| 2013年03月20日(水) |
オース!バタヤン、スタンリーのお弁当箱、ジャックと天空の巨人、インポッシブル、容疑者X、DRAGON BALL Z、隣人、旅歌ダイアリー |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『オース!バタヤン』 昭和を代表する歌手の1人と言える田端義夫を描いたドキュ メンタリー。 実は本作は内覧試写で観てしまい、手元に何も資料がない。 このためこの記事はうろ覚えの記憶だけで書かせてもらう。 映画は、平成18年に大阪鶴橋にある小学校の講堂で行われた コンサートの模様を中心に描かれる。何故そんな場所なのか というと、三重県出身の田端が子供の頃に引っ越して成長し たのがその場所なのだそうだ。 その最初には司会者の浜村淳が登場して、全国に居るという ご当地バタヤンの紹介や田端の履歴が語られ、大歌手である ことが印象づけられる。そこに田端の登場となるのだが…。 1919年生まれ、撮影当時に87歳とは到底思えないその姿や歌 いっぷりには、正に圧倒されるものがあった。 そんなコンサートの様子を中心に、大ファンだと言う故立川 談志や、白木みのる、寺内タケシ、それに後援会長やレコー ド会社のスタッフ、また夫人や長女なども登場して歌手田端 義夫の生涯が描かれて行く。 さらに田端本人へのインタヴューや談志も出ているテレビの トーク番組の出演シーン。また極めて初期の頃から使ってい るという電気ギターの紹介など、正に盛り沢山という感じの 作品。 その一方で、本人は片目が不自由なために逃れた兵役と戦場 慰問=戦争の話や、田端がラスヴェガスでジャックポットを 当てた話なども登場し、日本の昭和史そのものが綴られてい るような作品にもなっている。 そしてデビュー曲から沖縄歌謡まで、田端の様々な代表曲が 歌われ、そこにはコンサートの映像と共に数々のテレビ番組 のアーカイブなども織り込まれて、故宮尾たか志や故玉置宏 の名調子が聞けるのも嬉しい作品になっていた。 また思い出の曲とされる「赤とんぼ」や「浜千鳥」を歌う途 中で、思わず声が詰まってしまう田端を周りが支えるシーン や、客が争ってマイクを持つシーンなど感動的なシーンも数 多く描かれていた。 さらには大阪劇場(大劇)や、東京の日本劇場(日劇)の往時の 様子など、昭和の人間には懐かしさも満載の作品。 僕の父親は1916年の生まれで既に他界したが、幼い頃の苦労 話に始まって、これが日本の昭和を生きた人の歴史と言う感 じがした。それにしても既に90歳を超えている人の作品が、 最後に女の話で終わるのも凄いものだ。
『スタンリーのお弁当箱“स्टैनली का डब्बा” インドの貧困を描いたドラマ作品。インド映画は最近長尺の 作品を何本か紹介したが、本作の上映時間は1時間36分だ。 物語は、小学校に通う少年スタンリーを主人公にしたもの。 彼の両親は出稼ぎに行ってしまい、現在は叔父さんの家にい るらしいが、給食のない小学校で、彼にはお弁当を作ってく れる人がいない。 そこでスタンリーは、お弁当の時間には家で食べると言って 教室を離れ、1人で水道の水を飲んでごまかしていたが、そ れが級友に知れることになり、中には金持ちで豪華な弁当を 持って来る生徒もいて、彼らと一緒に食べることになる。 ところが、教師の中にも弁当を持ってこない奴がいて、その 教師は生徒の弁当を狙っていた。こうして教師とスタンリー の弁当争奪戦が始まるが…。教師は弁当を持ってこない生徒 は登校禁止としてスタンリーを追い出す暴挙に出る。 僕が学生時代に観た最初のインド映画は、サタジット・レイ 監督の『大地のうた』で、農村と都会の違いは有れ同じよう な貧困層の若者を描いた作品には、惹かれるものを感じた。 その上で、本作にもちゃんと歌と踊りがあるのには感心もし てしまったところだ。 とは言え、インドには現在でも1200万人の児童労働者がいる のだそうで、IT産業の発展では近い将来に経済大国になる とも言われる国の、真の姿が見事に描かれた作品とも言える ものだ。 脚本と監督は、長年児童映画の制作に携わってきたというア モール・グプテ。実は、2007年にインドで1600万ドルを上げ たヒット作の脚本家としてメジャーデビューをした人だが、 その作品も本当は監督する予定だったものが事情で降板した とのことで、本作は満を持しての作品のようだ。 そして主人公のスタンリーを演じるのは、監督の息子のバル ソー君。父親が脚本を務めた作品のワークショップに参加し て演技に興味を持ち、その父親が母校で開いたワークショッ プに参加したらそれが本作だったそうだ。 従ってそれは演技かどうかも判らないものだが、その自然さ でインド最大の映画祭「ナショナル・フィルムアワード」の 最優秀子役賞や、イタリア・ジフォニー映画祭での受賞など も果たしている。 映画には様々なお弁当が登場し、その一部のレシピはプレス 資料にも紹介されていたが、都内のインド料理店などで再現 キャンペーンを張ってもいいのではないかと思えるほどの、 美味しそうなものばかりだった。
『ジャックと天空の巨人』“Jack the Giant Slayer” 2006年7月紹介『スーパーマン・リターンズ』などのブライ アン・シンガー監督が、大英博物館所蔵のアングロサクソン 民話に基づくとされる「ジャックと豆の木」に想を得たダー レン・レムケの原案から、今年1月紹介『アウトロー』など のクリストファー・マッカリーが完成した脚本で描いた冒険 ファンタシー。 因にマッカリーは、1995年『ユージアル・サスペクツ』など シンガー監督の他の作品も手掛けている。 物語は中世のイギリスが舞台。そのとある王国には、過去に 天空の巨人が襲ってきたという伝説があった。しかしそれも 遠い話となり、今の王室内は冒険好きな姫を巡る世継ぎ問題 の最中だった。 一方、町外れの農家に住むジャックには両親がなく叔父の世 話になっていたが、叔父から頼まれた馬を城内に売りに行っ た時、衛兵に追われた修道士から無理やり馬と豆とを交換さ せられてしまう。 そして豆を持ち帰ったジャックは、当然叔父から叱られてし まうのだが…。ある雨の日、雨宿りにやってきた女性(姫) とジャックは、突然床下から伸びてきた天にも届く豆の木に よって飛んでもない冒険に巻き込まれることになる。 「ジャックと豆の木」の映像化では、ディズニー・アニメー ションの『ミッキーの巨人退治』が大好きで、その中では巨 人の食卓に並んだ巨大なゼリーの中を泳ぐシーンなどが羨望 だったものだ。 そんなおとぎ話に比べると、本作には金の卵を産むガチョウ や、自ら歌う竪琴も出てこないし、銀貨を生み出す袋も登場 はしない。しかしそれに相応の物語はリアルだし、3Dの映 像も見事に描かれているものだ。 出演は、2002年7月紹介『アバウト・ア・ボーイ』で少年役 を演じたニコラス・ホルト、2008年3月紹介『幻影師アイゼ ンハイム』に出ていたというエレノア・トムリンスン。 また、2011年8月紹介『キャプテン・アメリカ』などのスタ ンリー・トゥッチ、2012年6月紹介『スノーホワイト』など のイアン・マクシェーン、『POTC』などのビル・ナイ、 そしてユアン・マクレガーらが脇を固めている。 全米では、前々回紹介『オズ はじまりの戦い』の1週間前 に公開されて、翌週には後塵を拝する状況になったが、これ から公開される海外では逆転の可能性もある。 実際にサム・ライミ監督のマニアックな作品は、アメリカ人 以外には厳しい面が有り、その点では本作の方が万人に理解 しやすく感じられるものだ。さて日本の結果は…
『インポッシブル』“Lo imposible” ナオミ・ワッツが米アカデミー賞とゴールデングローブ賞の 主演女優賞にWノミネートされたスペイン映画。その他にも 2月16日付の第187回で紹介したVES賞では「長編映画に おける助演VFX賞」を受賞して、どのような映像なのか気 になっていた作品だ。 ただし本作は昨年の東京国際映画祭の「ワールドシネマ」で も上映されて、その際に僕は見逃したが、観た人からは日本 公開は難しいのではないかとも言われていた。 物語は、2004年12月26日のスマトラ島沖地震で発生した津波 を描き、その津波に巻き込まれてバラバラになった家族5人 が奇跡的に全員生還を果たしたという俄には信じがたい実話 を映画化している。 その一家が父親の仕事の関係で暮らしていた日本から、クリ スマス休暇でプーケットのリゾートにやって来たのは24日。 そして3日目、僅かな揺れを感じた後で鳥たちが一斉に飛び 立ち、間髪を入れずに津波が襲ってくる。 その津波はあっという間にホテルの建物をも乗り越えるが、 その時、父親は7歳と5歳の幼い子供と一緒におり、長男は 比較的母親の近くにいた。そして第2波の津波が襲ってきた とき、長男と母親は位置を確認し合いながら流されたが… 同じ津波の関連では、2010年11月紹介、クリント・イースト ウッド監督の『ヒアアフター』を思い出すが、プールの水の ような澄んだ流れの中で描かれたハリウッド作品に対して、 本作の濁流はこれが現実と思わせるものだ。 その現実は、2011年3月11日を経た後では、正視することも 心苦しくなるものだが、その現実を描くこともある意味での 鎮魂と思わせてくれるような描かれ方の作品になっている。 監督は、2008年9月紹介『永遠のこどもたち』のファン・ア ントニオ・パヨナ。脚本も同作を手掛けたセルシオ・G・サ ンチェス。同作の製作者のベレン・アティエンサがラジオで 聞いた一家の話から企画が始まり、一家との綿密な話し合い の結果で生み出された作品とのことだ。 共演は、ユアン・マクレガーと、映画は初出演だがロンドン ・ウェストエンドの舞台には立ったことがあるという1996年 生まれのトム・ホランド。他にジェラルディン・チャップリ ンが出演している。 なお津波シーンの撮影には159tの水が使用され、準備期間な どに1年を費やし、6つの特殊効果会社が協力して作り上げ ているそうだ。
『容疑者X・天才数学者のアリバイ』“용의자X” 東野圭吾が2005年直木賞を受賞した原作「容疑者Xの献身」 を韓国で映画化した作品。 同じ原作は、2008年に日本でも映画化されており、その作品 の試写会には呼ばれなかったが一般公開で鑑賞した。その際 にも感動した記憶があるが、本作の感動はさらにそれを上回 るものになっていた。 事件の発覚は川原で焼かれた遺体。特に指先が丁寧に焼かれ て指紋などの消された遺体だったが、刑事らの執拗な捜査で 身元は判明する。しかし第1容疑者とされる女性には確固と したアリバイがあった。そして捜査の過程で意外な真犯人が 浮かび上がってくるのだが…。 日本での映画化は、当時評判のテレビシリーズとの関係もあ り、今回の映画化には登場しない人物が主役で、その視点か ら事件が描かれていた。これは原作も同じのようなのだが、 本作ではその原作に縛られない大胆な脚色が行わた。 それは敢えて本来の主役を外すことで、物語の中心を事件の 全てを実行する犯人の側に移し、その葛藤などを克明に描い ているものだ。これは日本映画を観ている時にも犯人の心情 には感銘したが、本作ではそれがさらに深く描かれた。 そしてそれにより、現代では死語とも言われる「愛」が見事 に謳い上げられた作品になっている。 出演は、2005年8月紹介『ARAHAN』などのリュ・スン ボムと、2011年7月紹介『ホームランが聞こえた夏』などの チョ・ジヌン、2008年3月紹介『光州5・18』などのイ・ ヨウォン。 他に、2007年6月紹介『私のちいさなピアニスト』などのキ ム・ボラ、2010年11月紹介『戦火の中へ』などのキム・ユン ソンらが脇を固めている。 監督は、2001年キム・ギドク監督『受取人不明』などの出演 者で監督4作目のパン・ウンジン。2005年の第2作では新人 監督賞も受賞している女性監督が、木目の細かい演出で登場 人物の感情の起伏を描き込んでいる。 日本映画を先に観ていたので、トリックも何もかも知った上 での作品鑑賞だったが、中心人物が替えられたことで新鮮な 感じで観ることができた。しかも推理などに煩わされること もなく、純粋に物語を鑑賞することもできた。 そこには日本映画とは違った味わいもあり、正に両作を観る ことで一層楽しめる作品になっていたとも言えそうだ。
『DRAGON BALL Z 神と神』 原作は1984年に連載開始。1986年スタートのテレビシリーズ は11年間の平均視聴率が20%を超え、その映画版も17作が制 作されていずれも大ヒットしたという伝説的作品。その新作 が1996年公開の前作から17年ぶりに制作された。 しかも今回は、今までのアニメ化には一切ノータッチだった という原作者の鳥山明が、初めてオリジナルのストーリーと 新キャラクターのデザインも手掛けたものだ。 物語は、魔人ブウとの戦いから数年後。地球は再び危機を迎 えようとしていた。宇宙のバランスを保つための破壊を司る 神ビルスが長い眠りから目覚め、その破壊の矛先を地球に向 けたのだ。 しかしビルスには別の目的もあった。それは夢の中で戦った 戦士と実際に戦うこと。その戦士はスーパーサイヤ人を名告 っているというのだが…。そしてビルスがやってきた地球で は、折しもブルマの誕生パーティが開かれていた。 そのパーティには過去に悟空と戦った戦士たちが招待され、 さらにピラフとシュウとマイも、会場にあるはずのドラゴン ボールを狙って密かに潜入していた。そんなパーティの会場 に破壊神ビルスが現れる。 物語は、ほとんどこのパーティー・シーンで進められるが、 ここでは過去のキャラクターがほぼ勢揃いで、これは長年の ファンには観ているだけでワクワクするものになっていた。 しかもファンには衝撃の設定も明かされる。 声優は、悟空・悟飯・悟天役の野沢雅子、ブルマ役の鶴ひろ み、クリリン役の田中真弓、ピッコロ役の古川登志夫、ヤム チャ役の古谷徹など往年のメムバーが再結集し、さらに新キ ャラクターは山寺宏一が演じている。 まあ、お話はフリーザ、セル、魔人ブウを超える強力な敵の 出現ということで、正直には僕も『ドラゴンボールGT』の 頃には見飽きた感もあった展開の繰り返しだが、17年ぶりと もなればそれもまた良しという感じで、それに加わる懐かし いキャラクターの勢揃いが楽しめたものだ。 さらにエンドロールには、これもファンには最高のプレゼン トと思える仕掛けがあって、これも楽しめるものになってい た。東映アニメーションでは、本作をrebootと位置づけてい るようで、今後も楽しめることを期待したい。 なお公開は、日本映画では初めてとなるIMAX上映も行われる とのことで、悟空と破壊神ビルスとの壮絶な戦いが、最大の スクリーンで堪能できるようだ。
『隣人ネクストドア』“Naboer” 『チャイルドコール呼声』“Babycall” 1997年に『ジャンク・メール』という作品で東京国際映画祭 のシルバー賞を受賞しているノルウェーの映画作家ポール・ シュレットアウネ脚本・監督による2006年と2011年の作品が 連続して紹介される。 1本目は、恋人と別れたばかりでまだ未練の残る男性を主人 公が、ある日、アパートの隣部屋の女性に部屋の重い家具を 動かしてくれと頼まれ、案内された部屋で女性の妹と遭遇す る。そしてその妹にはある性癖があって… 物語は、かなり際どいというか、多少やばいとも言える描写 が連続し、主人公の堕ちてゆく姿が描写される。そしてその 落ちていった先に待っていたものは、かなり鮮烈な結末が描 かれていた。 出演は、本作でノルウェーのアカデミー賞であるアマンダ賞 の主演男優賞を受賞したクリストファー・ヨーネル。因に本 作はノルウェーで17年ぶりとなるR-18指定で公開されたそう だ。 そして2本目の主人公は、幼い男の子と共に夫の暴力を逃れ てきた女性。彼女は保護司の斡旋でとあるアパートに入居す るが、息子のことが心配な彼女は街で無線式の音声モニター を購入し、息子の寝室に仕掛ける。 ところがその無線が混戦し、受信機に別の部屋の音声が入り 始める。そしてその音声から幼い子供が虐待されていると判 断した彼女は、アパートから運び出される黒い袋に疑いを持 つが… 出演は、2009年10月紹介『ミレニアム』(スウェーデン版) や、昨年1月紹介『シャーロック・ホームズ:シャドウ・ゲ ーム』などのノオミ・ラパスと、上の作品にも出演のクリス トファー・ヨーネル。 物語にはかなり捻りがあるが、現時点で鑑賞すると多少既視 感が伴われる。それにその設定だと、多少辻褄があっていな いような感じがして、それも気になったところだ。ただ街頭 の風景などには、かなり趣は感じられた。 2本並べて観ると、個人的には前者の衝撃に比べると、後者 はちょっと物足りない感じもしたが、シュレットアウネ監督 が、1997年に映画祭で観た作品も含めて注目すべき映画作家 であることは間違いないだろう。 今後も紹介してもらいたいものだ。
『旅歌ダイアリー』 昨年の紅白歌合戦に出場し、サッカー好きのミュージシャン としても知られるナオト・インティライミが、世界に旅した 記録を綴ったドキュメンタリー。 元々ナオト・インティライミは、デビュー以前に515日を掛 けて世界28カ国を旅した経験があるそうで、その体験からこ の作品は企画されたようだ。そして本作では、アフリカ・エ チオピアと、南米のコロンビア、カリブ海のトリニダード・ トバゴに向かう旅が描かれる。 その最初の旅では、エチオピアの荒野で3万年間同じ生活を しているという部族の村を訪れ、厳しい行程に体調を崩しな がらも、村人たちと交流したり、村の子供たちとサッカーを する姿が描かれる。 また次のコロンビアの旅では、8年前の1人旅で知り合った ミュージシャンとの交流を復活させて、現地のライヴハウス でのパフォーマンスや、人気歌手のライヴコンサートの様子 に打ち上げパーティでのパフォーマンス。 そして今年2月のカーニヴァルの期間に訪れたトリニダード ・トバゴでは、現地の人気歌手に体当たりで交流を深め、つ いにはその歌手が乗り込むカーニヴァルの山車に同乗しての パフォーマンスの様子などが撮されている。 ナオト・インティライミは、確か一昨年の平塚競技場で行わ れたエキビジションマッチに、芸能人サッカーチーム・スワ ーヴスの一員として来場したり、最近も旅番組で音楽とサッ カーボールがあれば誰とでも交流できると話しているなど、 サッカーファンとしては気になる存在だった。 そのため本作も興味津々で観に行ったものだ。その作品は、 出色の出来というほどではないかもしれないが、どのような 事態でも正に体当たりで、常に前向きに挑戦して行く姿に、 感動的というか、何か活力を与えられてしまう感じもしたも のだ。 もちろんそこにはミュージシャンの特権のようなものもあり はするが、思い通りにいかなかった時にも、何時かいい日は 巡ってくると信じる姿と、実際にそのようになって行く素晴 らしさは、ドキュメンタリーとしても優れた作品と言える。 監督は、2011年『モテキ』の編集を手掛けて日本アカデミー 賞最優秀編集賞を受賞、本作がデビュー作となる石田雄介。 特にライヴシーンを捉えた映像は見事と感じられた。
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