| 2013年09月04日(水) |
劇場版BAD BOYS、ミッドナイト・ガイズ、42−世界を変えた男− |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『劇場版BAD BOYS J−最後に守るもの−』 1988年から96年に連載され、総発行部数5500万部を記録した という田中宏原作コミックスの映画化。先にテレビの深夜枠 でドラマ化された作品が、ジャニーズ事務所所属Sexy Zone の中島健人主演、共演にKis-My-Ft2の二階堂高嗣、ABC-Zの 橋本良亮という配役そのままで公開される。 舞台は現代の広島市。そこで個々にチームを組む若者たちの 集団がしのぎを削り、抗争を繰り返しながら覇権を争うとい うもの。その抗争の手段は素手による殴り合いで、それ以外 の武器は許されていないようだ。 そして物語は、有力3チームの1つ「極楽蝶」の元メムバー が少年院から出所してくるところから始まる。しかしその元 メムバーは古巣には戻らず、新興のチームに参加、そしてそ の新興チームが覇権争いに参戦してくる。 このため今までは有力3チームの許で保てれていたバランス が一気に崩れ、市内は激しい抗争の場となって行くが…。そ んな背景の中で、恋や裏切りや友情など絆の物語が展開され て行く。 共演は、ジャニーズ事務所Snow Man、ジャニーズJr.の面々 と、関西ジャニーズJr.から重岡大毅、さらに乃木坂46のメ ムバーなどが脇を固めている。 広島といえば、東映の『仁義なき戦い』などの舞台であった はずだし、近年でも祭りのたびに凶悪な事件を引き起こす暴 走族の存在など、抗争事件の本場としては一般にも広く認識 されているところだろう。 そんな舞台の中で、何ともまあ甘ちゃんな物語が展開されて 行く。でも基本ジャニーズのアイドルが主演のドラマだから それも仕方ないのかな。若い女の子たちがこれにはらはら、 どきどきしながら観ていればいいという作品だ。 それにしても抗争…、といっても喧嘩程度なのだが、そこに チェーンはおろかメリケンサックも出てこないのは、これは 一種のファンタシーとも言えそうだ。現代ならもっと派手な 銃器もネットで簡単に手に入ってしまいそうだが… ま、それもファンタシーということなのだろう。それに見る からに強そうでない主人公たちが、屈強な男たちの集団を簡 単に打ちのめしてしまうのも、ファンタシーかな? 監督は、2011年にも三浦貴大主演で同じ原作の実写映画化を 手掛けている窪田崇。因に監督は広島市の出身とのことで、 「Sweet ヤンキー」をキーワードに本作を手掛けたそうだ。
『ミッドナイト・ガイズ』“Stand Up Guys” 1992年『セント・オブ・ウーマン』でアカデミー賞主演男優 賞受賞のアル・パチーノと、1978年『ディア・ハンター』で 助演賞のクリストファー・ウォーケン、2006年『リトル・ミ ス・サンシャイン』で助演賞のアラン・アーキンが共演し、 老境のギャングたちの姿を描いた作品。 主人公は28年の刑期を終えて出所してきた元ギャングの男。 その出迎えは昔の仲間1人だけだったが、うらぶれたその仲 間のアパートに腰を落ち着けた主人公は、まずは女遊びから 昔の勢いを取り戻そうとする。そして薬の力も借りて元気は 取り戻すが… そんな彼の前に、彼にギャング団の元ボスだった父親を殺さ れたことを逆恨みする現在のボスが立ちはだかる。そのボス が送り込んだ刺客とは…。これに老人ホームに入っている昔 の仲間や、現ボスたちに乱暴された女性らが絡んで、彼らの 一世一代の作戦が開始される。 共演は、テレビドラマ『ER』でハサウェイ看護婦役などの ジュリアナ・マルグリーズ、昨年4月紹介『バッド・ティー チャー』などのルーシー・パンチ。 さらに2008年カンヌ国際映画祭出品作“Afterschool”など に出演のアディソン・ティムリン、2011年1月紹介『ブラッ ク・スワン』に出ていたマーク・マーゴリスらが脇を固めて いる。 監督は、1986年『ショート・サーキット』とその続編の88年 『がんばれジョニー5』では主役も務めていた俳優でもある フィッシャー・スティーヴンス。 最近では2009年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を 受賞した『ザ・コーヴ』の製作者として授賞式の壇上にも上 がっていたが、そのスティーヴンスの長編映画監督としては 第2作のようだ。 もっとも本作では出演者が上記の顔ぶれで、この受賞トリオ を前に彼が一体どのような演出をしたのか、機会があったら 聞いてみたいところだ。因にこの後には、フィリップ・ロス 原作の映画化が予定されているそうだ。 上記の日本映画に続けてちょっと変格のギャング映画という 感じだが、ここまで老練の演技を魅せられると若いアイドル 映画は霞んでしまうのも仕方がない。そんな気分にさせられ る作品だった。 なお本作の音楽と主題歌を、ジョン・ボン・ジョビが手掛け ている。
『42−世界を変えた男−』“42” 毎年4月15日にはアメリカ大リーグの全選手が同じ「42」の 背番号をつけてプレーする。大リーグ全球団の永久欠番とさ れるその背番号の主ジャッキー・ロビンスンを描いた作品。 1945年の第2次世界大戦終結によりアメリカでは戦場で共に 戦った有色人種の平等を求める機運が高まる。それに対して 大リーグも有色人種に門戸を開くことを決めるが、現実は大 リーグに所属する400人の選手は全て白人。黒人選手は彼ら のリーグでプレーするしかなかった。 そんな現状の打破を考えたのが、ブルックリン・ドジャース 球団社長のブランチ・リッキー。彼は黒人アスリートの時代 が来ることを予感し、史上初の黒人大リーガーの誕生を画策 する。そして見出したのが、UCLAでは白人と共にプレー したこともあるジャッキー・ロビンスンだった。 しかし1945年に契約し、まず傘下の3A球団でプレーさせ、 そこから2年掛けて大リーグに昇格させるまでの道のりは、 特に人種差別の根強い南部チームからの嫌がらせや球団内部 の反発など、並大抵のものではなかった。 それでもロビンスンは球団社長との約束の下、妻や黒人であ るために記者席に入れない黒人レポーターらの支援を受け、 辛抱に辛抱を重ねて道を歩んで行く。そしてその姿にチーム メイトや相手選手からも賞賛を得て行くことになる。 大リーグファンにとってロビンスンの名前はその業績から知 らぬ者はないと言われる。しかし実際に彼が受けた迫害や、 それに対して彼自身や球団、同僚選手らが取った行動に関し ては、もはや歴史の中に埋もれているものも多いそうだ。 またロビンスンは、選手として大成後も基金の設立など多く の業績を残している。しかし本作はそんなロビンスンの業績 を全て見せるものではない。1945−47年の正に歴史が動いた 瞬間に焦点を絞り、それを見事に再現してみせた作品だ。 出演は、2008年のデビュー作ではフットボールの名選手を演 じたというチャドウィック・ボーズマンと、球団社長役には ハリスン・フォード。昨年12月紹介『SHAME-シェイム-』な どのニコル・ベーハリー、舞台俳優のアンドレ・ホランド、 2010年4月紹介『レギオン』などのルーカス・ブラックらが 脇を固めている。 脚本と監督は、2003年12月紹介『悪霊喰』などのブライアン ・ヘルゲランド。1998年『L.A.コンフィデンシャル』の脚本 でオスカー受賞の脚本家が今回も見事な物語を紡いでいる。
|