井口健二のOn the Production
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2012年12月23日(日) ベラミ、さよならドビュッシー、サイレント・ハウス、カルメン故郷に帰る、アルバート氏の人生、君と歩く世界、チチを撮りに、PARKER

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ベラミ愛を弄ぶ男』“Bel Ami”
『トワイライト』サーガのロバート・パティンスンが主演す
るギ・ド・モーパッサン原作の映画化。
原作は1885年の発表で、物語の舞台は1890年のパリ。書かれ
た時は近未来小説だったのかな? 退廃的なブルジョワジー
が支配する社交界を1人の男が生き抜いて行く。
主人公は、フランスによるアルジェリア派兵からの帰還兵だ
ったが、今は鉄道会社で安月給の身。夜のカフェに出向いて
もビール1杯を飲むのがやっとだ。そんな彼の周囲では男女
が狂乱を繰り広げていた。
そんなカフェで彼は戦友を見つけ、羽振りの良さそうな戦友
は、彼に金を与えて夜会に招く。その夜会で淑女たちに紹介
された主人公は、人生の転換点を見つけることになる。その
淑女たちの手引きで新たな道に乗り出した主人公は…。
古典文学の映画化なので、もっとシンプルな遍歴ものかと思
いきや、フランスのモロッコ派兵やマスコミによる政変の誘
導など、政治的な陰謀も絡んで、現代にも通じるところの多
い作品だった。
モーパッサンの作品は、中学で「首飾り」が教科書に載って
いたのを記憶している程度だが、検索したら同じ1885年発表
の作品だった。本作も同様のパリの社交界が背景だったもの
で、そんな記憶にも繋がる作品だ。

共演は、ユマ・サーマン、クリスティン・スコット=トーマ
ス、クリスティーナ・リッチ。いずれもジャンル映画にも登
場する現代映画のミューズたちが主人公を取り巻き、妖艶な
魅力を振りまいている。
他に、2003年11月5日付「東京国際映画祭」で紹介した『カ
レンダー・ガールズ』などのフィリップ・グレニスター、今
年7月紹介『声をかくす人』などのコルム・ミーニー、今年
キーラ・ナイトレイ主演で映画化された“Anna Karenina”
に出演の新星ホリデイ・グレンジャーらが脇を固めている。
監督は、1989年にロイヤル・ナショナル・シアターの共同監
督に就任し、これまでに3度のローレンス・オリヴィエ賞に
輝くデクラン・ドネランと、彼の長年のパートナーのニック
・オーメロッド。本作は彼らの映画進出第1作となる。

『さよならドビュッシー』
2009年の「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山
七里原作の映画化。
物語の主な舞台は資産家の邸宅。その邸宅で主人公の遥は、
幼くして両親を亡くした従姉妹のルシアと共に双子のように
育てられてきた。
そんな遥とルシアは同じ音楽学校でピアノを学んでいたが、
ルシアは亡き両親の業績を継ぐことを決心していた。そんな
ルシアに対していつかプロの演奏家になって、コンサートで
あなたのためにピアノを弾くと約束する遥だったが…。
その2人を悲劇が襲う。2人が離れの祖父の部屋を訪ねてい
た時に起きた火災で祖父とルシアは焼死、遥も全身に火傷を
負ったのだ。そして手にも障害を負った遥はピアノを弾くの
もままならなくなるが、遥にはルシアとの約束があった。
こうしてピアノを弾くためのリハビリが必要になった遥の前
に、司法試験にトップで合格しながらも、ピアノ講師の道を
選んだ岬洋介が現れる。その岬は独自のリハビリプログラム
を開始するが…。やがて遥が事件に巻き込まれる。
原作は「このミス」受賞ということだが、映画の展開は順当
なもので、謎解きも目新しくはない。というか、ミステリー
映画のファンならすぐに気が付いてしまうものだ。そこで僕
はクライマックスをどう盛り上げるかに注目した。
そのクライマックスは、正に映画的で見事な仕上がり。その
少し前からの演出も強力で、そこからエンディングに雪崩込
んで行く展開は、映画として目を見張るものになっている。
これは小説を超えて映画になっているものだ。

脚本と監督は俳優でもある利重剛。監督としては2002年以来
10年ぶりの作品のようだ。なお共同脚本として、テレビ『新
参者』などを手掛け、ミュージシャンでもある牧野圭祐が参
加している。
主演は、今年5月紹介『スープ〜生まれ変わりの物語〜』や
9月紹介『BUNGO』の一篇にも主演している橋本愛。
そして岬役には、テレビ『のだめカンタービレ』の玉木宏や
2006年12月紹介『神童』で松山ケンイチの演奏の吹き替えを
担当した清塚信也。本格的な演技はデビュー作のはずだが、
なかなかの演技力で良い雰囲気を出していた。
他にミッキー・カーチス、吉沢悠、柳憂怜、熊谷真実、相築
あきこ、戸田恵子、三ツ矢雄二らが脇を固めている。
クライマックスを含めてピアノ演奏が数多く聞ける作品で、
そこでは清塚の演奏も披露される。その中で僕にはリハビリ
曲として登場する「熊蜂の飛行」の、途中から打楽器の入る
アレンジが感動的で気に入った。

原作には続編もあるようだが、それも楽しみたいものだ。

『サイレント・ハウス』“Silent House”
今年11月紹介『レッド・ライト』と『マーサ、あるいはマー
シー・メイ』に続けて出演のエリザベス・オルセンが主演す
るサスペンス作品。
物語は、湖畔の邸宅に父娘がやって来るところから始まる。
その邸宅は廃屋というほどではないが、鼠が配線を齧ったと
かで屋内は手持ちのライトで照らすしかない。そして親子は
その邸宅の売却準備にやって来たようだ。
そこに父親の弟も現れ、地下の様子なども見るが、やがて弟
は立ち去り、親子は一夜をその邸宅で明かすための準備を始
める。ところがそこに階上から何者かのいる気配が伝わって
くる。さらに謎めいたポラロイド写真が散蒔かれる。
オリジナルはウルグアイで製作された作品で、本作はそのハ
リウッドリメイク。南米産のホラーサスペンスも何本か観て
いるが、特にスペイン語圏では需要があるのかな。ただし本
国のスペインで作られている作品ほどには、特に地域性が感
じられるものではない。もちろん本作はリメイクだが…。

共演は、2007年4月紹介『ゾディアック』に出演のアダム・
トレーズと、2009年11月紹介『ジュリー&ジュリア』に出演
のエリック・シェーファー・スティーヴンス。他に、ジュリ
ア・テイラー・ロスとヘイリー・マーフィという2人の若手
女優が出演している。
監督は、2003年の『オープン・ウォーター』が話題を呼んだ
クリス・ケンティスとローラ・ラウのコンビが担当。2人は
製作と脚本、撮影、編集も兼ねているようだ。ただし撮影監
督には、2009年4月紹介『マン・オン・ワイヤー』などを手
掛けたイゴール・マルティノヴィッチが参加している。
撮影はワンテイク風に作られているが、同様のオリジナルも
撮影には4日間かけられているそうで、本作ではさらに明確
に編集点は判る。制作者もそれは意図していないのだろう。
その点は2008年12月紹介『PVC−1[余命85分]』など
と異なるものだ。
しかし本作でも、主人公の動きなどはかなりの長回しで、し
かも照明は手持ちのライトだけという状況。これには長回し
だけでないヴィデオカメラの特性も活かされている。因に、
撮影はCanon EOS 5D Mark IIで行われており、これは2010年
製作のオリジナル“La casa muda”と同じのようだ。

なお本作は、2013年3月2日から東京渋谷のヒューマントラ
ストシネマにて開催される「渋谷ミッドナイト・マッドネス
2013」の1本として上映されるもので、作品は全部で6本、
残りも順次紹介する予定だ。

『カルメン故郷に帰る』
1951年製作、木下恵介監督による日本初の総天然色映画が、
木下監督生誕100周年を期してディジタルリマスターされ、
Blu-ray及びDVDで発売される作品を特別上映会で観させ
て貰った。
物語は、浅間山を臨む信州の山村に、東京に出て行った娘が
帰ってくるというもの。その娘は東京で芸術家をして成功を
収めているというのだが…。
その実はストリッパー。当時はストリップを芸術と呼ぶ風潮
もあったから、ちょっと頭の弱い彼女はそんな風潮にも乗せ
られているのだろう。従って彼女に悪気はない。
しかし素朴な村の人たちにとってこれは大問題。最初は芸術
と聞かされて帰郷を応援していた小学校の校長も、その実態
を知って戸惑うことになる。そんなすったもんだが、信州の
大自然を背景に描かれる。
まあお話は他愛ないが、当時の世相や素朴な人々の心情など
も巧みに捉えられていて、さすが木下恵介作品という感じの
ものだ。そこには今は失われつつある良き時代の姿も、数多
く描かれている。
また映画の最初を最後には、1962年に全線廃線となった草軽
電鉄に主人公らが乗っているシーンが登場し、35mmカラーで
撮影された動態の姿は、鉄道マニアにはかなり貴重なものに
もなっている。

出演は、高峰秀子、小林トシ子、井川邦子、佐野周二、佐田
啓二、笠智衆。脚本も木下恵介が執筆し、音楽には黛敏郎と
木下忠司。また助監督には小林正樹、松山善三らの名前が並
んでいた。
作品は、かなり以前にテレビ放映で観ているが、ディジタル
上映とはいえスクリーンで観るのはまた格別のものだ。その
映像は鮮明で、色彩も極めて鮮やかだった。また音声も一部
を除いてノイズも少なくクリアに聞くことができた。
古き良き時代の作品だが、ノスタルジーだけではない、今の
時代にも通じるものも感じられる作品だ。

なお上映会では、特典映像となる『我が師に捧ぐ』と題され
たドキュメンタリーも上映された。
この作品は今回のリマスター版に向けた新予告編を制作する
本木克英監督が、師匠である木下監督の姿を追ったもので、
中では監督の実弟である作曲家の木下忠司氏に、『カルメン
…』に2人の音楽家が参加した経緯を聞いているなど、貴重
な証言も含まれていた。

『アルバート氏の人生』“Albert Nobbs”
2011年11月30日付「東京国際映画祭」で紹介の『アルバート
・ノッブス』が標記の邦題で一般公開されることになり、改
めてマスコミ試写を鑑賞した。
物語の舞台は、19世紀のアイルランド・ダブリン。その街の
ホテルに務めるアルバートは目当ての客も多く訪れる人気者
だったが、そのアルバートには人に言えない秘密があった。
それはその実体が女性であったということ。その時代に幼く
して親を失った女性が1人で生きて行くためには、「男性」
になるしか途はなかったのだ。
そんなアルバートに危機が訪れる。ホテルの改修に来たハン
サムなペンキ職人が、女主人の命令でアルバートの部屋に泊
まることになったのだ。しかし自らの実体が主人に知れると
首になると危惧したアルバートは、寝床にも気を使って潜り
込むのだが…。その行動がアルバートの人生に大きな転機を
もたらすことになる。
その一方でアルバートは、将来の夢のために自室の床下に小
金を貯め込んでいた。そしてその金額は夢の実現にあと一歩
と近づいていたが、そこにもある転機が訪れてしまう。

出演は、本作で第24回東京国際映画祭の最優秀女優賞を獲得
したグレン・クローズ。本作では脚本と製作も兼ねている。
他に、今年9月紹介『ウーマン・イン・ブラック亡霊の館』
などのジャネット・マクティア、2010年3月紹介『アリス・
イン・ワンダーランド』などのミア・ワシコウスカ。さらに
2010年10月紹介『キック★アス』のアーロン・ジョンスン、
『ハリー・ポッター』シリーズのマッド・アイ・ムーディ=
ブレンダン・グリースンらが脇を固めている。
監督は、2008年12月紹介『パッセンジャーズ』などのロドリ
ゴ・ガルシア。脚本にはクローズの他に、1991年のクローズ
主演作『ミーティング・ヴィーナス』などのガブルエラ・プ
レコップと、アイルランド出身のブッカー賞受賞作家ジョン
・バンヴィルも参加している。
なお本作は昨年の米アカデミー賞で主演女優賞と助演女優賞
の候補(他にメイクアップ賞も)になったが、いずれも受賞
は逸している。また、東京国際映画祭ではクローズが最優秀
女優賞を獲得しているが、僕は今回見直した上でもマクティ
アの演技の方が素晴らしいと思ったものだ。


『君と歩く世界』“De rouille et d'os”
2007年7月紹介『エディット・ピアフ 愛の讃歌』で米アカ
デミー賞主演女優賞に輝いたマリオン・コティアールの主演
による人間ドラマ。
1人目の主人公は幼い息子を連れて放浪する男性。金もなく
他人の食べ残しを漁ったり、カッパライをするなどして何と
か姉の家に辿り着いた男は、屈強な身体とムエタイの心得を
活かして闇の格闘技場で体を張ることになる。
もう1人の主人公は、同じ町のマリンランドでシャチの調教
師だった女性。しかし予期せぬ事故で彼女は両足の膝から下
を失ってしまう。そんな失意から立ち直れない女性がふとし
たことで先の男性との付き合いを始めるが…
いやあ、何とも作り物めいたお話だが、元々の原作は同じ作
家による2篇の短編小説だったそうで、その両足を失った調
教師の話とアンダーグラウンドの格闘家の話を映画用に纏め
たのだそうだ。
従って2人の恋愛関係などは原作にはないもの(原作の調教
師は男性だそうだ)だが、その辺を結構巧みに作っているの
が本作の面白いところだ。しかもその2つの原作のお話を、
映画では両方とも取り入れているのだから…。まあ普通なら
絶対に有り得ない大変な展開となっている。それもまた面白
いと言える作品だった。
それに事故後の調教師の両足が、これは見事なVFXで消去
されており、さらに義足になってからの姿も、それは見事な
CGIで表現されていた。両足のない人物というと、1994年
『フォレスト・ガンプ』のヴェトナム帰還兵の姿が当時は驚
きだったが、今や普通に出来てしまうようだ。

共演は、2009年10月紹介『ロフト.』に出演のマティアス・
スーナーツ。本作ではヴァリャドリッド国際映画祭の最優秀
男優賞を受賞したそうだ。他に、2010年11月紹介『ヒアアフ
ター』などのセリーヌ・サレット、今年6月10日付「フラン
ス映画祭2012」で紹介した『スリープレス・ナイト』などの
ジャン=ミシェル・コレイアらが脇を固めている。
脚本と監督は、2005年7月紹介『真夜中のピアニスト』など
のジャック・オディアール。また脚本には、2009年にオディ
アール監督がカンヌ映画祭の審査員特別グランプリを受賞し
た『預言者』にも参加のトーマス・ビデガンが名を連ねて、
見事な脚色を仕上げている。
因に、原作者のクレイグ・デイヴィッドスンはカナダ出身。
原作は2005年の発表だが、処女作は“The Preserve”という
ホラー小説だったそうだ。

『チチを撮りに』
今年7月に紹介した『DON'T STOP』と同じくSKIPシティ国際
Dシネマ映画祭にエントリーされ、その支援の許で一般公開
されるSKIPシティDシネマプロジェクトの第3弾。
前の紹介作品はドキュメンタリーだったが、今回はドラマ。
母親と2人娘の母子家庭に、14年前に家出した父親が病床で
余命もわずかになったとの報らせが届き、母親の指示で娘た
ちが見舞いに向かうことになるが…
物語は、その報せの届く少し前から始まって、娘2人の紹介
などが実に手際よく描かれる。そして母親から事情が告げら
れ、愛人を作って家を出た元夫に会いたくない母親は、娘た
ちに病床の父の顔を撮ってくるようカメラを託す。
こうして娘たちの旅が始まるが、不在に慣れた2人には父親
の影は希薄のようだ。それでも父親を覚えている姉と覚えて
いない妹との会話からは、それまでの母子が辿ってきた生活
が描かれ、さらに様々なドラマが展開されて行く。
上映時間は1時間14分で、小品と呼ぶべき作品だが、描かれ
ている内容は意外と奥深くて、登場人物たちの性格付けなど
も行き届き、なかなかの秀作に仕上がっていた。実際に次の
試写に向かう途中の会話でも高評価の声が多かった。
それに巧みに張り巡らされた伏線も、思わず笑みが浮かんだ
り、納得できたりしたものだ。

出演は、姉役を2007年4月紹介『天然コケッコー』などの柳
英里紗と、妹役には2008年7月紹介『ブタがいた教室』に出
ていた松原菜野花、そして母親役を今年11月紹介『タリウム
少女のプログラム』などの渡辺真起子が演じている。
他に、昨年3月紹介『それでも花は咲いていく』などの滝藤
賢一、2007年1月紹介『バベル』に出演の二階堂智、2010年
8月紹介『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』に出ていた
子役の小林海人らが脇を固めている。
脚本と監督は、2008年文化庁若手映画作家育成プロジェクト
に選出された中野量太。本作は、短編作品ではすでに数多く
の賞を受賞している新鋭監督の劇場デビュー作となる。
なお本作は、今年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で、日本
人監督では2004年の映画祭発足以来の初となる長編部門国際
コンペティション監督賞と、今後の可能性を期待させる国内
作品に贈られるSKIPシティアワードをダブル受賞し、今回の
SKIPシティDシネマプロジェクトに選出された。

『PARKER/パーカー』“Parker”
1990年の『グリフターズ/詐欺師たち』で米アカデミー賞脚
色賞の候補になったこともあるミステリー作家ドナルド・E
・ウェストレイクが、リチャード・スターク名義で発表した
「悪党パーカー」シリーズからの映画化。
なお、1962年にスタートした原作シリーズからは、第1作の
“The Hunter”に基づく1967年『殺しの分け前/ポイント・
ブランク』など複数の映画化があるが、本作は1997年に再開
された新シリーズの中で2000年に発表された“Flashfire”
に基づくものだ。
物語の始まりは、オハイオ・ステートフェア。大金の集まる
会場を4人組の男と襲ったパーカーは、手際良く150万ドル
の札束を奪い、逃走車を乗り換えて追っ手を撒くことにも成
功する。
ところがその逃走の車中で、4人組はさらなる大金の掛かる
次の仕事の話を切り出し、今回の金はその準備に当てると言
い出す。そしてその話に乗らないパーカーは車から突き落と
され、さらに止めの銃弾を打ち込まれてしまう。
しかし悪運強く生き残ったパーカーは、収容された病院を抜
け出し、恋人の許で体力の回復を図りつつ報復の計画を練り
始める。そして4人組の次なる計画がパームビーチと目星を
つけたパーカーは資産家を装って現地に赴き、不動産営業の
女性を使ってそのアジトを探り出す。
こうしてそのアジトと計画を見破ったパーカーは報復の計画
を進めるが、その4人組の1人には危険な後ろ盾のついてい
ることが判明してくる。しかし報復を諦めないパーカーは…

出演は、パーカー役にジェイスン・ステイサムが扮する他、
ジェニファー・ロペス、ニック・ノルティ。さらに今年7月
紹介『WIN WIN』などのボビー・カナヴェイル、映画「ファ
ンタスティック・フォー」シリーズでザ・シング役を演じる
マイクル・チクリスらが脇を固めている。
監督は、2000年『プルーフ・オブ・ライフ』などのテイラー
・ハックフォード。脚本は、昨年1月紹介『ブラック・スワ
ン』を手掛けたジョン・マクラフリンが担当している。
小説は非情な主人公のハードボイルドだと思うが、映画化は
ステイサムが主演のアクション作品。その辺が原作の読者に
どう受け取られるかは気になるところだが。おそらく現状で
はアクションスターのNo.1とも言えるステイサムのファンに
は、充分に満足してもらえる作品に仕上げられている。

この作品も、シリーズ化を期待したいものだ。


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井口健二