井口健二のOn the Production
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2013年04月10日(水) 怪特探、サイレントヒル・リベレーション、フッテージ、アンチヴァイラル、ファインド・アウト、俺俺、私のオオカミ少年、SHORT PEACE

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『怪特探 KAITOKUTAN』
昨年5月に紹介した『LONE CHALLENGER』『岸部町奇談〜探
訪編〜』の林一嘉監督による新作。前回紹介『岸部町奇談』
の続編。
物語は、古風な映画館を舞台に、怪異現象に襲われた少女の
悩みを解決する怪奇特別探偵たちの活躍が描かれる。しかし
その現象は拡大し、やがては人類の存亡を賭けた戦いへと発
展するが…

出演は、怪特探の2人組に前作と同じサエトと阿知波良祐。
他に工藤奈那、岸田エリ子、岸田リナ。さらに前作にも出演
の横田亜美、愛知県知事の大村秀章が特別出演。また監督の
林も今回は出演している。
以前の紹介を読んで戴けると判ると思うが、僕は前作を評価
し、その続編には大いに期待を持っていた。しかし本作でそ
の期待は裏切られないものの、何か違う作品だった。その辺
も踏まえて、ここでは少し思ったことを書かせて貰う。
まず監督は上映前の挨拶で、製作資金が集まらなかったこと
を告白していた。そして上記のストーリーでは「…」と書い
たが、実は上映された作品は、正にここで終ってしまってい
るのだ。
そこで資金不足が原因でこうなったのかと思い、上映後に監
督に聞くと、脚本の段階でこの展開では後半の製作費が莫大
になると考え、ここで執筆を止めてしまったとのこと。つま
りこの結末は資金不足のせいではないらしい。
そして本作が高い評価を得られれば、続きを製作する資金も
集め易くなると考えたようだ。それは考え方としては正しい
し、現実にそうやって映画を完成させている例は過去にも数
多く存在する。
しかし本作の場合は、監督がその後半を意識し過ぎて作品を
中途半端なものにしている。しかも監督は根が真面目で、そ
の後半のための伏線を敷いているのだが、結局それが描かれ
ないからさらに中途半端な感じが強まってしまった。
実際にこのような伏線というか、理論的な解釈は別段本作で
は不要だし、それは続きが作られる時にその冒頭ででも述べ
れば充分なこと。それが後知惠と取られても、映画というの
は所詮そんなものだ。
小細工せずにもっと気楽に撮って良かったのではないかな。

また次回作に期待したい。

『サイレントヒル・リベレーション3D』
“Silent Hill: Revelation 3D”
コナミ発売で最も恐いと言われるヴィデオゲームの映画化。
2006年5月紹介『サイレントヒル』の続編だが、実は前作を
手掛けたフランス出身のクリストフ・ガンズ監督は続編にも
意欲を見せたものの採用されず、今回の脚本と監督はイギリ
ス出身のマイクル・J・バセットが担当したものだ。
しかし物語はちゃんと前作を引き継いでおり、前作に出演の
ショーン・ビーンとラダ・ミッチェルも登場する。
その物語は、名前を変えて逃亡生活を続ける父娘の姿から始
まる。その娘には幼い頃の記憶がないのだが、18歳の誕生日
を迎えた頃から彼女は悪夢を見るようになっていた。それは
サイレントヒルという場所で起きる惨劇の悪夢だった。
さらに彼女の周囲では、悪夢に繋がるような異様な出来事が
次々に起き始め、やがて彼女を守ってきた父親の行方も判ら
なくなる。そしてその全てはサイレントヒルに繋がっている
ようだった。
こうして彼女は、悪夢に導かれるようにサイレントヒルへと
向かうことになるが…。そこで待ち受ける悪夢の惨劇から逃
れるために彼女に残された道は、サイレントヒルに隠された
秘密を暴き切ることだけだった。
2006年の前作は、地下炭鉱の火災で白い灰が降り続けている
という設定の映像が見事で、その何とも言えない雰囲気が印
象的な作品だった。しかし全体がそのムードに流されている
面もあって、その辺がコナミ的には今一つだったのかな。
それに対して本作では、ホラーゲームらしいショックシーン
やアクションシーンも随所に登場し、よりヴィデオゲームを
プレイしている感覚に近くなっている感じはするものだ。
とは言うものの本作でも、サイレントヒルの光景は印象的に
描かれており、特に今回は3Dでも上映される白い灰の舞う
様子は、スクリーンが視野一杯に拡がる状況で観たら、正に
観客自身がその中にいる感覚になると思えるものだ。

出演は、今年2月紹介『ノー・ワン・リヴズ』や昨年8月紹
介『ヴァンパイア』などの新星アデレイド・クレメンスと、
イギリスの舞台で受賞歴もあるという若手俳優のキット・ハ
リントン。
さらに、『マトリックス』のキャリー=アン・モス、『時計
じかけのオレンジ』のマルカム・マクダウェルらが脇を固め
ている。
因にバセット監督は、2009年“Solomon Kane”の映画化にも
携わっており、その際の製作者が本作や『バイオハザード』
も手掛けるサミュエル・ハディダで、それが今回の起用に繋
がったものとのことだ。

『フッテージ』“Sinister”
昨年10月紹介『パラノーマル・アクティビティ4』の製作者
ジェイスン・ブラムと、2005年12月『エミリー・ローズ』な
どを手掛けたスコット・デリクスン監督が、2010年9月紹介
『デイブレイカー』などのイーサン・ホークを主演に迎えた
8ミリフィルムが主題のホラー作品。
物語は、住宅街の一軒家に一家が引っ越してくる様子から始
まる。その家には何か経緯があるようだが、そこでは明らか
にされない。そして一家の主は、過去に警察の腐敗を暴いた
ドキュメンタリーをベストセラーにした作家のようだ。
そんな一家の引越しだが、幼い娘は前の家に帰りたいと言い
続けるなど、不穏な雰囲気も漂っている。そして主人公は、
屋根裏部屋で一家の物ではない8ミリフィルムと映写機の収
められた箱を見つける。そのフィルム缶には家族映画らしい
様々なタイトルが付されていたが…
実は一家の引っ越してきた家は、数年前に皆殺しの惨劇が発
生した場所。主人公はその家でその惨劇のドキュメンタリー
を執筆しようとしていた。しかも発見された8ミリフィルム
にはその惨劇の模様が撮されてた。
『パラノーマル・アクティビティ』はホームヴィデオを主題
としたものだったが、本作は一時代前の8ミリ映画。そんな
映画ファンをニヤリとさせる設定を使って、フィルム特有の
感覚も随所に描かれた作品。しかもそこにPCによる映像編
集機能も介在させるというトリッキーな作品だ。

共演は、イギリス王立演劇アカデミー出身の舞台女優で本作
がハリウッドデビューとなるジリエット・ライアンス。
他に、テレビ“Law & Order”などのフレッド・ダルトン・
トムプスン、2011年6月紹介『スリー・デイズ』に出ていた
というジェイムス・ランサム、昨年7月紹介『WIN WIN』に
出ていたというクレア・フォーリーらが脇を固めている。
事件の流れは観客にはかなり早い時期に判明するが、そこに
行ってしまう主人公の対応には不自然さがなく、その辺は巧
みに演出されていたと言えそうだ。ただまあその通りの結末
になってしまうのは、もう少し捻りがあっても良かったとは
思えたが。

なお、本作の撮影監督には2005年1月紹介『エターナル・サ
ンシャイン』などのクリストファー・ノア、美術に『トワイ
ライト・サーガ/ニュームーン』のデイヴィッド・ブリスピ
ン、衣装に2009年12月紹介『フローズン・リバー』のアビー
・オサリバン、編集に2009年6月紹介『96時間』のフレデ
リック・トラヴァルなど俊英が結集しているようだ。

『アンチヴァイラル』“Antiviral”
鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督の長男ブランドン
による監督デビュー作。その作品に、2011年10月紹介『ラス
ト・エクソシズム』などのケイレブ・ランドリー・ジョーン
ズ、今年2月紹介『コズモポリス』などのサラ・ガドン、そ
れにマルカム・マクダウェルらが結集した。
物語は、セレブが罹った病気のウィルスが売買されていると
いう時代が背景。主人公はそんなウィルス売買の大手会社に
勤務する男性。しかも彼はそのウィルスを密かに持ち出し、
闇市場に流して金を稼いでもいた。
その手口は、自らの体内にセレブの血液を注射し、ウィルス
を体内に入れて会社の厳重なセキュリティを突破するという
もの。ところがある日、彼は体内に入れたウィルスが不治の
病のものだったことを知る。
そしてそのセレブの死去が伝えられ、彼は人気セレブと同じ
ウィルスを持つ唯一の人間として、セレブのファンやコレク
ターの標的になってしまう。さらに彼は企業間の戦いにも巻
き込まれる。
ブランドン監督は、大学映画学科の1年生だった時に深刻な
インフルエンザに罹り、その病床でウィルスの存在について
考察を重ねたのだそうだ。その結果として生み出されたのが
この作品の脚本とのことだ。

そしてブランドン監督は、その脚本のワンシーンを抜き出し
て2008年に“Broken Tulips”という処女作の短編映画を制
作。その作品が学生映画祭での最優秀監督賞なども受賞し、
製作者の目に留って本作の実現に漕ぎ着けたものだ。
こうして実現された作品だが、映画のイメージには父監督の
作風に似ているところもある。しかし父監督の作品がどちら
かというと神秘的、超常的な方向に流れるのに対して、息子
監督の作品は理論的というか疑似科学的として筋が通って、
正統派のSFという感じもしてくるものになっていた。
一方、ウィルスに感染した後のメタモルフォーゼなどには、
父監督の演出を髣髴とさせるものがあるが、その背景には、
1996年『クラッシュ』にも携わった美術スタッフのアーヴィ
ンダー・グレイウォルなど、長年の付き合いの顔触れもいる
ようで、その影響は強そうだ。

なお本作は、昨年のカンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式
出品されたもので、現地ではコンペティション部門に出品さ
れた『コズモポリス』の父監督とのツーショットも実現した
とのことだ。

『ファインド・アウト』“Gone”
昨年12月紹介『レ・ミゼラブル』などのアマンダ・セイフラ
イト主演によるサスペンス・ミステリー作品。
物語の舞台はオレゴン州ポートランド。その森林も間近な町
に住む主人公は、恐怖の体験から人間不信に陥っている。そ
れはその町で連続する若い女性の行方不明事件の関連すると
も思われるが、唯一の生還者である彼女の証言では、その関
係は明確にはならなかった。
そして再び彼女の周囲に危険が感知され、彼女の妹の行方が
判らなくなる。その事態に彼女は直ちに警察に駆け込むが、
刑事たちはなかなか重い腰を上げようとしない。それほどに
彼女の言動は不審の目で見られていたのだ。しかしその中に
も、気に留めてくれる新人刑事はいたが…
若い女性が単独で行方不明者を探すというテーマは、1965年
の“Bunny Lake Is Missing”(バニーレイクは行方不明)
など様々なヴァリエーションがあるが、最近では主人公の妄
想の可能性など観客も巻き込んだ仕掛けがいろいろ施されて
いる。
本作はそのような最近の傾向も踏まえて、映画の始まりでは
一体どの方向に進むのかも判らない感覚で、主人公を含めて
誰を疑えばいいのかも判らない、見事なシチュエーションと
なっている。
そしてその中から徐々に真実が明らかにされて行くのだが、
そこに至る脚本の構成や演出も巧みで、これは見事と言える
作品になっていた。
脚本は、2008年3月紹介『ブラックサイ
ト』の最終稿などを手掛けたアリスン・バーネット。因に、
この物語は穴の底にいる女性というイメージだけから構築さ
れたそうだ。

監督には、ブラジル出身で第1作がモスクワ国際映画祭の批
評家審査員賞、第2作がサンダンス映画祭の特別審査員賞を
受賞し、第3作がカンヌ映画祭・ある視点部門に出品され、
4作目の本作でハリウッドデビューとなったエイトール・ダ
リアが起用されている。
共演は、2011年6月紹介『アイ・アム・ナンバー4』に出て
いたというエミリー・ウィッカーシャム、昨年7月紹介『ダ
ークナイト ライジング』に出演のダニエル・サンジャタ。
さらに、昨年3月紹介『ハングリー・ラビット』などのジェ
ニファー・カーペンター、7月紹介『ハンガーゲーム』など
のウェス・ベントリー、1984年『フィラデルフィア・エクス
ペリメント』などのマイクル・パレらが脇を固めている。

『俺俺』
ジャニーズ KAT-TUNの亀梨和也主演によるちょっと不思議な
ドラマ作品。
主人公は、カメラマンを目指していたが挫折した28歳の男。
今は家電量販店で販売員をしているが、職場でも人間関係を
うまく築くことができず、人と関わることが面倒になってき
ている。
そんな主人公が置き忘れの携帯電話を手に入れ、出来心でオ
レオレ詐欺をしてみると、思いの外に上手く行って金が振り
込まれてしまう。ところがその時から彼の周辺ではおかしな
出来事が起こり始める。
その最初は、突然主人公の住まいに見知らぬ女性が現れ、彼
ことを詐欺に使った名前で呼び始める。しかも彼が実家を訪
れると、母親の傍には彼が詐欺に使った携帯電話の持ち主が
いて、母親はその男を息子と認識しているようだ。
そしてその男は主人公に話し掛けてきて、主人公の人格が増
殖していることを告げる。さらにもう1人主人公の人格を持
つ若者が現れ、事態の重大さに気づいた主人公はそれを収束
させる方法を考え始めるが…
そこに謎の女などが出現し、事態は一層危険な局面へと進行
してしまう。

共演は、内田有紀、加瀬亮、キムラ緑子、高橋恵子。さらに
ふせえり、岩松了、森下能幸、佐津川愛美、松重豊、小林き
な子、町田マリー、松尾スズキらが脇を固めている。
題名から予想してオレオレ詐欺が絡むことは考えたが、これ
ほどシュールな作品とは思わなかった。しかも亀梨は、上記
の3人を含め全部で33人の人物を演じているのだそうで、そ
れを映像化したVFXにも感心したものだ。

物語は、星野智幸が2011年に発表し、大江健三郎賞を受賞し
た原作小説に基づくものだが、その映像化にはかなりの困難
が予想されたもので、それを実現したことにも敬意を表した
い。
脚本と監督は、テレビの「タモリ倶楽部」「トリビアの泉」
などの構成作家出身で、2005年『イン・ザ・プール』で監督
デビューした三木聡。監督デビュー作は試写では観なかった
が、他に試写を観た作品は今一つピンと来なかったもので、
今回改めて実力を観せられた感じがした。
またVFXは、2011年12月紹介『アフロ田中』や2010年6月
紹介『ちょんまげぷりん』などを手掛けた大萩真司が担当し
ている。

『私のオオカミ少年』“늑대소년”
韓国で700万人の観客を動員したというファンタシーラヴロ
マンス。
物語は、アメリカで一家と共に暮らす老女性の許に、韓国で
相続した家の売却に関する連絡が届くところから始まる。そ
の家に思い入れがあるらしい彼女は、自ら韓国に赴くことを
決め、空港に迎えに来た孫娘と共にその家に向かう。そこに
は彼女の少女時代の思い出が隠されていた。
それは病気のために何度も引越しをした彼女が、ようやく静
かに暮らせそうだった村での出来事。引っ越して間もなく、
彼女は闇に潜む謎の少年を発見する。その少年は言葉も話さ
ず、行動も人間離れしていたが、それでも世話好きな彼女の
母親によって家族の一員として迎えられる。
そして食事の仕方や服の着方、靴ひもの結び方など、人が生
きて行くうえで必要な事柄を一つずつ教える彼女は、徐々に
少年に惹かれて行き、少年もまた彼女に切ない感情を抱き始
めるが…。少年に隠された謎が暴かれた時、2人の関係に重
大な危機が訪れる。
物語はタイトル通りの狼人間ものだが、その背景は韓国特有
というか、日本が舞台ではなかなか描き難いものが描かれて
いる。その辺が面白いと言えば面白いが、ちょっと安易にそ
の設定が使われ過ぎている感じはしてしまうところだ。その
辺でこれは無いなという感じもしてしまう。
でもまあ、観客はそんなことにはお構いなしの層を狙ったも
のだろうし、最近のハリウッドのヤングアダルト向けもこの
程度の感じで作られているのが現状のところだ。従って大人
の目で冷静に観られるものではないが、若い人たちに充分と
しておきたいものだ。
ただ、結末がこれというのには、多少悩んでしまうところも
あったが。

出演は、200911月紹介『霜花店』などのソン・ジュンギと、
2008年『過速スキャンダル』などのパク・ボヨン。脚本と監
督は韓国映画アカデミーでの卒業制作がカンヌ国際映画祭や
ロッテルダム国際映画祭に正式招待されたというチョ・ソン
ヒ。本作はその劇場用第1作となる。
昨年7月に『凍える牙』の紹介をした時に、韓国が舞台だと
狼犬も納得できると書いたが、狼人間をテーマにした作品は
韓国映画で初だそうだ。ただその描き方が、本作では最近の
ハリウッドの傾向をもろに受けているようで、やはりもう少
し韓国映画らしさが欲しい感じはした。


『SHORT PEACE』
2007年1月に実写作品の『蟲師』を紹介している大友克洋監
督が、2004年『スチームボーイ』以来のアニメーションを手
掛けた作品。作品は4話+オープニングからなるオムニバス
で、大友監督はその内の1作品を担当。また他の1作品の原
作を提供している。
オープニングに続く最初の作品は『九十九』。2005年『カク
レンボ』という作品で東京アニメアワード公募作品一般部門
の優秀作品賞などを受賞した森田修平監督作品で、18世紀を
時代背景として、嵐の夜に朽ちかけた祠に雨宿りした男が遭
遇する奇妙な出来事が描かれる。
この作品には直接的に大友は関係していないようだが、内容
には上記の『蟲師』に通じるところもあり、奇妙だが心温ま
る物語が展開されていた。

2本目は大友克洋脚本・監督による『火要鎮』。この作品も
18世紀が背景で、商家の息子だったが江戸の町火消になって
勘当された男と、彼に想いを寄せる隣家の娘の儚い物語が、
大火事に立ち向かう町火消の活躍のスペクタクルと共に描か
れる。

なお上記の2作品は、2012年アヌシー国際アニメーション映
画祭にノミネートされ、後者は第16回文化庁メディア芸術祭
の大賞を受賞している。また資料の紹介は逆だったが、上映
はこの順で行われた。
3本目の『GAMBO』は、『スチームボーイ』などのCGI監
督を務めた安藤裕章原案・脚本・監督による作品で、舞台は
16世紀末の東北(最上領)。突然天空から落下した物体と、
戦国の武将、村の娘、それに白熊などの絡むアクションドラ
マが繰り広げられる。

そして4本目は、大友原作による『武器よさらば』。近未来
の荒廃した東京・新宿南口の界隈を舞台に、人工大地に覆わ
れたJR駅に放置された究極の武器を巡って、それを奪取せ
んとする兵士たちと、保安用に配備されたロボット兵器との
壮絶な戦いが描かれる。
舞台になっている新宿の西口と南口は、自分が長年生活して
いた場所で、それなりに土地勘もあるので、その点でも親し
みが湧いて楽しめる作品だった。
脚本と監督は、メカデザイ
ナーのカトキハジメが担当。
4本の物語に関連性がある訳ではないし、時代背景などもバ
ラバラだが、全体的なムードには共通する感覚が有り、正に
大友克洋が帰ってきたという感じの作品集だった。これから
も頑張って欲しいものだ。


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井口健二