井口健二のOn the Production
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2012年12月02日(日) GHOST RIDER 2、人生ブラボー!、ハードウェア・ウォーズ、名無しの十字架、ひまわり、牙狼2、アルマジロ、よりよき人生+Oscar/VFX

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『GHOST RIDER 2』“Ghost Rider: Spirit of Vengeance”
2007年2月紹介『ゴーストライダー』の続編。ただし、監督
曰く「前作から踏襲したのは、ニコラス・ケイジの主演だけ
だ」という作品だ。
物語の始まりは、山間の寺院。そこに1人の少年が匿われて
いる。その少年は悪魔の血を引くと言われ、地上では能力の
発揮に制限のある悪魔がその少年に宿ると、その悪魔は全て
の能力を地上で発揮できるようになるというもの。そして今
や成長したその少年を、悪魔が狙い始めていた。
そこでその少年を守るために、地上で悪魔に対抗できる唯一
の男に援助が求められるのだが、その男ジョニー・ブレイズ
は、悪魔の化身ゴーストライダーをようやく封じ込められそ
うになったところだった。
しかし訪ねてきた僧侶に、少年を守り切れば、悪魔から究極
的に解放される術を教えると言われたブレイズは、やむ無く
ゴーストライダーを復活させるが…。産みの母親と共に逃亡
を続ける少年には新たな危機が訪れていた。

共演は、今年7月紹介『プロメテウス』などのイドリス・エ
ルバ、1986年『ハイランダー/悪魔の戦士』などのクリスト
ファー・ランバート、昨年4月紹介『ラスト・ターゲット』
などのヴィオランテ・プラシド。
さらに今年9月紹介『ウーマン・イン・ブラック亡霊の館』
などのキアラン・ハインズ、昨年8月紹介『リミットレス』
に出ていたジョニー・ホイットワース。そして少年役を、事
前にヨーロッパ中で行われたスクリーンテストで選ばれた、
スペイン出身のファーガス・リオーダンが演じている。
監督は2009年7月紹介『アドレナリン/ハイ・ボルテージ』
などのマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラーのコ
ンビ。脚本はデイヴィッド・S・ゴイヤーの原案から、昨年
12月紹介『ウォーキング・デッド』のスコット・M・ギンプ
ルと、同じくテレビシリーズ『プリズン・ブレイク』を手掛
けるセス・ホフマンが担当している。
撮影はルーマニアとトルコで行われ、アクションシーンはほ
とんどが実写で撮影されているようだ。そのライダー・アク
ションには、主人公の乗るヤマハVMAXの他、ロシア製バイク
のウラルSOLO750、さらに全長220m、全高96m、総重量12340t
で、世界最大の陸上走行車とされるBagger 288なども登場し
て華を添えている。
物語的には、前作のように事前に主人公の紹介があったり、
複数の敵と戦うのよりは単純明快になっており、その分の話
にコクはないが、炎を駆使したアクションは映像的にも見事
に仕上げられていた。


『人生、ブラボー!』“Starbuck”
若い頃にアルバイト気分で不妊治療用の精子提供者になって
いた男が、突然533人の子供の誕生を知り、さらに142人から
身元開示を求められるという、カナダ・ケベック州で製作さ
れた作品。
主人公は、父親が経営する食肉会社で2人の兄と共に働いて
いる42歳の独身男。親族会社ということもあるのだろうが、
仕事振りはいい加減で、父親も少し持て余し気味のようだ。
そんな男がある日、142人の「子供」に身元開示の訴えを起
こされたことを知る。
その事態を幼馴染の新米弁護士に相談した主人公は、まずは
精神障害の線で訴えを退けようとするが。ふと原告の1人の
名前を見た主人公は、彼が前途有望なサッカー選手であるこ
とを知る。こうして何人かの許を匿名で訪ねた主人公は、彼
らの様々な人生を知ることになり…

出演は、2007年に自らの監督作品でカナダ・ジニー賞の作品
賞を受賞したというコメディアンのパトリック・ユアール。
他に、2006年11月05日付「東京国際映画祭」で紹介した『ロ
ケット』などのジュエリー・ル・ブルトン、さらに舞台俳優
のアントワーヌ・ベルトランらが脇を固めている。
脚本と監督は『ロケット』も手掛けているケン・スコット。
本作はケベック州の公用語であるフランス語で製作された作
品で、スピルバーグ率いるドリームワークスが権利を獲得し
て英語によるリメイクも進められているものだが、原作に感
動したスピルバーグは、スコット監督にリメイクへの続投を
依頼しているそうだ。
子沢山の父親の話というのは、日本でも高視聴率のテレビ番
組もあるようだが、この人数は正に桁違い。実に上手いとこ
ろに目を付けたものだと感心した。しかも基本はコメディだ
が、それをドタバタにせずに丹念に人生模様を描いて行く。
しかも社会風俗も巧みに織り込む辺りは見事としか言いよう
のない作品だった。

こういう作品に出会えてありがとうと言いたくなる作品だ。
それにしても、すでにハリウッドリメイクが進められている
作品だが、そのリメイクでもサッカー選手で行けるのかな。
サッカーファンとしては、その辺もちょっと気になるところ
だ。


『ハードウェア・ウォーズ』“Hardware Wars”
1977年、本家『スター・ウォーズ』が公開された翌年に発表
され、ジョージ・ルーカス本人がインタヴュー番組の中で、
「お気に入りのパロディ作品」と名指しした名作が、日本で
来年1月にDVDリリースされることになり、サンプル盤を
鑑賞した。
本作の映像は何度か観たことがあるが、全編を通して観るの
は初めてかもしれない。内容は予告編の体裁をとっており、
『スター・ウォーズ』の人物紹介や名場面がパロディになっ
ているものだ。しかも、登場する宇宙船などが題名の通りの
ハードウェア(家電製品)になっている。

製作・脚本・監督は、1970年代に『セサミストリート』のア
ニメーターとして業界入りしたというアーニー・フォセリア
ス。彼はこの後、1983年『ジェダイの復讐』では声優を務め
たり、挿入曲のアレンジを担当したりもしているようだ。
他にも1985年にティム・バートンが監督した『ピーウィーの
大冒険』の監督を最初に依頼されたが断ったとか、『エド・
ウッド』の音響効果や『マーズ・アタック!』の声優なども
担当したという情報がプレス資料に紹介されていた。
つまり、ティム・バートンとの関係も深い才人の作品という
ことだ。
なお今回観せてもらったサンプル版は13分の本編と日本版の
予告編だけだったが、1月30日にリリースされる商品には、
インタヴュー番組をパロディにした映像や海外での予告編な
ど41分が特典映像として添付されるようだ。

『名無しの十字架』
実は12月1日に公開が始まっている作品だが、公開ギリギリ
に試写が行われて、しかもちょっと気になる作品だったので
紹介しておく。
キックボクシングが主題の作品で、基本的に格闘技にはあま
り興味がないので、さほど期待するでもなく観に行ったもの
だが、物語は意外な展開で期待以上の作品になっていた。
主人公は横浜でプロレスショップを営む男性。その男性は裏
でちょっと危ないヴィデオの取引も手掛けていたが、それも
彼自身の一線は守っていたようだ。しかし借金で首が回らな
くなり、3000万円で買い手のいる、ある幻のヴィデオの追跡
に乗り出すことになる。
その幻のヴィデオとは「虎対人間」の死闘を撮影したという
もの。情報では闘った人間は死亡したと言われ、彼の一線は
そのようなSnuff作品は扱わないとしていたものだ。しかし
背に腹は代えられない主人公はそのヴィデオを探し始める。
そしてそれは彼を闇の世界に引きずり込むことになる。
と言っても別段超常的なお話が始まる訳ではないが、その状
況が意外とシュールで、なかなか面白い作品だと感じられた
ものだ。

出演は、北区つかこうへい劇団出身で今年2月紹介『僕等が
いた』などに出ている神尾佑、2006年9月紹介『アジアンタ
ムブルー』などの松尾れい子、元ムエタイ世界ライト級王者
の小林聡。
他に今年8月紹介『のぼうの城』などの和田聰宏、今年2月
にAKB48を脱退した米沢瑠美。米沢は本作で映画女優として
再デビューだそうだ。さらに前田健、みのすけらが脇を固め
ている。
監督は、2001年『けものがれ、俺らの猿と』などの脚本を手
掛け、2004年『あゝ!一軒家プロレス』という作品を発表し
ている久保直樹。前作の題名からは格闘技ファンの監督と思
われるが、本作はそこから一歩踏み出したと言えそうだ。
なお作品は郷一郎の原作に基づくもので、本作の出演者でも
ある小林が原作に惚れ込んで映画化を企画。ただし原作では
キックボクサーが主人公だったが、原作者の好きにして良い
との言葉を受けて大幅に改作したようだ。

その脚本は、今年1月公開『犬の首輪とコロッケと』などの
稲本達郎と、2009年テレビドラマ『メイド刑事』などの松田
知子が担当している。

『ひまわり〜沖縄は忘れないあの日の空を〜』
1959年6月30日に沖縄の石川市(現うるま市)で起きた米軍
ジェット機墜落事件と、2004年8月13日の沖縄国際大学での
米軍ヘリコプター墜落事件。その2つの米軍の軍事行動に関
る事件を描いたドラマ作品。
物語は、その2つの事件に遭遇した1人の男性と、その孫を
中心に展開される。その男性は石川市宮森小学校に墜落した
ジェット機で友を失い、沖縄国際大学へのヘリコプター墜落
の目撃者となる。
また孫は、祖父と共にヘリコプター墜落の目撃者となるが、
その記憶は薄れて現在は同大学の生徒となっている。そして
その大学のゼミで2つの事件のレポートを纏める形で事件が
検証されて行くものだ。

出演は、長塚京三と『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズなどの
須賀健太。他に2013年前期のNHK朝のテレビ小説に主演が
決まっている能年玲奈、2009年8月紹介『ヤッターマン』な
どの福田沙紀らが脇を固めている。
監督は、にっかつ撮影所演出部の出身で、1990年『夏のペー
ジ』などの及川善弘。なお脚本は、石川・宮森630編「石川
・宮森ジェット機墜落事件証言集」に基づいている。
沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事件は記憶に新しい。それに対
して米軍ジェット機墜落事件というと、僕は1977年の横浜で
の事件は記憶していたが、1959年となるとこれは全く記憶に
ないものだった。
実は、1961年にも地元近くの大磯沖にジェット機が墜落した
ことがあって、このときは事故機のパイロットがギリギリま
で操縦桿を握って陸地を離れてから脱出したということで、
それは美談として伝えられていた。しかし本作の事件のこと
を知ると、その美談にも眉に唾を付けたくなるものだ。
それにしてもこの大磯の事件は覚えていて沖縄の事件を記憶
していないとは…。それは確かに当時は沖縄返還前で、報道
自体もままならなかったのかもしれないが、なにか釈然とし
ないものを感じるし、それが多分沖縄の悲劇なのだろうとい
う感じもしてくる。
ただこのように強いメッセージを持った作品だが、その描き
方が宮森事件の映像をモノクロにしてみたり、時間軸を妙に
動かしたり、作為に満ちているのはいかがなものか。それで
観客に混乱を与えるより、もっとストレートに描いた方が、
最後の歌も際立たせたのではないかとも感じられた。

それはともかく、本作が日本人の全員がしっかりと考えるべ
き問題の描かれた作品であることは確かだ。

『牙狼<GARO>〜蒼哭ノ魔竜〜』
2010年7月と昨年9月にも紹介している『牙狼』シリーズの
最新作。ただし昨年紹介の作品はテレビ用なので、劇場版と
しては第2作となるものだ。なお本作は今年の東京国際映画
祭の特別招待作品としても上映された。
物語は過去の紹介作品と同様、魔戒騎士の冴島鋼牙を主人公
としたもの。しかし今までの作品が現世を舞台としていたの
に対して、本作は摩訶不思議な別世界を背景としている。こ
れはもしかするとテレビシリーズの流れを汲んでいるのかも
しれないが、そんなことはお構いなく、取り敢えずそういう
世界が舞台だとして納得して観ることはできるものだ。
そしてその世界で鋼牙は、「大いなる力」アジャリの命を受
けて「嘆きの牙」というアイテムを探すことになるのだが。
そこはヒトによって作り出され、そして忘れられたモノが暮
らす世界。しかもその世界に辿り着いたとき鋼牙は、己が武
器である牙狼剣、魔法衣、魔導輪を失っていた。
しかし鋼牙は、森で助けたモノと自称する少女メルや、鋼牙
がカカシと名付けた男。さらに弓の名手キリヤらと共に探索
を続けて行く。その一方でその世界を支配する女王ジュダム
は、自らがコレクションする美しいモノの一つに鋼牙を加え
ようとしていた。
さらにその世界には、近々魔竜が降臨するとされ、ジュダム
はその魔竜と一体となって人間界に進出することを企んでい
た。

出演は、小西遼生、影山ヒロノブ(声の出演)のレギュラー
に加えて、松坂慶子、今年5月紹介『スープ』に出ていた蒼
あんな、2010年11月紹介『ギャングスタ』に出ていた久保田
悠来。
他に過去のシリーズに登場の藤田玲、山本匠馬、中村織央。
さらにお笑い芸人で声優の柳原哲也、前作にも出演の螢雪次
朗、渡辺裕之らが登場する。
原作・脚本・監督は雨宮慶太。異世界の映像はかなり幻想的
だし、その中で繰り広げられるアクションも、これはまさに
雨宮節という感じの作品だ。
お話的には近年よくあるクエストものだが、その中で語られ
るヒトとモノとの関係などには、ちょっと面白い思想も感じ
られた。ただ個人的には、今までの現世を背景にした作品を
もっと観てみたい感じもするが、本作もそんな現世の問題を
ある意味反映している作品であることは確かだろう。

また次回作も期待したい監督だ。

『アルマジロ』“Armadillo”
アフガニスタン戦争に国際平和活動(PSO)の名目で派遣さ
れているデンマーク軍。その最前線アルマジロ基地の兵士を
追ったドキュメンタリー。映像の一部は兵士自身にカメラを
持たせて撮影したという作品。
アルマジロ基地にはNATOによる国際治安支援部隊の一つとし
てイギリス軍とデンマーク軍が駐留している。その基地の主
な任務はタリバンを敵とする偵察活動。しかし都会から最前
線基地に派遣された若い兵士たちは徐々に戦争中毒に陥って
行く。
そして突然タリバンからの発砲が起き、反撃した兵士たちは
それを撃退するが、それは彼らを極度の興奮状態に陥れる。
その戦果を興奮して語り合う兵士たち。しかしそこには落と
し穴も待ち構えていた。それは正に2010年2月紹介『ハート
・ロッカー』の冒頭で述べられたような中毒状態だ。

監督は、1974年デンマーク生まれのヤヌス・メッツ。2008年
デンマークで暮らすタイ人女性とデンマーク人男性の国際結
婚を描いた作品でコペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画
祭の最優秀短編賞を受賞し、本作でカンヌ国際映画祭批評家
週間グランプリに輝いた。
デンマークでは18歳から32歳までの男子に徴兵制が敷かれ、
その兵役期間は4ヶ月。しかし4ヶ月経過後に希望者は期間
の延長が可能だそうだ。だたし良心的兵役拒否も認められて
おり、代替役務が制度化されている。
そして兵員数は2万5000人、予備役1万2000人、郷土防衛軍
5万1000人の計8万8000人が総兵力とされている。その中か
らコソボに380人、アフガンに700人などが派遣され、兵員数
は少ないものの、その兵士の質の高さなどで国際社会からは
高く評価されているとのことだ。
デンマーク軍のアフガン派遣に関しては2007年9月紹介スサ
ンネ・ビア監督の『ある愛の風景』でも描かれていた。それ
は母国で待つ家族を襲う悲劇を描いていたが、本作は戦場が
舞台のもの。そして本作もまた声高に反戦を訴えるものでは
ないが、その恐ろしさは際立たせて描かれているものだ。
リアルな戦闘の迫力が見事に描かれた作品であると同時に、
そこに忍び寄る狂気も見事に描かれた作品。結末のテロップ
がその狂気の奥深さも見事に描いていた。それにしても、こ
れがドキュメンタリーとは…。あまりにドラマティックな展
開も驚かされるものだ。


『よりよき人生』“Une vie meilleure”
昨年の東京国際映画祭・コンペティション部門で上映された
作品。昨年10月31日付でも紹介しているが、本作は来年2月
の一般公開が決定し、試写が行われてプレス資料も配布され
たので改めて紹介する。因に映画祭の時の題名は『より良き
人生』だったが、一般公開は平仮名になっている。
内容については繰り返しになるが、より良き人生を目指して
奮闘し、運命に翻弄されるカップルの姿を描いたフランス映
画。
主人公は35歳のコック、彼は職を求めて訪れたレストランで
28歳子持ちのウェイトレスと出会い、夢を語り合った2人は
一緒に暮らすようになる。そして郊外に素敵な建物を見つけ
た2人は銀行ローンを借りて改築に乗り出すのだが…。
完成したレストランは法律的な問題で営業許可を得られず、
さらに銀行ローンも手続き上の問題で条件を厳しくされてし
まう。この状況に切羽詰った女性は、手続きのためフランス
に残らざる得ない主人公の許に子供を残し、賃金の良いカナ
ダに出稼ぎに行くが、やがて音信が途絶えてしまう。
理想のレストランを目指して頑張る2人が法律や規則などの
様々な壁に阻まれる。日本でもありそうなお話だが、そんな
物語がフランスとカナダの大西洋を跨いで展開される。こう
なるとちょっと日本とは条件が違ってくるが、それでも描か
れる内容は夢と理想を求めて奮闘するカップルの姿であり、
そこには誰もが応援したくなるような素敵な物語が描かれて
いた。

監督は、2007年2月紹介『チャーリーとパパの飛行機』など
を手掛けたセドリック・カーン監督。脚本はカーンと、今年
6月10日付「フランス映画祭2012」で紹介『愛について、あ
る土曜日の面会室』の脚本と台詞を担当したカトリーヌ・パ
イエが共同で執筆している。
出演は、本作でローマ国際映画祭最優秀男優賞を受賞してい
るギョーム・カネ。今年9月紹介『虚空の鎮魂歌』などのレ
イラ・ベクティ、「フランス映画祭2012」で紹介『私たちの
宣戦布告』に出ていたブリジット・シィ。そして息子役を本
作がデビュー作のスリマン・ケタビが演じている。
以前に紹介した監督の作品も、厳しさの中に暖かい人間味が
描かれていたが、本作でもそんな厳しくて暖かい物語が描か
れていた。僕は、東京国際映画祭の時に、この映画で奮闘す
る主人公に男優賞を贈りたいと思ったものだが、その思いは
ローマで叶ったようだ。

        *         *
 アカデミー賞VFX部門の予備候補が発表されたので紹介
しておく。
 今年は10本選ばれた予備候補作は以下の通り。
“The Amazing Spider-Man”
“The Avengers”
“Cloud Atlas”
“The Dark Knight Rises”
“The Hobbit: An Unexpected Journey”
“John Carter”
“Life of Pi”
“Prometheus”
“Skyfall”
“Snow White and the Huntsman”
 映画会社別ではワーナーが3本、ディズニーとフォックス
とソニーが各2本で、ユニヴァーサルが1本、パラマウント
は0本ということになる。前回は1月4日発表の10本に絞ら
れた段階で4本を占めていたパラマウントだが、マーヴェル
とドリームワークスの離脱が大きく響いているようだ。
 この中から5本の最終候補が選ばれる。


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井口健二