| 2015年04月05日(日) |
ドラゴンボールZ 復活の「F」、新選組オブ・ザ・デッド/Zアイランド/遺言/ニート・オブ・ザ・デッド |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ドラゴンボールZ 復活の「F」』 2013年3月紹介『ドラゴンボールZ 神と神』に続く往年の 人気テレビアニメの劇場版。前作からかなり積極的にアニメ 化にタッチしている原作者の鳥山明が、本作では自ら脚本も 手掛けたものだ。 題名に掲げられた「F」とは、1990年代の『ドラゴンボール Z』に登場した宇宙最凶の敵フリーザのこと。以前の『ドラ ゴンボール』では、悟空が戦った相手は基本的にわだかまり を捨てて友となるが、フリーザは別の末路を迎えていた。 そんなフリーザの復活が旧フリーザ軍の残党らによって画策 される。そして神龍の力を借りて遂に復活したフリーザは、 悟空たちへの復讐を誓い、1000人の超人兵士たちと共に地球 に襲い掛かるのだが…。 その頃、悟空とベジータは前作で戦った破壊神ビルスの許で 修行を続けていて不在。このためピッコロ、悟飯、クリリン たちが苦戦を強いられる中、悟空とベジータが戻ってくる。 しかしフリーザはさらなる変身を遂げていた。 ということで、前作にも増した激烈な戦闘シーンがIMAXを含 む映画館の大スクリーンで繰り広げられる。まあ正直に言っ てしまえばそれだけの作品なのだけれど、昔から見てきた者 にとっては懐かしさもあり、それで良いと思える作品だ。 声の出演は、野沢雅子、中尾隆聖、山寺宏一、森田成一、堀 川りょう。さらに佐藤正治、鶴ひろみ、田中真弓、古川登志 夫。また中川翔子も前作に続いて声優を務めている。監督は 前作で作画監督を担当した山室直儀。 日本のアニメはほとんど観ていないので、正直あまり語るこ とはできないのだが、最近に試写で観た作品でも何と言うか 世界観が不明で、さっぱりストーリーが理解できなかったも のもある。でもまあそれが受けているようなのだが。 その点で言うと本作の場合は、その世界観は原作とテレビシ リーズでしっかりと構築されている訳で、それがこちらにも 判っているから、観ていて判り易いことはこの上ない。それ が多少無茶苦茶でも了解できてしまうところだ。 まあそれくらいに他の作品も理解してあげればというところ だが、そこまで行けないのは自分にも責任を感じてしまうも のでもある。そんなことで本作だけ取り上げて紹介すること をお許し願いたい。 公開は4月18日から、2D/3D及びIMAX 3Dで全国超拡大 ロードショウとなる。 なお試写は2Dで行われたので、3Dの効果に関しては未知 のままだ。
『新選組オブ・ザ・デッド』 『Zアイランド』 『遺言』 『ニート・オブ・ザ・デッド』 ゾンビをテーマにした作品の試写が立て続けに行われたので 纏めて紹介しておこう。 1本目は、お笑いコンビ「バナナマン」の日村勇紀が長編映 画初主演、というのが宣伝コピーの最初にある作品。これが 主演か?という疑問は湧くが、オスカーの主演賞の基準も曖 昧で、製作者が主演といえばそれが主演ということだ。 それでお話は、題名の通り新選組が活躍する幕末の世を背景 に、怪しげな武器商人が武器と一緒にゾンビを密輸入する。 しかもそのゾンビが逃亡。それが新選組の番所に現れ…、と いう展開だ。 時代劇とゾンビというアイデアは判らないでもないが、そこ から先が何ら普通のゾンビ物と変わらない。ただゾンビと意 思疎通を図ろうとするなどは、それなりの展開だが、これも 1985年“Day of the Dead”で既にあるものだ。 作品のレーティングはR15+だが、期待したほどの描写がある ものでもなく、もっと何か時代劇ならではの時代背景の中で のゾンビの活躍を描いて欲しかった。これではアイデア倒れ と言わざるを得ない。 共演は、山本千尋、竹石悟朗、水樹たま、上杉周大。他に、 2005年9月『探偵事務所5』で出演と一部監督も務めた渡辺 一志、2013年11月紹介『ネオ・ウルトラQ』のPart 2に出演 の尚玄らが脇を固めている。 因に、山本千尋は昨年公開の『太秦ライムライト』にも主演 していて、同作でも見事なチャンバラを披露していた。実際 に剣道の腕前も確かなようで、今後にも期待したい。 2本目は、哀川翔芸能生活30周年記念作品と称された作品。 2014年1月紹介『サンブンノイチ』などの品川ヒロシ脚本・ 監督による第4作で、今年1月紹介『ら』などの西村喜廣が 特殊造形監修を担当している。 物語の舞台は銭荷島という名前の離れ小島。そこでは愛人と 共に組を抜けた1人のチンピラやくざが、組から持ち出した ドラッグを捌いて金を稼ごうとしていた。しかしその事実が 発覚し、敵対する2つの組の幹部が島にやってくる。 その頃、島の診療所では奇妙な症状の患者が増え始め、やが て患者はゾンビに変身。さらに患者が人に噛みつくと被害者 もゾンビになっていた。しかもそこにドラッグが加わると… それはとんでもない効果を生じることに。 一方、やくざ稼業に疲れて組を解散した元親分らが、やくざ の父を嫌って家出した娘の後を追ってその島にやってくる。 そしてゾンビとやくざの抗争に遭遇した彼らは否応なくその 戦いに巻き込まれることになるが。 共演は、鈴木砂羽、鶴見辰吾、木村祐一、宮川大輔。さらに 風間俊介、窪塚洋介、中野英雄。他に吉本興業の芸人らが脇 を固めている。 品川の脚本は過去のゾンビ映画をそれなりに研究はしたよう で、いろいろと薀蓄があったり、まあ観客を面白がらせよう とはしているようだ。ただこの作品も、もう少し何か捻りが 欲しかったかな。全体に物足りない感じが残った。 3本目と4本目は、実はそれぞれ短編作品で公開も2本立て で行われる。その前者は『トカレフ2010 運命の撃鉄』とい うVシネを監督したことのある木部公亮の作品。 ゾンビ禍が終息したもののまだ後遺症の残る社会を背景に、 ゾンビの処分を委託された民間組織と、ゾンビになった家族 を隠し続けようとする人々との葛藤が描かれる。テーマ的に はかなりへヴィな作品だ。 ただし、監督の興味がこのへヴィなテーマにあるかどうかは 多少疑問には感じたところで、映画ではかなり安易に銃器を 振り回す民間組織の姿が描かれている。それを監督の前作の 題名と重ねると、少し気になったところだ。 これに対して後者は、2013年『いのちのコール』などの脚本 家の南木顕生による監督デビュー作。 登場するのは、寝たきりの父親と引きこもりの息子を抱える 夫婦。世間はゾンビ禍で騒いでいるが、家族が家から出る心 配の夫婦は安泰と考えていた。ところが…。 ゾンビの描き方自体は在り来たりだが、引きこもりのはずの 息子が何故かゾンビになっているという展開が面白く、今回 紹介した作品の中では一番気に入っている作品だ。 出演は、筒井真理子と木下ほうか。他に金子修介監督の息子 の金子鈴幸、『昭和残侠伝』などの製作者の吉田健。さらに 今年3月紹介『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』などの白石 晃士、カルト俳優のホリケン。らが脇を固めている。 現在のゾンビという映画ジャンルはジョージ・A・ロメロが 確立したと言って過言ではないが、そのロメロはゾンビ映画 について、「死者をリスペクトしないといけない」と述べて いる。 その観点で言うと、今回の4作品にはあまりそれが感じられ ないというのが正直なところだ。もちろんこれはロメロ個人 の意見だが、ゾンビに限らず最近の日本映画では、登場人物 にリスペクトを感じられない作品が多いように思える。 僕にはそれが映画をつまらなくしているようにも思えるもの だ。 公開は1本目が4月11日より、東京は新宿バルト9他で全国 ロードショウ。2本目は5月16日より全国ロードショウ。そ して3本目と4本目は6月13日より、東京は渋谷ユーロスペ ースで2本同時上映となる。
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