Carter”などのエリック・ピ アソンの脚本から、ニュージーランド出身タイカ・ワイティ ティが監督。今回は地球外の星での戦いだが、ソーは直ちに アベンジャーズに戻ってくる。その新作への繫ぎにもなって いるようだ。公開は11月3日より、全国ロードショウ。) 『GODZILLA 怪獣惑星』 (2016年『シン・ゴジラ』の後を受けるTOHOアニメーション 作品。実写作品の後もゴジラの来襲は続いたようで、遂に人 類は大宇宙に逃れることを決断する。しかし目指した星の環 境は人類に適合しなかった。そこで地球に舞い戻った人類だ が、亜光速飛行で時間の経過した地球はゴジラの惑星と化し ていた。しかし隊員の1人がゴジラ打倒の戦略を立てる。斯 くして人類vsゴジラの決戦が火蓋を切る。『PSYCHO-PASS サ イコパス』の虚淵玄がストーリー原案と脚本を担当。『名探 偵コナン』シリーズの静野孔文と『亜人』の瀬下寛之が監督 を務めている。日本アニメの精鋭が集まった感じだが、内容 的には戦略ゲームのような感覚の作品だ。公開は11月17日よ り、東京はTOHOシネマズ新宿他で全国ロードショウ。) 『紅い襷 富岡製糸場物語』 (群馬県富岡製糸場の世界遺産登録を記念して製作されたド ラマ作品。長野県の士族の娘が技術を学び、故郷にもたらす ために第一工女が締める紅い襷を目指す。明治維新で身分差 別がなくなったとされる時代。しかし現実には仲間に文盲の 女子もおり、一方で山口県から来たの女工たちは厚遇される など、時代は定まっていなかった。それでも厳しいフランス 人教師の許でいろいろなことを学んで行く姿が描かれる。主 演は武蔵野音楽大学声楽科卒という水島優。今まで主役を演 じたことのない新人が大抜擢され、主題歌も歌っている。監 督は2016年3月紹介『スクール・オブ・ナーシング』などの 足立内仁章。公開は群馬県で先行上映の後、東京は12月2日 より、渋谷シネパレス他で全国順次ロードショウ。) 『8年越しの花嫁 奇跡の実話』 (2017年10月8日題名紹介『彼女が目覚めるその日まで』と 同じく抗NMDA受容体脳炎に罹った女性とその家族を描いた作 品。主人公らは職場の仲間が開いた合コンで出会い。愛を育 んで結婚を決意。彼女の夢見た式場の予約もする。ところが 突然彼女が記憶を失い始め、遂に昏睡状態になってしてしま う。そして主人公には婚約破棄も告げられるが…。出演は佐 藤健と土屋太鳳。他に北村一輝、杉本哲太、薬師丸ひろ子、 浜野謙太、中村ゆり、堀部圭亮、古舘寛治らが脇を固めてい る。監督は瀬々敬久。ハリウッド作品で調べた時には、予後 には問題ないと記されていたが、症状によってはこのような 事態にもなるようだ。公開は12月16日より、東京は丸の内ピ カデリー他で全国ロードショウ。) 『HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION』 (2017年8月20日題名紹介『THE MOVIE 2』に続く完結編。 前作では結局対抗する大人たちを仕留められなかったSWORD の連中が、新たな情報を頼りに最後の決戦に挑んで行く。前 作ではちょっと話が甘いかなと思っていたらの案の定の結末 だったが、今回はそこに一味加えて、これなら上手く行くか なと思わせるものになっていた。しかもその展開が、最近の 東京都の騒動にも通じているところがあって、これはニヤリ としてしまったものだ。他にも前作で多少疑問に感じていた ところもそれなりの台詞で補われていた。特に前作最後の予 告編は、そのための引っ掛けだったと改めて気付きびっくり した。出演者は、敵も味方も前作のメムバーがほぼ全員再登 場する。公開は11月11日より、全国ロードショウ。) 『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』“Neruda” (2012年10月28日「東京国際映画祭」で紹介『NO』でも共 演したルイス・ニェッコ、ガエル・ガルシア・ベルナルによ る南米チリの歴史的な情勢を描いた作品。1948年、第2次大 戦が終結して間もないチリでは親米派の大統領による共産主 義者の迫害が始まる。ネルーダは国民的詩人であり国会議員 も務めていたが、共産党員で迫害の対象だった。そして党が 非合法となり逮捕の危機が迫った時…。1971年のノーベル文 学賞にも輝く詩人の逃亡劇が、フィクションともノンフィク ションともつかない見事な手法で描かれる。監督は『NO』 などのパブロ・ラライン。正しくこれが映画だという感じの 作品だった。公開は11月11日より、東京は新宿シネマカリテ 他で全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。 またこの週は、第30回東京国際映画祭も開催中ですが、その 上映作品の紹介は閉幕後に纏めて行うことにします。
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