井口健二のOn the Production
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2017年04月30日(日) トモダチゲーム・劇場版、ライフ、ディストピア パンドラの少女、桃とキジ

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『トモダチゲーム・劇場版』
山口ミコト原作、佐藤友生作画で、「別冊少年マガジン」に
2014年から連載中の漫画の映像化。
実は本作には劇場版に先行してテレビ放送されたドラマ版が
あって、今回は事前に28分×4話のドラマ版を観てから本編
の試写に臨んだ。まずはそのドラマ版の物語。
主人公は両親のいない貧乏な男子高校生。しかしクラスには
市会議員の息子や学級委員の女子、頭脳明晰な男子優等生に
オタクの女子などの仲間がいた。そんなクラスで集金された
修学旅行費が盗まれる。そして責任を負う学級委員の女子か
ら主人公に相談があるとの連絡が来る。
そこで指定された場所に主人公が向うと、そこには彼に呼び
出されたという他の仲間たちがおり、そこで何者かに襲われ
た主人公たちは、場所の判らない1室で目を覚ます。しかも
そこで彼らの借金を返済するためゲームに参加し、借金が0
になるまでゲームをクリアし続けろと強制される。
斯くして主人公たちはゲームに参加。その第1ゲームはコッ
クリさんに似たものだった。しかしそのゲームにはいろいろ
な仕掛けがあり、主人公たちは心理的な駆け引きに巻き込ま
れることになる。それでも何とかゲームをクリアするが…。
そんな物語が主人公の語りで綴られる。

出演は、2017年4月紹介『ラストコップ THE MOVIE』などの
吉沢亮、2014−15年『仮面ライダードライブ』などの内田理
央、2017年2月26日題名紹介『破裏拳ポリマー』などの山田
裕貴、2016年8月21日題名紹介『イタズラなKissハイスクー
ル編』などの大倉士門、アイドルグループ出身の根本凪。
脚本と監督は、作品歴に2011年『こっくりさん 劇場版』何
て題名もある永江二朗が担当した。
というドラマ版を受けた劇場版となる本作では、再び主人公
らが集められてゲームの続きが行われる。その第2ゲームは
スゴロクに似ているものだが、ここでも心理的な駆け引きが
展開されることになる。それは第1ゲームよりさらに複雑な
心理ゲームになって行くものだ。
因にドラマ版では、題材がコックリさんであるために映像的
にはさほどのものはなかったが、スゴロクが題材の本作では
VFXも使用されてかなりの映像が展開される。またゲーム
の背景もVFXを使って紹介され、それもそれなりの展開と
なっていた。

公開は6月3日より、東京はシネリーブル池袋他で全国順次
ロードショウとなる。
また『トモダチゲーム・劇場版2』も予告されている。


『ライフ』“Life”
2017年2月紹介『パッセンジャー』3月紹介『メッセージ』
に続くソニー・ピクチャーズ配給、本格SF作品の第3弾。
物語の舞台は衛星軌道上に浮かぶ国際宇宙ステーション。無
重量状態など、地上では行えない実験を行うために国際協力
で形成されたステーションに新たな任務が与えられる。それ
は火星から帰還した無人探査機の回収と分析だった。
それはまず無人機のキャッチから始まり、それに成功した乗
員は機が持ち帰った火星の土壌の分析を始める。そしてその
中に生物らしき細胞組織を発見。しかも最初は不活性だった
細胞に環境条件を変えることで活性化にも成功する。
しかしそれが恐怖の始まりだった。

出演は、2013年6月紹介『エンド・オブ・ウォッチ』などの
ジェイク・ギレンホール、2016年3月紹介『デッドプール』
などのライアン・レイノルズ、10月30日題名紹介『ガール・
オン・ザ・トレイン』などのレベッカ・ファーガソン。他に
日本から真田広之、イギリスからアリヨン・バカル、ロシア
からオルガ・ディホヴィチナヤらが脇を固めている。
監督は、2012年8月紹介『デンジャラス・ラン』などのダニ
エル・エスピノーサ。脚本は『デッド・プール』などのレッ
ト・リース&ポール・ワーニックのコンビが担当した。
『パッセンジャー』は科学考証的には難有りだが、SF映画
的にはファンタスティックで気に入った。『メッセージ』は
SF賞受賞作の原作もので、内容は難解だったがしっかりと
映像化されていた。
それに対して本作は、現実的な物語という点では1番上と言
える。特に2012年1月紹介『はやぶさ 遙かなる帰還』など
を危機感なく観た人には、冷水を浴びせるような作品かな?
そこまでは言わないまでも、宇宙探査の危険性をリアルに描
いた作品だ。
それは最初に高速で飛来する無人探査機をキャッチするとい
う離れ業の描写から始まり、多少有り得ない部分もあるが。
おおよそはこんなものかもしれないという程度の現実味は描
かれていた。
しかも危険性を考慮して宇宙ステーションの隔離された中で
分析を行うというのは正に理に叶ったもので、実際にこの様
なマニュアルがあるかどうかは知らないが、その後の危機管
理に関してもあり得るものだ。
ただここまでやっているのなら、その後に関してももう少し
対策しておくべきで、それが出来ていないというのが本作の
鳴らした警鐘なのかな? そんな捉え方も出来る作品だ。
なお映画の中に“Re-Animator”という台詞があって、ここ
では『死霊のしたたり』という字幕になるのだが、その少し
後で“My Favorite Martian”という台詞には『ブラボー火
星人』として貰えなかった。
1960年代前半のテレビシリーズでは仕方のないところもある
が、映像ではトレードマークの2本の角もちゃんと生えてお
り、明らかに意識されていたもので、この辺は何とか工夫し
て貰いたかったものだ。

公開は7月8日より、東京は丸の内ピカデリー他にて、全国
ロードショウとなる。

『ディストピア パンドラの少女』
            “The Girl with All the Gifts”
イギリス出身の元はコミックスの原作ライターだったという
M・R・ケアリーが2014年に発表した終末小説の映画化。
登場するのは幼い少女。彼女は窓のない牢獄のような場所に
暮らしており、時折合図があると車椅子に座って兵士たちが
来るのを待ち受ける。そしてやってきた兵士たちは銃を構え
たまま少女の手足と首を車椅子に固定する。
それが済むと兵士たちは少女を車椅子のまま教室らしき場所
に連れて行き、そこで他の同様の子供たちと共に女性教師に
よる主には記憶力を試すような授業を受ける。その授業を少
女は優秀な成績でクリアしているようだ。
また別の時には、年配の研究者のような女性が少女に話し掛
ける。そして少女が告げた番号の部屋の子供はどこかに連れ
去られる。そんな日々がもう何日も続いていたようだ。しか
し事件が起き、その日々が終りを告げる。

主演は、ワークショップで3年間演技を学び、本作の演技で
シッチェス・カタロニア映画祭の女優賞に輝いた撮影時12歳
のセニア・ナニュア。
その脇を2010年4月紹介『プリンス・オブ・ペルシャ』など
のジェマ・アータートン、2014年2月紹介『ワールズ・エン
ド』などのパディ・コンシダイン、2014年8月紹介『ガーデ
ィアンズ・オブ・ギャラクシー』などのグレン・クローズ。
さらに2009年3月紹介『伯爵夫人』などのアナマリア・マリ
ンカ、舞台男優のフィサヨ・アキナデらが固めている。
脚本は原作者のケアリーが自ら手掛け、監督にはアイルラン
ド出身で、テレビの『シャーロック』や『ドクター・フー』
にも名を連ねるコーム・マッカーシーが起用されている。
設定は感染症ということで、映画の中で単語としては出てこ
なかったと思うが、内容はゾンビものだ。特にその食餌が生
肉のみというのは典型的な特徴だろう。ただし彼らはLiving
Deadではないようだ。
そこで本作ではHungrysという呼び名が使われ、これは原作
の通りなのだろうが、単に飢餓者という意味のこの言葉には
ちょっと違和感があった。彼らが生肉を食べていることは明
確だし、ここはFlesheatersとしたいところだが…。
いずれにしても少女たちのいた基地が彼らに襲われ、ロンド
ンの街中を次の基地を目指して移動するサヴァイヴァルが本
作の見どころとなる。しかもその主人公が少女というのは、
目新しいというか典型的なヤングアダルトものだ。
そして最後の敵も子供たちとなる。その発想は見事と言える
作品だ。

公開は7月1日より、東京は新宿バルト9、ヒューマントラ
ストシネマ渋谷他で、全国ロードショウとなる。

『桃とキジ』
2015年4月紹介『樹氷侍』に続くご当地映画の報告。今回も
サッカーの応援に訪れた岡山県で、ご当地発の映画と素晴ら
しい映画館に出逢った。
物語は題名の通り「桃太郎」に基づくものだが、その物語を
映画化したものではなく。幼稚園の学芸会で桃太郎を演じた
少女が長じて女優を目指し、上京して俳優養成所のようなと
ころで学ぶも目が出ず現在に至っている、という発端。
そんな主人公に学芸会でキジを演じた男子から、故郷岡山で
女手一つで帽子店を切り盛りしていた彼女の母親が店を畳む
らしいというメールが届く。そこで急遽帰省した彼女だった
が、母親と会うなり言い争いになってしまう。
そこはやってきたキジの男子がとりなしてくれるのだが、再
会したイヌ、サルの男子は、キジも共にいずれも地元で堅実
に仕事をし暮らしているようだった。そんな中で主人公は自
分の将来を考え始める。

主演は櫻井綾。共演に限定上映されたロックバンド「TUBU」
のアニバーサリー作品『渚の恋人たち』などに出演の弥尋。
他に、手塚理美、甲本雅裕、千鳥の大悟、ベンガルらが脇を
固めている。
監督は2009年4月紹介『海の上の君は、いつも笑顔。』など
の喜多一郎。脚本は2013年9月紹介『僕たちの高原ホテル』
などの金杉弘子。
内容的にはご当地ものに有り勝ちな展開かな。これに倉敷な
どの観光地の紹介も織り込んで、よそ者にもそれなりに地元
の良さが判るように作られている。そこに実績のある監督と
脚本家だから、それは間違いのない作品だ。
上記の『樹氷侍』は地元の手作り感満載の作品だったが、本
作では甲本や大悟のような地元の出身者に外部の人間も絡め
て、それは本格的な作品に仕上げられている。現状は地元先
行公開だが、ここから全国区に上がれるかどうかだ。

それと今回は、地元先行上映の作品を岡山市のジョリー東宝
という映画館で観たが、この上映館が素敵だった。
映画館は駅と岡山城の中間の商店街のビルの5階にあるが、
元々が映画館のために作られたビルとのことで、その天井が
2階分ほど高い。しかもスクリーンが湾曲していて、これは
最近ではほとんど見掛けない設備だった。
そこで上映前の時間に受付の若い女性に聞いてみたら、昭和
40年代に作られた設備がそのままだそうで、もちろん映写機
は最新のディジタルだが、全体の雰囲気は自分が子供の頃に
観ていた映画館のようで懐かしさも込上げたものだ。
それとこの女性は、上映後に「映画良かったよ、脚本金杉さ
んだし」と声を掛けたら、「そうなんです」と打てば響くよ
うに返ってきて、この様な従業員のいる映画館は素晴らしい
とも思ったものだ。
岡山駅そばのイオンにはシネコンもあるが、地元には「映画
を観るならジョリー」という人も多いそうで、今後もずっと
頑張って欲しいものだ。

この週は他に
『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』
     “Madame B., histoire d'une Nord-Coreenne”
(中国東北部の中朝国境近くで脱北者の手引きをする女性を
追ったドキュメンタリー。彼女自身が朝鮮に夫と子供もいる
脱北者で、中国人の家族に迎え入れられているが中国籍でな
いために定職には就けない。そのため脱北者の手引きをして
金を稼ぐ。そんな女性が韓国に渡り、韓国籍を得て中国人夫
との幸せな生活を夢見るが、今度はスパイを疑われて国籍は
おろか出国もままならなくなる。正に悲惨な人生と言えるも
ので上映された海外の映画祭を震撼させたという作品だが、
ドキュメンタリーゆえに判り難いところもあり、出来たらド
ラマ化して事実関係をもっと明白にして欲しいとも思ってし
まった。公開は6月24日より、東京は渋谷シアター・イメー
ジフォーラム他にて、全国順次ロードショウ。)
『海辺のリア』
(2009年9月紹介『白夜』などの小林政広監督が、2010年の
『春との旅』、2013年の『日本の悲劇』に続いて仲代達矢を
三度主演に迎えた作品。シェイクスピアの「リア王」をベー
スに、認知症が始まっているかつては大スターだった男性が
家族に疎まれる悲劇を、末娘との交流を交えながら描く。共
演は黒木華。他に阿部寛、小林薫、原田美枝子らが脇を固め
ている。石川県の海岸を主な背景に、ほぼ出ずっぱりの仲代
と一番多く絡むのが黒木、次いで阿部、原田、小林の順。中
でも黒木の生き生きとした演技が見もので、改めてこの人は
俳優だなあと思わせる。そんなところが楽しめる作品だ。公
開は6月3日より、東京は有楽町スバル座、テアトル新宿他
で、全国順次ロードショウ。)
『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』
                      “Dancer”
(1989年にウクライナで誕生、イギリスロイヤルバレエ団に
入団、2008年に19歳で史上最年少の男性プリンシパルになる
も、2010年に突如自ら意思で退団した天才ダンサーの今日に
至るまでを描いたドキュメンタリー。天才芸術家の奇矯な行
動はいろいろあるし、その理由を探るドキュメンタリーも時
折見掛ける。しかし本作ほどその本質に迫りそれを解き明か
した作品は珍しいだろう。その理由は僕にも理解できたもの
で、同時に彼の苦しみも共感できる。そしてそこからの復活
劇には、ある種の感動さえ生じさせる作品だった。特に終盤
の映像は正に彼の天才ぶりを描き切ったものと言える。見事
な作品だ。公開は7月15日より、東京は渋谷Bunkamura ル・
シネマ、新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『ハートストーン』“Hjartasteinn”
(2013年10月26日付「東京国際映画祭」で紹介『馬々と人間
たち』など、近年各地の映画祭を賑すアイスランドからの作
品。主人公は母親と2人の姉と共に暮らす少年。母親は奔放
で、2人の姉も一方は奔放、他方は芸術肌とかなり普通でな
い一家だ。そして主人公の周囲には近所に住む幼馴染の少年
もいた。そんな主人公の生活ぶりが描かれる。アイスランド
が北欧かどうかは意見の分かれるところだが、性に対する奔
放さはスウェーデンなどと同じなのかな。長い冬の続く環境
はこういう文化を生み出すのかもしれない。僕にはその辺の
違いが中々咀嚼できなかったが、理解ある人たちには好評に
受け入れられたようだ。公開は夏休み、東京はYEBIS GARDEN
CINEMA他で、全国順次ロードショウ。)
『めだまろん ザ・レジデンツ・ムービー』
  “Theory of Obscurity: A Film About the Residents”
(ファーストアルバムの発表から40年以上が経つのに未だに
素顔が判らないという覆面バンド The Residentsの「素顔」
に迫るドキュメンタリー。と言ってもかなり節度のある作品
で、ファンの夢を砕くようなことはしない。それでも昔から
付き合いのある人たちに丁寧なインタヴューがされていて、
それなりの歴史は判るようになっている。しかもその中には
デビュー当時の素顔で演奏している映像もあるのだが、これ
がひどい画質で…。この画質の劣化はフェイクの可能性もあ
りそうだ。そんなこんなで、音楽には疎くて特別ファンでも
ない僕にも充分に楽しめる作品になっていた。公開は2017年
初夏、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム他で全国
順次ロードショウ。)
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
                    “The Founder”
(マクドナルドチェーン設立の裏に迫ったドラマ作品。主人
公は厨房機器の営業マン。売れ行きの芳しくない商品に突然
大量の注文が入る。そこで男は大陸を横断、辿り着いたのは
効率の良い販売で客足の途切れない繁盛店だった。その業態
にフランチャイズの可能性を認めた男はその展開を提案。し
かし創業者の兄弟は中々承知しなかった。出演は2015年2月
紹介『バードマン』などのマイクル・キートン。他にローラ
・ダーン、パトリック・ウィルスンらが脇を固めている。最
終的に男はチェーンを乗っ取ってしまうのだが、その手口が
かなりえぐい。作品は乗っ取られた兄弟側の協力で作られた
ようで、これは問題作だ。公開は7月29日より、東京は角川
シネマ有楽町他で全国ロードショウ。)
『パッション・フラメンコ』“原題不明”
(2011年11月紹介『フラメンコ、フラメンコ』にも登場した
現代フラメンコの最高のダンサーとされるサラ・バラスが、
2014−15年に行った世界ツアー『ボセス フラメンコ組曲』
の制作過程を追ったドキュメンタリー。それは準備期間が僅
か3週間しかなかったという中での見事な創造性が描かれて
いる。なおツアーでは日本公演も行われており、実はプロダ
ンサーとしてのスタートが日本だったというバラスの日本で
の思い出なども語られる。それにしてもバラスのフラメンコ
に賭ける情熱は素晴らしいもので、これは上記のセルゲイ・
ポルーニンにもぜひ見て貰いたいと思った。公開は8月19日
より、東京は渋谷Bunkamura ル・シネマ他で、全国順次ロー
ドショウ。)
『天使の入江』“La baie des anges”
(『シェルブールの雨傘』などのフランスの名匠ジャック・
ドゥミ監督の1963年の作品で、アニエス・ヴァルダ監督作品
と共に今夏に特集上映される内の1本。パリの銀行員の主人
公が友人に誘われたギャンブルで大金を掴む。しかし父親に
ばれて勘当を言い渡され、ニースにやって来る。そしてパリ
のギャンブル場で見かけた女性と知り合い、コンビで大当た
りを続けるが…。浮き沈みの激しいギャンブラーの生活が彼
らの悔恨の告白と共にモノクロの映像で描かれる。ギャンブ
ル場は公営のようだが、それに嵌り込んでしまう恐怖も描か
れている。なお女性役がジャンヌ・モローで若々しい彼女の
容姿を見ることもできる。公開は7月下旬より、東京は渋谷
のシアター・イメージフォーラムで上映される。)
『セールスマン』“فروشنده Forushande”
(今年のアメリカアカデミー賞で外国語映画部門の2度目の
オスカーに輝いたアスガー・ファルハディ監督の作品。アー
サー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」をモティーフに、
その舞台に夫婦で共演する2人がある事情で引っ越した自宅
アパートでのトラブルに巻き込まれる。最初の引っ越しの事
情にまず唖然とするが、トラブルの事後処理などにお国柄も
現れる物語が展開される。犯人捜しの謎解きも併せてドラマ
としては面白い作品になっていた。出演は本作でカンヌ映画
祭男優賞のシャハブ・ホセイニと、トランプ大統領の政策に
反対して授賞式の出席をボイコットしたタラネ・アリドゥシ
ティ。公開は6月10日より、東京は渋谷Bunkamura ル・シネ
マ他で、全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。


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井口健二