井口健二のOn the Production
筆者についてはこちらをご覧下さい。

2011年03月27日(日) 蜂蜜、処刑剣、愛の勝利を、プッチーニの愛人、マイ・バック・ページ、4月の涙、黄色い星の子供たち+ニュース

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『蜂蜜』“Bal”
昨年のベルリン国際映画祭でグランプリの金熊賞を獲得し、
アメリカ・アカデミー賞外国語映画部門の国代表にも選ばれ
たトルコ映画。
アララト山なども近いトルコ北部の山岳地帯が舞台のお話。
深い森の中で蜂蜜採取の男が巣箱を仕掛けた樹に登り始める
ところから物語は始まる。しかし登る途中でロープを掛けた
枝が折れかかり、男は高い樹上で宙吊りになってしまう。
主人公のユスフは、小学校に上がったばかり。吃音症の彼は
朗読が苦手で上手くできた生徒に与えられる赤いバッジをな
かなか貰うことができない。そんなユスフは毎朝お父さんに
その日の暦を読んであげるのが日課で、それは何とかできて
いた。
そしてある日、お父さんは近くの森から蜜蜂が居なくなった
ために、少し遠くの黒い崖の辺りに新しい巣箱を掛けるため
に出発する。それは2、3日で帰ってくるはずの作業だった
のだが…。
物語の途中には、高い樹上で作業する父親の姿を羨望の眼差
しで見上げるユスフの姿や、また父親とは小声でなら普通に
話せる姿なども挿入され、それがユスフの思い出なのか、父
親が行方不明になってからの幻想かは不明だが、静かなシー
ンが続いて行く。
そこにはまた、樽のような丸い巣箱の中にぎっしりと創られ
た蜜で一杯の蜂の巣など、観ているだけで大自然を感じさせ
てくれる映像や、山村で開かれる素朴な祭りの様子なども見
事に描写されている。
そして物語は、夫の安否を心配しながらも子供にはそれを見
せまいとする母親の姿や、その母親の心配を感じながらも、
学校での発表などで懸命に成長して行くユスフの健気な姿な
どが描かれる。

出演は、ボラ・アルタシュ、エルダル・ベクシチオール、ト
ゥリン・オゼン。
少年役のアルタシュはロケ地の村に10日前に引っ越してきた
ばかりの撮影時8歳の少年がスカウトされて出演。父親役の
ベクシチオールは州立劇団の座長を務めたこともあるベテラ
ン俳優。母親役のオゼンは本作セミフ・カプランオール監督
の全作品に出演して助手も務める女優だそうだ。
因に本作は、カプランオール監督による2007年『卵』、08年
『ミルク』に続く、ユスフ3部作と名付けられたシリーズの
最新作となるものだが、前の2作はそれぞれユスフの壮年時
代と青年時代を描いたもので、物語の順番では本作が最初に
なる。
なお、前の2作も日本で特別公開されることになっており、
来月試写も行われる予定なので、それらも後日紹介したい。

『処刑剣』“錦衣衛 14 BLADES”
今月13日付紹介『孫文の義士団』にも主演していたドニー・
イェンの主演による歴史活劇。
原題になっている「錦衣衛」は、中国の明代に実在した秘密
警察。明朝の初代皇帝・朱元璋によって創設され、当初は宮
廷や儀式の際の警護の目的だったものが徐々に変貌し、やが
て政敵を闇に葬る暗殺団になっていったという。
そんな錦衣衛の頂点を極める司令役・青龍を主人公にしたお
話。その青龍に、皇帝の側仕えをする宦官から命令が伝えら
れる。それは皇帝が重臣に渡した品を奪い返せという矛盾し
たものだったが、そこには皇帝の命令を示す割符も付けられ
ていた。
そのため重臣の家に向かった青龍は、偶然その品が皇帝の玉
璽であることを知り、命令に疑問を感じ始める。しかしその
場で不意討ちに遭った青龍は、深手を負った上に玉璽も奪わ
れ、さらに重臣殺しの濡れ衣も負うことになってしまう。
こうして司令でありながら錦衣衛の追跡を受けることになっ
た青龍は、「正義護送屋」を名告る運送業者に身を委ね、彼
らと共に西国へ向かう。そしてとある砦の街に辿り着いた青
龍は、そこである陰謀の存在を知ることになる。
これに、運送業者の娘との仄かな愛や復権を狙う親王一族が
放った刺客との壮絶な闘い、さらには「砂漠の判事」と自称
する盗賊団のリーダーなどが絡み、「大明十四刀」という司
令のみが持つことを許されるギミック一杯の武器なども登場
して、クンフーアクションにワイアーワーク、CGIも駆使
した大活劇が展開される。

共演は、2002年6月紹介『少林サッカー』などのヴィッキー
・チャオ。ブルネイ出身の元バスケットボール・ナショナル
チームのキャプテンで男性アイドルユニット「飛輪海」のメ
ムバーとして日本デビューもしているウーズン。それに大ベ
テランのサモ・ハン。
原案・脚本・監督・美術は、1996年にジェット・リーが主演
した『ブラック・マスク』などを手掛けたダニエル・リーが
担当した。
『孫文の義士団』の時は正直に言って歴史の齟齬などが多少
は気になった。しかし本作の場合は、物語自体はオリジナル
のようだが武侠物にも通じる波乱万丈の展開で、まずは痛快
エンターテインメントという感じの作品だ。


『愛の勝利を』“Vincere”
第2次大戦で日独伊3国同盟の一翼を担ったイタリアの総帥
ムッソリーニの愛人を巡る物語。
ドイツのヒットラーは愛人エヴァと一緒に自殺したことが有
名だが、ヴァチカンの膝元でもあるイタリアの総帥が愛人を
持っていたというのも、イタリア人ならあるということか。
その愛人イーダとムッソリーニは、1907年に早くも出会って
いるものだ。
その日のムッソリーニは、宗教的な集会で「神が居るなら5
分以内に私を抹殺しろ」と言い放ち、5分後「神は居ない」
と断じてみせる。その姿を羨望の眼差しで見詰める女性。そ
して社会党に入党し官憲に追われるムッソリーニを、彼女は
身を持って匿う。
こうしてムッソリーニを愛するようになったイーダは、やが
て彼の目指すものに向かって全財産を抛ってでも支援を続け
て行くことになる。ところが彼の息子を出産し、彼が総帥の
座に向かって進み始めた頃。彼に別の家族の在ったことが判
明する。
それでもイーダは、自分がムッソリーニの妻であり、息子が
長男であることを認めさせようとするのだが、それは総帥に
とってはスキャンダルとなる。こうして彼女と息子の存在は
抹殺されて行くことになるが…。
最初は共産主義であったムッソリーニの政治姿勢が全体主義
へと変貌して行く。そんな個人的な変遷と、そこには数多く
のアーカイブ映像やチャールズ・チャップリン『キッド』の
映像なども織り込みながら、物語は1945年までのイタリアの
歴史を描いて行く。
このイーダという女性の存在がイタリアでどれほど知られた
ものかは判らないが、物語の後半は彼女自身の存在を賭けた
闘いも描いて行く。それは全体主義国家の権力との絶望的な
闘いでもあるものだ。

出演は、2008年5月紹介『コレラの時代の愛』などのジョヴ
ァンナ・メッゾジョルノと、日本で今月末から試写が開始さ
れるジョージ・クルーニー主演『ラスト・ターゲット』に出
演しているフィリッポ・ティーミ。特にメッゾジョルノは、
本作で全米批評家協会から主演女優賞を贈られたそうだ。
共産主義から全体主義、反戦論者から積極的参戦論者まで、
あっと言う間に変貌してしまうムッソリーニの政治姿勢の変
遷も驚きだったが、それを陰で支え続けるイーダの姿にも何
とも言えないものを感じさせられた。

『プッチーニの愛人』“Puccini e la fanciulla”
数多くの女性遍歴でも知られるイタリアの作曲家ジャコモ・
プッチーニ。その生涯の中で唯一の汚点とも言われるドーリ
ア・マンフレーディの自殺事件を検証した作品。
トスカーナの景勝地トッレ・デル・ラーゴに建つプッチーニ
邸。その日、旅先の夫妻から帰宅の報を受けたメイドのドー
リアは、その準備を続ける中である出来事を目撃する。しか
しそれを口外するような彼女ではなかったのだが。
やがて帰宅したプッチーニ夫妻から素敵なお土産なども貰う
ドーリア。ところが、それから数日して夫人の態度が急変す
る。そしてこと在るごとにドーリアを叱責し始めた夫人は、
ついに彼女に実家軟禁まで命じてしまう。
この事態にはプッチーニも心を痛めるが、歌劇『西部の娘』
の創作に追われる作曲家にはどうすることもできない。それ
でも作曲家の指示でドーリアの軟禁は解かれるが、外出を目
撃した夫人はドーリアを人前で罵倒し、そのため彼女は服毒
に至る。
『ラ・ボエーム』『蝶々夫人』などでも知られるプッチーニ
には、その作曲した歌劇ごとに愛した女性がいたとも言われ
ているそうだ。しかし『西部の娘』にはそれに相当する女性
が見当たらず謎とされている。
それならドーリアがそれに当るかというと、彼女とオペラの
ヒロインには明らかな相違点が在る。ではそのモデルは一体
誰だったのか。本作はそのような点にまで回答を与える作品
になっている。

脚本・監督のパオロ・ベンヴェヌーティは、イタリアでも孤
高の映画作家と呼ばれているそうで、本作は彼の長編6作目
の作品だが、映画祭などでの上映を除くと日本では初紹介に
なるとのことだ。
そんな監督は、元はドキュメンタリーの出身で、常に徹底的
な調査に基づいて作品を作り上げているとのこと。本作も、
監督が主宰する映画学校の生徒たちの協力も得て、トッレ・
デル・ラーゴでの現地調査なども踏まえて創作されている。
それはもちろんフィクションではあるが、かなり説得力の在
る物語が描かれている。
なお映画は、手紙の朗読などを除いてほとんどの台詞が排さ
れ、ほぼ演技だけで展開される構成。最近では今年1月紹介
『四つのいのち』などもあるが、劇映画ではその特異さも注
目される作品と言える。

出演は、指揮者・作曲家として著名なリッカルド・ジョシュ
ア・モレッティがプッチーニ役を演じており、その他も映画
ではほとんど無名の俳優たちが演じているようだ。湖畔の居
酒屋など、トッレ・デル・ラーゴの風景も美しく描かれた作
品だ。

『マイ・バック・ページ』
1971年に発生した朝霞自衛官殺害事件について当事者の1人
である元朝日ジャーナル記者・川本三郎が1988年に発表した
著作を映画化した作品。
1969年1月の東大安田講堂陥落の後、1人の若者が荒れ果て
た安田講堂に侵入するところから映画は始まる。その後、若
者は別の大学のセミナーと思しき場所でアジテーションを行
うが孤立してしまう。それでも若者は少数の同志と共に活動
を続けて行く。
一方、安田講堂陥落を外から見詰めていた主人公は、進歩的
な週刊誌を発行する新聞社に入社。しかし彼はその週刊誌で
はなく、より大衆的な雑誌の編集部への配属となり、東京の
風俗レポートなどを取材させられていた。そんな彼に左翼系
の記者が声を掛ける。
そして、その記者の手引きで逃亡中の全学連委員長の移動に
関与したりする内、主人公は真岡猟銃店襲撃事件の犯人と名
告る若者に接触、徐々にその若者との関係を深めて行くこと
になるが…
映画の中では「朝日新聞」の社名は変更されており、従って
「アカイアカイ、アサヒアサヒ」が変えられていたのは興醒
めだったが、その他の1970年代当時の雰囲気はそれなりに良
く描写されていたように思える。
それはそれなりにノスタルジックなものであり、正にその時
代を過ごしてきた自分にとっては、えも言われぬ感覚の漂う
ものだった。
ただし物語は、飽く迄も川本の言い分に基づいて描かれてい
るもので、事件の顛末が正しく描かれているのかどうか…。
それにしてもこの顛末は、ジャーナリストとしてはかなり恥
ずかしいもののはずだが、よくぞこれで発表したとも思える
ものだ。
なお映画では、「朝日」以外にも「朝霞」が「朝霧」など、
いろいろ変えられているが、中で「赤衛軍」が「赤報軍」に
なっていたのには、一瞬「赤報隊」を思い出してぞっとして
しまった。これは意図的なのだろうか。

出演は、妻夫木聡、松山ケンイチ。他には、2010年6月紹介
『ちょんまげぷりん』などの忽那汐里、今年1月紹介『婚前
特急』などの石橋杏奈、2008年10月紹介『悪夢探偵2』など
の韓英恵、2010年9月紹介『大奥』などの中村蒼。さらに長
塚圭史、山内圭哉、古舘寛治、あがた森魚、三浦友和らが脇
を固めている。
監督は、2005年3月紹介『リンダ・リンダ・リンダ』などの
山下敦弘、脚本は『リンダ…』と、2009年2月紹介の『ニセ
札』なども手掛けた向井康介が担当している。
主演の2人のせいか試写会には若い女性の姿も多く見られた
が、日本の若者が一番活力を持っていた頃を描いたこの作品
を、本来の観客であるべき僕と同世代の人がどのくらい観て
くれるか。それが一般公開での勝負になりそうだ。
それにしても、あの時代をもっといろいろな形で映画にして
欲しいものだ。

『4月の涙』“Käsky”
1918年1月27日−5月15日に起きたフィンランド内戦を背景
とした作品。
この当時のフィンランドは、旧宗主国だったロシアに対する
独立運動がロシア革命の勃発で現実のものとなったが、元々
階級闘争の側面もあった運動は、ブルジョア勢力が白衛軍、
労働者階級が赤衛軍という自警組織を創設し、そのまま内戦
へと進んでしまう。
そして白衛軍はドイツ軍の支援を受け、赤衛軍はロシア赤軍
からの武器供与を受けてその戦闘は激しさを増していくが、
元々赤衛軍兵士の練度は低く、約5カ月後に白衛軍の勝利宣
言で内戦は終結したとのことだ。
そんな時代の物語。主人公の一方は赤衛軍に属する女部隊の
女性リーダー、他方は白衛軍の男性兵士。その女性リーダー
が白衛軍の捕虜となり、男性兵士は彼女を判事のいる軍事裁
判所に護送しようとするのだが、その2人に数奇な運命が襲
いかかる。
そこには内戦であるが故の悲劇や女性であることによる過酷
な運命、また元の院長がトルストイ主義者だったという精神
病院に設けられた軍事裁判所のちょっと奇妙な雰囲気や未来
への希望など、様々な要素が描かれて行く。

原作は、フィンランドで最も知られた作家の1人と言われる
レーナ・ランデルの小説によるもので、この原作は2003年の
出版当時に優れたノンフィクション文学に与えられるフィン
ランディア賞の候補にも挙げられたとのことだ。
そして監督のアク・ロウヒミエスは、原作の出版以前からこ
の物語に着目していたが、その後の監督作品で数多くの受賞
を果たすなどの名声を得て、正に満を持しての映画化に踏み
切ったという。
このため本作の製作には、本国のフィンランドだけでなく、
ギリシャやドイツからも資金提供が為されているそうだ。
出演は、本作で2009年ベルリン映画祭シューティングスター
賞を受賞したというサムリ・ヴァウラモと、翌年の同じ賞を
受賞するピヒラ・ビターラ、さらに本作でマラケシュ映画祭
の主演男優賞を受賞したエーロ・アホ。
因にヴァウラモは、日本では今月末から試写がスタートする
ジョージ・クルーニー主演『ラスト・ターゲット』にも出演
しているとのことだ。

『黄色い星の子供たち』“La rafle”
1942年7月16日にフランスのパリで始まった悲劇を描いた作
品。
題名を観ただけで内容が判ってしまう人もいるかも知れない
が、黄色い星とは1942年6月にナチスがその占領下のユダヤ
人に強制したワッペンのこと。それはユダヤ人であることを
識別して迫害を行うためのものだが、悲劇はそれだけでは済
まなかった。
ヴェル・ディヴ(冬期競輪場)。その日、その場所に連行さ
れた1万3000人とも言われる老若男女のユダヤ人は、5日間
を食料も飲料水もトイレも無く閉じ込められた後、さらに強
制収容所へと運ばれて行ったのだ。そしてその先に待ってい
たものは…
このヴェル・ディヴの状況に関しては、昨年10月24日付の東
京国際映画祭<コンペティション部門>で紹介した『サラの
鍵』でも描かれていたが、1995年シラク大統領が公式に謝罪
するまでフランス政府もその事実を認めていなかったという
出来事。それがようやく映画でも描かれるようになってきた
ものだ。
そして本作は、強制収容所に移送された後に、脱走に成功し
て生き延びたという当時11歳だった少年の証言に基づいて描
かれたものだが、その死と紙一重の恐怖に満ちた物語は、そ
れまでは天真爛漫だった子供たちの姿によって見事に際立た
されている。
またそこには、彼の証言だけでなく数多くの調査や取材で得
られたエピソードも描かれている。それはヴェル・ディヴ内
の救護所に勤務した非ユダヤ人看護婦の話や、競輪場から脱
出に成功したユダヤ人女性の話などもあるが、それらも全て
実話だとのことだ。

出演は、昨年2月紹介『オーケストラ!』などのメラニー・
ロラン、ジャン・レノ、それに2007年7月紹介『エディット
・ピアフ』などのシルヴィー・テステュ。
また、主人公の少年を演じたユーゴ・ルヴェルデは、撮影時
は実際に11歳だったが、撮影現場を訪れた証言者の男性に、
「あなたが僕にがっかりしないようにしたいです」と語って
感激させたそうだ。
脚本と監督は、元ジャーナリストのローズ・ボッシュ。数年
前にこの事実を知り、本格的に準備を始めてからは3年間を
費やしたというボッシュの執念が、この見事な作品を作り上
げている。
そして描かれた本作は、フィクションを原作にした『サラの
鍵』ほどドラマティックではないものの、真実の重みが間違
いなく感じられる作品になっていた。

先週試写会が中止された作品の中で、『処刑剣』と『愛の勝
利を』は今週試写が再開され、内容的には問題なく公開も予
定通り行われるようだ。
しかし、ぎりぎりで試写を観られた『世界侵略:ロサンゼル
ス決戦』は、内容に鑑みて公開が10月に延期されるとの通知
が映画会社から届いている。また、2月27日紹介の『サンク
タム』も内容の一部が好ましくないとの判断で公開延期の連
絡が届いている。この他、来々週に紹介予定のリーアム・ニ
ースン主演作品は邦題が変更になるようだ。
他にも、僕に連絡が来ていない作品もあるかも知れないが、
昨年12月紹介『唐山大地震』と11月紹介『ヒアアフター』の
中止は仕方ないにしても、くれぐれも過剰反応にならないこ
とだけはお願いしたい。
        *         *
 なお製作ニュースでは、“The Hobbit”の撮影がニュージ
ーランドで開始されている。彼の地も地震の影響で撮影開始
は静かに行われたようだが、3Dでの撮影はこれから14カ月
に渡って行われるそうだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


井口健二