井口健二のOn the Production
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2011年01月23日(日) ピュ〜ぴる、シリアスマン、お家をさがそう、ランウェイ☆ビート、ヨギ&ブーブー、四つのいのち、ブラック・スワン+ニュース

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ピュ〜ぴる』
洋裁やニットのコスチューム作品及びそれを着てのパフォー
マンスなどで評価されている「ピュ〜ぴる」というアーティ
ストの姿を、2001年から2008年まで8年間に渡って撮影し、
2010年に発表されたドキュメンタリー作品。
監督・撮影・編集は、2001年の映画『ウォーターボーイズ』
などに俳優として参加していた松永大司。因に松永は、監督
としては2008年『蛇にピアス』のメイキング作品なども手掛
けているようだ。
元々クラブで遊び仲間だった監督が、アーティストから「自
分の生き様を撮って欲しい」と頼まれたのが始まりだったそ
うだ。そこで友人からヴィデオカメラを借りて撮影を開始す
るが、最初は撮る目的も撮り方も判らないままだった。
それが撮影開始から1年ほどして作品として完成させようと
思い立つ。ところがこの撮影には終りがないと気付き、そこ
で全体を2部作と考えてその第1部として完成されたのがこ
の作品。従って撮影は今も続けられているとのことだ。
という経緯は後でプレス資料を見て知った情報だが、確かに
試写を観ているとその経緯が判る作品だった。特に作品の前
半では、アーティストを写すのか作品を写すのかも明確でな
く、焦点ずれなどの技術的な問題も含めて「何だこりゃ」と
いう感じだった。
ところが映画が後半になり、アーティスト本人に焦点が絞ら
れてくると、それは一転してアーティストの魂の叫びを写し
取っているような衝撃的な作品になってくる。そこには正に
1人の人間の姿が描かれているものだ。
ただしそこに描かれている事柄自体は、僕自身の感性として
理解できるものではないが、アーティストであるピュ〜ぴる
自身の思いがそこに繋がったことに疑問は感じないし、その
決断の結果には反論の余地がない感じがした。
それにこの作品では、ピュ〜ぴるの存在を認めてそれを支援
する周囲の人たち(家族や監督を含む)の関係が暖かくて、
それは観ていて気持ちの良い作品だった。そのピュ〜ぴるが
これからどのように進化するのか、それも観てみたい感じが
したものだ。


『シリアスマン』“A Serious Man”
昨年のアカデミー賞では作品賞と脚本賞の2部門にノミネー
トされ、National Board of Review選出の脚本賞などを受賞
したコーエン兄弟監督の作品。
時代は1967年。舞台はアメリカ中西部ミネソタ州ミネアポリ
ス郊外の住宅地。主人公は、地元の大学で物理学を教えてい
る男性。2週間後に迫った息子のユダヤ教の成人式だけが気
掛かりだったごく平凡な主人公の日常が、ある日突然狂い始
める。
それは学内での成績を巡る問題や、主人公の家に居候してい
る無職の兄、家族や隣人や、頼んでもいないレコードクラブ
からの代金の督促に、さらにはコミュニティの中心であるユ
ダヤ教のラビまで、とにかくありとあらゆるトラブルが主人
公に降りかかる。
因に映画では、最初にユダヤの伝説という感じのシーンがス
タンダードの画面で描かれており、そこに暗示された不幸の
連鎖が主人公に襲い掛かっているのかな。でもそれは主人公
に提示されている訳でもなく、とにかく唯々不幸になり続け
る。しかもその結末は…
いやはや、元々不条理好きのコーエン兄弟だが、2008年3月
紹介『ノーカントリー』でオスカーの作品、監督、脚本賞を
トリプル受賞した後、2009年1月紹介『バーン・アフター・
リーディング』を挟んで描いた本作は、正にその極致を行く
ものになっていた。
それでまあ、その意味などはあまり深く追求しても仕方のな
いもののようで、とにかくこの不条理なトラブルに巻き込ま
れた男性の、他人から観れば滑稽な姿を面白く観ていれば良
いだけのもののようだ。
ただその中で、主人公が授業で黒板に書き記す板書や、兄が
手帳に描いている記述などは、これは一体何なんだと言いた
くなるほど詳細に作られているもので、それもまたその度に
「へえ〜」と言いながら観てればいいのかな。でもそれなり
に楽しめたものだ。

出演は、2008年10月紹介『ワールド・オブ・ライズ』に出て
いたというマイクル・スタールバーグ、1994年『スターゲイ
ト』に出ていたというリチャード・カインド、ウディ・アレ
ン作品に常連だったというフレッド・メラメッド。
さらに、2005年2月紹介『最後の恋のはじめ方』に出ていた
というアダム・アーキン、また映画は初出演のサリ・レニッ
ク、アーロン・ウルフ、ジェシカ・マクマヌス。つまりほと
んどが無名と言っていい俳優たちだが、この不条理劇にはそ
れが填っていたようだ。


『お家をさがそう』“Away We Go”
1999年の映画デビュー作『アメリカン・ビューティー』で、
いきなりアカデミー監督賞を受賞したサム・メンデス監督に
よる2009年の作品。
主人公は、結婚はしていないが仲睦まじく愛し合っているカ
ップル。その女性が想定外の妊娠をし、2人はコロラドに住
む男性の両親の家の近くで出産の準備を始める。ところがそ
の両親が突然ベルギーに引っ越すと言い出し、2人は困惑す
る。
そこで2人は、全米からカナダまでの各地に住む親戚や知人
の家を訪ね歩き、出産と生まれて来る子供のために良い環境
を求めることにするのだが…。果たして2人は理想の環境を
見付けることができるのか?
舞台はコロラドからアリゾナ州のフェニックス、ツーソン、
ウィスコンシン州のマディスン、カナダのモントリオール、
フロリダ州のマイアミ、そしてサウスカロライナ。移動手段
もレンタカーから鉄道、飛行機と様々に乗り換えて旅の様子
が描かれる。
それは理想の環境を求めての旅だが、その一方でアメリカの
家族事情や社会の状況など、アメリカが抱えるいろいろな問
題も描いて行く。それはちょっと嫌味な部分もあるけれど、
それらを主人公2人が互いの愛情で乗り切って行く姿は心暖
まるものだ。

主演は、昨年1月紹介『恋するベーカリー』などのジョン・
クラシンスキーと、2000年から7年間「サタデー・ナイト・
ライヴ」のレギュラーを務めたというマーヤ・ルドルフ。因
に2人は、『シュレック3』のランスロット役と髪長姫役で
も共演していたそうだ。
さらに、ジェフ・ダニエルス、キャサリン・オハラ、ポール
・シュナイダー、メラニー・リンスキー、クリス・メッシー
ナ、マギー・ギレンホールらが脇を固めている。中でもギレ
ンホールのエピソードは強烈で、考えさせられた。
なお、前回紹介したようにメンデス監督には、次回作“Bond
23”が今年後半に撮影開始と発表されているものだが、こん
な素敵な作品を作る監督が一体どんなジェームズ・ボンドを
生み出すか、興味津々という感じだ。

『ランウェイ☆ビート』
2008年12月紹介『カフーを待ちわびて』などの原田マハ原作
の映画化。その映画化に『おくりびと』の製作者と『ソラニ
ン』の脚本家、そして『NANA』の監督が顔を揃えた。
主人公は東京の下町月島の高校に通う女子生徒。ある日、怪
我で入院した母親を見舞いに行って1人の若者と巡り会う。
難病で入院中の妹を見舞いに来ていたその若者は、奇抜なフ
ァッションを見事に着こなしていた。
そしてその翌日、彼女のクラスにその若者が転校生として入
ってくる。その若者は大手アパレルメーカーの社長の息子だ
ったが、その父親とは疎遠で、長らく祖父の許で暮らしてき
た。しかし妹の病気のこともあって東京に出てきたのだ。
そして彼女のクラスには、若年層に人気の出ている新進モデ
ルや地元のがき大将、クラブのDJをしながら実家のもんじ
ゃ焼き屋も手伝っている女子などもいて、クラスは文化祭に
自分たちでデザインしたファッションショウの出展を計画し
ていたが…
転校生が天才的なファッションデザイナーで、そこにはちょ
っとした挫折もあるけれど、結局はうまく行って、そして主
人公たちの未来が開けて行く。同じ原作者の以前に紹介した
映画もそうだったけれど、そんな夢物語が描かれる。
それはまあ、大人の眼からすると甘々の話ではあるけれど、
家族や級友や街の人々なども巻き込んで夢のようなことを成
就する。これもまあファンタシーなのかな。魔法の出てこな
い『ハリー・ポッター』というところなのかも知れない。

出演は、昨年6月紹介『最後の忠臣蔵』の桜庭みなみ、若手
演劇集団D-BOYSの瀬戸康史、モデル出身の桐谷美玲、2009年
7月紹介『TAJOMARU』などに出演の田中圭、二世タレントの
IMALU。
他に、吉瀬美智子、RIKACO、田辺誠一、中村敦夫。さらに西
岡徳馬、いとうまい子、七瀬なつみ、菅田俊、つみきみほ、
風間トオルらが脇を固めている。
なお『NANA』の監督は、今年正月のヴァラエティ番組で
飛んでもない演出を行って見事に名う手の出演者たちを騙し
ていたが、今回の作品では何とか真面な演出が出来ていたよ
うだ。

『ヨギ&ブーブー/わんぱく大作戦』“Yogi Bear”
ハナ=バーベラの往年の名作アニメーション『クマゴロー』
を、3Dの実写とCGIキャラクターで映画化した作品。
子供の頃に『珍犬ハックル』と共に楽しんだ往年のアニメー
ションが3Dで帰ってきた。お話は昔の通りキャンプ客のお
弁当を狙うクマと、それを阻止せんとする公園レンジャーと
の攻防を描くものだが、本作ではさらにいろいろな味付けが
されている。
それは自治体の抱える赤字の問題や、さらに森林破壊や自然
保護の問題など、実に現代を描いているものだが、それらを
本来の観客である子供にも判りやすく、その一方で大人の眼
にも納得できるように巧みに描いているものだ。
そこにはオリジナルでは犬猿の仲だったレンジャー隊長との
共同作戦など、一歩踏み出した新たな展開も描かれていた。
それが往年のファンにどう受け取られるかが多少の不安材料
だが、全体の雰囲気はアニメーションの味を良く受け継いで
いる感じがした。
特に、ヨギベア(クマゴロー)が繰り出すいろいろな作戦や
珍発明が、実写の画面で見事に映像化されている点には感心
した。さらにアニメーションさながらのアクションシーンも
ふんだんに登場する。
実は、先に発表されたアカデミー賞長編アニメーション部門
の予備候補に本作が入らなかったことが話題になって、アニ
メーションとしてどうなのか心配したが、本作を観て納得。
これは正に実写版の映画化で、そこにアニメーションの主人
公が登場する作品だ。
つまり単純に本作はアニメーション作品ではなかったもの。
しかもその実写シーンの撮影には、ジェームズ・キャメロン
製作によるフュージョン3Dカメラが使用されており、ロケ
地ニュージーランドの大自然の景観が本物の3Dで観られる
ものだ。

監督は、元ILM所属で『キャプテンEO』などを手掛け、
2008年8月紹介『センター・オブ・ジ・アース』(ディジタ
ル3Dでは初の実写作品)で長編映画監督デビューを果した
エリック・ブレビグの第2作となっている。
アメリカ版の声優は、ヨギ役が『ゴーストバスターズ』など
のダン・エイクロイドと、ブーブー役は昨年10月紹介『ソー
シャル・ネットワーク』にも出ていたジャスティン・ティン
バーレイクが担当。
他に2003年『ロスト・イン・トランスレーション』や『最終
絶叫計画』シリーズなどのアンナ・ファリス、テレビやイン
ディペンデンス映画で活躍のトム・キャバナー、2008年『ク
ローバーフィールド』などのT・J・ミラーらが実写で出演
している。
ただし日本公開は吹き替え版になるようで、そのヨギ役は茶
風林、ブーブー役には林勇、その他もベテランの声優たちが
担当しているようだ。またテレビ放送時のクマゴローを担当
した滝口順平が巻頭のナレーションで懐かしい声を聞かせて
くれている。
それから本作にはLooney Tunesの短編が併映されるが、今回
の作品は“Rabid Rider”。昨年9月26日付でタイトルのみ
報告した作品が観られる。因に、題名はSegwayのような乗物
のことのようで、それを手に入れたコヨーテがいつものよう
な失敗を繰り広げるものだ。

『四つのいのち』“Le quattro volte”
昨年の東京国際映画祭natural TIFF部門で上映された作品が
一般公開されることになり、改めて試写が行われた。
イタリア南部カラブリア州の山間部。丘の上に城塞都市が聳
え、その周囲を森が囲んでいる。その一画では伝統の炭焼き
が行われており、その土饅頭のような小山を箆で叩き固める
音が周囲に響き渡っている。
その音が聞こえる草地には山羊の群れが放牧されており、牧
羊犬が忙しく走り回って群れ纏めている。その群れに付き添
う羊飼いは高齢で、時折咳き込んでは息苦しそうだ。そして
帰宅した老羊飼いは、霊験あらたかな教会の埃を水に溶いて
飲下し床に就く。
そんな日常の中で繰り広げられる老人と仔山羊、祭りの主役
となる樅の大木と木炭、四つの命の誕生と再生が描かれる。
さらにそこには村が行う2つの祭りの様子なども紹介され、
それらが静謐な長廻しの映像で描かれる。
作品の中に特定の台詞はなく、従って映画は無字幕。ただ豊
かな自然の営みが描かれる中で、その営みに則したドラマが
展開されて行く。それにしてもイタリア南部の土地柄でこん
なに雪が降るとは思わなかった。そんな自然も見事に描かれ
ている。

脚本監督を手掛けたミケランジェロ・フラマルティーノは、
ミラノ工科大学建築科に入学した後、映像に転じたとのこと
で、ある種の技術的な興味を持って作品が描かれているよう
なところもある。それが意外と人間や自然の営みに通じてい
るものだ。
出演者は、皆そこに住む住人たちだそうで、唯一プロと言え
るのは映画の前半で活躍する牧羊犬。驚異的な長廻しの撮影
の中、劇中最もドラマティックとも言えるシーンを見事に演
じて、カンヌ国際映画祭では活躍した犬に与えられるパルム
ドッグ賞を受賞したそうだ。
なお昨年の映画祭で鑑賞したときには、「四つのいのち」の
組み合わせが多少気になったが、原題をexcite翻訳で直訳す
ると「四つの時間」となるようで、まあそんなニュアンスの
作品のようだ。

とにかく静かな映画で、natural TIFF部門で上映するのに相
応しい作品であったことは間違いない。

『ブラック・スワン』“Black Swan”
ピョートル・チャイコフスキー作曲のバレエ「白鳥の湖」を
モティーフに、その主役の座に賭けた女性の姿を描き、主演
のナタリー・ポートマンがゴールデングローブ賞などすでに
20冠以上を達成している作品。
主人公はニューヨークの名門バレイ団に所属する若い女性。
そのバレイ団ではプリマドンナが今シーズン限りで引退する
ことになり、来シーズンに向けて新しいプリマの座を競うオ
ーディションが行われていた。
そのシーズンの開幕を飾るのは「白鳥の湖」。1人のプリマ
が清純な白鳥と妖艶な黒鳥を演じ分けることが至難の業と言
われる名作が、新プリマに科せられた課題となっていた。そ
して主人公はその有力候補の1人だったが…
優等生タイプの主人公には白鳥は完璧に踊れても、黒鳥が課
題とされてた。一方、奔放なタイプのライヴァルは黒鳥を完
璧に踊れる素質を持っていた。そして配役発表の日が近づく
中で主人公には精神的な重圧がのしかかってくる。
この種のバックステージものでは、最近だと『オペラ座の怪
人』が頭に浮かんでくるところだが、その作品の歌唱に対し
て本作はダンス。そしてミュージカル作品がどちらかという
とロマンスに重きを置いたのに対して、本作ではホラーの要
素もたっぷり織り込んだ作品になっている。
しかもそれが心理学的な背景に基づくかたちで描かれている
から、そこにはストレス社会の現代に生きる人々のほぼ全員
が感じているような恐怖が描き出されているものだ。

共演は、昨年4月紹介『ザ・ウォーカー』でも中心的な役を
演じていたミラ・クニスと、2009年10月紹介『ジャック・メ
スリーヌ』で東京国際映画祭主演男優賞を受賞したヴァンサ
ン・カッセル。他に、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライ
ダーらが脇を固めている。
監督は、1998年『π』などのダーレン・アロノフスキー。考
えてみたらこの監督の作品はデビュー作以降は観る機会がな
かったが、SF作品も手掛ける俊英がホラー演出やVFXも
駆使してその手のファンも唸らせる作品を作り上げている。
        *         *
 今回のニュースは賞レースの話題で、まずは上でも書いた
ゴールデン・グローブ賞では、昨年10月紹介『ソーシャル・
ネットワーク』がドラマ作品、監督、脚本、オリジナル作曲
の4冠を達成。その他の本ページで紹介した作品では、1月
紹介『英国王のスピーチ』が主演男優、昨年11月紹介『バー
レスク』が歌曲、昨年6月紹介『トイ・ストーリー3』が長
編アニメーション、そして今回紹介『ブラック・スワン』が
主演女優賞受賞となっている。
        *         *
 お次は、前回予告したVES賞のノミネーションを今年も
映画部門のみ紹介しておく。
 VFX主導映画のVFX賞候補は、『トロン/レガシー』
『インセプション』『アリス・イン・ワンダーランド』『ア
イアンマン2』『ハリー・ポッターと死の秘宝:part 1』
 VFX主導でない映画のVFX賞候補は、『ソルト』『ロ
ビン・フッド』『ブラック・スワン』『グリーン・ゾーン』
『ヒアアフター』
 長編アニメーション賞候補は、『塔の上のラプンツェル』
『ヒックとドラゴン』『トイ・ストーリー3』『シュレック
4』『ガフールの伝説』
 短編アニメーション賞候補は、『キャッツ&ドッグズ』に
併映された“Looney Tunes - Coyote Falls”、『トイ・ス
トーリー』に併映された“Day & Night”、他に“Paths of
Hate”“Tick Tock Tale”“Cat Shit One - The Animated
Series”
 実写映画におけるアニメーションキャラクター賞候補は、
『ナルニア国物語/第3章』のReepicheep、『ハリー・ポッ
ター』のドビー、『ハリー・ポッター』のKreacher、『キャ
ッツ&ドッグズ』のキティ・ガロア
 アニメーション映画におけるアニメーションキャラクター
賞候補は、『ガフールの伝説』のディガー、『塔の上のラプ
ンツェル』のラプンツェル、“Megamind”のMinion、『ヒッ
クとドラゴン』のToothless
 アニメ映画におけるエフェクトアニメーション賞候補は、
『シュレック4』『ヒックとドラゴン』『ガフールの伝説』
『トイ・ストーリー3』
 実写映画における背景賞候補は、『トロン/レガシー』の
Disc Game、『インセプション』のParis Dreamscape、『プ
リンス・オブ・ペルシャ』のSand Room、『アイアンマン』
のStark Expo
 実写映画におけるモデル/ミニチュア賞候補は、『インセ
プション』のHospital Fortress Destruction、『シャッタ
ー・アイランド』のWard-C/Lighthouse、『アイアンマン』
のHammer Military Drones、『エクスペンダブルス』のThe
Palace Explodes
 実写映画における合成賞候補は、『インセプション』の全
体、『ヒアアフター』の津波シーン、『トロン/レガシー』
の全体、『アリス・イン・ワンダーランド』のStolen Tarts
 以上、前回からは単独VFX賞とマットペインティング賞
の2部門が消えて、代りに短編アニメーション部門が新設さ
れ、映画関係は10部門となったようだが、この中から受賞作
の発表は2月1日に行われる。
 次回はいよいよアカデミー賞候補の発表だ。


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井口健二