| 2017年10月15日(日) |
パーティで女の子に話しかけるには、斉木楠雄のΨ難 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『パーティで女の子に話しかけるには』 “How to Talk to Girls at Parties” 2009年12月と2010年1月にも紹介した『コララインとボタン の魔女』の原作でヒューゴー賞を受賞したニール・ゲイマン の短編小説を、2007年5月紹介『ショートバス』などのジョ ン・キャメロン・ミッチェル監督が、2016年4月紹介『トラ ンボ』などのエル・ファニングを主演に映画化した作品。 題名を見て、ちょっと内向的な少年がガールフレンドを作る までのお話かなと思いきや、実はファニングの演じる「女の 子」が異星人という展開。しかもその異星人の設定がSF的 にかなり捻りの利いたものになっている。 物語の背景は、1977年のロンドン郊外。主人公はパンク音楽 が大好きな少年。そんな少年が仲間2人とお気に入りのバン ドのライヴを見た帰り、ふと聴こえてきた音楽に誘われて潜 り込んだパーティで少女に出逢う。 そしてその少女と意気投合した少年だったが、そのパーティ のメムバーと一緒の少女の暮らしには特別なルールがあり、 少年と少女に残された時間はあまりに短かった。そこで2人 は、ルールを打ち破るべくある行動に出るが…。 共演は、2015年のトニー賞で史上最年少の主演男優賞に輝い たというアレックス・シャープ。 他に、2013年7月紹介『ローン・レンジャー』などのルース ・ウィルスン、2016年5月紹介『アリス・イン・ワンダーラ ンド』などのマット・ルーカス。さらにニコール・キッドマ ンらが脇を固めている。 なお、監督のキャメロンは製作と脚本も担当し、原作者のゲ イマンは製作総指揮に名を連ねている。 実は異星人のルールというのがいろいろあるが、あまり劇中 では説明されない。しかし結末のシーンに併せるといろいろ 考えてしまう仕組みになっている。その辺はSFファンには 微妙に面白くも感じてしまうところだ。 それと異星人たちの衣装が未来的と言えば未来だが、それが 1967年の『バーバレラ』を髣髴とさせる少しレトロな感じも して、この微妙さもニヤリとさせられたところだ。その衣装 は2011年12月紹介『ヒューゴの不思議な発明』などを手掛け たサンディ・パウエルが担当している。 カルト宗教との絡みなど、ちょっと現実的というかシビアな 部分もあるが、SFとしてのつくりはそれなりにしっかりし ていて、原作者のセルフパロディ的なところも面白く観られ る作品だった。 なお僕には判らないが、パンク音楽に関する言及もしっかり した物のようだ。 公開は12月1日より、東京は新宿ピカデリー他で、全国順次 ロードショウとなる。
『斉木楠雄のΨ難』 赤塚賞の準入選作品で2006年にデビューしたという漫画家麻 生周一が2012年から「週刊少年ジャンプ」に連載中のギャグ マンガを2017年6月25日題名紹介『銀魂』などの福田雄一の 脚本監督で映画化した作品。 主人公は男子高校生。彼にはテレパシーやテレキネシスなど 全ての超能力が備わっており、あまりに強力な力を制御する ため、頭部には2本の制御棒が刺さっている。そして頭髪は ピンクだが、その違和感は超能力によって周囲には気付かれ ていないものだ。 そんな主人公は学校では極力目立たないように過ごしていた が、学園祭のシーズンとなり、その期間中にトラブルが生じ たら来年からは中止にするとの学校側の方針が発表される。 しかし主人公にとって学園祭は、その間に姿を消しても気付 かれない、唯一の気晴らしができる期間だった。 そこで学園祭の継続のため期間中にトラブルが発生しないよ うにパトロールを始める主人公だったが…。次々に発生する 予期せぬ出来事が主人公を窮地に陥れて行く。 出演は、2017年8月27日題名紹介『氷菓』などの山崎賢人、 『銀魂』などの橋本環奈、新井浩文。さらに2017年8月紹介 『トモダチゲーム』などの吉沢亮、2012年11月紹介『ユダ』 などの笠原秀幸、2017年8月6日題名紹介『茅ヶ崎物語』な どの賀来賢人。 また、ムロツヨシ、佐藤二朗、内田有紀、田辺誠一らが脇を 固めている。 ホラー作家のスティーヴン・キングが1980年に発表した小説 『ファイアスターター』の中で、超能力者の家に捜索に入っ た捜査官が大量に配置された消火器を見て、パイロキネシス の少女を育てた両親の苦労を思うシーンがある。 それは、それまで超能力者の登場する作品を漠然と読んでい た僕にとっては、目から鱗が落ちる様な衝撃だった。それに 対して本作の主人公は、生まれてすぐから物事をわきまえて いたという設定で、これは1本取られたと思ったものだ。 とは言うものの、そこから後の超能力の扱いは行き当たりば ったりというかご都合主義の塊のような展開で、それは原作 がギャグマンガだから仕方がないとは言うものの、もう少し 何か捻りくらいは欲しいと感じた。 でもまあ『銀魂』の時にも書いたが、この監督にはそういう 考えは全くないようで、それがこの監督の取り得でもあるの だろう。それがSFファン的には大いに歯痒さを感じてしま うところではあるのだが…。 公開は10月21日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード ショウとなる。 今回はいずれもSFの範疇と呼べる日英の2作品を紹介した が、後の作品がハリウッド張りとも言えるVFX満載なのに 対して前の作品は、衣装の奇抜さを除けば映像的には殆んど 目立つものはない。しかしSFの観点で言えば逆向きのベク トルで、彼我の差を感じさせる2作品だった。 この週は他に 『二十六夜待ち』 (2001年に『ア・ルース・ボーイ』という原作がNHKドラ マ化されて芸術祭大賞を受賞している仙台在住の作家・佐伯 一麦による同名原作の映画化。震災ですべてを亡くした女性 と、記憶を失くしてその町に流れ着き、周囲の人の援助で居 酒屋を開いた店主との大人のラヴストーリー。店主には身に ついた板前の腕があり、それを頼りに身元を調べようとした りもするが…。出演は井浦新、黒川芽以、諏訪太朗。監督は 2017年6月11日題名紹介『海辺の生と死』などの越川道夫。 原作者の佐伯は私小説作家だそうで、成程そんな感じの作品 と言える。正直ドラマ的には何も起こらないが、しっとりと した雰囲気が素敵な情感を生み出している。公開は12月23日 より、東京はテアトル新宿他で全国順次ロードショウ。) 『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』 “Mein Blind Date mit dem Leben” (先天性の網膜剥離が成人して発症し、殆んど視力を失った 若者が子供のころからの夢だったホテルマンを目指して奮闘 する。実話に基づくとされる作品。若者は症状を隠して研修 に応募するが、当然あらゆるところで失敗が続く。しかしそ れにめげずに努力を重ね、周囲の協力者や思いやりにも恵ま れて…。物語は他の要素も絡めて描かれている。映画の最後 に本人の写真も登場して実話と判るが、一見健常者と変わら ない風采は、逆に普段の生活でも苦労が多いのだろうと察せ られる。ここに描かれた本人の努力も素晴らしいが、観客に そんなことも思わせるほど映画も巧みに作られていた。公開 は2018年1月13日より、東京は新宿ピカデリー、角川シネマ 有楽町他で全国順次ロードショウ。) 『コードギアス 反逆のルルーシュ�� 興道』 (2006年10月〜2007年3月及び2008年4月〜9月に放送され た全50話のテレビアニメに新規映像を加え、全編新規アフレ コで再構成し、3部作で公開される劇場版の第1部。日本を 含む世界の殆んどがブリタニアと呼ばれる大国に支配された 並行世界が舞台の物語。その世界で相手に自分の意思を押し 付ける超能力を得た日本留学中のブリタニアの少年が、母親 の復讐のためその能力を駆使して帝国に挑んで行くという内 容のようだ。ただし映画のほとんどはブリタニア軍の主要兵 器である人型ロボットの戦いであるが、本作の特徴としては そこに主人公の超能力がどう絡むのかが焦点になるようだ。 公開は10月21日より、東京は新宿バルト9、TOHOシネマズ日 本橋他で全国ロードショウ。) 『デメキン』 (お笑い芸人「バッドボーイズ」の佐田正樹が福岡で暴走族 の総長だった頃を描いた同名自伝小説の映画化。ギョロ目の ために題名のあだ名を付けられ、いつも虐めに遭っていた少 年が覚悟を決めて喧嘩を極め、その腕前から暴走族でも頭角 を現し、遂に総長の座に上り詰める。しかしその道には血気 盛んな敵が次々に待ち構えていた…。出演は2017年2月紹介 『サクラダリセット』などの健太郎と、2017年8月紹介『ト モダチゲーム』などの山田裕貴。脚本は前回題名紹介『嘘八 百』などの足立紳で、監督は2013年12月紹介『猫侍』などの 山口義高が担当した。2015年4月紹介『Zアイランド』など の品川祐もそうだったが、芸人ってのは…。公開は12月2日 より、東京はシネマート新宿他で全国ロードショウ。) 『はいからさんが通る・前篇』 (1975年〜77年に「週刊少女フレンド」で連載され、1977年 第1回講談社漫画賞少女部門を受賞した大和和紀の原作を、 原作者の画業50周年を記念して前後編でアニメーション化し た前編。大正期を溌剌と生き抜いた女性の生涯の内で、祖父 母の代からの許嫁とされた少尉との出会いから、少尉の生家 での花嫁修業、さらに少尉のシベリア出兵と、主人公が大陸 に渡るまでが描かれる。上映時間は90分で多少駆け足の展開 ではあるが、主人公が婚家を守る決意をする件などにはそれ なりの感動が味わえた。声優は2017年4月紹介『BLAME!』な どの早見沙織。脚本と監督は2010年スタートの『機動戦士ガ ンダムUC』などの古橋一浩。公開は11月11日より、東京は 新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。) 『機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』 『機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影』 (2017年8月6日に『THE ORIGIN』を紹介したシリーズから のスピンオフ作品。前者は太田垣康男による漫画作品をアニ メ化したシリーズの第2シーズンの総集編。後者はスマート フォンアプリ「ガンダムファンクラブ」で独占先行配信され たショートアニメシリーズに新作シーンを加えた特別版だそ うだ。前にも書いたように僕はこのシリーズの世代ではない ので内容的には全く不明の点が多いが、作品のファンにはこ れで良いのだろうし、その点をとやかく言う筋合いもない。 それぞれが60分程度の作品では、深い話を描くのも難しいと ころだろう。ただ本作が2本立てで公開なのは親切と言える ところだ。その公開は11月18日より、東京は新宿ピカデリー 他、全国15館での限定上映。) 『カンフー・ヨガ』“功夫瑜伽 Kung Fu Yoga” (ジャッキー・チェンが考古学者且つカンフーの達人という 主人公を演じる中国インド合作のアクション作品。その主人 公がインド人美女の依頼に応え、ある一家に纏わる歴史的な 秘宝を探すという展開で、両国は元より一部シーンはアイス ランドでも撮影された壮大な物語が繰り広げられる。さらに そこにドバイでのカーチェイスなどアクション満載で、また 『インディ・ジョーンズ』にオマージュが捧げられるなど、 映画ファンにも納得な作品だ。共演は2013年『コールド・ウ ォー』などのアーリフ・リー、韓国アイドルグループEXO のレイ、インドからディシャ・パタニとソーヌー・スード。 監督はスタンリー・トン。公開は12月22日より、東京は新宿 バルト9他で全国ロードショウ。) 『猫が教えてくれたこと』“Kedi” (トルコの古都イスタンブールに暮らす猫の姿を猫目線で撮 影したドキュメンタリー。この土地では伝統的に猫が大事に されてきたようだが、大都市化が進み自然に基づく野良猫の 暮らしも厳しくなってきている。そんな問題点も指摘しなが ら、野良猫と人間の係わりが描かれる。その中には財産を失 いかけたら鳴いている猫の横に落ちていた財布で救われたな ど、正しくネコババな話も出てくるが、全体的にはおっとり とした猫らしいドキュメンタリーになっている。アメリカの 上映では1館スタートから130館まで伸ばしたという異例の ヒットになったそうだ。猫好きにはたまらない作品と言えそ うだ。日本での公開は11月18日より、東京はシネスイッチ銀 座、YEBISU GARDEN CINEMA他で全国順次ロードショウ。) 『最低!』 (2017年9月24日題名紹介『勝手にふるえてろ』と共に今年 の東京国際映画祭コンペティション部門で上映される作品。 AV女優の紗倉まなによる同名小説を、ピンク映画に実績も ある瀬々敬久監督が、森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈の主 演と、高岡早紀、渡辺真起子、根岸季衣、忍成修吾らの共演 で描いた群像劇。それぞれが母と娘の関係を描く3つの物語 が並行して描かれ、その内2つは最後に繋がりを持つ。しか し佐々木、渡辺の話は独立で、僕はこの2人の話が一番好き だったかな。できたらここだけで短編に仕上げて欲しいとも 思ったくらいだ。特に最後に渡辺が佐々木の手を抱いて呟く 一言が心に沁みた。公開は11月25日より、東京は角川シネマ 新宿他で全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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