井口健二のOn the Production
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2012年05月06日(日) 依頼人、リンカーン弁護士、オードリー/See You、ハローキティ、死刑弁護人、ディヴァイド、ラブド・ワンズ、ラヴ・ストリームス+F&F6

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『依頼人』“의뢰인”
2011年10月31日付「東京国際映画祭」で紹介『哀しき獣』な
どのハ・ジョンウと、2009年5月紹介『セブンデイズ』など
のパク・ヒスン、それに2004年10月紹介『僕の彼女を紹介し
ます』に出演チャン・ヒョクの共演で、昨年韓国で観客動員
240万人を記録したという法廷サスペンス。
事件の現場はとあるアパートの寝室。夫婦のベッドが大量の
血で染まり、裾からは血液が滴り落ちている。しかし遺体は
なく、現場の血の量では被害者が自ら動けたとは考えられな
い。そんな現場検証の最中に、被害者の夫がプレゼントを手
に帰ってくる。
しかしその夫は、物的証拠もないまま状況証拠だけで第1容
疑者とされ逮捕されてしまう。その裏には検察が威信を賭け
るある事情が潜んでいた。そしてその夫の弁護を引き受ける
ことになった主人公は、一つずつ証拠を検証して行くが…。
検察官の威信と弁護士の正義が、法廷の場で真向からぶつか
り合う。決定的な証拠のない事件。それは緻密な調査で検察
の挙げる状況証拠の裏を取り、それに反証して行くもの。そ
の調査の模様などが克明に綴られて行く。
韓国映画で本格的な法廷ものは初めての作品だそうで、確か
に武術を駆使したアクションや激しい戦闘シーンなどが売り
のものの韓国映画の中では毛色の変わった作品とは言えそう
だ。しかしエンタメ上手な韓国映画はこれも巧みな作品に仕
上げていた。
しかも謎解きの興味が半端ではなく、犯行の手順を解き明か
して行く過程や果たして真犯人は誰かなど、ぐいぐいと観客
を引っ張って行く脚本と演出も、見事としか言いようのない
作品だった。

その脚本は、同じく昨年の韓国映画で480万人を動員したと
いう『朝鮮名探偵 トリカブトの秘密』を手掛けたイ・チュ
ンヒョン、監督は、2008年『略奪者たち』以来の2作目とな
るソン・ヨンソンが担当している。
因に昨年の韓国映画界では、作品3作以下の監督たちが大活
躍したのだそうで、本作のソン監督もその一角を担っている
ものだ。

『リンカーン弁護士』“The Lincoln Lawyer”
2002年12月紹介『ブラッド・ワーク』でも知られる推理作家
マイクル・コナリーの原作で日本でも翻訳されているミステ
リー小説の映画化。
主人公のミッキー・ハラーはロサンゼルスで開業する刑事弁
護士。運転手付きリンカーン・コンチネンタルの後部座席を
事務所として、依頼人の罪を司法取り引きなどで軽減するの
が得意技だ。そのためかなりやばい連中とも付き合い、一部
には悪徳弁護士の汚名もある。
そんな主人公の許にでかい仕事が舞い込む。それは保釈金保
障業者の男がもたらしたもので、資産家の息子が女性を殴っ
て重傷を負わせたという事件。その息子が年収60万ドルで前
科が無く、司法取り引きも容易と踏んだ主人公は保釈手続き
から仕事を始める。
ところが保釈された息子は絶対に無実と主張し、司法取り引
きにも応じないと言い出す。そのため裁判の手続きを始めた
主人公は、次々に無実の証拠を発見して行く。そして裁判は
主人公の思う方向に進んで行くが…。

主演は2008年4月紹介『フールズ・ゴールド』などのマシュ
ー・マコノヒー。共演は、今年2月紹介『スーパー・チュー
ズデー』などのマリサ・トメイ、2006年10月紹介『父親たち
の星条旗』に主演のライアン・フィリップ、2008年1月紹介
『団塊ボーイズ』などのウィリアム・H・メイシー。
他に2011年12月紹介『J・エドガー』などのジョッシュ・ル
ーカス、同年1月紹介『リセット』などのジョン・レグイザ
モ、12月紹介『ペントハウス』などのマイクル・ペーニャ、
さらに2010年5月紹介『ブレイキング・バッド』などのブラ
イアン・クランストンらが脇を固めている。
脚本は2008年8月紹介『最後の初恋』などのジョン・ロマー
ノ、監督は2007年『ハード・クライム』などのブラッド・フ
ァーマン。レグイザモ主演の前作を観たマコノヒーが本作の
監督に推薦したそうだ。
(以下ネタバレです)
実は、本作は上記の韓国映画と同じ会場で行われた試写を続
けて観たものだが、その展開が余りに類似するのに驚いた。
もちろん扱われる事件そのものは全く異なるし推理の内容も
違うのだが、そんな2作を続けて観る偶然に驚かされた。


『オードリー』
『See You』
2011年3月に『はい!もしもし、大塚薬局ですが』を紹介し
ている勝又悠監督作品。因にこの2作品は、それぞれ昨年と
今年の「ゆうばりファンタスティック映画祭」に公式出品さ
れているものだ。
以前紹介の作品は、監督が「自分の母親世代にも観て貰える
作品」としていたものだが、本2作は…。これが監督本来の
作品のようだ。
前者は、文化祭の準備に忙しい共学校が舞台。主人公はある
男子生徒を密かに思っていたが、突然遊び仲間の女子がその
男子生徒を好きだと言い出す。しかも主人公に向かっては、
「学園祭で告白するから、それまで代りに付き合って彼のこ
とを調べて欲しい」とも。
こうしてその男子生徒と付き合うようになった主人公だった
が…。

主演は、『大塚薬局』に続けて監督とのタッグになった笠原
美香。男子生徒役にオーディションで見出された暮浩平、そ
して遊び仲間役に2008年3月紹介『パーク・アンド・ラブホ
テル』の梶原ひかりと、映画は初出演の小田島渚。
後者は、夫婦不和で父親が家を出てしまった一家の娘が主人
公。そんな彼女は帰宅中に声を掛けてきた男性に誘拐される
が…。何処でも連れて行くと言う男性に、彼女は父親の故郷
の地名を告げる。

主演はオーディションで選ばれた清瀬やえこ。共演は2003年
1月紹介『アカルイミライ』に出演の園部貴一。他に『大塚
薬局』などの桜井淳美、2011年6月紹介『ふゆの獣』などの
前川桃子、それに近藤圭子。女優3人は勝又監督作品の常連
組のようだ。
2作とも物語自体は作り物めくが、登場する女子の姿はそれ
なりに現実に則したものなのかな。そうでもなければこれだ
けの支持も得られないとは思うが、筆者も小父さんになって
しまうと中々判らない世界が展開される。
しかも本2作の場合、特に前者では音声のバランスが良くな
くて重要な台詞が聞き取れず、それも物語を理解し辛くして
いた。ヴィデオ制作で同時録音なのは判るが、もう少し整音
などには手を掛けて欲しい感じのものだ。


『ハローキティ みんなあつまれ星空パラダイス!』
光学機器メーカー五藤光学の制作によるプラネタリウム作品
の試写を観せて貰った。今回の鑑賞は別の理由もあっての見
学で、試写の前には担当の方に質問をすることもできた。今
回はそのようなことも踏まえて作品を紹介させてもらう。
実は、以前に渋谷のプラネタリウムで上映された『HAYABUSA
/Back to the Earth』の一般公開を観ており、その際にもド
ラマ作品の可能性は頭に浮かんでいた。そのドラマ作品を今
回は観られたものだ。
で、お話は題名通りキティと友達のダニエル、キキ&ララ、
それにバッドばつ丸の5人が登場し、ほうき星のホーキーが
壊してしまった星座を修復するため大活躍するという内容。
他にもオリオンやさそりなども登場して、25分の上映時間の
割には良く纏められていた。
もちろんお子様向けの番組だが、オリオン座とさそり座の関
係などはそれなりに考えて作られていたようだ。

ということで、以下は技術的な話だが、今回見学した五反田
のプラネタリウムでは、まず映像の解像度は4K×2Kのプ
ロジェクターが2台で、全天では4K×4K=16Mというこ
とになる。対するプラネタリウム装置は1億個の星を投影で
きるものもあるそうだ。
そこで物語は映像で表示し、星空のシーンはプラネタリウム
装置で投影するのが理想的な作品になるが、全国に展開され
ている「プラネタリウム」の中には、プラネタリウム装置を
持たない施設もあるそうで、そのため今回の作品も映像だけ
の構成だった。
ただし、プラネタリウム装置を併用する作品をパラで作るこ
とにはさほどの問題はないようで、今後はそのような作品を
増やしたいというのがメーカー側の期待のようだった。
またプロジェクターでの3D上映の可能性についても訊いて
みたが、通常の装置は単光源を一旦色分解して再合成する形
式になっており、光量が少ないので難しいとのことだった。
確かに今回の試写でもそれは感じられたものだ。
ただしI-Maxからは、すでにレーザー光源を使用して幅36mの
スクリーンに対応するプロジェクターも発表されており、将
来的にはそれも視野に入れる必要はありそうだ。
以上、今回はプラネタリウムでの映像作品の上映に付いて紹
介させてもらった。
なお今回紹介した作品は、神奈川県伊勢原市立子ども科学館
では4月から上映が始まっており、今後は5月に宮城県仙台
市天文台、6月に東京都タイムドーム明石などで順次公開が
決まっているようだ。

『死刑弁護人』
オウムの麻原彰晃、和歌山カレーの林眞須美、新宿バス放火
の丸山博文などなど、いずれも死刑の求刑されているこれら
の裁判では、実は同じ弁護人が被告人の弁護に当っている。
その弁護士の名は安田好弘。彼の姿を追った東海テレビ制作
のドキュメンタリー。
東海テレビ制作のドキュメンタリーでは、2011年5月『青空
どろぼう』という作品を紹介しているが、作品によっては内
容があざといというか、制作者の視点に今一つ共感できない
ものもあり、試写の案内を貰うといつも構えてしまう。本作
もそんな感じだった。
実際に上記の事件の名称を見れば、何でこんな奴らの弁護を
するんだ…、みたいな気分になるものばかりだ。そんなもの
を選んで弁護する弁護士なんて共感できるはずがない、とい
うのが先入観だった。しかし映画は観なければ何も始まらな
い。
それで観ての感想は、安田弁護士が信念の人であることは理
解できたし、また事件によっては多少見方の変わるものも生
じた。それはこの作品がドキュメンタリーとして、それなり
の意味を持つものであったということだろう。
因に、安田弁護士は本来が死刑廃止論者であり、その信念に
基づいて死刑囚の裁判に関っているものだが。その信念自体
は裁判で争うものではなく、裁判では飽く迄も真実を追求し
て行くという態度を貫いている。
それが、死刑反対弁護士ばかりが集まった麻原裁判では逆目
に出ている様子や、それでも検察からは目の敵にされて、妨
害としか思えない家宅捜査や逮捕の行われる様子は、弁護士
もののドラマを観ているようでもあった。
その一方で、丸山裁判では被告人の境遇にまで遡って無期懲
役を勝ち取るが、それでも結局は被告人を救えなかったとす
る悔悟の様子なども丁寧に描き出されていた。
そして最高裁から関ることになる林裁判では、現場を再検証
して明らかになる目撃証言への疑惑や、警察による証拠の捏
造を思わせる事象などが指摘され、それでも死刑判決を覆す
ことはできなかったが、今後の動きへの関心は高めるものに
なっていた。

僕自身は死刑廃止論に対しては態度を決めかねているものだ
が、本作はそのような議論に対してもいろいろな意味で一石
を投じる作品にはなりそうだ。その点でも、意味のある作品
と言えるものだ。

『ディヴァイド』“The Divide”
突然何者かの攻撃によって摩天楼の崩壊したニューヨーク。
そのとあるビルの地下に閉じ込められた9人の男女の姿を描
いたサスペンス作品。
映画は突然の攻撃によって崩壊して行くニューヨークの描写
から始まり、逃げ惑った人々がとあるビルの地下室に逃げ込
む。そこはミッキーと名告る男の個人シェルターだった。そ
して最初は大人しく運命を考える彼らだったが…
外部の状況も判らぬまま時間が過ぎる内、彼らの間には徐々
に焦燥や緊張が高まり、主導権争いも勃発する。そして外部
からは異様な防護服を着た連中の侵入など、不穏な動きも伝
わり始める。果たしてこの事態に生き延びる術はあるのだろ
うか!?

出演は、2002年12月紹介『ウォーク・トゥ・リメンバー』な
どのローレン・ジャーマン、1984年『ターミネーター』など
のマイクル・ビーン、テレビ『ヒーローズ』などのマイロ・
ヴェンティミリア。
さらに、2011年9月紹介『ファイナル・デッド・ブリッジ』
などのコートニー・B・ヴァンス、2006年2月紹介『ヒスト
リー・オブ・バイオレンス』などのアシュトン・ホームズ、
それにロザンナ・アークエット、マイクル・エクランらが脇
を固めている。
監督は、2008年8月紹介のフランス映画『フロンティア』の
サヴィエ・ジャン。脚本は、ドイツで活動する人形アニメー
ターのエロン・シーンと、ロサンゼルスで活動する脚本家の
カール・ミューラーが担当。シーンは製作と第2班監督も務
めている。
シェルター物は、2月に『テイク・シェルター』を紹介した
ばかりだが、アメリカではそんな気分が高まってるのかな。
途中で登場する防護服の連中の正体が何なのかなど、釈然と
しない部分も多々ある作品だが、密室内で繰り広げられる人
間模様には綺麗事ではない部分も多く描かれ、それは現代社
会を反映させた作品とも言えそうだ。
監督の前作も極めて特異な極限状態を描いたものだったが、
本作もその流れの作品ということだろう。ただしそれは、ニ
ューヨーク以外でも無いとは言い切れない状況であり、そん
な極限状態がリアルさをもって描かれていた。


『ラブド・ワンズ』“The Loved Ones”
オーストラリアの小さな町を舞台にした少しSMチックなス
プラッター・コメディ。
主人公は男子高校生のブレント。彼は半年前に仲の良かった
父親を自分の運転する車の事故で亡くし、その時から後悔と
葛藤の中で暮らしている。そこでは心優しいガールフレンド
=ホリーの存在も慰めにはならない。
そんな高校生活も最後のプロムが開かれる日のこと、ブレン
トは内気な同級生ローラからプロムに誘って欲しいと頼まれ
る。しかしホリーと約束しているブレントはその頼みを丁寧
に断るのだったが…
ホリーが車で迎えに来るまでの間、自宅裏の山でフリークラ
イミングをしていたブレントは、登頂した崖の上で景色を眺
めていたところを突然何者かに襲われる。そして目覚めたと
き、彼は椅子に縛られ、ミラーボールが回り着飾ったローラ
が微笑む一室にいた。
チラシのヴィジュアルは着飾った若い女性が電気ドリルを突
き出しているというもので、その背後には血みどろの男性の
姿もあり、それは何となく1976年ブライアン・デ・パルマ監
督の『キャリー』を連想させた。
そんな訳で多少期待も高まって試写を観たものだが、期待の
方向性は多少異なってはいたものの、これはこれで充分に納
得のできる作品だった。特に映画後半の羽茶目茶ぶりは、正
に元気一杯のオーストラリア映画という感じのものだ。

主人公のブレントを演じたのは、2006年11月5日付「東京国
際映画祭」で紹介した『2:37』(公開題名:明日、君が
いない)や、2008年3月紹介『ブルー・ブルー・ブルー』な
どのハビエル・サミュエル。地元では注目の若手俳優だそう
だ。
そしてローラ役を怪演したのは、今年6月に全米公開される
ハリウッド大作“Abraham Lincoln: Vampire Hunter”にも
重要な役柄で出演しているというロビン・マクレヴィー。正
に旬の若手俳優の共演になっている。
他には1984年生まれだが脚本や演出も手掛けるというヴィク
トリア・タアイン、ガイ・ピアースとの共演歴のあるリチャ
ード・ウィルスン。さらに4月紹介『君への誓い』に出演の
ジェシカ・マクナミーらが脇を固めている。
監督はCMディレクター出身のショーン・バイルン。脚本も
手掛けた長編映画デビューの本作で、世界20カ国以上の映画
祭に招待され、各地で受賞も果たしている。
正しく羽茶目茶な作品で、出演者も楽しんで製作されたよう
だ。そんな気分も伝わってくる作品になっていた。スプラッ
ターではあるが…


『ラヴ・ストリームス』“Love Streams”
1989年に59歳で亡くなったジョン・カサヴェテスの監督作品
6本が、東京では5月24日から「レトロスペクティヴ」とし
て特集上映されることになり、一部作品の試写会が実施され
た。その中から表記の作品を鑑賞した。
作品は、1984年に製作され事実上のカサヴェテス最後の監督
作品とされるもので、今までDVD化もされていなかった。
その幻の作品が今回はニュープリントで上映される。
物語は、ハリウッドの郊外で秘書や取り巻きなど複数の女性
と奇妙な共同生活を送っている流行作家が主人公。その彼の
許に、15年の結婚生活に破れた実姉と、彼自身が前妻との間
に儲けた息子が現れる。
そこで急遽、共同生活をしていた女性たちを追い出した主人
公は、精神状態が不安定な実姉と、初対面で接し方も判らな
い息子との生活をスタートさせることになるが、それは彼自
身の生活を脅かし始める。
映画では終盤に突然オペラのシークェンスが登場するなど、
かなり思い切った構成で、それはフランス・ヌーヴェルヴァ
ーグに親近感を憶えるようなアメリカ映画とは思えない作品
だった。
ただし、主人公の離婚問題や息子との関係、さらに実姉の精
神状態などは、やはりアメリカの状況を描いているようで、
その辺は今日にも通用する物語が描かれているとも言えるも
のだ。

出演は、流行作家をカサヴェテス自身が演じる他、実姉役は
妻のジーナ・ローランズ、さらに2005年4月紹介『ライフ・
アクアティック』などに出演のシーモア・カッセル、スタン
トマンのエディ・ドノらが出演している。
なお「レロトロスペクティヴ」では、他に1959年『アメリカ
の影』、1968年『フェイシズ』、1975年『こわれゆく女』、
1976年『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』、1977年『オ
ープニング・ナイト』も上映され、この内『こわれゆく女』
の上映は、GUCCIの支援により復元作業の行われたものにな
っている。
        *         *
 出演した『アバター』の記録的な大ヒットを始め、『世界
侵略:ロサンゼルス決戦』や『バイオハザード』第1作など
のアクション作品への出演で、今や女性アクションスターの
No.1とも呼ばれるミシェル・ロドリゲスが、今年の夏にヨー
ロッパで撮影される“The Fast and the Furious 6”にメイ
ンキャストとして出演することが報告された。
 このシリーズでロドリゲスは、ヴィン・ディーゼルの妹役
として第1作と第4作にはフル出演していたが、第5作では
あっと驚くようなクレジット後のカメオ出演だった。そして
今回は第6作への出演が報告されたもので、第5作での出演
の謎が解き明かされることになりそうだ。
 因に第3作以降を手掛けるジャスティン・リン監督による
第6作には、ディーゼルを始め、ポール・ウォーカー、ドウ
ェイン・ジョンスン、ジョーダナ・ブリュースター、タイリ
ーズ・ギブスンら、今までの登場人物が総出演するようで、
正に総決算の作品が期待できる。全米公開は2013年5月24日
の予定だ。
 この他にロドリゲスは、『バイオハザード』最新作、一昨
年公開『マチェーテ』の続編にも出演が発表されている。


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井口健二