| 2010年09月26日(日) |
ラスト・ソルジャー、シチリア!シチリア!、リミット、神の子どもたちはみな踊る、カウントダウンZERφ、Looney Tunes+製作ニュース |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※ ※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※ ※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ラスト・ソルジャー』“大兵小将” 紀元前227年の中国、春秋戦国時代を背景にしたジャッキー ・チェン原案・製作総指揮・武術指導・主演による作品。 諸侯が領地を奪い合い、各地で戦いが絶えなかった中国の戦 国時代。その時代の中で鳳凰山に攻め込んだ衛の軍勢が梁の 軍隊の待ち伏せに遭い、両軍は激しい戦闘の末に互いにほぼ 全滅してしまうという出来事が発生する。 ところがその戦場で、1人の梁の兵士が戦闘中は死んだ振り をして過ごし、戦いが終わるや起き上がっていろいろ物資を 漁り始める。そしてその兵士は、あろうことか深手を負って 戦う術のない衛の将軍を見付けてしまう。 そこで、敵将を生きたまま連れ帰れば多額の報奨金が貰える と考えた兵士は、将軍を治療しつつ帰国の道を辿り始める。 しかしそこには山賊と化した農民の群れや謎の美女、さらに は衛の捜索隊なども徘徊している。しかもその捜索隊は将軍 の救出ではなく暗殺を狙っていた。 こうして、名もなき兵士と敵将という不釣合いな2人の旅が 始まるが、本来は農民で戦いのない世界を願う兵士と、戦場 は名誉を全うする場所とする将軍の考えはことごとく対立。 それでも迫り来る難局には2人の協力も必要になって… この兵士にチェンが扮し、敵将役を台湾出身のミュージシャ ンで、2007年アン・リー監督『ラスト・コーション』などに 出演のワン・リーホンが演じている。他に、韓国出身で中国 で活躍するソロダンス・アーティストのユ・スンジュンらが 共演。 監督は、2008年に発表したアクションコメディがチェンの目 に留まり、CMの撮影などに起用されていたというディン・ シェン。北京電影学院の出身で2001年に監督デビューしたも のの、その後も学院で演出法を学んだという俊英が初の大作 に挑んでいる。 大掛かりな戦闘シーンにはCGIも使われている感じだが、 1対1の対決シーンなどではチェンらしいちょっとコミカル でアクロバティックなアクションも随所に織り込まれ、壮大 な歴史絵巻に彩を添えている。 なお結末には、戦っていた衛、梁、両国の末路が紹介され、 戦争の空しさが見事に表わされた作品にもなっていた。
『シチリア!シチリア!』“Baarìa” 昨年10月23日付東京国際映画祭の報告でも紹介したイタリア の名匠ジョゼッペ・トルナトーレ監督による2009年の作品。 映画祭では『バーリア』の原題のまま上映された作品が一般 公開されることになり、改めて試写が行われた。 物語は、上記の報告でも書いたが1930年代から80年代までの 近世イタリア史を、シチリア島パレルモ市の郊外に位置する 「バゲーリア」の町を舞台に描いたもの。因に原題は、トル ナトーレ監督が生れ育ったこの町の愛称だそうだ。 そして映画では、監督の父親世代の人物を主人公にして、貧 しい家庭の次男として生まれた少年が、家から羊飼いの奉公 に出されたり、牛を買ってミルクの行商をしたり…。それが やがて市会議員になり国会議員に立候補するまでの波乱万丈 の人生が描かれる。 その間には、宝物が隠されていると言われる伝説の三枚岩や 怪奇な彫像の並ぶ邸宅、黒い蛇の夢に割れた卵の予言など、 いろいろファンタスティックな要素もあって、2時間31分の 上映時間をたっぷりと楽しませてくれた。 なお、上記の紹介文では2時間45分と書いたが、これは映画 祭のカタログに拠ったもので、現行の海外データベースでは いずれも2時間30分前後となっている。ただ映画祭中の上映 スケジュールでは2時間39分の時間枠だったものだが、その 辺の真偽はもはや確かめようもない。 出演は、パレルモ出身の俳優で本作が映画初主演作となるフ ランチェス・シャンナ、同じくシチリア島カターニャ生れの 国際モデルで本作が映画デビューのマルガレット・マデ。 他に、昨年11月紹介『抱擁のかけら』などのアンヘラ・モリ ーナ、2005年5月に『輝ける青春』の題名で紹介した『青春 の輝き』などのルイジ・ロ・カーショ、ベテラン女優のリナ ・サストリらが共演。 さらに2007年6月紹介『題名のない子守歌』などのミケーレ ・プラチド、2004年5月紹介『トスカーナの休日』などのラ ウル・ボヴァ、それにモニカ・ベルッチらの多彩なゲスト出 演も楽しめる。 また、根っからの映画好きのトルナトーレ監督作品というこ とで、今回も映画関係のトリビアは沢山登場するが、劇中の 主人公が収集している映画フィルムの断片の中に、『アルゴ 探検隊の大冒険』が含まれていたのはうれしかった。
『リミット』“Buried” ふと目が覚めたら砂漠に埋められた箱の中…、という極限状 態に置かれた男の運命を描いた作品。 登場人物は、イラクで生活物資の輸送に従事していた民間人 のトラックドライヴァー。ある日、業務中を何者かに襲われ て失神し、目覚めると、彼がいるのはときどき隙間から乾い た砂が流れ込む小さな箱の中だった。 そんな彼の手元にあるのはジッポとiPhone…、他にもいろい ろあるようだが、身動きもままならない小さな箱の中ではそ れを入手するのも大変だ。そしてジッポの明かりの中で主人 公は、猿ぐつわや縛られていた縄を解き、iPhoneで外部との 連絡を試みるが… 主人公はアメリカ人、背景がイラクということでは、当然、 国防総省やFBIなどにも連絡はするのだが、なかなか思う ような行動は起こしてもらえない。その内、犯人が箱の中に iPhoneを残した理由も判り始める。 埋葬した棺桶を掘り返すと、その内側が掻き毟られていたと いう話は、ホラーの題材として昔からある話だが、相手が中 東のテロリストとなると話もいろいろ捻りが利いてくる。そ んな題材を上手く描いた作品と言えそうだ。 本作で事実上の唯一の出演者となるのは、昨年8月に紹介し た『あなたは私の婿になる』でサンドラ・ブロックの相手役 を務めていたライアン・レイノルズ。狭い箱の中だけという 究極のシチュエーションの中で、見事な演技を繰り広げてい る。 脚本は、2005年に“An Uzi at the Alamo”という作品を脚 本、監督、主演で発表しているクリス・スパーリング。本作 が事実上初の商業作品と思われるが、いろいろ細かい点まで 考慮された良くできた作品だ。 そして監督はスペイン出身、2007年に“Contestante”(The Contestant)という作品が評判になり、本作でハリウッドに 招請されたロドリゴ・コルテス。緊張感の維持された演出は 見事で、次回作にはシガニー・ウィーヴァー主演作が予定さ れているとのことだ。 閉所恐怖症の人には絶対にお勧めしないが、2004年『ソウ』 で始まったソリッド・シチュエーション・スリラーの究極の 形としても見事と言える作品だ。
『神の子どもたちはみな踊る』 “All God's Children Can Dance” 『1Q84』の村上春樹が、阪神淡路大地震とオウムサリン 事件の間の1995年2月を背景として描き、2002年に発表した 連作短編集の中の1篇。その作品がアメリカ映画として映画 化された。 主人公は「神の子」と呼ばれる青年。狂信的な母親の許で、 幼い頃からそう信じ込まされて成長してきた。そして青年に なった彼には恋人もできるが、彼女がいくらせがんでも彼は 結婚に踏み切ることは出来ない。何故なら自分は「神の子」 であるから。 そんな青年の日常と、現実の父親であるかも知れない特徴を 持つ男と遭遇したことに始まる青年の行動などが描かれる。 そしてその間には、青年が成長するまでのいろいろな出来事 がフラッシュバックで提示されて行く。 そこには狂信的な母親との歪んだ関係も描かれる。と言って も、まあ何と言うかその内容はかなり雲を掴むような話で、 それが最初に書いた2つの出来事で自己の存在意味を見失っ た当時の人々の心情を描いているようだ。 出演は、ニューヨーク大芸術学部で学び現在は教鞭も取って いるというジェイスン・リュウ、『ツイン・ピークス』など のジョアン・チェン。それに、ナスターシャ・キンスキーの 娘で本作が映画デビューのソニア・キンスキー、香港生れで 『ラッシュアワー』シリーズなどのツィ・マーらが共演して いる。 脚本は2006年8月紹介『エリー・パーカー』などのスコット ・コフィ、監督はCMなどを手掛け本作が長編デビュー作の ロバート・ログバル、また製作には2009年8月紹介『脳内ニ ューヨーク』などのシドニー・キンメルと、2007年1月紹介 『バベル』などのスティーヴ・ゴリンが当っている。 原作は上記の状況下での人々の曖昧模糊とした感じが描かれ た作品とのことで、その映画化も掴み所がない感じのものに なっている。ただ映画化では舞台をアメリカに移しており、 1995年というよりは現代にも通じる作品に仕上がっている感 じだ。 上映時間は85分であまり長くはないが、何か不思議なムード の漂う作品で、原作のファンにはそんな雰囲気を楽しむこと もできそうだ。
『カウントダウンZERφ』“Countdown to Zero” 『不都合な真実』で2007年アカデミー賞の長編ドキュメンタ リー部門を受賞した製作スタッフが、今回は核兵器廃絶につ いて描いたドキュメンタリー。 オバマ大統領は今年5月に核削減計画を発表したが、本作で は、広島・長崎に至る核兵器開発の歴史から、核兵器テロの 可能性、さらには核拡散によって人類が直面している危機的 な現状などが判りやすく説明されている。 ただ、作品の最終的なテーマは核廃絶のはずだが、本作では テロリストによる核攻撃の可能性から説き起こし、その恐ろ しさが身近に理解されるよう巧みに展開されている。そこに は多少の論点のすり替えもあるが、内容の重大さを考えると それも許容の範囲だろう。 特に、オウム真理教がロシアの核兵器の購入を目論み、実際 にロシアの関係者と接触までしていたという事実は、日本人 にも他所ごとではなく感じさせるところで、この部分は日本 での宣伝には是非有効に利用して貰いたいものだ。 このようにテロから説き起こされた作品は、続いて核物質の ずさんな管理について描く。つまり現状では兵器となる量の 核物質の製造は国家レヴェルの事業だが、その管理のずさん さが個人でも必要な量を入手できる現実を描き出す。 そしてこの辺りまではテロリストとの関係も含めた話だが、 そこから本作では、北朝鮮やイランなどの国家による核拡散 の問題を描いて行く。つまりここからが本来のテーマである 核兵器の廃絶の話になるのだが、そこまでの展開が実に判り やすく描かれていた。 それに続いて本作では、1963年の映画『博士の異常な愛情』 を引き合いに偶発的な核戦争の危険についても描く。ここで は人為的なミスから自然現象、マイクロチップの不具合まで 様々な実例が示されるが、それは正に核戦争が起きなかった ことの方が偶然と言えるものだ。 というように核の危険性及びその廃絶を訴える作品だが、そ の間にはカーター元アメリカ大統領、ゴルバチョフ元ロシア 大統領を始め、ムシャラフ元パキスタン大統領、ブレア元イ ギリス首相、デクラーク元南ア大統領など様々な証言者が、 今なすべきことを語り掛けている。 日本は人類史上唯一の核兵器による攻撃を受けた国家だが、 その現状は、核兵器に対して最も無関心な国民及び政府のい る国でもありそうだ。そんな日本人の目を覚ます切っ掛けに もなって欲しい作品だ。
“Looney Tunes” 8月15日付でワーナーの新作に短編アニメーションが併映さ れていることを紹介したが、『キャッツ&ドッグズ』に併映 されていたのは“Coyote Falls”という題名の作品だった。 そして9月12日付で紹介した『ガフールの伝説』にも“Fur of Flying”という作品が併映されている。 その作品は前回と同じ“Wile E.Coyote and Road Runner” の1篇となっているが、今回は頭部に装着するプロペラ形の 飛行装置が登場するもの。これでまたコヨーテは性懲りもな くロードランナーを追い掛けるが…という展開だ。 ただ今回は、前回がキャラクターをセルアニメ風に表現して いたのに対してCGI風に描かれており、脚本家(トム・シ ェパード)も監督(マシュー・オキャラハン)も同じスタッ フなのにいろいろと試みられているようだ。因にこの2人は 今年はもう1本“Rabid Rider”というバッグズ・バニーが 主人公らしい作品も制作したとされている。 最近のシネコンでは、映画の前に予告編が上映されるのにも 文句を付ける観客が居るそうだが、昔は本編の前にニュース や短編が上映されるのが決まり事だったもの。そんな映画館 文化も大切にしたいものだ。 * * 今回、ちょっと多めの製作ニュースはキャスティングの話 題から。 まずは続報で、9月5日付でも報告した“Journey 2: The Mysterious Island”について、マイクル・ケインとの出演 交渉が最終段階に入っていると報じられた。 この作品に関しては、すでに前作からジョッシュ・ハッチ ャースンの再演と、ブレンダン・フレーザーに替ってドウェ イン・ジョンスンの出演(主人公の母親のボーイフレンドと いう役柄だそうだ)が発表されており、物語は、ジュール・ ヴェルヌ原作の『神秘島』に基づくとされているもの。それ ならケインが演じるのはネモ船長か…?となるところだが、 報道では主人公の行方不明になっている祖父とのことだ。 因に『神秘島』の映画化では、レイ・ハリーハウゼン特撮 =ダイナメーションによる作品『SF巨大生物の島』が記憶 されるものだが、今回もその巨大生物はいろいろ登場するよ うで、情報ではケインが巨大な蜜蜂に追い掛けられるという アクションシーンも予定されているとか。 撮影は3Dで10月から開始の予定になっており、ケインの 出演も直に正式発表となるだろう。出来ればハリーハウゼン に敬意を表した作品にもなって欲しいものだが… * * お次は、6月6日付で報告した“Sherlock Holmes 2”に 関して、日本でも今年公開された『ミレニアム』シリーズに 主演したスウェーデン女優ノオミ・ラパスの出演が発表され ている。 この続編に関しては、前作からホームズ役のロバート・ダ ウニーJr.、ワトソン役のジュード・ロウ、イレーネ役のレ イチェル・マクアダムスらの再演がすでに報じられているも のだが、そこに新参加するラパスの役柄は果たしてホームズ の敵か味方か。物語の詳細は一切明かされていないが、一部 にはフランスのジプシー役との噂もあるようだ。 この他、宿敵モリアティ教授の配役も気になるが、さらに ホームズの兄マイクロフトが新登場するとの情報もあり、ガ イ・リッチー監督の再登板で年内撮影開始、2011年12月全米 公開を目指す新作には、いろいろ興味が湧くところだ。 * * 一方、ラパスがリスベット・サランデルに扮したスウェー デン映画“Man som hatar kvinnor”に対しては、『シンド ラーのリスト』のスティーヴン・ザリアン脚本、デイヴィッ ド・フィンチャー監督によるハリウッドリメイク“The Girl with the Dragon Tattoo”が進行中だが、そのリスベット役 に、今年5月9日紹介の『エルム街の悪夢』に主演していた ルーニー・マーラの起用が発表されている。 因に、リメイクでも注目を浴びそうなリスベットの配役に は、女性パンク歌手なども含めていろいろな候補が噂されて いたものだが、2012年のオスカー候補も狙えるとされる役柄 には、それなりに実績のある女優が選ばれたようだ。とは言 えオリジナル版を観ても相当に体当たりの演技が要求される 役柄だが、ラパスより6歳若いアメリカの女優にもオスカー を狙えるような演技を頑張ってもらいたい。 その他には、主人公ミカエル・ブルムクヴィスト役にダニ エル・クレイグ、ミカエルを雇うマルティン・ヴァンゲル役 には『天使と悪魔』などのステラン・サースガード、編集長 のエリカ・ベルジェ役にロビン・ライトらの主要キャスティ ングも発表されており、こちらは2011年12月21日の全米公開 を目指して、今秋スウェーデンでのロケーションから撮影が 開始されるようだ。 * * もう1本は、アルフォンソ・キュアロン監督が進めている “Gravity”と題された宇宙SF作品で、主人公の女性宇宙 飛行士役の女優選びが難航している。 実はこの作品については、今年の春頃から情報は挙がって いたのだが、当初主演にはアンジェリーナ・ジョリーが予定 されていたものの、ここで書こうとした矢先に降板が判明。 そのため紹介の機会を逸してしまった。ところが最近その配 役に、スカーレット・ヨハンソン、ブレイク・ライヴリー、 ナタリー・ポートマン、さらにサンドラ・ブロックといった 名前まで挙がってきている。 脚本は、キュアロン監督と2008年12月に紹介した『パッセ ンジャーズ』などのロドリゴ・ガルシア、それに監督の息子 のジョナスが手掛けたもので、何かの事故で主人公以外の乗 員が全員居なくなってしまった宇宙ステーションを舞台に、 そこでのサヴァイヴァルが描かれるようだ。 なお製作はワーナーで、製作費は8000万ドルが計上され、 3Dでの撮影が予定されている。また共演者にはロバート・ ダウニーJr.が先に発表されているものだ。 そして当初はアンジーが主演することになっていたものだ が、脚本の改訂中に監督サイドとの意見が一致しなくなった とのことで、現在は共演者も脚本も決まった状態で主演女優 捜しが行われている。したがって、撮影にはダウニーJr.の スケジュールなど、いろいろ制限が生じそうだが、ワーナー としては2012年の全米公開を期待しているようだ。 * * 最後に新規の情報を1つ。 ペンギンブックス傘下のダットン・ジュヴナイルから11月 30日にハードカヴァーで出版されるアリー・コンディ原作の “Matched”と題されたヤングアダルト向け未来小説につい て、ディズニーがパラマウントとの争奪戦の末に、その映画 化権を獲得したようだ。 この小説は、元は高校の英語教師で既婚、3人の子持ちと いう女性作家の処女作のようだが。その物語は社会によって 職業や結婚相手、死ぬ場所まで決定されるという未来社会を 描いたもの。主人公は18歳の誕生日に行われる儀式によって その全てが決定されるはずだったのだが、それがなぜか三角 関係を生み出してしまう…、となっている。 物語の前半だけ読むとデストピアもののように観えるが、 後半まで読むとその社会が三角関係を生み出すようで、主人 公がそれに順応しているのなら、それはデストピアでもなさ そうだ。因に、アメリカの芸能紙の報道では、ディズニー版 “Twilight”という言い方もされていたが、確かに三角関係 に縺れ込む辺りは、そういうことにもなる。 そしてディズニーでは、この映画化の製作を昨年4月紹介 『セブンティーン・アゲイン』や、今年5月紹介『ラスト・ ソング』などを手掛けたジェニファー・ギボットとアダム・ シャンクマンのコンビに任せており、まさにヤングアダルト 向けの作品が誕生しそうだ。 なお原作は3部作になる予定とのことで、原作者は来年の 秋に出版される第2巻の原稿もすでに執筆中。ディズニーで は当然映画のシリーズ化も期待しているものだ。
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