| 2013年03月10日(日) |
桃まつり−なみだ−、スカイラブ、グッバイ・ファーストラブ、ベルヴィル・トーキョー、モンスター、闇の帝王DON、命ある限り、YES/NO |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『桃まつり−なみだ−』 毎年観せて貰っている女性映画作家たちの短編映画祭。今年 は“なみだ”と名付けられた3番組8作品が公開される。 “壱のなみだ” 『愛のイバラ』 8ミリフィルムで撮影された作品。2005年のイメージフォー ラムフェスティバルでグランプリを受賞している小口容子監 督のフィルムへのこだわりは相当で、本作では自家現像で生 じた傷や汚れ、光のムラなども作品に取り入れている。 作品は「不思議ちゃん」好きの男子が、声を掛けた「電波系 不思議ちゃん」の妄想に振り回されるというもの。映像はル イ・マル作品を思い出させ、フィルム→ノスタルジー→ヌー ヴェルヴァーグという感じは、当然の帰着かな。 『雨の日はしおりちゃんの家』 昨年2月紹介『へんげ』に主演した女優の森田亜紀が初監督 した作品。昨年3月紹介『先生を流産させる会』の宮田亜紀 を主演に迎え、人生の岐路に差し掛かっている女性たちの姿 を描いている。 宮田が演じるのは若い劇団員に芝居をつけている演出家。彼 女は仕事に行き詰まりを感じて立ち寄った公園で、森田演じ る幼馴染の女性と出会う。女性は主婦となって平凡な暮らし を送っていたが…。 随所に意外な展開が見られて面白くドラマが構築された作品 だった。ただその展開が、短編映画という制約とのせめぎ合 いで、もう少し長くしたらドラマの深まるはずの部分が少し 物足りない感じもした。 『MAGMA』 東京藝術大学で現代美術を学んだ後に映画美学校に入学した という渡辺あい監督の作品。出演は2010年10月紹介『ライト ノベルの楽しい書き方』などの五十嵐令子、他に舩木壱輝、 中原翔子、長宗我部陽子。 将来を嘱望される女子マラソンランナーと、彼女を1番にし たいコーチ。しかし富士山麓で行われる強化合宿はいろいろ な障害に見舞われる。突然幻のランナーが現れたり、コーチ の秘められた過去などドラマも充分に描かれる。 しかし本作は何と言っても結末に目が行ってしまう作品だ。 ただその予兆のシーンが必要だったか否か。無きゃないで唐 突だと言われてしまうかもしれないが、僕は無くても良いの ではないかと思った。 “弐のなみだ” 『いたいのいたいのとんでゆけ』 日本大学芸術学部映画科出身・朴美和監督の作品。不仲の見 える両親に、何とか元通りになって貰いたいと行動を始める 幼い少女の物語。出演は、劇団ひまわり所属の大川春菜。他 に林田麻里、ミョンジュ。 自分が2人の子供を育て終えた身で思い返すと、子供にこう いう思いをさせてはいけないと切実に考えてしまう。でも現 実には、こういう思いを抱える子供が多いことも事実なのだ ろう。 そんな子供の姿が、補助輪付きの自転車という象徴的な小道 具を使い、またメルヘンな部分を緩衝材して描かれている。 しかし現実の厳しさも容赦なく描かれる。その鮮烈さも見事 な作品だった。 『サヨナラ人魚』 映画日学校出身で2012年ぴあフィルムフェスティバル入選、 渋谷ヒカリエのプロモーションにも参加しているという加藤 綾佳監督の作品。出演は2012年『こっぴどい猫』などの小宮 一葉と舞台俳優の戸田悠太。 予備校に通う受験生でありながらその予備校の講師とも関係 を持っている女性を主人公に、人と繋がりたいけど思うよう にはそれができない現代人の姿を描いている。タイトルにも なっている『人魚姫』をモティーフにした作品だが… 内容的に理解はするが、物語はもっと明確に描いて欲しい感 じもした。まあそんな曖昧模糊としたのが現代の人間関係な のかもしれないが、予備校講師との関係の描き方にもっと厳 しさが欲しい感じがした。 “参のなみだ” 『貧血』 2010年1月の『桃まつり』の中で『FALLING』という作品を 紹介した加藤麻矢監督の新作。実は本作は2010年の時に少し 物足りないと書いた作品の続編になっている。出演は前作と 同じく春山怜那と山田ゆり。 物語は、童貞の血しか受け付けない女吸血鬼を描いたもの。 登場する2人の女吸血鬼の内、1人は誰の血でも良いが、も う1人は…そこに初心なカップルが現れ、その男子を巡って ドタバタが始まる。 設定にはおやおやと思い上映後に監督に聞いたら、1974年の 『処女の生き血』は好きな作品とのこと。これはかなりのマ ニアだ。シリーズ第3話も期待したいが、この監督には別の 作品も観たくなった。 『葬式の朝』 東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻修了という糠塚まり や監督の作品。出演は、共に映画は初めての丸井美登子と朝 倉ふゆな。丸井は監督と中学時代からの同級生で素人だが、 朝倉は『アニー』の主演も取っているそうだ。 主人公は祖父の葬儀で実家に帰ってきた女性。家に帰っても お帰りとは言ってもらえず、かと言って客としても扱っては もらえない。そして空腹の彼女だが、やれ着替えなど指図さ れ、出てきた食べ物も従姉妹に取られてしまう。 そして空腹のままの深夜、線香を替えにきた彼女はふと柩の 蓋を開けてしまう。僕自身3年ほど前に父を亡くして、主人 公の思いはかなり伝わってきた気がした。何が良いというこ ともないが巧みな作品と言える。 『東京ハロウィンナイト』 カリフォルニア芸術大学大学院で映画製作を学んだ岡田まり 監督の作品。出演は、昨年の福岡インディペンデント映画祭 の受賞作『あの素晴らしい愛をもう一度』に主演のきむらゆ きと『百獣戦隊ガオレンジャー』でブルー役の柴木丈瑠。 田舎の田圃に立つ女カカシが、太陽にお願いして一夜だけ動 ける人間にしてもらい、ハロウィンで浮かれる都会にやって 来る。そこでお見合いパーティに参加した彼女は、ゾンビ男 に恋心を抱くが… 開幕が舞台面の設定で、先に『アンナ・カレーニナ』を観た 後でそれは微笑ましかった。脳みそが食べたいゾンビと、脳 みそのないカカシという組み合わせにも、女性監督らしい優 しさが感じられた。 全作品を観せてもらったが、全体を通じて完成度はかなり高 いものになっている。それが小さく纏まってしまっては面白 くないが、今回もヴァラエティに富んだ作品に出会えたのは 嬉しかった。 公開は、5月11日から24日まで東京渋谷ユーロスペースにて レイトロードショウされる。
「フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブ」 昨年イギリスのガーディアン紙や、フランスのカイエ・デュ ・シネマ誌も特集を組んだという現代フランスの女性監督に よる作品3本が特集上映される。
『スカイラブ』“Le Skylab” 女優で、2009年3月に『伯爵夫人』も紹介しているジュリー ・デルピー監督の新作。前作はかなり強烈だったが、今回も 不思議な作品を観せてくれる。 物語の背景は、宇宙ステーション(スカイラブ)の落下が問 題になっている1979年夏。主人公の少女は、祖母の誕生日を 祝うためにブルターニュの田舎を訪れている。そこには大勢 の親戚も集まってくるが… 監督本人が「オーソドックスなストーリー展開には興味がな い」と語っているもので、取り立てて何が起きるでもない物 語の中で、人間の様々な側面が描かれる。そこには女性なら ではの視点もあって、いろいろと興味を惹かれた。 出演はデルピーの他に、2011年1月紹介『ゲンスブールと女 たち』のエリック・エルモスニーノ、2009年1月紹介『ベル サイユの子』などのオール・アティカ、『愛、アムール』の エマニュエル・リヴァらが共演している。
『グッバイ・ファーストラブ』“Un amour de jeunesse” 2009年の『あの夏の子供たち』でカンヌ国際映画祭「ある視 点部門」審査員特別賞を受賞しているミア・ハンセン=ラヴ 監督の新作。 初めは15歳だった少女を主人公に、17歳の少年と恋に落ちた 彼女の10年に及ぶ出来事が綴られる。その少年は南米に行く ことを夢見て、彼女の引き止めも虚しく彼は旅立つ。そして 彼女は手紙で別れを告げられる。 出演は2009年『青髭』などの新星ローラ・クレトンと、昨年 7月紹介『ウェイ・バック』に出ていたというセバスティア ン・ウルゼンドフスキー。監督はデビュー作の『すべてが許 される』(2007年)と合わせ3部作としているようだ。
『ベルヴィル・トーキョー』“Belleville-Tokyo” ソルボンヌ大学で修士号を取得。その論文のテーマが1961年 アニエス・ヴァルダ監督の『5時から7時までのクレオ』と いうエリース・ジェラールによる監督デビュー作。 パリに住む若い夫婦。夫は映画評論家でヴェネチアに取材に 向かうが、その出発の空港で妻に「向こうに恋人がいる」と 告げる。そして帰ってきた夫を妻は追い出すが…。やがてよ りを戻した夫は、今度は東京に取材に行くことになる。 出演は、昨年6月10日付「フランス映画祭2012」で紹介した 『私たちの宣戦布告』のヴァレリー・ドンゼッリとジェレミ ー・エルカイム。実生活でも以前は夫婦だった2人が微妙な 夫婦関係を演じている。 なお、映画の中で妻は名画座に勤めているが、監督も名画座 に勤務していたことがあるそうで、映画館の事務室に貼られ たポスターなど映画ファンには面白いものがいろいろ見えて くる作品でもあった。 紹介した3作品は、3月30日より東京渋谷にあるシアター・ イメージフォーラムで上映される。
『モンスター』 2010年『ボックス!』などの映画化のある百田尚樹が、同年 に発表した小説の映画化。その映画化に、監督・大九明子、 脚本・高橋美幸(2008年11月紹介『プライド』など)、撮影 ・大沢圭子、特殊メイク・江川悦子(昨年8月紹介『アウト レイジ ビヨンド』など)の女性陣が挑んだ。 物語の舞台は、海辺の田舎町に建つ瀟洒なレストラン。そこ には美貌の女性オーナーを一目見ようと、連日数多くの男性 客で賑わっていた。そんな客席をモニターカメラで見つめる 女性オーナーは、ある日1人の男性客に目を止める。 その客の座るテーブルへと女性オーナーは歩みを進めるが、 そこには彼女の暗く澱んだ過去への思いが秘められていた。 幼い日の思い出、そして青春の記憶。そこから彼女の壮絶な 人生が描かれて行く。 出演は、高岡早紀、加藤雅也、村上淳、大杉漣。 原作者の百田は、映像的な作品だが映画化はハリウッドでな いと無理だろうと思っていたそうだ。しかしその映画化を、 日本映画の女性たちが見事に実現している。 実は、同じ日に続けて『コードネーム・ジャッカル』という 韓国映画を観ていて、その中に主題ではないが同様の設定が 有り面白くなった。ただし韓国映画ではその具体的な描写は 避けていたもの。そんな困難な題材に果敢に挑戦した日本の 女性映画人たちにも賞賛を送りたい作品だ。 なお本作は4月27日から東京は丸の内TOEI他で公開の予定だ が、大九監督の作品ではもう1本、『ただいま、ジャクリー ン』という作品が3月9日から渋谷オーディトリアムで1週 間限定レイト公開されている。 こちらは東京渋谷の映画美学校・脚本コースの第1期生・村 越繁の作品を映像化したもので、ちょっとファンタスティッ クな展開を含む作品になっている。 物語は、幼い頃にバスの事故で両親を亡くした少年と少女を 主人公にしたもので、同じ事故で死亡した腹話術師の人形を 巡ってある奇跡が起きるもの。 腹話術の人形が意思を持つというお話では、星新一の『夢魔 の標的』を思い出すが、本作の物語の人形はそれほど積極的 には動かない。しかしある状況でそれは奇跡を起こす。脚本 家が星氏の作品を知っていたかどうかは判らないが、本作も 素敵な作品になっていた。 出演は、2012年『ヒミズ』でヴェネチア国際映画祭新人賞を 受賞した染谷将太と、2011年『3年B組金八先生』などの趣 里。他に声優の夏目凛子、腹話術師のいっこく堂らが脇を固 めている。
『闇の帝王DON・ベルリン強奪作戦』“डॉन २” 2月紹介『タイガー・伝説のスパイ』と同じく「ボリウッド 4」と題されて連続公開されるインド最新映画。 原題は“DON 2”となっていて、本作は“DON”の続編のよう で、前作との繋がりはいろいろありそうだが、本作だけでも 充分に楽しめる作品になっていた。 主人公は、アジア全域の闇社会を支配する犯罪王ドン。彼は ヨーロッパへの進出を計画していた。しかしこの事態に脅威 を感じたヨーロッパの犯罪組織も対抗策に出る。そこで彼ら は過去の経緯を捨て、ドンの暗殺指令を出す。 一方、ドンに兄を殺された(前作の話?)インターポールの 女性捜査官もドンの跡を追っており、ドンは両面から追い詰 められて行くことになる。ところが突然ドン本人がインター ポール本部に現れ、あっさり逮捕されてしまうのだが… 主人公のドンを演じるのは、1月紹介『恋する輪廻』などの シャー・ルク・カーン。2006年に公開された前作に続いて主 演だが、実は前作の直後に企画された続編は彼の負傷のため に撮影延期となり、その他の事情も重なって6年後の続編と なっているものだ。 相手役は、2000年のミス・インディアに選ばれ、続くミス・ ワールド世界大会でも優勝を果たしたプリヤンカー・チョプ ラ。なお本作には他に、同じく2000年のインド代表でミス・ ユニバース優勝者のララ・ダッタも出演している。 脚本と監督は、俳優としても活躍しているファルハーン・ア クタル。前作に続いての担当だが、実はその前作には1976年 公開のオリジナルがあり、監督はその作品の脚本を手掛けた ジャーヴェド・アクタルの息子という繋がりがあるようだ。 プレス資料には「インド版『ルパン3世』」というコピーも 添えられていたが、確かにユーモアなどは共通するものの、 本作の主人公が狙うのは、お宝頂戴といった生半可なもので はない。そこにはかなりシビアな展開も描かれるし、それな りにリアルさも感じられるものになっていた。 そして描かれるアクションは、正に『ミッション:インポッ シブル』ばりのトリッキーなもので、さらにそこに騙し騙さ れの犯罪者の心理が描かれるのも見所の作品になっていた。 なおラストシーンにはちょっと仕掛けもあって、出来ること なら2006年の前作も観たくなる作品だった。
『命ある限り』“जब तक है जान” 『闇の帝王』と同じく「ボリウッド4」と題されて連続公開 されるインド最新映画。 登場するのは、インド陸軍で爆弾処理エキスパートの少尉。 彼は防護服を使用せず、生身でテロリストが仕掛ける爆弾と 対峙して処理を成功させてきた。しかし無謀との言える彼の 行動の影には、ある交通事故を切っ掛けにした悲しい事実が 隠されていた。 その事実を知ったのは、Discovery Channelに在籍する駆け 出しの女性ディレクター。彼女は偶然の出来事で少尉の手帳 を盗み読み、彼の姿を描いたドキュメンタリーの制作に乗り 出す。そして完成した作品のチェックのために訪れたロンド ンで、少尉は再び交通事故に巻き込まれる。 映画を観終って最初に浮かんだのは、ジェームズ・ヒルトン 原作の『心の旅路』だった。1942年に映画化もされたこの物 語に、2010年2月紹介『ハート・ロッカー』を加味したよう なこの作品は、正しく何でも有りのインド映画そのものとい う感じかもしれない。 しかも本作は、インド映画が臆面もなく描き続けるメロドラ マであり、それを現代インド映画を象徴あするような壮大な スケールで描きあげている。これこそが、ボリウッドがハリ ウッドを超えたと言える作品だろう。上映時間175分を間違 いなく堪能できる作品だ。 出演は、『闇の帝王DON』と同じくシャー・ルク・カーン。 相手役に『タイガー・伝説のスパイ』のカトリーナ・カイフ と、今インド映画で注目の女優と言われるアヌシュカ・シャ ルマ。 監督は、ボリウッド映画の牽引者の1人であったヤッシュ・ チョプラ。実は監督は本作を最後に引退を発表していたが、 本作の公開日の直前にデング熱が原因の多機能不全で急死。 本当の遺作になってしまった。 このため本作の冒頭には、監督本人が引退表明の席で発表し た自作の詩が引用され、また映画の最後にも追悼的な映像が 収められている。その元気な様子には、病魔の恐ろしさも感 じさせた。 ただし映画自体は、感動的なシーンは次々にあるが、それほ ど湿っぽいものではなく、正しくエンターテインメントとい う感じの作品に仕上げられている。
『YES/NO イエス・ノー』“True Love” 2010年9月紹介『リミット』や、昨年4月紹介『フライペー パー!』などのピーター・サフラン製作によるサスペンス作 品。 『リミット』は箱の中、『フライペーパー!』は閉店後の銀 行に閉じ込められた人々を描いていたが、この製作者はよほ どこのような限定条件が好きなようで、今回は何の装飾もな いコンクリートの壁に囲まれた部屋が舞台になっている。 その壁には一定の間隔で穴が設けられており、その穴からは 映像が投影されたり、ガスが噴出したり、様々な仕掛けが隠 されている。さらにその壁の一箇所には、YES/NOのボタンと 小さなディスプレイが設けられている。 そしてそのディスプレイに表示された質問に二択で答えるこ とで、その後の閉じ込められた人間の運命が定まっていくよ うだ。そんな部屋に1人ずつ閉じ込められた男女の行動が描 かれる。 出演は、いずれもテレビ俳優のジョン・ブラザートンとエレ ン・ホフマン。他に、2011年5月紹介『パーフェクト・ホス ト/悪夢の晩餐会』に出ていたというタイリーズ・アレン、 『デスパレートな妻たち』などのジェイ・ハリントンらが脇 を固めている。 監督は、イタリアで助監督出身のエンリコ・クレリオ・ナジ ーノのデビュー作。因に本作のストーリーボードも自ら描い ており、また2009年3月紹介『ザ・バンク』でミラノのロケ シーンの第2助監督を務めていたそうだ。 脚本は、本作のプロデューサーも務めるファビオ・ガリオー ネとファビオ・レジナーロのコンビ。2人は過去には数本の 短編映画を制作しており、本作が長編デビュー作のようだ。 映画は後半で突然重力方向がおかしくなったシーンが描かれ ており、これは一体何なのだ…という展開になるが、主人公 たちの幻覚という意味なのか、全体の物語にはあまり反映さ れていなかった。 それと結末は、最近のこの手の作品を見慣れている目には、 逆の意味で意外性があったが、その辺はイタリア映画という ところなのかな。最近の殺伐としたアメリカのインディーズ 作品とは一味違っていた。 なおエンドクレジットの中でcannonの文字が大きく出たが、 ディジタル撮影はキャノンのカメラで行われたようだ。
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