| 2016年12月18日(日) |
バイオハザード:ザ・ファイナル、汚れたミルク あるセールスマンの告発 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『バイオハザード:ザ・ファイナル』 “Resident Evil: The Final Chapter” 日本のゲームを基に2001年にスタートしたシリーズの第6作 にして最終章。 最後の舞台はシリーズが開幕したラクーンシティ。シティを 支配するレッドクイーンが48時間後の人類滅亡を宣言し、そ れを阻止するため、T−ウィルスに感染したもの全てを死滅 させるワクチンを手に入れるミッションが発動する。 そのためアリスは爆心地の穴に開いたトンネルから地下要塞 と化したアンブレラ社の研究施設ハイブに潜入。しかしそこ には強力な警備員たちと様々な罠、そしてアンデッドと生物 兵器たちの群れが待ち構えていた。 果たしてアリスは刻限までにワクチンを手に入れ、地球人類 を救うことができるのか…? 出演は、夫で製作者・脚本家・監督のポール・W・S・アン ダースンと共に、シリーズ全篇を駆け抜けたアリス役ミラ・ ジョヴォヴィッチ。 それに第3作、第4作に登場したクレア役アリ・ラーター。 さらに第4作、第5作に続いて登場のショーン・ロバーツ、 第2作、第3作以来となるイアン・グレン。 また、オーストラリア出身のルビー・ローズ、アイルランド 出身のオーエン・マッケン、韓国のイ・ジュンギ、キューバ 生まれのウィリアム・レヴィ、日本からROLAらが脇を固 めている。 2012年9月紹介『バイオハザードVリトリビューション』で は、シリーズ第1作のレイン役ミシェル・ロドリゲスと、第 2作のジル役シエナ・ギロリーを再登場させ、それも含めて 次での終結を予想したが、その通りになってしまった。 その前作の紹介でも書いたが、元々アンダースン監督はこの シリーズを3部作で構想していたもので、それが大ヒットの お蔭で延長されていた。しかしちょうど2倍の第6作での終 結は、監督も満足のところだろう。 因に監督は、3部作の構想を普段の生活からゲームへの導入 →ゲーム世界→ゲーム世界からの帰還としていたものだが、 その第3部となる本作は、もっと突飛なものも予想したが、 意外としっとりとした余韻のあるものになっていた。 これは15年間シリーズに付き合ってきた者にも、素敵な贈り 物と言えそうだ。 公開は今週末の12月23日より、全国ロードショウとなる。
『汚れたミルク あるセールスマンの告発』“Tigers” 1990年代後半のパキスタンで起きた多国籍企業の強引な販売 活動による障害事件を描いた実話に基づく作品。 主人公は地元の製薬会社の営業マンだったが外国企業の進出 で取引先を奪われる。そこで彼は自らが外国企業に就職し、 以前の顧客リストを駆使して成績を上げて行くが…。彼の販 売した製品がとんでもない事態を引き起こす。 その原因は企業の責任だけではなかったが、彼にはその事実 を隠蔽しようとする企業の体質が許せなかった。そしてその 事態を告発しようとする主人公の前に、軍警察も絡んだ妨害 工作が立ちはだかる。 物語は告発に踏み切った主人公がドキュメンタリー作家に映 画の製作を依頼する形式で進められ、監督や製作者が弁護士 を交えて各種の問題点を探る模様と共に、再現ドラマで事態 の推移が描かれて行く。 出演は、インド・パキスタンで多数のファンを持つが非ボリ ウッド映画には初出演のイムラン・ハシュミと、本作が4作 目のギータンジャリ。 その脇を、2009年『ウルヴァリン』などのダニー・ヒュース トン、2008年1月紹介『君のためなら千回でも』などのカー リド・アブダッラー、2014年1月紹介『エージェント・ヴィ ノッド』などのアディル・フセインらが固めている。 脚本と監督は、2005年12月紹介『美しき運命の傷痕』などの ダニス・タノヴィチ。共同脚本に、2016年7月17日題名紹介 『クワイ河に虹をかけた男』で触れた『レイルウェイ運命の 旅路』のアンディ・パタースンが参加している。 題名からは僕らの世代では「ヒ素ミルク事件」を思い出した が、全くレヴェルの違う話だった。それは前回題名紹介『ス ノーデン』の食品版とも言えそうなものだが、それがサスペ ンスもたっぷりに描かれている。 しかも本作は、実は2014年にインド=フランス=イギリスの 合作で製作されているものだが、それが未だに映画祭以外で の一般公開がされていないのだそうだ。そんな作品が日本で 世界初公開となる。 映画の巻頭には、1970年代にアメリカ合衆国内で起きた同様 に事件に対する公聴会での音声が流される。そこでは当時の エドワード・ケネディ上院議員の追及に企業側が屈服してい る様子が登場する。 つまりその当時から指摘されていた事態が、その後もアフリ カや南米でも繰り返されたという。これは確かに企業責任も 問われるべきものだろう。しかも本作の一般公開が未だに阻 害される。これもその事態の一因と言えるのかもしれない。 日本公開は3月4日より、東京は新宿シネマカリテ他で、全 国順次ロードショウとなる。
この週は他に 『人類遺産』“Homo sapiens” (後半では軍艦島がフィーチャーされる廃墟ばかりを撮影し たドキュメンタリー(?)作品。ナレーションも音楽も一切 なく。ただ廃墟の映像だけが羅列される。そこには☭の壁画 が飾られた巨大な屋内施設のボロボロに朽ち果てた姿なども 登場する。ただ解説の字幕もないと、自分は何を観ているの だろう?という気分にもなるが、最近の廃墟マニアと呼ばれ る人たちにはこれで良いのだろう。その点で言うと本作はド キュメンタリーではなく、環境ヴィデオのような作品だ。と は言え映画の最初で日本語の張り紙のされた自転車置き場が 写し出され、それが福島だと理解した時には、自分にそうい う認識がなくショックを受けた。公開は2月下旬、渋谷シア ター・イメージフォーラム他で、全国順次ロードショウ。) 『世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方』 “Quatsch und die Nasenbarbande” (世界の12箇所以上の映画祭で観客賞や子供映画賞を受賞し ている2014年製作のドイツ映画。地図上でドイツのセンター とされる村を舞台に、その村があまりに平均的であるために モニタリング会社が進出して巻き起こる騒動を、子供たちの 活躍で収めるというお話。中心になるのは子役というよりま だ幼児という感じの子供たちで、その子供らの奔放な行動が ドラマとして描き出されている。しかも合成やそこそこ大掛 かりな屋台崩しなどもあって、それらは大人の目で観ると多 少退いてしまうところもあるが、子供が観るには楽しいもの だろう。まあたまには童心に返って楽しんで貰いたいという 作品だ。公開は2月11日よりTOHOシネマズ二子玉川他にて、 全国順次ロードショウ。) 『セル』“Cell” (1970年代『キャリー』、80年代『シャイニング』、90年代 『ミザリー』などのスティーヴン・キングが自らの原作から 脚色も手掛けたホラー作品。よく似た題名では2001年公開の ターセム監督『ザ・セル』があるが内容は別物。本作のセル はセルフォン(携帯電話)のことで、携帯依存症の現代人へ の警鐘のような作品にもなっている。主人公はコミックスの 作家。ようやく作品が出版社に売れ、地元の空港に帰着した 彼の前で惨劇が始まる。それは携帯電話での通話が切っ掛け だった。出演はジョン・キューザック、サミュエル・L・ジ ャクスンと、2009年9月紹介『エスター』などのイザベル・ ファーマン。公開は2月11日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ 他で、全国ロードショウ。) 『ゾウを撫でる』 (ウェブサイトのネスレアミューズで配信された1話6分× 10本の短編連作を再編集し、追加撮影も施して仕上げられた 作品。映画製作の裏話を、脚本家、監督から出演者、さらに は脚本の印刷所、ロケ地のフィルムコミッションまで登場さ せて各方向から描いて行く。それぞれの脈絡はないが実に巧 みに物語が進行され、正しく映画愛を感じる作品になってい る。監督は2011年5月紹介『日輪の遺産』などの佐々部清、 脚本も『日輪』などの青島武。出演者には小市慢太郎、高橋 一生、羽田美智子、大杉漣らが顔を揃えている。因に題名は 「群盲象をなでる」の諺から映画製作の各部を描いたものだ が、象が片仮名なのは映像に掛けたそうだ。公開は1月14日 より、渋谷シネパトス他で全国順次ロードショウ。) 『沈黙−サイレンス−』“Silence” (2016年10月に記者会見の模様を報告したマーティン・スコ セッシ監督の最新作がマスコミに披露された。作品は上映時 間2時間41分に及ぶもので、江戸時代初期を背景に江戸幕府 の切支丹弾圧に屈して棄教したとされる師の跡を追って日本 に密入国した2人の宣教師の苦悩と苦闘が、宗教の真の意味 を問う形で描かれる。それはまあ日本人としては多少心苦し いところもあるが、現代の世界に対しては日本人の意見の方 が正論と言える部分もあり、これから始まる海外での評価も 気になる所だ。なお出演者などは前記の記事をご覧いただき たい。それにしても台湾ロケされた背景の自然の美しさと、 特に塚本晋也の熱演が印象に残る作品だ。公開は1月21日よ り、全国ロードショウ。) 『咲-saki-』 (2006年に連載が開始され、すでにインターネットラジオや ドラマCD、テレビアニメにもなっている人気漫画の実写映 画版。自分の学生時代は麻雀ブームで、僕はさほど熱心でな くてもそれなりに試合のルールなどは知っているものだが。 そんな目で観ていてこの作品は実に面白かった。それがちゃ んとやる人にはどう映るか知らないが。とにかく終盤の有り 得ない展開には笑いが止まらなかった。そんな馬鹿々々しい けど愉快な作品と言える。出演は浜辺美波、浅川梨奈、廣田 あいか。他に夏菜、佐野ひなこらが脇を固めている。監督は 2010年5月紹介『結び目』などの小沼雄一。因に主人公らの 手つきはプロの雀士の指導による演技だそうだ。公開は2月 3日より、TOHOシネマズ日本橋他で全国ロードショウ。) 『LUPIN THE �沓劭� 血煙の石川五ェ門』 (モンキー・パンチ原作『ルパン3世』を再構築し、ルパン らの若き日とその出会いを描いたアニメーション作品。監督 は2010年7月紹介『REDLINE』などの小池健で、監督 は2014年に『次元大介の墓標』という作品も発表している。 物語の開幕は伊豆沖を進むカジノ船。そこから大金を盗み出 したルパン、次元、不二子だったが、直後に船が爆発。その あおりで暴力団の組長が死亡し、用心棒だった石川は爆発を 図った殺し屋との対決に挑む。しかしその殺し屋は2丁の斧 を操る最強の敵だった。声優は栗田貫一、小林清志、浪川大 輔、沢城みゆき、山寺宏一。上映時間54分だが、何しろアク ションの連続する作品だ。公開は2月4日より、新宿バルト 9他で4週間限定ロードショウ。) 『NEON DEMON』“The Neon Demon” (2011年11月紹介『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング ・レフン監督が、2016年4月紹介『トランボ』などのエル・ ファニングを主演に迎えた最新作。本作は今年の東京国際映 画祭でも招待上映された。主人公は田舎町からロサンゼルス に出てきたばかりの16歳の少女。ファッションモデルに憧れ る彼女は天賦の美貌で階段をとんとん拍子に昇って行くが、 そこは正に魔窟とも呼べる世界だった。ファニングが次々に 華麗なファッションに身を包むのも見所だが、後半はかなり 異様な雰囲気になって、俊英監督の描く世界観も楽しめる。 共演は、2008年5月紹介『イントゥ・ザ・ワイルド』などの ジェナ・マローン。他にキアヌ・リーヴスらが脇を固めてい る。公開は1月13日より、全国ロードショウ。) 『新宿スワン�供� (綾野剛の主演、園子温監督による2015年作品の続編。実は 前作も試写を観させて貰ったが、結末で何が起きたのかその 意味が良く判らず、紹介を手控えてしまった。その謎が本作 ではほぼ解消されたもので、これは続編を想定しての仕業で あったことを納得した。その物語は、前作で規模拡大に成功 した主人公の属する歌舞伎町のスカウト会社が、さらに横浜 進出を目論むというもの。当然そこには地元の会社があって そことの抗争となるが…。それに前作からの因縁やその他の 柵が絡み付く。麻薬との線引きが明確で、その点は善良?な 作品になっている。また大掛かりなスタントアクションもあ り、エンターテインメントとしては合格だろう。公開は1月 21日より、全国ロードショウ。) 『くも漫。』 (風俗店で絶頂を迎えた瞬間にくも膜下出血を発症したとい う原作者の実体験に基づく漫画を実写映画化した作品。知り 合いでこの病になった人もおり、意外に身近なテーマだが、 その展開が男性にはかなり後ろめたさも感じさせるもので、 R−15指定は何となく納得させる。病気がテーマの作品では あるが、その予防法などを紹介するものではなく、ただその 状況に陥った主人公の混乱ぶりが、ステレオタイプだが実に 有りそうな周囲の人々と関る様子と共に面白おかしく描かれ る。身につまされるが笑えてしまえる作品だ。主演はお笑い 芸人の脳みそ夫。共演に平田満、立石涼子、柳英里紗、沖ち づる。公開は1月末、東京は新宿バルト9他にて、全国順次 ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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