井口健二のOn the Production
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2015年06月21日(日) パージ/パージ:アナーキー

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『パージ』“The Purge”
『パージ:アナーキー』“The Purge: Anarchy”
1996年にロビン・ウィリアムス主演、フランシス・フォード
・コッポラの監督で映画化された『ジャック』などの脚本家
ジェームズ・デ・モナコが、自作オリジナル脚本を監督して
全米を震撼させた近未来が舞台の作品。
舞台となるのは第1作が2022年で第2は2023年だったかな。
プロローグによると2017年に施行された法律により、3月の
ある晩の12時間だけ全ての犯罪が野放しになる。それは貧困
層を撲滅し経済を安定させる為の法律だった。
そして第1作では、防備は完璧のはずのセキュリティ専門家
の家に標的とされた黒人の若者が助けを求めてくる。その若
者を迎え入れた一家は暴漢たちの標的とされ、完璧だったは
ずの防備が破られる。
一方、第2作では時間までに自宅に戻れず街に取り残された
人々が主人公。そこに強力な武器を持つ男が現れ、男の庇護
の許に街を彷徨う逃避行が開始される。そこにはさらに強力
に武装した連中も徘徊していた。

出演は、第1作が今年1月紹介『プリデスティネーション』
などのイーサン・ホーク、2012年12月紹介『ジャッジ・ドレ
ッド』などのレナ・ヘディ。さらに2013年7月紹介『レッド
・ドーン』などのエドウィン・ホッジらが脇を固めている。
また第2作は、2014年3月紹介『ディス/コネクト』などの
フランク・グリロ、2011年1月紹介『お家をさがそう』など
のカルメン・イジョゴ、2013年2月紹介『ラストスタンド』
などのザック・ギルフォードらが共演している。
無差別大量殺人を描いた作品としては、邦画では『バトル・
ロワイアル』や『リアル鬼ごっこ』など枚挙に暇がないが、
本作ではそこに至るまでの理由付という点がそれなりに考え
られているかな。少なくとも餓鬼の思い付きではない。
まあその辺は、西部劇時代からのリンチの伝統や人種差別の
歴史を持つ国の面目というところかな。内容的にも邦画のよ
うな殺し方の品評会ではなく、それなりに人間ドラマなども
考えられている感じはした。
ただまあこの設定には最初から無理がある訳で、本作のよう
に全ての犯罪を無法にしてしまうと、実は殺人より経済犯罪
などの方が損得勘定では理に適ってしまう。それをしたら、
それこそ政府転覆も可能になる。
また第1作ではレイプを予想させる発言があるが、それを認
めたら恐らく女性の反発は強力なものになるだろう。その点
が第2作で全く触れられないのは、もしかしたら何か指摘が
あったのかもしれない。
とは言え、第1作と第2作でがらりと展開を変えて見せたの
は流石なところで、これで来年公開が予定されている第3作
への興味も高まるものだ。そのための伏線も大量に敷かれて
いる感じがした。

公開は第1作が7月18日から、第2作は8月1日から、共に
東京はTOHOシネマズ日劇他で、全国ロードショウとなる。


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井口健二