| 2016年09月11日(日) |
宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち・記者会見、ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち、92歳のパリジェンヌ |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち』記者会見 2012年3月と2014年12月で紹介した往年の大ヒットシリーズ からのリメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編。その作品 が、1978年の旧作続編と同じ副題を付けて製作されることに なり、その製作発表記者会見が行われた。 以前にも書いたように、僕にはこのシリーズへの思い入れが ほとんどないものだが、実は1978年の旧作続編に関しては、 当時その結末に対して批判的であったために不愉快な思いを した記憶がある。 それは今で言うネトウヨがするような中傷であったが、当時 にネットがあったら正に炎上していたのかなと思うようなも のだった。今回はそんな題名を付けた作品の記者会見という ことで、多少構えて観に行ったものだ。 その会見では、2009年からシリーズに関わり『2199』の企画 を立ち上げた西��彰司、『2199』の声優の小野大輔、桑島法 子に加えて、本作の監督を務める羽原信義、シリーズ構成・ 脚本の福井晴敏が登壇した。 因に羽原は、本シリーズの思い出としては「オリジナルを裏 番組の円谷作品を見ずに視聴していた」そうだが、会見場で このエピソードを語っても反応は薄かったものだ。また先の 『2199』では一部の絵コンテを担当していた。 これに対して福井は、1978年の旧作続編の公開時には別の映 画館で『キタキツネ物語』を観ていたそうだが、2013年7月 紹介『人類資金』の原作・脚本や、アニメでは2010年からの 『機動戦士ガンダムUC』のストーリーも提供している。 その福井が今回のリメイク版に関しては、「結末は同じには しない」と強い口調で語ったもので、その中では近年横行す る自爆テロにも言及しているところから、それなりの考えも あっての発言と思われる。 ただし福井は、『人類資金』の時にも記者会見で強い思いを 語っていたものの、映画化ではそれが充分には反映されてい なかった感じがしたもので、その辺では羽原監督との連携も 注目したいところだ。 なお会見では、リオオリンピックの銀メダリストが登場した スポーツメーカーとのコラボレーションの発表や、サプライ ズを含む予告編の公開などもあったが、それらが本編にどの ように活かされるのか、その辺も注目したい。 公開は2017年2月25日より、東京は新宿ピカデリー他の全国 15館にて「第1章」の2週間限定劇場上映が行われ、さらに シリーズ全7章の劇場上映が決定しているそうだ。
『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』 “Nicky's Family” 1939年3月14日〜8月2日の間に、669人のユダヤ人の子供 をナチスによる迫害の増すチェコスロヴァキアからイギリス に救出した一証券マンの姿を描いたドキュメンタリー。 スタートは1938年12月。スイスへのスキー旅行に行こうとし ていたウィントンは、同行予定だったチェコ駐在の友人から の電話を受ける。それは「旅行を止めてこちらに来てくれ」 という要請だった。 その要請に従ったウィントンがチェコで目撃したのは、ナチ スドイツの侵攻で迫害の標的にされたユダヤ人の姿だった。 この時はまだ占領地からの退去を求めていたものだったが、 既にそれを受け入れる国が足りなかった。 そこでウィントンは子供だけでも助けられないかと考えを巡 らすが、唯一受け入れを表明したイギリスでも厳しい条件が 課せられていた。その条件をクリアするためにウィントンは 動き始めるが…。 1993年の『シンドラーのリスト』や昨年の『杉原千畝』、さ らに日本では一般公開できない2009年“John Rabe”など、 戦時下の体制に抗して人命の救助に尽くした個人というのは 考える以上に多くいるようだ。 そんな人間の素晴らしさを感じることのできる作品だ。 しかし本作のウィントンには、戦後50年間も家族(妻)にも 自分の行為を話さなかったという事実がある。そこには彼が 数1000人分の申請を受けながら669人しか救えなかったとい う自責の念に駆られていた感じがある。 特に9月出発の準備が整ったものの列車に乗る直前に戦争が 始まり、イギリスへの脱出の叶わなかった250人の子供たち の多くは、その後に強制収容所で死亡したという。それが彼 の口を閉ざす要因でもあったのだろう。 その点を踏まえながら本作では、単に彼の偉業を称えるだけ でなく、それが後に与えた影響も検証して行く。そこでは子 供たちやその子孫が学術やヴォランティア活動などに多大な 業績を生んでいることも紹介される。 そこにこそ彼の行ったことの意味が見えるようにも思えるも のだ。そんな未来に繋がるドキュメンタリーが描かれた作品 だ。そこには2016年7月17日に題名紹介の『クワイ河に虹を かけた男』にも通じる感慨が浮かんだ。 公開は11月26日より、東京はYEBISU GARDEN CINEMAほかで、 全国順次ロードショウとなる。
『92歳のパリジェンヌ』“La Dernière leçon” 今年のフランス映画祭で上映され、観客賞を受賞した作品。 元フランス首相の実母が実行した実話に基づく映画化。 その母親は一人暮らしだったが、寄る年波で身体の不調が続 いていた。そんな中で母親は遂にある決断をする。それは息 子と娘の家族が開いてくれた誕生日パーティの席で、「私は 2カ月後に逝きます」と宣言することだった。 その宣言に息子や娘は驚き反発するが、孫の若者はある程度 の理解を示したようだ。そして母親は思い出の残る様々な品 物の整理を始めるが…。どうしても理解できない息子と、あ る程度の理解をしようとする娘の葛藤が続いて行く。 出演は、1932年生まれ1981年『愛と哀しみのボレロ』などの マルト・ヴィラロンガ、2008年11月紹介『彼女の名はサビー ヌ』の監督でもあるサンドリーヌ・ボネール、コメディ俳優 のアントワーヌ・デュレリ。 他に、2005年7月紹介『真夜中のピアニスト』などのジル・ コーエン、若手のグレゴアール・モンタナ、2014年11月2日 付「第27回東京国際映画祭」で紹介『1001グラム』に出てい たザビーネ・パコラらが脇を固めている。 脚本と監督は女優でもあるパスカル・プサドゥー、共同脚本 として監督でもあるロラ・ドゥ・バルティーヤが参加。脚本 は、元首相の妹でフランス文芸家協会副会長も務めるノエル ・シャトレが実母を綴った著作に基づいている。 今年は先にドイツ映画の『君がくれたグッドライフ』や7月 紹介『世界一キライなあなたに』などがあって、自殺を嫌う 僕としては忸怩たる想いが続いているが。この傾向は数年前 から見え始めたもので、その背景も知りたいところだ。 それにしても、この映画の登場人物たちが介護施設をここま で拒否する理由は何なのだろう。それは確かに介護を受ける ということには人間としての尊厳の問題はあるのだろうが、 家族への迷惑を考えれば僕は許容できる。 実は僕の母親も90歳を超えて、痴ほうも患っている関係で施 設に入れて貰っているが、医者からは100歳まで生きると言 われて、それが本人として幸せなのかどうか。でも生きてい てくれることが家族にとって幸せであることは確かだ。 正直に言ってしまえば、僕の母親の場合は痴ほうであるため に本作のような悩みには煩わされずに済んでいる訳だが…。 僕自身も家族に迷惑を掛けないように、最期を迎えたいとは 思っている。 ただし自らの命を絶つことに対しては、僕は絶対反対の立場 を取る。仮に肉体的な苦痛があってもそれを緩和する手段は あるものだし、余命を宣告されてもその期間は全うしたい。 その点ではやはり容認できない作品なのだと思う。 映画の公開は10月29日より、東京はシネスイッチ銀座他で、 全国順次ロードショウとなる。
この週は他に 『彼岸島 デラックス』 (2002年より連載の松本光司原作コミックスの映画化。同じ 原作は2010年にも映画化があるが、当時は困難だった巨大モ ンスターのVFXが可能となり、本格的な映画化となってい る。因に原作はホラーよりギャグの要素も強いそうで、観客 もその点を考慮する必要はありそうだ。公開は10月15日より 全国ロードショウとなる。) 『記憶の中のシベリア(祖父の思い出/ソウルからの手紙)』 (自分の父親がシベリア抑留者だったこともあって興味深く 観たが、何か興味の視点がずれている感じが否めなかった。 まあでも今の人にはこれで良いのかな。戦争があったことも 知らない若者が多いのだから。ただそういう人たち向けには もう少し背景も説明して欲しかったかな。10月8日〜21日に 新宿K's cinemaにて上映。) 『お父さんと伊藤さん』 (上野樹里、藤竜也、リリー・フランキーというかなり個性 の強い3人が共演するファミリー?ドラマ。2012年7月紹介 『ふがいない僕は空を見た』などのタナダユキの監督で、原 作ものではあるが監督らしい作品に仕上がっている。公開は 10月8日より、東京は新宿バルト9、渋谷シネパレス他で、 全国ロードショウとなる。) 『VR ミッション:25』“The Call Up” (仮想現実の中で繰り広げられるバトルゲーム。その体験版 に参加したゲーマーの運命を描いたアクション作品。テーマ 的には押井守監督の『アヴァロン(2000)』などが思い出され るもので映像は精密になったが、もう少し内容を掘り下げて 欲しかったかな。公開は11月19日より、池袋HUMAXシネマズ 他で、全国ロードショウとなる。) 『誰のせいでもない』“Every Thing Will Be Fine” (2011年10月紹介『Pina』で3D撮影に挑戦したヴィム ・ヴェンダース監督が、今回はドラマでそれに挑んだ作品。 それは当然シミュレーションではなくナチュラルな3Dで、 その見事な映像は3Dの新たな可能性を示している。公開は 11月12日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで、全国 順次ロードショウとなる。) 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』“Bridget Jones's Baby” (2001年と2004年に公開されたレネー・ゼルウィガー主演作 の第3弾。実に12年ぶりの新作だが、その間には制作会社側 の事情もあったようで…。でもその間隔が本作では、主人公 も上手く成長してかえって良かったような感じもする。さら に続編は有かな? 公開は10月29日より、全国ロードショウ となる。) 『灼熱』“Zvizdan” (クロアチア紛争を背景に、1991年、2001年、2011年3つの 時代の2つの民族の姿を描いた2時間3分の大作。各時代の それぞれの物語を同じ俳優たちが異なる役柄で演じる。複雑 になるかとも思われたが、内容はシンプル且つ明確に描かれ ていた。公開は11月、シアター・イメージフォーラム他で、 全国順次ロードショウとなる。) 『kapiw と apappo〜アイヌ姉妹の物語〜』 (東京と阿寒に離れて暮らすアイヌの姉妹が、東日本大震災 を機にデュエットのコンサートを開くまでを描いたドキュメ ンタリー。終盤に描かれるライヴの模様が素敵で、そこに至 るまでの葛藤が何だったのかと思わせる。特に訳の判らない プロデューサーは要らなかったのでは? 公開は11月19日〜 12月2日に、ユーロスペースにてレイトショウ。) 『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやってきた』 “Ants on a Shrimp” (7年連続ベスト5入り、内4度は世界一のレストランが本 国の店を閉め、2015年1月から5週間限定で東京に出店した 際の模様を描いたドキュメンタリー。実は先にノーマ本体を 描いたドキュメンタリーも観たがそちらは完成形で、本作で はそこに至る道筋が観られる。公開は12月10日より、YEBISU GARDEN CINEMAほかで、全国順次ロードショウとなる。) 『たたら侍』 (今年のモントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞を受賞し た作品。EXILE HIROの製作総指揮で、EXILE青柳翔、小林直 己、AKIRAらが主演。脚本監督は2006年7月紹介『ミラクル バナナ』などの錦織良成。内容は戦国時代を背景にした若者 の成長物語だが、そこに古来の製鉄法や刀鍛冶が描かれる。 公開は2017年初夏、新宿バルト9ほかで予定されている。) を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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