井口健二のOn the Production
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2011年03月20日(日) ロサンゼルス決戦、奇跡、それでも花は咲いていく、昼間から呑む、ポールダンシングボーイ★ず+ニュース

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『世界侵略:ロサンゼルス決戦』“Battle: Los Angels”
突如始まった地球外からの侵略に対して、果敢な戦いを挑む
アメリカ海兵隊員の姿を描いた戦争映画。
主人公は20年間の任務で数々の勲章も受けたベテラン2等軍
曹。しかし浜辺のランニングで訓練中の新兵に遅れを取るよ
うになり退役を決意する。そんな彼には以前の戦争で部下を
見殺しにして武勲を立てたという噂もあった。
ところが彼が退役の書類に上官のサインを貰った頃、たった
4時間前に発見された流星群が地球に落下し始めたという情
報が入る。しかもそれは世界の主要都市の沖合に集中し、着
水直前に制動が掛かる現象も見られた。
そしてその落下した物体から2足歩行の生物の大軍が現れ、
各都市へ攻撃を開始する。この事態にロサンゼルス近郊の訓
練基地にいた主人公にも集合の命令が下り、彼は士官学校を
出たばかりの少尉の隊に加わることになるが…
そんな主人公の加わった小隊に下された命令は、今や敵陣と
なった海岸線の警察署から発せられた民間人の救難信号に対
して、その救出に向かうこと。しかしその地域には2時間半
後に空軍が無差別爆撃を行う計画があった。
果たして主人公たちは、タイムリミットの中で敵陣深くに侵
入し、民間人を救出することが出来るのか。しかもその間に
も事態はどんどん変化し続けていた。

脚本は、1999年公開された『将軍の娘/エリザベス・キャン
ベル』などのクリス・バートリニー。映画脚本のクレジット
はそれ以来のようだが、その間にもソニーやワーナー、パラ
マウントなど各社のスタッフライターとして数多くの作品に
参加していたようだ。
監督は、南アフリカ出身で2006年公開“The Texas Chainsaw
Massacre: The Beginning”など手掛けたジョナサン・リー
ベスマン。出身地からは2010年3月紹介『第9地区』のニー
ル・ブロムカンプ監督の名前が思い浮かぶが、ちょっと似た
テーマの作品なのは面白い。
出演は、2008年7月紹介『ダークナイト』などのアアロン・
エッカート、2009年7月紹介『ワイルド・スピード4』など
のミシェル・ロドリゲス、同月紹介『サブウェイ123・激
突』などのラモン・ロドリゲス、2005年12月紹介『ロード・
オブ・ウォー』などのブリジット・モイナハン。他にミュー
ジシャンのNe-Yoらが出演している。
試写会は3月14日に行われたが、予想される内容の作品をそ
の日に観ることには躊躇いもあった。それは、敵の攻撃で瓦
礫の山と化した街区の様子や、夜景の中のあちこちで炎の上
がっている映像が、ここ数日観ていた災害の映像とも重なっ
たものだ。
しかし、最初に戦争映画と書いて実際に戦闘シーンも数多く
登場する作品ではあるが、物語としては人智を超えた災害に
立ち向かうレスキューの話でもある。そしてその中を危険を
冒して進んで行く主人公たちの姿には、現実と重なったある
種の感銘も受けた。
お陰で途中の泣かせのシーンには見事に填められてしまった
部分もあった。本作はもちろんフィクションだが、そんな状
況の中での人間の姿も丁寧に描かれていたものだ。
因に、当日の試写会は2回予定されていたが2回目はキャン
セルされた。その後に本作の日本公開は見送りになり、以後
の試写の予定もすべてキャンセルされたとのこと。1回目の
試写を観たのは僕自身を含めて30人足らずのようだ。
さらに翌週に予定されていた“Sucker Punch”(邦題:エン
ジェル・ウォーズ)の完成披露試写会も中止になって、当分
この手の廃虚のシーンが出てくる映画は見送られるのかな。
地震・津波を直接描く作品はともかく、ちょっと過剰反応の
ような気もするが…


『奇跡』
2004年のカンヌ国際映画祭で柳楽優弥に主演男優賞を齎した
是枝裕和監督が、再び子供を主人公に置いて描いたドキュメ
ンタリーの要素もある作品。
「3月12日九州新幹線全線開業。一番列車がすれ違うとき、
奇跡が起きる」
物語の中心は小学生の兄弟。両親の離婚で兄は母親と共に実
家のある鹿児島に引っ越し、弟はミュージシャンである父親
の活動拠点になっている福岡で暮らしている。そんな兄弟が
1番列車の奇跡の噂を聞き、様々な想いを持った友達と共に
その場所を目指す。
それは旅費だけでも子供には大金になるものだが、その工面
の仕方から始まって、1番列車がすれ違う現場に至るまでの
行程や宿泊の手段まで、そこには偶然に頼った御都合主義の
部分もあるが、それらがそれなりのドラマで描かれていた。
またそこには、両親の離婚を始めとする子供たちを囲む状況
への目配りなどもいろいろなされているし、一方で子供たち
が語る「起したい奇跡」への想いなどは、是枝監督特有のド
キュメンタリーなタッチで描かれているものだ。

出演は、小学生お笑いコンビ「まえだまえだ」の前田航基と
前田旺志郎。この2人は確か2008年7月紹介『パンダフルラ
イフ』の完成披露試写にゲストで登場したのを観て、その芸
は知っていたが、元々は劇団子役とのこと。掛け合いの口調
などはナチュラルではないものの、彼らの演技としては納得
は出来た。
また彼らと共に行動する子供たちは、2009年10月紹介『AC
ACIA』に出演の林凌雅の他、永吉星之介、内田伽羅、橋
本環奈、礒邊蓮登らが演じている。
さらに、彼らを囲む大人たちとして大塚寧々、オダギリジョ
ー、樹木希林、橋爪功、夏川結衣、阿部寛、長澤まさみ、原
田芳雄、高橋長英、リリィ、田山涼成、入江雅人、中村ゆり
らが脇を固める。
実は、個人的に3月26日熊本に行く計画を立ていた。それは
24日23時10分東京駅発ムーンライトながらに25日0時30分発
の小田原から乗り込み、青春18切符の1日目で博多。26日は
博多−熊本間の新幹線2枚切符で往復、博多で2泊して青春
18切符の2、3日目で東京に戻るものだった。しかし震災に
よって実行できなくなってしまった。
だから九州新幹線や熊本の地名が出てくると、この映画を観
てから現地に行っていたら、さぞや気持ちも違うものになっ
ていただろうと思えた。次は7月に行くチャンスがあるかも
知れないが、その時は無事に行ってきたいものだ。
その時には、映画に話題が登場するカルカンと馬刺しも食べ
たいゾ。


『それでも花は咲いていく』
ものまね芸人の前田健が、自らの原作小説を基に初監督した
オムニバス作品。
作品は、エーデルワイス、ヒヤシンス、パンジーと題された
3つの物語からなっており、それぞれは男性特有と言えるか
も知れないある種病的な性癖について描いている。ただしそ
の性癖は、男性の誰しもが何処かに持っているとも言えるも
ので、本作は男性の多くが共感を持って観てしまう作品とも
言えそうだ。
その1本目で描かれるのはロリータ・コンプレックス。それ
は高校受験生の家庭教師を頼まれた元進学塾の教師が、実は
教え子よりその妹の方に興味を持ち、それを知らない親は妹
の水泳大会の応援や遊園地などに教師を連れて行ってしまう
が…というもの。
物語の間には、「それは犯罪だ」と脅される主人公の妄想な
ども描かれていて、それなりの見識も持って作品は作られて
いる。その点では常識的な作品であり、芸人の作品によく感
じられる思い上がりもなく、評価できる作品だった。
2本目は、これは何と呼ぶのか判らないが、留守中の女性の
部屋に上がり込み、その部屋の中で妄想に浸るというもの。
それは当然部屋の住人に判らないようにするのが鉄則だが、
その原則が崩れてしまったところから物語が始まる。
そして3本目は、エディプス・コンプレックス。30代前半と
思われる男性の最近亡くなった母親への思いが綴られて行く
が、そこに母の生前には浮気もしていたらしい父親の存在が
関ってくる。

これらの物語が、それぞれ2010年2月紹介『獄に咲く花』な
どの仁科貴、10月紹介『酔いがさめたら、うちに帰ろう』な
どの滝藤賢一、2008年6月紹介『能登の花ヨメ』などの平山
浩行の主演で描かれる。
共演は、南野陽子、冨家規政、小木茂光、カンニング竹山、
麻生祐未、池永亜美、藤本七海、佐藤二朗、ダンカン、酒井
敏也ら。
原作・脚本・監督の前田は自らゲイをカミングアウトしてお
り、本作では自らも体験しているセクシャル・マイノリティ
について描きたかったそうだ。その点では判りやすく描かれ
ているし、上にも書いたように男性には共感も得られるもの
になっている。
ただ、この共感を女性の観客にまで広げられるかどうか、観
れば女性にも理解して貰える作品だとは思うが…。男性を理
解するために、ぜひ女性にも観て貰いたい作品だ。

『昼間から呑む』“낮술”
火曜日に行われる予定の試写会が震災の影響で中止となり、
替りにサンプルDVDを手渡された。従って後日スクリーン
で観直す可能性もあるが、取り敢えず今回はDVD鑑賞での
感想を書かせて貰うことにします。
映画監督になりたくてシナリオ公募に何度も応募したが果た
せず、1000万ウォン(19日の為替レートで約71万円)の製作
費で自主製作したという作品。監督自身の実体験に基づく酒
と女に纏わる話が展開される。
若者4人が居酒屋で酒を酌み交わしている。その内の1人が
最近女と別れ、それを慰めているようだ。やがて別の1人が
旅行に行こうと言い出し、善は急げとばかりに翌日の決行を
決めてしまう。そして傷心の若者は先に帰宅して翌日現地に
赴くのだが…
辿り着いた雪模様の駅に他の3人の姿はない。そこで1人に
連絡すると3人は前日の深酒が醒めておらず、さらに仕事で
その日は来れないという。しかしそのまま帰ろうとした主人
公は、「先輩のペンションに連絡したからそこで待て」と説
得されてしまう。
こうして見知らぬ町での、しかも雪模様の中での主人公の彷
徨が始まることになる。そこには題名の通り昼間から呑む酒
と女が関ってくるのだが、これがかなりシュールな展開にな
って行く。
何しろ主人公は運が良いのか悪いのか、取り敢えず酒と女が
次から次に登場する。しかも主人公は酒が強いらしく、出来
事には比較的冷静に対処して行くのだが、それでもトラブル
の種は尽きないものだ。
宣伝コピーには「爆笑ロードムービー」とあるが、自分も酒
を嗜む人間としては、ここまでされるのは願い下げといった
感じの物語が進んで行く。それが傍目には可笑しい訳だが、
僕としては自戒の念も持って観ていた感じの作品だ。

監督のノ・ヨンソクは中学生時代にアニメに魅了され、大学
では陶芸を専攻するが卒業後は音楽にのめり込み、さらに映
画監督の夢を実現させたという。従って本作でも監督・脚本
だけでなく、撮影・編集・美術・音楽、そして声の出演まで
1人でこなしているものだ。
しかし監督は、「本作は皆の力で作った」と強調している。
実際に映画に出演している女優のイ・ラニはスクリプターや
助監督も務め、彼女の夫のシン・ワンソプも出演者だ。他に
主演はインターネットで発見したというソン・サムドン。共
演にキム・ガンヒ。
映画は製作費削減のためシーンを極力照明のいらない昼間に
設定するなどの工夫も凝らされている。映画の題名がその精
神も表わしているようだ。それと、物語の結末に希望がある
のも良い感じだった。


『ポールダンシングボーイ★ず』
2008年11月紹介『プライド』などの金子修介監督による最新
作。
『フルモンティ』の男性ストリップや、『ウォーター・ボー
イズ』の男子シンクロナイズド・スイミングなど、まあこの
手の作品はいろいろあるが、今度は男子のポールダンスと来
たものだ。
しかも背景は昨今のお笑いブーム。漫才スクールの生徒募集
に応募して大金を振り込み、いざその教室に来てみると、そ
こはポールダンスの教室だった…という詐欺に引っ掛かった
若者たちが、インストラクターの演技に魅せられてポールダ
ンスを始めてしまう。
この展開も、2006年12月紹介『ウォーターズ』を思い出して
しまうが、この辺も言ってみれば有り勝ちな展開なのかも知
れない。脚本は、お笑いコントユニット・フラミンゴの吉田
ウーロン太が担当している。
ただし試写前に行われた監督の挨拶によると、「昨年秋に出
演者たちと会って彼らで何か撮りたいと思い、それから余り
時間も掛けずに作った作品」とのことで、その点では脚本の
練り込みなどもあまりされてはいなかったのだろう。

その出演者は、ワタナベエンターテインメント所属のD2。
最近では1月紹介『ランウェイ☆ビート』などいろいろな映
画に出演者を送り込んでいる演劇集団D-BOYSの弟分というグ
ループのメムバーが集団で主演している作品だ。
因にそのメムバーは、荒井敦史、阿久津眞太郎、上鶴徹、山
口賢貴、近江陽一郎、三津谷亮、酒井幸人、池岡亮介、根岸
拓哉、陳内将。これから伸びてくる連中と思われるので、名
前を列記しておく。
共演は、2008年8月紹介『東京残酷警察』などの泉カイ、同
年5月紹介『今日という日が最後なら』の柳裕美、グラビア
アイドルで2008年『お姉チャンバラ』などの橋本愛実、さら
に蛍雪次朗らが脇を固めている。
男子のポールダンスは、さすがに力強くて倒立なども簡単に
決めてしまうが、最後に演じられる群舞のパフォーマンスは
やはり即席な感じが否めなかった。でも、それまで未経験の
彼らをここまで仕上げられれば…。観客もそれは判って観に
来るはずのものだ。
それに本作では、インストラクター役の泉はそこそこのダン
スを魅せてくれるし、さらにメムバーたちが実際のショーを
見学に行くシーンでのプロダンサーたちのパフォーマンスは
見応えがあった。
上映時間1時間25分の作品だが、D2のファンなら間違いな
く楽しめそうだ。
ただ一言添えておくと、劇中に挿入されてエンディングでも
流れる監督作詞の主題歌は、今の時期に歌詞がちょっと問題
にされそうだ。公開までに修正できると良いのだが。


以上が今週観られた作品だが、実はこの他に鑑賞予定だった
『処刑剣』『愛の勝利を』『スコット・ピルグリム vs.邪悪
な元カレ軍団』『カルメン−3D』『パラダイス・キス』の
試写会が中止になり、『ソウルのバングラディシュ人』とい
う作品では、上映の途中で大規模停電の警告が出て中断され
るという事態にもなっている。
いずれも震災やその後の電力事情によるものだが、すでに何
本かの作品は、状況に鑑みて公開が見送られる可能性も出て
きており、来週は9本観る予定も全うできるかどうか怪しい
ものだ。もちろん被災地の状況は判っているし、興行の影響
力も理解はするが、公開の見送りなどには過剰反応の感じも
あり、もう少し柔軟に事に当って欲しいとも感じる。
ゴールデンウィークに向かって、例年なら試写も増える時期
だが、どうなってしまうのか心配なところだ。
        *         *
 今回の製作ニュース。
 まずは続報で、前回報告“Silent Hill: Revelation 3D”
に関して、すでにトロントで開始されている撮影に、2004年
11月紹介『ネバーランド』などのラダ・ミッチェル、2006年
8月紹介『サイレント・ノイズ』などのデボラ・カーラ・ア
ンガー、それに『LOTR』シリーズのボロミア役ショーン
・ビーンの出演が発表された。
 で、この3人は、実は2006年5月紹介の前作『サイレント
ヒル』にも登場していた俳優陣(シャロンの両親とアレッサ
の母親)で、前回はrebootとして紹介したが、前作との関係
もかなり明確に描かれた作品になりそうだ。ただし今回の主
人公はヘザー・メイスンとその父親のハリーとなっており、
それとの関係はまだ明らかにはされていない。
 トロントでの撮影は、2009年“Solomon Kane”などのマイ
クル・J・バセットの監督で3Dで行われており、全米公開
は2012年に予定されている。
        *         *
 続いては2月13日付で紹介した“Superman”のrebootで、
スーパーマンの地球での育て親となるケント夫妻役として、
ケヴィン・コスナーとダイアン・レインの配役が発表されて
いる。この役柄は、1978年の映画化ではグレン・フォードと
フィリス・タクスターが演じたものだが、今回もかなりの俳
優が選ばれたようだ。
 そして今回の物語では、敵役として前のシリーズでは主に
第2作から登場するゾッド将軍が中心になるようで、その配
役に『LOTR』のアラゴン役ヴィゴ・モーテンセンの出演
が発表されている。この役柄も以前の映画化ではテレンス・
スタンプが演じていたものだが、スタンプの無気味さに対し
てモーテンセンのキャラクターが今一つ一致しないのが気に
なるところだ。
 なお、前回紹介した女優陣の配役はまだ決定されていない
ようで、その他のデイリー・プラネット社のスタッフなどの
配役もまだ発表されていないが、題名は“Superman: Man of
Steel”と決定され、撮影開始は今年の夏、全米では2012年
12月の公開が予定されている。
        *         *
 ワーナーからもう1本。1月30日付でも紹介した『バット
マン』シリーズの第3作“The Dark Knight Rises”の配役
で、新たに、クリストファー・ノーラン監督の前作『インセ
プション』に出演していたトム・ハーディとジョセフ・ゴー
ドン=リヴィットの出演が発表されている。
 この内、ハーディが演じるのはベインという悪役、ゴード
ン=リヴィットの配役は、『バットマン・ビギンズ』でトム
・ウィルキンスンが演じていたマフィアのボス:カルミーネ
・ファルコーネの息子アルベルトになるようだ。
 因にこのアルベルトは、The Holiday Killerという名前で
も知られる悪党だそうで、前回紹介したアン・ハサウェーの
キャットウーマンと共に、ブルース・ウェイン/バットマン
と対決することになるようだ。
 それにしても『ビギンズ』には渡辺謙が出演していたもの
だし、ノーラン監督は結構俳優を大事にする人のようだ。
        *         *
 最後に、その『バットマン』の以前のシリーズで、全作を
通して執事アルフレッド役を演じていたマイクル・ゴーフの
訃報が伝えられた。
 ゴーフは、1989年にティム・バートン監督による第1作で
執事役に起用され、その後は監督や主演者は代っても1997年
ジョージ・クルーニー主演の『バッマン&ロビン』まで一貫
してその役を演じていたものだが、最近ではバートン監督の
『コープス・ブライド』『アリス・イン・ワンダーランド』
の声優にも起用されていた。そこで『コープス』での監督の
来日記者会見でそのことを質問した時には、バートン監督が
凄く嬉しそうに、「彼は僕にとってのヒーローだ」とも話し
てくれたものだ。
 アルフレッドの役はマイクル・ケインに引き継がれたが、
ゴーフは享年94歳だったとのこと、長寿をお祝いして冥福を
祈りたい。


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井口健二