| 2014年01月18日(土) |
第200回(Golden Globe Awards, VES Awards, Oscar) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※ ※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 今回も賞レースの話題で、まずは12日に発表されたゴール デングローブ賞では『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・ キュアロンが監督賞を受賞。他の受賞は逃したが、この種の 作品での監督賞は特筆できるものだ。 また、長編アニメーションは『アナと雪の女王』が受賞。 ちょうど作品を鑑賞したところだが、正に大本命という感じ になってきた。 その他の前回注目した中では、テレビシリーズ部門の『ハ ウス・オブ・カード』でロビン・ライト、またミニシリーズ 部門の『トップ・オブ・ザ・レイク』でエリザベス・モスが それぞれ主演女優賞を受賞した。特にモスの受賞は、作品も 気に入っていたので嬉しく感じられた。 * * 続いては1月12日に発表されたVES賞のノミネーション を見てみよう。なおこの賞にはテレビ作品やコマーシャル、 ゲームなどの部門もあるが、例年通り映画部門のみを紹介し ておく。 VFX主導映画のVFX賞候補は、 『ゼロ・グラビティ』(10月13日紹介) 『アイアンマン3』(2013年4月日本公開) 『パシフィック・リム』(7月10日紹介) 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 (6月30日紹介) 『ホビット・竜に奪われた王国』(12月22日紹介) 長編映画における助演VFX賞候補は、 『ラッシュ/プライドと友情』(1月12日紹介) 『華麗なるギャツビー』(5月20日紹介) 『ローン・レンジャー』(7月20日紹介) “The Secret Life of Walter Mitty” “The Wolf of Wall Street”(2014年1月日本公開) 『ホワイトハウス・ダウン』(7月30日紹介) 長編アニメーション映画のVFX賞候補は、 『くもりときどきミートボール2』(12月8日紹介) 『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013年9月日本公開) 『アナと雪の女王』(明日紹介) 『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年7月日本公開) “The Croods” 実写映画におけるアニメーションキャラクター賞候補は、 『ゼロ・グラビティ』−Ryan 『オズ はじまりの戦い』(2月28日紹介)−China Girl 『パシフィック・リム』−Kaiju:Leatherback 『ホビット・竜に奪われた王国』−Smaug 長編アニメーション映画におけるアニメーションキャラク ター賞候補は、 “Epic”−Bomba “Epic”−Mary Katherine 『アナと雪の女王』−Bringing the Snow Queen to Life “The Croods”−Eep 実写映画における創造背景賞候補は、 『エリジウム』(8月20日紹介)−Torus 『ゼロ・グラビティ』−Interior 『ゼロ・グラビティ』−Exterior 『アイアンマン3』−Shipyard 『パシフィック・リム』−Virtual Hong Kong 長編アニメーション映画における創造背景賞候補は、 “Epic”−Pod Patch 『アナと雪の女王』−Elsa's Ice Palace 『モンスターズ・ユニバーシティ』−Campus “The Croods”−The Maze 実写映画における仮想撮影賞候補は、 『ゼロ・グラビティ』 『アイアンマン3』 『マン・オブ・スティール』(7月10日紹介) 『パシフィック・リム』 『ホビット・竜に奪われた王国』 実写映画における模型賞候補は、 『ゼロ・グラビティ』−ISS Exterior 『パシフィック・リム』 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 『ローン・レンジャー』−Colby Locomotive 実写映画における特殊効果賞候補は、 『ゼロ・グラビティ』−Parachute and ISS Destruction 『マン・オブ・スティール』 『パシフィック・リム』−Fluid Simulation & Destruction 『ホビット・竜に奪われた王国』 長編アニメーション映画における特殊効果賞候補は、 『くもりときどきミートボール2』 “Epic”−Boggan Crowds 『アナと雪の女王』−Elsa's Blizzard “The Croods” 実写映画における合成賞候補は、 『エリジウム』 『ゼロ・グラビティ』 『アイアンマン3』−Barrel of Monkeys 『アイアンマン3』−House Attack 『ホビット・竜に奪われた王国』 映画部門の各賞の候補は以上の通り。 因に作品別の候補の数は、実写では『ゼロ・グラビティ』 が7部門8候補、『パシフィック・リム』が6部門6候補、 『ホビット』が5部門5候補、『アイアンマン3』が4部門 5候補、『スター・トレック』『ローン・レンジャー』『エ リジウム』『マン・オブ・スティール』が2部門2候補、他 は1候補ずつ。 アニメーションでは、『アナと雪の女王』“The Croods” “Epic”が4部門4候補、『くもりときどきミートボール』 『モンスターズ・ユニバーシティ』が2部門2候補、『怪盗 グルーのミニオン危機一発』が1候補となっている。 また今回は、『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュ アロン監督に特別賞のVisionary Awardが贈られることも発 表されている。この賞はVFXの発展に寄与した映画監督に 贈られるもので、過去にはクリストファー・ノーランとアン ・リーが受賞しているとのことだ。 この特別賞も受賞した『ゼロ・グラビティ』が各部門賞で も大本命であることは間違いなさそうだが、対抗の『パシフ ィック・リム』がどこまで伸ばせるか。それにしても『ホビ ット・竜に奪われた王国』がノミネート段階で意外と伸びな かったのは、さすがに5本目ともなると既視感が強くなって いるのかな。年末公開の最終作での巻き返しに期待したいも のだ。 アニメーションは『アナと雪の女王』が本命であることは 変わりないと思うが、他の作品をあまり観ていないので、こ ちらは多くは語らないことにしよう。 VES賞の受賞式は2月12日に予定されている。 * * 続いては1月16日に発表された米アカデミー賞の候補作。 こちらは気になる部門と作品を紹介しよう。 まずは今回も5作品となったVFX部門。その候補作には 『ゼロ・グラビティ』 『ホビット・竜に奪われた王国』 『アイアンマン3』 『ローン・レンジャー』 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 が選ばれた。上記のVES賞とでは『パシフィック・リム』 →『ローン・レンジャー』の交代だが、その『ローン・レン ジャー』も助演賞の候補だから順当なところだろう。いずれ にしても本命の『ゼロ・グラビティ』は動きそうにない。 今回は9作品が選ばれた作品賞は、 『それでも夜は明ける』 『アメリカン・ハッスル』 『キャプテン・フィリップス』 『ダラス・バイヤーズクラブ』 『ゼロ・グラビティ』 “Her” 『ネブラスカ』 『あなたを抱きしめる日まで』 “The Wolf of Wall Street” 実は『ゼロ・グラビティ』以外の作品も原題で示した2作 を除き試写を観せて貰ったものだが、時間が無く紹介を割愛 してしまった。 その中で特に気になっているのは、『ダラス・バイヤーズ クラブ』。エイズを扱ったこの作品は主演賞、助演賞の候補 にもなっている男優2人の演技も素晴らしいが、実は映画の 中で主人公が日本を訪れるシーンがあって、そこで渋谷駅頭 に立った主人公の背景に映る書店の看板が赤い。 この看板は現在は白くなっているものだが、主人公が訪日 したとされる1990年代はこうだったもの。多分これは日本で のロケの代わりに当時の写真を参考にしたCGIを使った怪 我の功名なのだろうが、長く渋谷で遊んでいた者としては、 そんなことも嬉しくなる作品だった。 5作品が選ばれた長編アニメーション作品賞は、 “The Croods” 『怪盗グルーのミニオン危機一発』 『アーネストとセレスティーヌ』(2012年6月10日付「フラ ンス映画祭」で紹介) 『アナと雪の女王』 『風立ちぬ』 こちらはゴールデングローヴ賞の3候補にフランス作品と 日本作品が加わったが、本命に変わりはなさそうだ。 その他はSF/ファンタシー系の作品中心に見て行くと、 『ゼロ・グラビティ』は作品、監督(アルフォンソ・キュア ロン)、主演女優(サンドラ・ブロック)、撮影、編集、作 曲、プロダクションデザイン、音響、音響編集、視覚効果の 10部門で候補になり、これは『アメリカン・ハッスル』と並 び今回の最多となっている。 また、アメリカのデータベースでSci-Fiに分類されている スパイク・ジョーンズ脚本監督の“Her”が、作品、脚本、 作曲、歌曲、プロダクションデザインの5部門。 さらに『ホビット・竜に奪われた王国』は特殊効果の他に 音響、音響編集。『ローン・レンジャー』が特殊効果の他に メイクアップ/ヘアスタイリングの候補になっている。 なおこの他の部門では、短編アニメーションで5作の候補 の中に『アナと雪の女王』に併映の『ミッキーのミニー救出 大作戦』と、2013年4月紹介『SHORT PEACE』の中の一篇で 森田修平監督による『九十九』が選ばれており、結果が楽し みなところだ。 また長編ドキュメンタリーでは、5作の候補の中に日本で も公開、もしくは公開予定の『バックコーラスの歌姫たち』 『キューティ&ボクサー』と、『アクト・オブ・キリング』 の3作品が含まれている。 これらの作品も紹介を割愛したものだが、『キューティ』 はニューヨークに暮らす日本人芸術家の話。『バックコーラ ス』は特に最後に登場する女性が日系の人で、こちらも結果 に関心を寄せるところだ。 米アカデミー賞の受賞式は3月2日に予定されている。
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