井口健二のOn the Production
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2012年05月13日(日) 汚れた心、サニー 永遠の仲間たち、スープ、プレイ/獲物、愛の残像/灼熱の肌、ダーク・シャドウ、臍帯、MIB3

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『汚れた心』“Corações Sujos−國賊−”
2006年8月『Oiビシクレッタ』と2011年12月『善き人』を紹
介しているヴィセンテ・アモリン監督による1946年−47年の
ブラジル日本系人社会を襲った悲劇を描いた作品。
第2次世界大戦の終結直後、ブラジル日系人社会では地元政
府の抑圧によって情報が遮断されていた。そして戦争が終っ
たという報の中で、彼らの大半は「皇国日本が負けるはずが
ない、勝ったのだ」と信じて疑わなかった。
そんな日系人社会の小さな町で写真館を営む主人公は、町の
顔役である陸軍大佐の取り巻きの1人だった。しかしその大
佐の開いた集会が警察の摘発を受けたことから、その取り調
べで通訳を務めていた主人公の隣人が槍玉に挙げられること
になる。
その一方で町の実業家の間では、密かにラジオを聞いて日本
の敗戦を確信する者もいた。そんな中、陸軍大佐は日本から
帰国船が来ると吹聴し、帰国を希望する人の土地の買収を進
める。また主人公には写真の捏造が依頼された。
さらに大佐は日本の勝利を信じない者の粛清を開始し、その
尖兵が主人公に任される。

原作は、ブラジルで元ジャーナリストのフェルナンド・モラ
イスが2000年に発表したノンフィクション。
その著作から、2003年に『Oiビシクレッタ』を発表した監督
が、同作の脚本家のダヴィッド・F・メンデスと共にフィク
ションの物語を作り上げている。ただし描かれたエピソード
はノンフィクションの実話に基づいているものだ。
「臣道聯盟」事件と呼ばれるこの出来事に関して僕は、「勝
ち組」「負け組」という言葉ぐらいしか知らなかったが、映
画ではその裏にあった事情なども含めてかなり判り易く描か
れている。それは情報の欠如によって生じる恐ろしい現実の
物語だ。

出演は、井原剛史、常盤貴子、奥田瑛二。奥田は本作のアソ
シエート・プロデューサーも務めている。他に余貴美子、菅
田俊、2011年7月紹介『朱花の月』などの大島葉子。さらに
セリーヌ・フクモト、エドゥアルド・モスコヴィスという人
たちが脇を固めている。
なお台詞の大半は日本語のものだが、使われている言い回し
などは適切で、その翻訳を担当した人には敬意を表したくな
った。
因に現実の事件では、1946年1月から1947年2月の間に23人
が暗殺され、約150人が襲撃によって負傷。これに対してブ
ラジル軍事警察隊は、約3万件を捜査し最終的に381人に懲
役30年の刑が言い渡されたそうだ。

『サニー 永遠の仲間たち』“써니”
1970年代後半にヒットしたドイツのディスコバンド=ボニー
Mによるダンスミュージック『サニー』に載せて25年を隔て
た女性たちの友情を描き、昨年の韓国で740万人の動員を記
録した作品。
主人公は、専業主婦としてなに不自由ない生活を送っている
ナミ。ところが入院中の母親を見舞った病院で、特別室に掛
かったハ・チュナという名札を見つける。その名前は、高校
時代に地方から転校してきたナミを仲間に入れてくれた女子
グループのリーダーのものだった。
こうしてリーダーと再会したナミは、彼女が余命2カ月と聞
かされ、彼女の希望で昔の仲間たちを捜す約束をする。そし
て最初に母校を訪ねたナミは、そこから仲間たちの消息を探
り当てて行くが…
永遠に一緒だと誓い合っていたはずの仲間たちが何故別れ別
れになってしまったのか、観客にはそんな謎も孕みながら、
ナミが仲間たちとの思い出に向き合い、自分自身を再確認し
て行く旅が綴られる。
映画では現在と25年前の世界が巧みに交錯し、それは物語と
してはファンタシーではないのだけれど、正しくファンタス
ティックな展開が描かれる。そしてそれは映画の真骨頂とも
言える素晴らしいものになっていた。特に校門での25年間の
入れ替わりを描いたシーンは見事なものだ。

出演は、主人公のナミ役に2004年8月紹介『酔画仙』のユ・
ホンジョ。韓国テレビで人気女優の映画出演は先の紹介作品
以来だそうだ。他に、2002年6月紹介『銀杏のベッド』など
に出演のジン・ヒョン、2006年7月紹介『グエムル』などに
出演のコ・スヒ。
さらに10年ぶりの芸能界復帰というホン・ジニ。役柄は彼女
のために用意されたものだそうだ。また『銀杏のベッド』な
どにも出演のミュージカル女優のキム・ソンギョンなど。
その女優たちに対する25年前の配役は、ドラマ『ファン・ジ
ニ』などのシム・ウンギョン、ドラマ『ドリーム・ハイ2』
などのカン・ソラ、2009年の映画『キングコングを持ち上げ
ろ!』などのキム・ミニョン。
さらに本作で映画デビューのパク・チンジュ、2010年の映画
『悪魔を見た』などのナム・ボラ、ドラマ『風の絵師』など
のキム・ボミ、本作で映画デビューのミン・ヒョリンらの若
手女優が集結している。
脚本と監督は、2008年のデビュー作『過速スキャンダル』が
韓国で830万人動員を記録したカン・ヒョンチョル。本作は
その2作目で、前回紹介『依頼人』のソン・ヨンソン監督と
並んで昨年の韓国映画を席巻した作品3作以下の監督の1人
とされているようだ。
小道具だけでなく、照明や色彩のコントラストなどで25年の
隔たりを巧みに表現した映画美術及び技術の素晴らしさも評
価に値する作品だった。


『スープ』
不思議研究所主宰・森田健の著作『生まれ変わりの村』に基
づいて描かれたこの世とあの世、それに来世を繋ぐ物語。
主人公はベテラン営業マンの中年男性。しかし最近の成績は
芳しくなく、後輩女性に長年の取引先も奪われそうになって
いる。しかも家庭では妻と離婚し、一緒に暮らす娘はそれを
根に持っているのかあまり会話もしてくれない。
そんな主人公が出張先で不慮の死を遂げ、後輩女性と共にあ
の世に送られるのだが。そこは天国でも地獄でもなく、ただ
来世に向かうまでの間を過ごすだけの場所。そして来世に行
くには、生まれ変わるための「忘却のスープ」を飲まなくて
はならなかった。
しかし主人公には前世に残した思いが強く、特に娘と仲違い
したままの死だったことが悔やまれ、何とか記憶を残したま
ま来世に行きたいと考える。そして後輩女性と共にその方法
を探す主人公に有力な情報がもたらされるが…
あの世の設定は上記の原作に基づくようで「忘却のスープ」
もその中にあるものだそうだ。さらに原作には前世の記憶を
持つ人も登場し、本作の主人公の行動もそれに倣ったものに
なっている。
そしてその設定の中で、主人公の娘に向けた思いの物語が描
かれて行く。それはまあ、娘を持つ父親の身である筆者とし
ては、いろいろ考えてしまうものでもあるが、何と言うかま
あそんなものだろうという感じの物語が描かれていた。

出演は生瀬勝久、小西真奈美、古田新太、松方弘樹、3月紹
介『愛しの座敷わらし』などの橋本愛、2008年5月紹介『グ
ーグーだって猫である』などの大後寿々花、2010年1月紹介
『ソラニン』などの伊藤歩。
さらにモデル出身の刈谷友衣子と広瀬アリス、2011年7月紹
介『天国からのエール』など野村周平らが出演している。
脚本と監督は、2006年松方弘樹主演『首領の一族』などの大
塚祐吉。製作は2011年3月紹介『それでも花は咲いていく』
などの太代眞裕が担当。
物語は典型的な3幕もので、この世とあの世と来世が各幕と
なる。ただし舞台では確立しているこの形式が映画に合って
いるかは常々疑問に感じるところだ。それは映画では繋ぎが
スムースで幕間がないから、その辺にも問題があるのかも知
れない。
実際に本作でも、1幕と3幕とでは10数年の時を隔てている
はずだが、画面ではそれがあまり感じられず、何となくドラ
マにメリハリがなくなっていた。ここではもっとしっかりと
時間の流れを見せる工夫が欲しかった。
上記の韓国映画がそれをしっかり描いていたのと、その辺が
違うと感じてしまうところだ。


『プレイ/獲物』“La proie”
2009年6月紹介『96時間』や、2011年7月紹介『この愛の
ために撃て』などが注目されているフレンチ・サスペンスの
1本。
物語の中心は刑期満了を間近した強盗犯。しかし彼は奪った
金を1人で隠しているらしく、その隠し場所を探ろうと様々
な攻撃が仕掛けられ、それには看守たちも手を貸しているよ
うだ。そして彼は填められて刑期が延長されてしまう。
そんな彼の同房には冤罪を主張する性犯罪者がいたが、被害
者が訴えを取り下げてその男の釈放が決まる。その状況に主
人公は男を信用し、娘と暮らす妻の現住所を教えてある伝言
を頼むのだが…
その男が釈放された数日後、主人公の許へ憲兵隊を名告る男
性が現れ、男性は釈放された男には連続殺人犯の疑いが濃い
ことを告げる。この事態に主人公は急遽脱獄を敢行し、釈放
された男の行方を追うが、すでに男は娘を連れ去っていた。
そして脱獄した主人公の捜索には名うての女性刑事が起用さ
れる。

出演は、2005年1月紹介『ロング・エンゲージメント』など
に出演のアルベール・デュポンテル、2003年6月紹介『シェ
フと素顔と、おいしい時間』などに出演のアリス・タグリオ
ーニ。
さらに2009年7月紹介『幸せはシャンソニア劇場から』など
のステファン・デバク。先月紹介『ブラック・ブレッド』な
どのセルジ・ロペス、1998年『天使が見た夢』などのナター
シャ・レニエらが脇を固めている。
監督は、2008年12月紹介『ベンジャミン・バトン』のVFX
スーパーヴァイザーなどを務め、2008年には『ワン・ミス・
コール』でハリウッド映画の監督も手掛けたエリック・ヴァ
レット。
製作と脚本は、2005年11月紹介『エンパイア・オブ・ザ・ウ
ルフ』の原案と脚本を担当したリュック・ボッシ、共同脚本
にはテレビシリーズを数多く手掛けるローラン・ターナーが
参加している。
作品にはフランス映画らしい、ハリウッド作品とは違うテイ
ストもあり、それなりの見応えのある作品だった。


『愛の残像』“La frontière de l'aube”
『灼熱の肌』“Mentiras y gordas”
2006年11月紹介『恋人たちの失われた革命』などのフィリッ
プ・ガレル監督による2008年と2010年の作品。いずれも監督
の息子のルイ・ガレルが主演若しくはキーとなる役柄で出演
している。
前者では結果として2人の女性を愛することになる男の悲劇
が描かれる。主人公はルイ扮する若いカメラマン。彼は新人
女優のポートレートの撮影に呼ばれるが、やがて彼女と愛し
合うようになる。しかしその恋は悲劇で終る。
そしてその1年後、主人公は別の女性と愛し合うようになっ
ていたが…。モノクロームの画面の中で、正しくフランス・
ヌーヴェルヴァーグを思い出させるようなドラマが展開され
て行く。

共演は往年のアイドル歌手ジョニー・アリディの娘で2007年
2月紹介『石の微笑』などのローラ・スメットと、『恋人た
ちの…』や2006年12月紹介『マリー・アントワネット』にも
出演していたというクレマンティーヌ・ポワレツ。
かなり怪奇的な味付けもされた作品で、それを観客としてど
う取ればよいのか。そこには監督自身の悲恋の思い出も重な
っているようで、それを思うと痛々しい感じもしてくる作品
だ。
そして後者でも、ルイ扮する芸術家の悲劇的なシーンから開
幕する。その物語は芸術家の友人を語り手として進められ、
芸術家の妻の映画女優と、映画監督を目指している友人との
関係が悲劇を生み出して行く。

芸術家の妻役でモニカ・ベルッチが共演し、他に2010年11月
紹介『ヒアアフター』に出演のセリーヌ・サレット、また友
人役には『愛の残像』にも出演のジェローム・ロバールが扮
し、さらに監督の父のモーリス・ガレルも出ている。
両作共に、登場人物の死や死者の霊のようなものも描かれ、
監督の死に対するイメージを色濃く感じる作品だ。しかし脚
本には、監督の長年の協力者であるマルク・ジョロデンコ、
アルレット・ラングマン、それに後者では監督の妻のカロリ
ーヌ・ドリュアスも参加しているもので、そのイメージは共
有のようだ。


『ダーク・シャドウ』“Dark Shadows”
1966年6月27日から1971年4月2日まで、ほぼ5年に渡って
毎週5回ずつ合計1245回が放送された昼間の連続ドラマの映
画化。そのアメリカでは絶大なファン層があるという伝説の
ドラマにジョニー・デップとティム・バートンのゴールデン
コンビが挑んだ。
物語の開幕は18世紀の半ば、アメリカ東部メイン州で事業を
興したコリンズ家は海産物の取り引きで財を成していた。と
ころが当主の息子バーナバスが火遊びのつもりで手を出した
メイドのアンジェリークは、実は恐ろしい妖術を使う魔女だ
ったのだ。
やがて美しい女性ジョゼットに心変わりしたバーナバスに、
アンジェリークは呪いを掛ける。それはジョゼットを死に追
いやり、バーナバスは不死の吸血鬼にしてその悲しみから逃
れられないよう鉄の棺に閉じ込め、地中に埋めてしまう。
しかし200年の時が過ぎ、ある偶然の出来事でバーナバスの
棺が掘り起こされる。そしてその時を同じくして1人の女性
が、半ば廃屋と化したコリンズ家の館を訪れる。その女性の
姿はジョゼットにそっくりだった。
一方、復活したバーナバスは様子の違いに戸惑いながらも没
落したコリンズ家の再興に乗り出す。だがそれは、200年間
姿を変えながら町を支配し、今では海産物業界をも牛耳るア
ンジェリークを相手にするものだった。こうして200年の時
を超えた闘いが始まる。

このバーナバスにデップが扮し、アンジェリーク役は2008年
1月紹介『黄金の羅針盤』などのエヴァ・グリーン、そして
ジョゼット役には2012年『TIME/タイム』などの新星ベラ・
ヒースコートが起用されている。
他にミシェル・ファイファー、ヘレナ・ボナム=カーター、
2006年2月紹介『イーオン・フラックス』などのジョニー・
リー・ミラー、2010年5月紹介『エルム街の悪夢』などのジ
ャッキー・アール・ヘイリー。
またデップが製作した『ヒューゴの不思議な発明』に出演の
クロエ・グレース・モレッツとガリー・マクグラス。さらに
クリストファー・リーや、テレビシリーズ当時の出演者もゲ
スト出演していたようだ。
映画化の原案は2005年7月紹介『チャーリーとチョコレート
工場』などの脚本家ジョン・オーガストが手掛け、さらにス
トーリーと脚本を6月に全米公開される“Abraham Lincoln:
Vampire Hunter”の原作者で脚本も手掛けたセス・グラハム
=スミスが担当している。
僕自身、オリジナルに関してはその題名を知っている程度で
日本公開された劇場版も見逃しているものだが、今回の物語
はオリジナルよりユーモラスに作られているようで、バート
ン+デップらしい楽しい作品になっている。
また作品には、1970年代にオマージュを捧げているような感
じもあり、そんな背景の中で奇妙でダークなストーリーが展
開されているものだ。


『臍帯』
2010年の「東京国際映画祭・ある視点部門」で上映された後
に、2011年の上海国際映画祭で審査員特別賞などを受賞した
作品。2005年『トニー滝谷』などをプロデュースした橋本直
樹による長編監督第1作。
物語はある一家に冷たい視線を向ける女性の姿から始まる。
その一家は1人娘と夫婦の一見平和そうな家族だが、思い詰
めたような女性の目にはただならぬ背景が感じられる。そし
て女性は、その一家の1人娘を拉致する。
その娘と倉庫のような場所に閉じ籠もった女性は、娘に精神
的な圧迫を加え続け、やがて娘の携帯から1通のメールを送
信する。そこには「・・・だから私は、あんたの一番大事な
モノを壊してあげる」と書かれていた。
最初は父親の不倫相手かな…なんて思いながら観ていると、
物語は予想外の展開に進んで行く。そして結末まで、それは
見事に構築された人間ドラマが展開されていた。その間の心
理描写も巧みで、これは一級の心理サスペンスだ。

出演は、2007年9月紹介『Mayu−ココロの星−』に出ていた
於保佐代子、2005年6月紹介『七人の弔』などの柳生みゆ、
そして1998年『女刑事RIKO』などの滝沢涼子。
試写後、主人公が過去の経緯を知った手段が不明だと注文を
付けている人がいたが、それは探偵を雇うなど方法はいろい
ろあるだろう。それを示唆する描写などはあっても良いが末
節のことだ。
それより本作では、表情のアップを多用した映像演出や何よ
り物語の展開の巧みさに注目すべきものだ。その映画的なセ
ンスには、さすが映画を良く知っている人の感じがしたし、
さらに一般の日本映画とは違う感じも受けた。
こんな感覚の作品が増えれば、日本映画にも見所が増えてく
るだろうという期待も抱かせるものだ。しかしその作品が、
2010年の映画祭上映から2年間もお倉入りになっていたこと
は問題である訳で、こういう作品がしっかり観られる環境も
欲しいものだ。

なお本作の公開は、東京は6月16日から新宿武蔵野館など、
全国順次公開となるようだ。

『MIB3』“Men in Black III”
1997年と2002年に公開された…地球上にはすでに異星人が侵
入しているとするSFシリーズの第3弾。その新作に主演の
ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーズと、バリー・ソネ
ンフェルド監督が再結集した。
前作から10年、エージェントKとJのコンビは、互いの理解
は進まないまま、でもしっかりと続いているようだ。そんな
時、月面の監獄から最強の異星人が脱獄する。その異星人は
1969年にエージェントKが逮捕したものだった。
そしてエージェントJに変調が起き、彼は存在しないエージ
ェントKの姿を追い始める。そのエージェントKは1969年に
異星人の逮捕に失敗して殉職していた。そして彼が逮捕でき
なかった異星人の軍団が地球に襲い掛かる。
一方、エージェントKの記憶を残すエージェントJは、その
事実から過去に飛ぶことを命じられる。そしてその場所でJ
は若き日のエージェントKに巡り会うが…。そこにはKを亡
きものにしようとする異星人の姿もあった。

共演は2011年1月紹介『トゥルー・グリット』などのジョッ
シュ・ブローリン、2009年8月紹介『パイレーツ・ロック』
などのエマ・トムプスン、2010年5月紹介『セックス・アン
ド・ザ・シティ2』などのアリス・エヴァ。
他に、ジェイミー・クレメント、マイクル・スターバーグ、
ビル・ハーダーらが脇を固めている。さらにティム・バート
ン、ジャスティン・ビーバー、レディ・ガガらのゲスト出演
もあったようだ。
脚本は、2008年『トロピック・サンダー』などのイーサン・
コーエンと、2009年5月紹介『天使と悪魔』などのデヴィッ
ド・コープ。エージェントKとエージェントJの間に隠され
た関係など、思わず納得するものになっていた。

VFXの監修には前2作も手掛けたケン・ラルストンが名を
連ね、エイリアンの特殊効果は、こちらも前2作を手掛けた
リック・ベイカーが担当している。製作総指揮はスティーヴ
ン・スピルバーグで、映画の最後にはAmblinのマークも出て
きた作品だ。


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井口健二