| 2015年06月07日(日) |
マッドマックス 怒りのデス・ロード、インサイド・ヘッド |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 “Mad Max: Fury Road” 1979年に第1作が発表され、81年、85年と3部作が製作され たオーストラリア映画のリブート作品。 背景は文明の崩壊した終末世界。そこでは水と石油が全ての 生命線であり、それらを巡って徒党を組んだ者たちによる激 しい戦いが続けれらていた。そんな戦いの中に1匹狼の男が 登場する。 その男は闘いに巻き込まれてとある1団に拉致され、そこで 血液型はO型とされた男は病に侵された若い兵士への輸血の 道具として戦闘に引き出されることになる。ところがそこで 反乱がおきる。 徒党のリーダーに玩具にされていた女たちが1人の女性戦士 と共に逃亡を図ったのだ。そしてその追手の先陣を切った兵 士に輸血チューブで繋がれたまま、主人公もまたその女性た ちを追うことになったのだが…。 先走り過ぎた兵士は女性たちに捕われることとなり、それに より解放された主人公は女性たちと共に彼女らの目指す楽園 に向けて砂漠を邁進することになる。しかしその先には過酷 な運命が待ち構えていた。 出演は、主役に2013年4月紹介『欲望のバージニア』などの トム・ハーディ。彼はベストセラーの映画化『チャイルド44 森に消えた子供たち』と、見事な1人芝居を見せる『オン・ ザ・ハイウェイ その夜、86分』も同時期に公開される。 そして相手役には、2014年9月紹介『荒野はつらいよ〜アリ ゾナより愛をこめて〜』などのシャーリーズ・セロン。さら に2013年6月紹介『ウォーム・ボディーズ』などのニコラス ・ホルト、2014年公開『ダイバージェント』などのゾーイ・ クラビッツらが脇を固めている。 そして主人公の敵役には、1979年のオリジナルでも同じ役を 演じたヒュー・キース=バーンが再登場する。 製作、脚本、監督は第1作からシリーズ全作を手掛けてきた ジョージ・ミラー。前3部作以降、特に近作では『ベイブ』 や『ハッピーフィート』といったファミリーピクチャーを作 り続けていたミラー監督がついに原点に戻ってきた。 物語はリブートだが、オリジナルにあった主人公の辿る経緯 のような部分は削除され、映画はほぼ全編がアクションで押 し切られている。そのアクションは前3部作の集大成という 感じでもある。 これは正しくアクション映画の金字塔と言える作品だろう。 しかもそこには現代人なら誰しもが感じ取れるメッセージが 込められており、それは観客の共感を呼び起こす。これには もしかすると『LOTR』の再来も予感するものだ。 公開は6月20日より、2D/3D及びIMAX3Dでの上映 が予定されている。
『インサイド・ヘッド』“Inside Out” 今やディズニーピクチャーズの根幹とも言えるピクサーが、 1995年に『トイストーリー』を発表して20周年の記念作品。 物語の舞台は1人の少女の頭の中。そこには少女の行動を決 める司令部があって、「よろこび」「かなしみ」「いかり」 「おそれ」「むかつき」の感情たちが互いに主導権を争いな がらも協力して、少女の身体を制御していた。 またそこは少女の思い出を選別する場所でもあり、少女が体 験した思い出を球体にして記憶の倉庫へと送り出していた。 その思い出は記憶の倉庫に美しい出島を形成し、司令部から 見えるその風景は感情たちの誇りでもあった。 ところがいくつかの偶然が重なって、「よろこび」と「かな しみ」の感情が記憶の倉庫に吸い出されてしまう。このため 重要な2つの感情を失った少女の行動は変調し、危険な状況 へと陥って行く。 さあ、「よろこび」と「かなしみ」は一刻も早く記憶の倉庫 を抜け出して司令部に帰り着くことができるのか…。それは 記憶の迷宮での大冒険へと2人を誘う。そして「かなしみ」 の感情に託された大事な使命とは! 思春期の少女の精神問題を扱った作品では、1999年ウィノナ ・ライダーが製作総指揮と主演を務めた『17歳のカルテ』を 思い出すが、本作はそれを見事に平易なファミリードラマと して描いた作品と言える。 脚本と監督は、『トイストーリー』での作画監督を担当し、 2009年9月紹介『カールじいさんの空飛ぶ家』などを手掛け たピート・ドクター。その『カール…』のスピンオフ作品と される『ダグの特別な1日』を手掛けたロニー・デル・カル メンが共同監督として参加している。 僕自身は精神医学に明るい者ではないが、本作にはそんな僕 でも思わずニヤリとする場面が幾つもあり、「一家に1冊は フロイトの本がある」と言われる精神病マニア大国アメリカ で、この作品がどう評価されるか楽しみだ。 因に本作は5月のカンヌ国際映画祭でワールドプレミアされ たもので、アメリカでの一般公開は6月20日。上述のアメリ カ人を納得させるべく万全の準備がされているとは思うが、 正に映画制作者の正念場という感じの作品だ。 正直に言って僕は少し奇をてらった感じの作品を危惧してい たのだが。試写を観終えての感想では、これは本物だという 印象を持った。アメリカ人の評価は未知数だが、サブキャラ クターの設定など大人が観ても楽しめ納得できる作品だ。 日本公開は7月18日から、2D/3Dでの全国ロードショウ となる。
|