井口健二のOn the Production
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2010年12月05日(日) ピラニア、ウォールS、わたしを離さないで、恋とニュースのつくり方、WE DON'T CARE、ランナウェイズ、カンフーサイボーグ+ニュース

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ピラニア』
8月1日付と10月17日付でも紹介した「青春H」と題された
企画シリーズの第3弾。
前回まではそれぞれ2作ずつの紹介だったが今回は1作品だ
け。何故そうなったのか理由は紹介されていなかったが、作
品の出来としては今回の作品が一番完成度は高いと感じられ
たものだ。
主人公は吃音症の女性。彼女は勤め先の近所の公園で、事故
で不自由になったという脚を引き摺りながら手作りの弁当を
販売している男性に恋をしているが、その想いをなかなか言
葉にすることが出来ない。
そんな彼女に元高校教師という男が近づき、男は彼女に弁当
屋の男性との仲を取り持つことを申し出る。そしてその男の
お陰で彼女は弁当屋の男性と付き合い始め、やがて2人は夢
を共有するようにもなって行くが…
吃音症の女性に脚の不自由な男性、何とも遣る瀬ない感じの
登場人物。それにもう1人の男にしても、自分を教職から追
い遣った連中に復讐すると称して、自宅で育てたピラニアを
公園の池に放流しているような屈折した男だ。
そんな、殺伐とした現代社会の中では生きて行くだけでも苦
労の多そうな人々を登場人物に選んで、現実にも起きていそ
うなシビアな物語が展開されている。それは正に現代の縮図
とも言えそうな物語だった。

出演は8月紹介『ゴーストキス』にも出ていた白井みなみ。
前作の時は脇役の1人だったが、今回は主演で身体の露出も
バッチリだ。他には2008年12月紹介『へばの』などの吉岡睦
雄、2008年のテレビ『正義の味方』などの並木幹雄らが共演
している。
監督は昨年8月紹介『行旅死亡人』などの井土紀州。脚本は
その井土監督の『犀の角』にも協力している椎名罹生。クレ
ジットでは単独になっているが、脚本家自身のサイトでは脚
本参加となっているから、多分監督との共同なのだろう。
脚本もしっかりしているし、俳優たちの演技も上記の3人に
関しては問題ない。シリーズの5作目にして一番安心して観
ていられる作品だった。

『ウォール・ストリート』
          “Wall Street: Money Never Sleeps”
1987年公開で主演のマイクル・ダグラスにオスカー男優賞を
もたらした前作『ウォール街』と同じ世界観で新たな物語を
描いた作品。
物語の発端は2001年。前作の罪で懲役8年の刑に服していた
ゴードン・ゲッコーが刑期を終えて出所してくるところから
始まる。ところが他の出所者たちが皆家族らの出迎えを受け
る中で、ゲッコーを出迎える者はいない。
そして2008年、ゲッコーは自らの経済理論などをまとめた本
を出版し、再び話題の人物になり掛かっていた。
一方、若き証券マンのジェイコブは、非営利ニュースサイト
を運営する女性ウィニーと交際していたが、彼女こそはゲッ
コーの娘で、残された唯一の家族だった。しかし彼女は、父
親の存在を認めようとしなかった。
そんな折、ジェイコブの務める投資会社が悪質な風評被害に
よって倒産に追い込まれ、師と仰いでいた人物をも失う事態
となる。そしてエコロジー系の投資に精通している彼には、
ライヴァル会社から高待遇での誘いが掛かるが…
実は前作を観たときには、経済の動きに関する部分がほとん
ど判らなくて、結末になっても「ええ、そんなことが罪にな
るの?」という気分だった。しかしその後の世界経済の動き
は、正にその前作に描かれた通りで、改めてその恐ろしさを
知ったものだ。
そして約30年を経ての本作では、未だに反省の色もなくバブ
ルを操作して投資家を食い物にし、浮かれて動き回る金融族
の悪辣な手法が描かれ、これを現代では、前作の当時より判
りやすく観ることが出来た。

出演は、ゲッコー役を再演のダグラスに加え、ジェイコブ役
をシャイア・ラブーフ、ウィニー役にキャリー・マリガン。
他に、ジョッシュ・ブローリン、イーライ・ウォラック、ス
ーザン・サランドン、フランク・ランジェラらが脇を固めて
いる。
脚本は、2008年『ラスベガスをぶっつぶせ』などのアラン・
ローブと、1999年『トゥルー・クライム』などのスティーヴ
ン・シフ。製作は前作と同じエドワード・R・プレスマン、
監督もオリヴァ・ストーンが再び担当した。
因にゴードン・ゲッコーは、2005年12月15日付第101回でも
紹介したForbes誌選定による「フィクション世界の大金持ち
ランキング」で、今年4月14日の発表最新版では前回2008年
版の第4位から圏外に落選していた。
これはつまり、ゲッコーは2008年の金融クライシスを乗り越
えられなかったという判断だと思われるが、本作で見るよう
に彼は見事にその危機を乗り越えてさらに大儲けもしている
ようだ。この復活劇で、次回のランキングにはまた再登場す
ることになるのかな。


『わたしを離さないで』“Never Let Me Go”
すでに10月24日付「東京国際映画祭」の項でも紹介した作品
だが、日本公開が来春に決定して改めて試写が行われた。そ
こで物語の中の時間的なポイントなどをいくつかチェックし
たので追記しておこう。
まず、この物語が我々の世界からパラレルワールドとなる分
岐点は1952年、そして1967年には平均寿命が100歳を超えた
ということが巻頭のテロップで紹介されていた。さらに主人
公自身の物語の始まりは1978年で、彼らがコテージに住み始
めるのが1985年、そして物語の中の現在はその10年後という
ことになっている。つまり1995年ということだ。
それから2度目に観ていれば当然のことだが、物語の中では
数多くの結末に向かっての示唆がされていて、事前の知識を
ほとんど無しで観た1度目の時より、細かな点でいろいろな
ことに気付かされた。

さすがに原作者が製作総指揮を務めただけのことはあるとい
う感じもした作品だった。出来れば予備知識なしで観て、そ
れからもう一度観て欲しい作品だ。

『恋とニュースのつくり方』“Morning Glory”
2004年11月紹介『きみに読む物語』などのレイチェル・マク
アダムス主演で、テレビ界の裏側を描いたロマンティックな
作品。
主人公はローカルTV局でモーニングショウを手掛け、やる
気満々の女性プロデューサー。ところが上司に呼ばれ昇進間
違いなしと向かった彼女に突き付けられたのは、「クビ」の
一言だった。
そこで発奮した彼女は、ニューヨーク発全国ネットのモーニ
ングショウに挑むのだが、採用されたのは47年の歴史だけは
あるが、企画なしやる気なしで視聴率でも最下位に沈む末期
症状の番組。
それでも彼女は、これがチャンスと意気込んで番組の改革を
目指すのだが、新たに呼び入れたベテランアンカーマンは、
ここは自分のいる場所じゃないと逃げ腰で、視聴率はさらに
下がって番組の命運はあと1週間になってしまう。この危機
を彼女は挽回できるのか…

共演は、スーザン・サランドンとハリスン・フォード。他に
2008年12月紹介『パッセンジャーズ』などのパトリック・ウ
ィルスン、『ID4』などのジェフ・ゴールブラムらが脇を
固めている。
脚本は2006年『プラダを着た悪魔』のアライン・ブロッシュ
・マッケンナ、監督は1999年『ノッティングヒルの恋人』の
ロジャー・ミッシェル。この手の作品では実績のある2人の
初顔合せによる作品だ。また製作は、2009年版『スター・ト
レック』などのJ.J.エイブラムス監督率いるバッド・ロボ
ットが担当した。
まあお話は出来過ぎだし、マクアダムスは可愛いけれどなか
なかイメージの固定しない女優で、本作でもまあ可もなし不
可もなしという程度かな。それに対してサランドンの演技は
見事で、フォードとの渡り合いでは往年のマニーメイキング
スターがたじたじとなっているのは見ものだった。

まあカップルか何かで気楽に楽しんで見るには最適の作品と
いうところだろう。それと、今年10月紹介『ゴースト』の時
に述べた脚本家の責任とは、この映画のエンドクレジットの
ような形ででも、果たしてもらいたいものだ。

『WE DON'T CARE』“We Don't Care About Music Anyway”
2009年のスイス・ロカルノ映画祭の批評家週間など40以上の
映画祭に招待され、一部では受賞もしているというドキュメ
ンタリー作品。
「東京、西暦20XX年、砂漠のようなゴミ捨て場、そこに巨大
都市の姿が垣間見える」という宣伝コピーにも誘われて映画
を観に行ったが、内容は前衛音楽をライヴで奏でるミュージ
シャンたちの活動を追った作品だった。
でもまあ、この種の音楽にも興味がない訳ではないし、結構
面白い演奏などもあって、それなりに楽しめる作品ではあっ
た。つまりまあ、20XX年は2001年でも2010年でも良い訳で、
その点で言えば宣伝コピーも間違いではないものだ。

そして登場するミュージシャンは、チェリストの坂本弘道、
ホーミー歌手の山川冬樹、ギターリストの大友良英、ターン
テーブリストのL?K?O。その他には、Numb、Saidrum、Umi no
Yeah!!、Kirihito、Goth-Trad、Hikoという名前が並んでい
た。
また、作品では東京のいろいろな風景や街角のノイズなども
フィーチャーされて、それらの映像や音声に合わせた彼らの
演奏や、彼らのライヴシーンの映像などが挿入されている。
さらに作品では、彼らが座談会のように自分たちの音楽につ
いて語り合っている場面も登場するが、そこではロッカーの
ような過激な発言はなく、政治や社会などにはある意味無頓
着に音楽を追求している姿も伺えた。
つまり彼ら演奏は前衛であり、そのスタイルは過激ではある
が、反体制というレッテルではないという辺りのもののよう
だ。とは言え、自分の頭を拳で叩いたり、チェロの支えの金
属棒にグラインダーを当てて火花を散らしたり…。
ただしそれらの演奏は、それなりに観ていて面白かったし、
まあ僕的には気分を害するものではなかった。もちろん純粋
に音楽をしている人たちには眉を顰たくなる様なものではあ
ろうが、それが前衛と言うことにもなるのだろう。
監督は、1979年生まれソルボンヌ大学で学んだというセドリ
ック・デュピールと、1981年生まれ東京の映画美学校で学ん
だというガスパール・クエンツの2人。
デュピールはソルボンヌ時代にインドに行き、これも共同監
督で製作した作品の評価が高いようだ。一方のクエンツは長
編作品は初めてだが、以前には『チンピラ・イズ・ビューテ
ィフル』なんていう短編作品もあるとのことだ。
なお本作の公開は、来年1月15日から東京渋谷ユーロスペー
スにてレイトショウ上映されるものだが、その前に公開記念
のライヴ・イヴェントの企画もあるようだ。

『ランナウェイズ』“The Runaways”
1976年にジャパン・ツアーも行った人気ガールズ・ロック・
バンドの実話を描いた作品。
1975年、当時15歳のジョーン・ジェットはロック・ミュージ
シャンを目指していた。しかし当時のロックは男のもので、
黒の革ジャンにジーンズ姿でギターを習いに行っても女には
ロックは教えないの一点張り、持参のエレキをアンプに繋ぐ
とも許されなかった。
そんなジョーンがプロデューサーのキム・フォーリーに出会
い、ガールズバンドの可能性を直感したフォーリーは同じ境
遇にいたドラマーのサンディを紹介。そしてギターのリタ、
ベースのロビンらを集めてバンドの練習が開始される。
一方、シェリー・カーリーは恵まれない家族環境の中で自分
自身に違和感を感じていた。そんな彼女をキムが見出し、廃
車のトレーラーで練習していたバンドに紹介。その場の即興
で作られた『チェリー・ボム』を歌いこなしたシェリーは、
ヴァーカルに採用される。
こうして、ロック界初とも言われる全員10代の少女たちによ
るバンドが結成される。ところがその練習たるや、演奏中に
餓鬼たちが空缶を投げ付けるといった過激なもの。しかし初
の全国ツアーに出たときには、演奏中に罵られても挫けない
精神力が養われていた。
そして翌年にはマーキュリーレコードと契約、UKツアーや
ジャパン・ツアーも実現する人気バンドとなって行くが…。
その陰では、シェリーにばかり人気が集まることへの確執も
生まれていた…、というランナウェイズの真の姿が描かれて
いる。

原作は、シェリー・カーリーの自叙伝“Neon Angel”による
もので、バンドを脱退後は女優から、現在はアーチストに転
身、さらに自分の経験を活かしたカウンセラーの仕事もして
いるというシェリーの想いが詰まった作品でもある。
そしてその映画化では、ジョーンに『トゥワイライト/サー
ガ』のクリステン・スチュアート、シェリーにその『トゥワ
イライト/サーガ』にも出演のダコタ・ファニングが扮し、
2人の10代スターが見事な共演を見せている。
特にスチュアートは、劇中演奏される12曲の楽曲全てのギタ
ーを自演で演奏している他、製作総指揮も務めたジョーン・
ジェット本人が自分の歌声と聞き間違えるほどの見事な歌唱
を披露。またファニングもシェリーの歌を完璧に歌い込んで
いるものだ。
他には、マイクル・シャノン、スカウト・テイラー=コンプ
トン、アリア・ショウカット、ライリー・キーオ、ステラ・
メイヴらが共演。
脚本と監督は、イタリア出身でMTVなどの実績の高いフリ
ーリア・シジスモンティが初の長編作品に挑戦。女性らしい
細やかさでガールズバンドの全てを描いている。

『カンフーサイボーグ』“机器侠”
この作品も、2009年10月23日付の「東京国際映画祭」の中で
1度紹介済みなので、今回はその再録と新たな情報の追加と
したい。まずは再録から。
『トランスフォーマー』から着想したと思われる香港製VF
Xアクションコメディ。危険な任務を人間に代って遂行させ
るために開発されたロボット警官の第1号を巡る物語。
主人公は職務に忠実な熱血型の刑事。ある日のこと彼の相棒
として新たに人工知能を装備して開発されたロボット警官の
第1号が配属される。ただし、その警官がロボットであるこ
とは機密条項とされ、その事実を知るのは彼だけだった。
そんなロボット警官は途轍もない能力を発揮して任務を遂行
して行くのだが、一方、占い師にデザインさせたというルッ
クスでは婦人警官たちの人気の的にもなって行く。
そんなロボット警官がうらやましくもある主人公だったが、
そこに同じく開発されたばかりのロボットが逃亡したとの連
絡が入る。その逃亡ロボットは、「人間がその造り主の神を
疑うのなら、ロボットも人間を疑う」と言い放ち人間に闘い
を挑んでくる。
基本的にはロボット3原則に縛られているようではあるが、
そこに神との問題を絡めてきた辺りは中々なものだ。ただそ
のお話は別としてVFXでは、ロボットから乗物に変身する
などの展開は如何にも香港映画という感じで、ニヤニヤしな
がら観てしまった。
ただ、完全なハッピーエンドにしないのは最近のオタク文化
の悪影響も感じるところで、そんなウジウジした話は日本ア
ニメだけで沢山だという気分にもなる。娯楽映画は普通にハ
ッピーエンドで良いと思うのだが…

主演は、『レッドクリフ』にも出ていたフー・ジュンと、人
気歌手でもあるアレックス・フォン。監督は、『カンフー・
ハッスル』のプロデューサーで、チャウ・シンチーの盟友で
もあるジェフ・ラウが担当している。
なお、映画の中はロボットという言葉が主に使われていて、
邦題の『サイボーグ』には多少引っ掛かるところだが、もし
かすると…というところはあったようだ。
以上が以前の紹介文だが、今回のプレス資料によると主人公
は村の警察署の署長だった。まあ物語の設定ではその方が意
味が通るだろう。またヒロイン=素梅役のスン・リーは、中
国本土で人気の高い女優で、2006年2月紹介の『SPIRI
T』ではジェット・リーに続く配役表2番目=月慈の役で出
演していたようだ。
        *         *
 今回のニュースは、最近ちょっとサボり気味だった記者会
見の報告を纏めてしておこう。
 まずは11月紹介『ソウル・キッチン』に関連してファティ
・アキン監督の来日記者会見があった。
 この会見は出席者の人数も少なくて、アットホームな感じ
だったが、途中で質問が途切れそうになったので、脇役で出
ていたウド・キアーについて質問してみた。すると監督は予
想以上の食い付きで名優の人柄について語ってくれた。
 それによると監督は、以前にハリウッドを訪れた際に当地
に住んでいるキアーに会ったのだそうだ。それで非常に歓迎
してくれて友人になれたとのこと。
 そして今回の配役は当て書きした訳ではないが、脚本を書
き上げて配役を考えていて、「そうだウド・キアーがいるじ
ゃないかと思い付き、オファーをしたら喜んで出てくれた」
とのことだった。また「彼の撮影期間は3日間だったが、そ
れは至福の時だった」とも語ってくれた。
 さらにキアーからは本のプレゼントを貰ったそうだが、そ
れは詩集と世界地図(アトラス)で、そのアトラスはクレー
ンがなければ運べないほど大きなもの。そして監督は、「僕
は旅が好きだが、彼にそのことは話していない。それで何故
アトラスを選んでくれたのか判らないが、もしかしたら彼は
現代に生きる魔法使いなのかも知れない」との意見だった。
 なお僕はいつもの癖で、キアーに関しては「ドラキュラを
演じていたときからの好きな俳優」と前振りをしたが、監督
からは「ヴィム・ヴェンダースやフォン=トリアー作品に出
ている名優」と返されたもので、今年37歳の監督にはそうな
んだろうなあという感じだった。
 因に監督の次回作は、世界を半周するくらいの作品になる
かも知れないとのことだ。
        *         *
 続いて『トロン/レガシー』の監督と製作者、主演女優の
来日記者会見も行われた。こちらは未だに本編の試写も観せ
て貰えない状態で、会見に行っても質問はできない状態だっ
たが、宣伝担当者から質問を要請されてしまった。
 それで用意された質問は技術的な話だったが、何故か同じ
質問を先の人にされてしまい、急遽今回製作総指揮を務める
前作の監督のスティーヴン・リスバーガーと前作に続いて出
演したオスカー俳優のジェフ・ブリッジスについて製作者の
ショーン・ベイリーに聞いてみた。
 するとベイリーは、「リスバーガーは兎に角チャレンジし
ろと言ってくれた。選択肢があったらよりリスクの大きい方
に向かって進めとね。だから3Dにも挑戦したし、ヴィジュ
アルや音楽も挑戦できた」とのことだった。それと「ブリッ
ジスに関しては、光栄と言う他になく。お陰で彼には2役も
演じて貰ってしまった」とのことで、製作者にも喜んで答え
てもらえた感じだった。
 ディズニー作品の記者会見では、今年はティム・バートン
の会見に呼んで貰えなかったのが残念だったが、出来れば今
後も監督や製作者のその作品に対する拘わりに付いて聞いて
行きたいと思っているものだ。
        *         *
 最後に、アカデミー賞長編アニメーション部門の予備候補
が発表され、今年は“Cats & Dogs: The Revenge of Kitty
Galore”“Toy Story 3”“The Legend of the Guardians:
The Owls of Ga'Hoole”など15作品が選ばれたが、その数が
16に満たなかったため、最終候補は3本になるとのことだ。
 なお予備候補には2009年7月紹介『サマー・ウォーズ』も
入っているが、12月中にロサンゼルス地区で公開されれば、
権利があるようだ。


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井口健二