井口健二のOn the Production
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2012年03月25日(日) 女ドラゴン、先生を流産…、ベルフラワー、ムッシュ・ラザール、ビースト・ストーカー、㊙…市場、座敷わらし、愛と誠+Hungover

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』“楊門女将”
11世紀の中国・宗時代の実話に基づき、古典文学や京劇でも
知られる物語を、ジャッキー・チェンのプロデュースで映画
化した女性アクション作品。香港ショウ・ブラザースによる
1972年超大作『14アマゾネス/王女の剣』のリメイク。
時は11世紀、北方の異民族・西夏軍の侵攻によって中国・宗
の王朝は脅かされていた。その頃、北の最前線である天門関
には楊宗保将軍が派遣されていたが、10万を誇る西夏軍の攻
撃に兵力も尽き陥落の時を迎える。
その楊将軍の生家・楊家からは長年多くの武将を戦場に送り
出してきたが、常に激戦地に赴く武将たちは次々に倒れ、今
や14人の未亡人と宗保将軍の1人息子が残るだけだった。そ
して宗保将軍の妻穆桂英は息子文広には官吏になって欲しい
と願っていたが…
朝廷から、文広を兵馬大元帥に任じ、1万の兵を率いて西夏
軍と戦えとの勅命が伝達される。敵は10万、この死地に赴く
に等しい命令に、ついに楊家の女たちが立ち上がる。

出演は、結婚出産で女優業を一時休んでいたセシリア・チャ
ンを始め、そのセシリアとは1999年『星願/あなたにもう一
度』でも悲恋を演じたリッチー・レンが将軍役で再共演。さ
らに『グリーン・デスティニー』のチェン・ペイペイ、『西
太后』などのリウ・シャオチン、JAC出身の大島由加里な
どが脇を固めている。
脚本と監督は、ショウ・ブラザースで300本を超える作品の
音楽を担当し、その他にプロデューサーや俳優、カースタン
トまでこなすというフランキーチャン。因に監督も1990年代
に金城作品などを手掛けているベテランだ。
中国、香港ではそれぞれのラジー賞にノミネートされた怪作
という触れ込みの作品だが、現地の目の肥えた観客はいざ知
らず、僕の目にはそれほどの作品には思えなかった。それは
確かに投石機や巨大な弓、大槌などしっちゃかめっちゃかな
ところはあるが、香港映画は元々こんなのが定番だったよう
にも思える。
それより14人もの女性戦士が、それぞれ剣や槍、棍棒などの
様々な武器を駆使して戦う姿は中々で、そのアクションシー
ンなどはそれなりに楽しめたものだ。それに朝廷の横暴など
が何となく描かれているのも面白く感じられた。


『先生を流産させる会』
2009年に愛知県で起きた実話に基づくという作品。扇情的な
題名からかなりの問題作と予想させたが、実際はかなり節度
のある描き方で、さほどの違和感もなく鑑賞のできる作品だ
った。
物語の舞台は、現代ならごく普通と言える中学校。クラスに
はスケ番気取りの女子もいて多少手を焼かせるが、それより
問題なのは、娘がスケ番グループの一員なのに、全てを学校
のせいにしてしまうモンスターペアレントの母親の方だ。
そんなクラスの女性担任が妊娠する。その情報に嫌悪感を募
らせるスケ番グループの女子たち。そして彼女たちは「先生
を流産させる会」を結成し、先生の給食に毒物を混入するな
ど計画を実行し始める。
それに対して教師は、女性として母親として真向から事態に
立ち向かおうとするが…
実際の事件では、教育委員会は「あくまで稚拙な悪戯」とい
う見解で事態を納めたようだが、ネット上などではもっと厳
重な処分を求める声も多かったという。しかし本作は、さら
に根本的な部分から事件を見つめ直そうという作品だ。
そこには上記のモンスターペアレントのような現在の教育現
場の抱える様々な問題が提起され、さらにそこで今の教師た
ちの取るべき態度がアンチな部分も含めて描かれている。そ
れは真摯な作品とも言えるものだ。
その一方で本作では、深刻な問題提起を緩和しようとする思
いなのか、多少ホラー的な味付けも施され、1976年のスペイ
ン映画『ザ・チャイルド』のような感じにも捉えることがで
きた。これは監督の見識のようにも感じられた。

出演は、教師役をインディペンデント映画で活躍中の宮田亜
紀。生徒役は全員が映画初出演で小林香織、高良弥夢、竹森
菜々瀬らが演じている。
脚本と監督は、短編作品で各地の映画祭で上映を果たしてい
る内藤瑛亮の長編第1作になるようだ。本作は、昨年のカナ
ザワ映画祭、ドイツ・ニッポンコネクション、そして今年の
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭などでも公式上映さ
れている。

『ベルフラワー』“Bellflower”
2011年のサンダンス映画祭に正式出品され、同年のパリ国際
ファンタスティック映画祭の最優秀作品賞を皮切りに、シッ
チェス・カタロニア、マラガなどの国際ファンタスティック
映画祭でも受賞を果たした作品。
舞台は、ロサンゼルス・ユニヴァーサルスタジオの北西に位
置するノース・ハリウッド。そのベルフラワー通り界隈に暮
らすウッドローとエイデンはウィスコンシン州から引っ越し
てきた親友同士。
そんな2人は、『マッド・マックス2』の敵役ヒューマンガ
スに憧れ、終末が来たら火炎放射器を搭載した車で世界を支
配することを夢見ている。そのため威力の強い火炎放射器を
作ろうと日夜実験に余念がない。
しかしある日、バーで酒を飲んでいた2人はコウロギの早食
いコンテストにウッドローが参加、敢えなく破れたことから
ミリーとコートニーという女性たちと親しくなる。そしてミ
リーの誕生日に花を贈ったウッドローは…

製作・脚本・監督・編集・主演のエヴァン・グローデルは、
実際にウィスコンシン州から映画制作を夢見てカリフォルニ
アに移住し、仲間と共に短編映画をネットに公開して評判と
なり、ミュージックヴィデオなどを経て本作で長編デビュー
を飾っている。
その作品は、若者のかなり無軌道な生態を写したものだが、
それは現代アメリカの若者の実態の反映でもあるのだろう。
それが火炎放射器というのはかなり過激だが、それに対する
共感が上記の受賞の理由のようにも思える。
出演者は主に監督の友人たちのようだが、中でコートニー役
のレベッカ・ブランデルは、テレビシリーズ『クリミナル・
マインド』などにゲスト出演の経歴があるようだ。
また撮影には2KのHDカメラを改造した特製の機材が使用
されているようだが、そのせいか画像の一部が蹴られたり、
一部のシーンでピントが甘くなっているのは気になった。た
だしそれは監督が望んだフィルムライクの画像にはなってい
る感じだったが…。
その他にも火炎放射器や、映画の後半に登場する1972年型ビ
ュイック・スカイラークを改造した《ザ・メデューサ》など
も自作のようで、それらに掛ける意気込みはかなり感じられ
たところだ。


『ぼくたちのムッシュ・ラザール』“Monsieur Lazhar”
カナダのジニー賞で作品賞など6部門を独占し、アメリカ・
アカデミー賞では外国語映画部門にノミネートされたカナダ
・ケベック州の作品。
カナダのフランス語圏ケベック州の小学校を舞台に、クラス
の担任が教室で自殺したことに始まるいろいろが出来事が描
かれる。
物語の始まりは先生の自殺。その姿は最初に教室に入ろうと
した生徒によって発見され、学校側は直ちにカウンセラーの
派遣などの手を打つが、発見した生徒には隠された事情があ
るようだ。
一方、教師不足で後任の決められない校長の前に、アルジェ
リアで教師の経験があると称する男性が現れる。そして校長
はその男性を雇うが、男性の授業のやり方は古臭く、また男
性自身にも何か事情があるようだ。
そんな状況の許で、徐々に事の真相が明らかになって行く。
生徒と教師の問題は先に『先生を流産させる会』を紹介した
ところだが、最近何となく同様のテーマの作品が多いような
気もする。と言っても本作の場合は、アルジェリア問題など
特殊な背景もあって、それは多少趣も異なるものだ。
そこには、恐らくは宗教の問題なども絡むのだろうが、本作
ではその辺はあまり深くは描かれない。それは現地の人には
自明のことだからなのか、それともその問題を語りたくなか
ったのかは不明だが、その辺の面映ゆさは感じるところだ。
しかしいずれにしても、個人の問題から国際問題までもが微
妙に絡まり合う、正に現代が描かれている作品と言えるのだ
ろう。その辺が世界の各地で受賞を続ける所以であるのかも
知れない。

脚本と監督は大学で国際関係学などを学んだ後にドキュメン
タリー監督となり、その後に映画監督に転身したフィリップ
・ファラルドーの第4作。日本では映画祭などでの紹介しか
なったようだが、カナダでは数多くの受賞に輝いている人の
ようだ。
出演者も日本では知られていない俳優ばかりだが、主人公の
男性教師を演じるフェラグは実際にアルジェリア出身の舞台
俳優、また生徒役のソフィー・ネリッセとエミリアン・ネロ
ンは共にCMなどでも活躍する子役だそうだ。

『ビースト・ストーカー/証人』“証人”
2010年10月紹介『密告・者』のニコラス・ツェー、ニック・
チョン共演、ダンテ・ラム監督による2008年の作品。元々本
作の評判から『密告・者』が製作されたという原点に当たる
作品だそうだ。
物語は壮絶なカーアクションから始まる。そこで逃亡者の車
に並走する刑事の乗った車に横合いから別の車が激突する。
それでも逃亡者の車を追い詰めた刑事は、銃撃戦の末に逃亡
者を取り押さえるが…
その逃亡者には宝石強盗と警備員殺害の嫌疑が掛けられてい
たが、その証拠は現場に落ちていた1滴の血液だけだった。
そして裁判は女性検事の手で進められているが、その裁判を
控えてシングルマザーである検事の娘が誘拐される。犯人の
要求は証拠の破棄。
その誘拐事件の現場に居合わせた刑事は、単独で調査を開始
する。しかしそこには、逃亡者逮捕の際のいろいろな確執が
渦巻いていた。そして誘拐犯にも執拗に犯行を遂行する理由
があった。
事件の発端はかなり強引な感じもして、そこにはもう少し経
緯の説明があっても良いような気もしたが、結論としてはそ
の強引さが物語の全体のトーンでもあり、そういう作品とし
て納得できるものになっていた。
そして演出は、最初から最後までハイテンションの連続で、
一時も目が離せないという感じの作品。1時間49分の上映時
間だが、その時間があっという間に過ぎてしまう。しかもそ
れで全てが完璧に描かれていた。

共演は、2006年6月紹介『孔雀』のチャン・チンチュー。ポ
ストチャン・ツィイーとも呼ばれた彼女だが、本作では立派
に母親役を演じていた。因に彼女は、2005年9月紹介ツイ・
ハーク監督の『セブンソード』にも出ていたそうだ。
他には『密告・者』や2006年2月紹介『SPL』などの名脇
役リウ・カイチーが要所を締めている。
サイコ的な犯人像や壮絶なカーアクション、それに携帯電話
情報からの推理など、現代映画の様々な要素が見事に合体さ
れた作品だ。


『㊙色情めす市場』
『㊙女郎市場』
1970年代に一世を風靡したとも言える日活ロマンポルノ。そ
の1100本にも及ぶ作品群の中から32本がセレクトされ、日活
創立100周年の記念企画として特集上映される。その中から
6本の試写が順次2本ずつ行われることになった。
その最初は、1974年田中登監督作品(めす)と1972年曾根中
生監督作品(女郎)。何となく似た題名の2本だが関連する
ものではなく、前者は製作当時の大坂旧赤線街を舞台にした
娼婦もの、後者は品川宿を舞台にした時代劇仕立ての作品と
なっている。
その前者は、オールカラーが売りだったロマンポルノでは珍
しいパートカラー作品で、大阪ドヤ街に暮らす娼婦の日常が
描かれて行く。そこには知恵遅れの弟や、同業の母親や、ヤ
クザやそのヤクザに騙される若い男女などがいて様々な人間
模様が写し出される。
その背景には、建設の進む高速道路や、その一方で健在な路
面電車、さらに大坂城や通天閣など、今の目で観るとノスタ
ルジックな風景も次々に登場して、特に大阪に詳しい人が観
たら堪らない風景ばかりなのではないかとも思わせた。

主演は芹明香。他に花柳幻舟、宮下順子、絵沢萠萌子、萩原
朔美らが出演している。脚本はロマンポルノを数多く手掛け
たいどあきお。
後者は、昨年12月紹介『幕末太陽伝』と同じ品川宿の女郎屋
を舞台にしたコメディタッチの作品で、少し頭は薄いが名器
の持ち主の生娘を中心に前者とは打って変ってのどたばた劇
が演じられる。社会性はないがこれもロマンポルノという感
じの作品だ。

主演は片桐夕子。他に五條博、益富信孝、山口明美、加納愛
子、あべ聖らが出演。脚本は昨年12月紹介『ツィゴイネルワ
イゼン』などの田中陽造が担当していたようだ。
なお上映はニュープリントという触れ込みだが、画面には擦
り傷などもかなり多く、修復されているものではない。最近
のディジタル上映ではフィルム傷など生じないのになってい
るが、その辺にも時代が感じられた。
一般上映は5月12日から東京渋谷のユーロスペース他、全国
順次ロードショウとなるようだ。

『HOME愛しの座敷わらし』
2010年2月紹介『誘拐ラプソディー』などの原作者荻原浩が
2007年1〜11月の朝日新聞に連載し、2008年の直木賞候補に
もなった連作小説の映画化。テレビシリーズ『相棒』の刑事
役で人気を不動にした水谷豊がホームドラマを切望し実現さ
せた作品だそうだ。
物語の中心は、とある一家の父親。彼は東京の食品会社で開
発研究者だったが、新製品の開発でミスをしたらしく、岩手
県の営業部門に移動になってしまう。そんな父親が住居に選
んだのは、田園地帯に建つ藁葺屋根の古民家だった。
その一家には妻と娘と息子と少し痴呆気味の母親がいて、娘
は前の学校で苛めにあっていたらしく、息子は喘息が治った
ばかりでまだ運動は制限されている。しかし、そんな一家が
引っ越してきた古民家には、住民に幸運をもたらすという座
敷わらしがいた。
映画は巻頭で大自然の広がる中をワゴン車の走って行く様子
が描かれ、やがてその車が到着するのは見事な曲屋。実は先
日テレビで「座敷わらし」の特集番組を観ていて、その出現
するシチュエーションが正にこの通りだったものだ。
そして一家が到着するなりちょっとした怪異現象が起き、や
がてそれは一家を翻弄し始めるのだが…。物語の中では「座
敷わらし」の由来なども紹介され(そこに「しゃぼん玉飛ん
だ」の歌が流れるのは…)、暖かさの中に厳しさが巧みに織
り込まれていた。
一家が「座敷わらし」を認知する過程も巧みだし、その状況
での父親の存在など、正しくホームドラマが展開される。フ
ァンタスティックなシーンもきれいに決まっており、日本映
画には珍しく丁寧な造りの作品だった。

共演は、安田成美、2010年12月紹介『ウルトラマンゼロTHE
MOVIE』などの濱田龍臣、2011年3月紹介『大木家のたのし
い旅行』などの橋本愛、草笛光子。他に、飯島直子、草村礼
子、テレビ『13歳のハローワーク』などの沢木ルカ、菅原
大吉、長嶋一成、高島礼子。
さらにベンガル、梅沢富美男、石橋蓮司、段田保則、宇津井
健らが脇を固めている。また、座敷わらしを演じているのは
岡部珠奈という子役のようだ。
監督は『相棒』シリーズやその劇場版も手掛けた和泉聖治、
脚本は大河ドラマ『義経』などの金子成人、音楽も『相棒』
シリーズの池頼広が担当している。

『愛と誠』
1973−76年に「少年マガジン」誌に連載された梶原一騎原作
漫画の実写映画化。なお同原作からは連載当時にも映画化や
テレビドラマ化などがあったが、本作はそれを2009年2月紹
介『ヤッターマン』などの三池崇史監督が40年ぶりに復活さ
せるものだ。
因に本作では先に内覧試写が行われており、それを観た人た
ちからは「かなり凄いよ」という話を聞かされていた。そし
て試写に先立って行われたは会見では、主演の妻夫木聡、武
井咲から爆笑トークも聞かれるなど、かなり弾けた作品であ
ることは予想された。
映画の巻頭には、原作の通りネルー首相が娘に宛てた手紙文
が掲げられ、そして物語の始まりは信州蓼科高原。そこでの
早乙女愛と大賀誠の運命的な出会いがプロローグとして描か
れる。さらに話は1972年の新宿西口へと繋がって行く。
そこに登場した誠は、いきなり西城秀樹の「激しい恋」を歌
い出し喧嘩相手と共に踊り捲る。因に楽曲は1974年のものだ
が、西城は同年『愛と誠』の第1回映画化に主演していたも
のだ。
そんな調子で、早乙女愛の大賀誠に捧げる過激な片思いが描
かれ、そこに次々に1970年代の楽曲が挿入されて歌と取りが
展開されて行く。ただし先の会見によると、これはミュージ
カルではなく、ただ登場人物たちが当時の歌を歌っているだ
けなのだそうだ。
でもまあ、これは当時を懐かしむにはこの上のない構成で、
そこは監督が、「自分たちにとって聖書でもあった原作を、
当時の想いのままに描きたかった」という言葉の通りのよう
にも思えるものだ。

共演は、斎藤工、大野いと、安藤サクラ、前田健。他に加藤
清史郎、一青窈、余貴美子、井原剛志、市村正親。特に安藤
のスケ番姿は迫力があったし、一青が実に嬉しそうに歌い踊
るシーンは微笑ましかった。
脚本は、2008年5月紹介『同窓会』などの宅間孝行、音楽は
2006年8月紹介『地下鉄に乗って』などの小林武史、振り付
けをパパイヤ鈴木が担当している。因に映画に歌と踊りを入
れるのは宅間のアイデアだったそうだ。
映画の中ほどに後2、3曲欲しかったという感じはしたが、
それでは上映時間が長くなり過ぎたのかな。でもまあ、全体
的にはこれでありかなという感じの作品だった。ただ途中の
釣堀のシーンで、背景に走る電車が21世紀仕様だったのは、
もう少し気を使って欲しかった感じはしたが。

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 2010年4月と2011年5月紹介の酔っ払い映画『ハングオー
バー』“The Hungover”シリーズの第3作を2013年5月24日
に全米公開するとワーナーが公式に発表した。
 この計画に関しては前2作の主演者のブラッドリー・クー
パーがすでに何度も口にしていたようだが、今回は映画会社
が正式に発表したものだ。因に前2作は、R−レイトのコメ
ディでは史上空前の5億7500万ドルを全世界で稼ぎ出してい
るのだそうだ。
 そしてワーナーでは、前2作に共演したエド・ヘルムズ、
ザック・ガリファナキス、ジャスティン・バーサとも出演交
渉を進めていることを報告している。もちろん監督のトッド
・フィリップス、脚本のジョン・ルーカス、スコット・モー
アらも同様のはずだ。それにもう1人の出演者も欠かせない
だろう。
 それにしても前2作で3人組の内の2人が結婚してしまっ
ているが、今回はその3人目かそれとも…。それにラスヴェ
ガス、タイ・チェンマイと続いた次の舞台がどこになるかも
楽しみだ。
 なおこの公開にともないワーナーでは、“300”の続編の
全米公開日を2013年8月2日とすることと、当初5月10日に
予定されていたエイリアン侵略映画“Pacific Rim”の全米
公開日を7月12日に変更することも併せて発表している。
 まだ3月で来年夏の話は早すぎるけど、お楽しみはまだま
だ続くのだ。


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井口健二