井口健二のOn the Production
筆者についてはこちらをご覧下さい。

2010年08月01日(日) making of LOVE、ゴーストキス、ANPO、美人図、ナイト&デイ、メッセージ、キャッツ&ドッグス、純情+製作ニュース

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『making of LOVE』
「青春H」と題し、セックスと青春という括りのみで気鋭の
監督に作品を作らせるという企画シリーズ第1弾の1作目。
2006年に沢尻エリカ、小栗旬の共演で『オトシモノ』という
作品のある古澤健監督が、原案・脚本・編集・出演も兼ねて
制作した。
映画製作の裏を撮影するmaking videoを模した構成で、フル
サワ監督が自主製作していた作品の失敗に至る顛末がちょっ
と捻った展開も含めて描かれる。その作品は、撮影途中で主
演男優が失踪して頓挫したというのだが…
監督のフルサワ達は「愛」をテーマにした自主映画の制作を
進めていた。しかしヒロインを務める女優が見付からず苦慮
していたところで、1人のすれ違った女性に目が留まる。そ
の女性はヴィデオカメラで連れの男性を撮影していた。
そこで映画にも興味の在りそうな彼女をフルサワは仲間に引
き込もうとするのだが…。彼女が撮り貯めたVHSテープを
デッキを所有する主演男優の部屋に持ち込んだとき、彼女は
意外な行動を始める。
一方、VHSテープの検証を続けたフルサワは被写体に知人
の男性がいることを発見し、その知人に会いに行くが、その
男性は何故か相手の女性のことを一切記憶していないことが
判明する。
その間、主演男優と女性はつきあいを続けていたが、男優が
セックスを迫っても彼女はやんわりと拒否を続けていた。そ
して主演男優は、過去の家出事件のことを思い出す。それは
彼の記憶では3日間の家出だったが、家族は1年いなかった
と証言していた。
と言った具合に、徐々に不思議な雰囲気が漂い始める作品に
なって行く。
映画の製作は円谷エンターテインメントが担当しているが、
別段それが要求されている訳ではないようだ。でもまあそれ
的なお話にはなっている。ただ、後半の合成シーンは円谷に
してはちょっと…という感じで、その辺はもう少し何とかし
て欲しかったところだ。(と書いたら、あの円谷とは無関係
の別会社との指摘があった。時間が出来たら修正します)

主演は、グラビアモデルの藤代さや。グラビアモデルの初脱
ぎというのも本シリーズのコンセプトであるようだ。他に、
2003年3月紹介『武勇伝』に出ていたという川上洋一郎、日
本代表と戦ったこともあるバトミントン選手ということで話
題になった元AV女優の佐伯奈々らが共演している。

『ゴーストキス』
「青春H」と題し、セックスと青春という括りのみで気鋭の
監督に作品を作らせるという企画シリーズ第1弾の2作目。
2009年7月紹介『白日夢』で愛染恭子との共同監督を務めて
いた[いまおかしんじ]の脚本・監督・編集による作品。
キャバクラ嬢の住むマンションの一室がお話の舞台。ある晩
のこと彼女が帰宅すると突如地震に見舞われ、その時から部
屋でおかしなことが起こり始める。部屋のトイレから見知ら
ぬ女子高生やその他の男たちが出現してきたのだ。
しかし彼らは部屋から外には出られないようで、玄関を飛び
出してもトイレから戻ってきてしまうという状況。しかも主
人公の同棲相手の男にはその姿は見えない(手を出せば物理
的な衝撃は与えられる)ようだった。
そして彼らは勝手に主人公の部屋を物色し、酒を見付けて宴
会を始めたりしてしまうが、その一方で主人公の同棲相手の
浮気の証拠を彼女に報告したりもする。そんな中で最初に現
れた女子高生には何か心に秘めた思いがあるようで…
つまり出現したのはあの世の幽霊で、地震のせいであの世と
この世が繋がってしまったということ。ただしその現象には
タイムリミットがあって、それまでに女子高生がこの世に残
した思いを遂げられるか…という展開になる。
まあお話は有り勝ちだが、それなりの捻りもあって楽しむこ
とはできた。ただ監督にはもう少し演技指導を期待したいも
の。本作では何となく演技がぎこちなくて、それで興を削が
れる感じがあったのは残念なところだった。

出演は、AV女優の春野さくらと、ネットで調べるとかなり
際どいDVDにも出演している白井みなみ。他には舞台俳優
や俳優養成所出身者、それに『白日夢』の出演者などの男優
たちが脇を固めていたようだ。
まあ、演技の訓練を受けていない女優を使う難しさはあるの
だろうが、そこを何とかするのも監督の仕事だろう。それに
白井にはもう少し大胆な演技が期待されたはずで、その辺は
多少もったいなくも感じた。

なお、今回紹介した「青春H」の2本は、8月28日から9月
10日まで東京のポレポレ東中野にて交互に日替りレイトショ
ウで上映され、その間にイヴェントの開催も予定されている
そうだ。

『ANPO』“ANPO: Art×War”
京都生まれで日本育ち、現在はニューヨーク在住で日本映画
の英語字幕の翻訳などを手掛けているリンダ・ホーグランド
という女性が、1960年安保闘争を中心に戦後の日米関係を検
証したドキュメンタリー。
僕自身が1970年安保世代で、全学連が占拠封鎖した母校に機
動隊が突入したときには、新聞部の連中に誘われて校舎の屋
上から戦況の記録などもしていた人間だったもので、従って
安保にはそれなりの思い入れもあり、興味深く作品を観るこ
とができた。
その本作では、1960年前後に描かれた絵画の検証に始まり、
『仁義なき戦い』や『火垂の墓』などのフィルムクリップ。
さらに60年安保闘争を撮影した記録映像なども織り込んで、
当時を記憶する人々へのインタヴューなどが綴られる。
そのインタヴューには、横尾忠則や加藤登紀子といった人た
ちを始め、現在の沖縄で基地問題に取り組んでいる住民や、
横須賀どぶ板通りで風俗の写真を撮り続けている女性カメラ
マンなども登場する。
その一方で本作では、安全保障条約そのものの問題点につい
ても検証し、A級戦犯だった岸信介が首相になって日米安全
保障条約を改訂・恒久化するに至った経緯や、それを実現し
たCIAの働きなどにも言及する。
ただこれだけの内容を89分に納めたのはかなり駆け足の感じ
もして、安保についてそれなりの知識を持っている我々世代
の観客にはこれでもよいが、作品の中にも登場する修学旅行
生のような子供たちに理解して貰えるかどうかは多少心配に
なった。
とは言え、日本のマスコミがほとんど口を噤んでその実態を
検証することもない安保の問題を作品にしてくれたことは嬉
しかったし、一方、監督自身が言っているアメリカ人の理解
とは異なる占領の実態などを彼らの国民に知らせる効果も本
作にはあるものだ。
「戦後は終わった」と言っておきながらアメリカ軍の占領は
継続され、自動延長だけのはずがいつのまにか巨額の「思い
やり予算」を提供している。その辺の安保の問題点はもっと
追求すべきだが、それは日本人のやるべき仕事だろう。
なおテーマ音楽として、武満徹作曲の「死んだ男が残したも
のは」が繰り返し流れるのも印象的だった。

『美人図』“미인도”
朝鮮画壇でエロチシズムの祖とも呼ばれ、18世紀末の朝鮮王
朝に実在した宮廷絵師・申潤福(シン・ユンボク)の姿を描
いた官能歴史絵巻。
韓国で国宝に指定されている画集「惠園傳神帖」の作者とし
ても名高いシンは、1758年の生まれで、一旦は宮廷の図画署
に勤めるがすぐその職を追われたとされる他には、公式記録
にほとんど記述が無く、謎に満ちた人物なのだそうだ。
そのシン=女性という大胆な仮説を立て、シンの生誕250年
に当たる2008年に発表された小説が評判を呼び、本作もその
仮説に乗って描かれた作品ということになる。
主人公は、4代続く宮廷絵師の一家に生まれた末娘。彼女に
は類希な絵師の才能があったが、その時代に絵師は男の仕事
で女がなることは出来ず。ましてや宮廷絵師の役職に就くな
ど有り得ない話だった。
ところが彼女はある事情から宮廷絵師の道を目指さねばなら
なくなる。そこで彼女は、男装で女であることを隠し、当代
切っての宮廷絵師・金弘道(キム・ホンド)に弟子入り。宮
廷の図画署にも出入りして才能を発揮して行く。
その一方で彼女は市井の風俗にも興味を持ち、その姿を好ん
で描くようになる。その行動の中で彼女は恋を知り、それが
彼女の絵を一層深めて行くことになる。こうして「惠園傳神
帖」が描かれるが…
実際にシンが女性であったかどうかは別として、本作では、
「惠園傳神帖」の中の何点かについてその絵が描かれた経緯
などを再現しながら巧みな物語が構築されて行く。それは確
かに絵師が女性であった方が辻褄が合う様にも見える。
そんな物語が、豪華絢爛に再現された18世紀朝鮮王朝の様子
と、かなり激しい官能描写と共に描かれる。因に韓国ではこ
の官能描写も大きな話題になったようだ。

主演は、2004年『下流人生』などのキム・ミンソン、共演は
2006年『モダン・ボーイ』などのキム・ナムギル。他に、キ
ム・ヨンホ、チュ・ジャヒョン等が出演している。監督は、
2006年5月紹介『僕の、世界の中心は、君だ。』などのチョ
ン・ユンスが担当した。
なお本作は、2008年に本国で公開され4週連続興行第1位の
大ヒットを記録したもので、日本では8月21日から開催され
る「韓流シネマフェスティバル2010」でオープニング作品と
して上映された後、9月25日から一般公開される。

『ナイト&デイ』“Knight and Day”
『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズと、『チ
ャーリーズ・エンジェル』のキャメロン・ディアスの共演、
昨年6月紹介『3時10分、決断のとき』のジェームズ・マン
ゴールド監督によるロマンティック・アクションドラマ。
ふと乗り合わせた旅客機でスパイ同士の闘争が始まり、居合
わせた女性がそれに巻き込まれる。そして彼女の窮地を救っ
た男は、彼女を世界を股に掛けた冒険アクションへと導いて
行く。
前回紹介した『ソルト』が元々は男性主人公だった時に主演
をオファーされていたクルーズが、それを蹴って主演したこ
とでも注目されていた作品だが、どちらも007ばりに強烈
なアクションが展開されるスパイ・アクションだった。
ただ、どちらかと言うと『ソルト』の主人公が単独行動で、
007やジェイスン・ボーンに似ているのに対して、本作で
はヒロインとのバランスもあり、その辺がクルーズにこちら
を選ばせた理由とは考えられる。
でも、いずれにしても荒唐無稽とも言えるアクションが連続
して描かれる作品ということには変りはないのだが…
ただ本作では、それに加えてウイチタ、ニューヨーク、ボス
トンのアメリカ国内から、セビリアの闘牛祭や古都ザルツブ
ルグでの闘争劇、アルプスを走る列車内での格闘にアゾレス
諸島など、ヨーロッパ各地でのロケーションも楽しめる作品
になっている。

共演は、今年1月紹介『17歳の肖像』などのピーター・サ
ースガード、2006年11月3日付で紹介した『リトル・ミス・
サンシャイン』などのポール・ダノ、それに2008年12月紹介
『ダウト』でオスカー助演女優賞の候補になったヴィオラ・
デイヴィス。
ところで、これは映画の本編とは関係ないが、この試写会は
東京西銀座の有楽座で行われた。ところが上映中に会場の前
方ドアから出入りする連中がいて、扉が開く度に廊下の照明
が目に入り鑑賞の妨げになった。
他にもスクリーン裏に光が入っていて影が写っているのも気
になった。一般興行が同じかどうか判らないが、もしそうな
らこれには観客は文句を言うべきだろう。

『メッセージ そして、愛が残る』“Afterwards”
2004年にフランスで出版され、120万部突破のベストセラー
を記録したギヨーム・ミュッソ原作の小説“Et Après...”
からの映画化。
主人公のネイサンは敏腕弁護士だった。しかし現在の彼は幼
い息子を予期せずに亡くし、以後は自らの心を閉ざし妻と娘
も遠避けるようになっていた。そんな彼の許を1人の男が訪
れる。その男は人の死期を予見しているようで、彼の訪れに
死期を予感したネイサンは…
人間の死期を知ることの出来る能力を持った人たちが、それ
によって人々の最後を優しく導いて行く姿を描いた物語が展
開される。
映画の原題から、1998年の是枝裕和監督作品『ワンダフルラ
イフ』の英題名が“After Life”だったことを思い出した。
どちらも人の死の前後の悲しみを和らげようとする人々の姿
を描いた素晴らしい作品だ。
人の死が避けられないものとして、いつか自分も同じ時を迎
えたら、こんな風に見守られていたら良いなあとも思ってし
まう。ただ僕の時にはもう少しはっきりと伝えて貰えたらい
ろいろしたいこともあるのに…とは思うが、それはルールと
して出来ないようだ。
人の死というのは常に尊厳を持って描かれなくてはいけない
と思うが、本作はその点でも素晴らしい作品と言える。
ただし本作では、物語のプロローグにかなりトリッキーな展
開があって、途中までその意味の把握に戸惑った。でもそれ
が最終的な物語の結論にも繋がっていたようで、その点でも
納得することが出来たものだ。

出演は、2005年7月紹介『真夜中のピアニスト』などのロマ
ン・デュリス、2008年12月紹介『チェンジリング』などのジ
ョン・マルコヴィッチ、テレビシリーズ『LOST』や、今
年2月紹介『ハート・ロッカー』などのエヴァンジェリン・
リリー。
脚色監督は、フランス人で長編は3本目のジル・ブルドス。
撮影は、ウォン・カーウァイ監督の『花様年華』や昨年6月
紹介の是枝監督作品『空気人形』なども手掛けた台湾出身の
リー・ピンビンが担当している。

『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』
    “Cats and Dogs: The Revenge of Kitty Galore”
2001年公開『キャッツ&ドッグス』の続編。
太古より、犬と猫は人間のペットNo.1の座を争って戦いを繰
り広げてきた。その戦いは、人間の知らないところで彼ら独
自の科学技術の進歩も生み、地下には巨大な基地も設けられ
…という設定で、犬と猫が大活躍するアクション作品。
基本的な物語の中心は犬で、前作の時は明確に犬=善、猫=
悪という図式だった。その設定が本作ではちょっと捻りが加
えられている。それをどう取るかは、今の世界情勢の中では
多少微妙な感じもするところだ。
それは兎も角、今回もまた人間の目に触れないところで続い
ている犬と猫との熾烈な闘争が描かれる。しかも本作では、
前作ではそれなりに描かれた人間側のドラマがほとんど無く
て、ほぼ全部が犬と猫のお話になっている。
その今回のお話では、キティ・ガロアという元エージェント
猫が人間にも反旗を翻し、まずは犬を狂わせてペットの座か
ら追いやる作戦を準備する。この事態に猫側の陣営も危機感
を強め、対キティの作戦を開始するが…というもの。
そして物語の中心は、警察犬のディッグス。彼は勇猛果敢だ
がちょっとやり過ぎての失敗が続き、再訓練を受けることに
なっている。それは相棒の人間と別れて行われる過酷で辛い
ものだった。そしてディッグスが署内のケージで訓練場への
移送を待っていると…
突然、目の前の床が開いてエージェント犬のブッチが出現。
ディッグスは彼に誘われてエージェント犬の道を目指すこと
になる。その最初の任務はキティ・ガロアの追跡だったが…
ここでもディッグスは独自の能力を発揮してしまう。
それでも助っ人のシーマスやキャサリンの協力でガロアを追
い詰めて行く。

動物たちの声優は、ジェームズ・マースデン、ニック・ノル
テ、クリスティーナ・アップルゲート、カット・ウィリアム
ス、ベット・ミドラー、ロジャー・モーア、マイクル・クラ
ーク・ダンカン。いつもながらの名優揃いだが、それにして
もモーアの役名が、レーゼンビーというのは…?
他に実写の出演者では、クリス・オドネル。それに何度も犬
猫の活動に驚かされる少女役で今年3月紹介『フェーズ6』
に出ていたキーナン・シプカが出演していた。
実は前作では人間が関わっている分、戦いの跡を修復するお
掃除部隊のようなエピソードもあってそれも面白かったもの
だが、今回はそのような遊びはあまり無くて、ほぼ純粋にア
クションストーリーが展開している感じだ。それが今の観客
の要望なのかな?

(本作には8月15日付で追加の記事があります)

『純情』
先月紹介した『愛の言霊』と同様のBLコミックスの映画化
で、本作は富士山ひょうたという女流漫画家の原作に基づい
ている作品。
主人公はフリーライター。彼は高校生の時に同級生に初恋を
感じたが、あまり話もしないまま彼は転校していった。そん
な主人公が取材で出会ったのは、なんとその彼。しかも取材
の後で親密なつき合いに誘われる。
こうして再会し、愛を深め始めた2人だったが、2人の周囲
にはそれぞれ彼らのことを気に掛けてくれる人たちがいて、
その人たちとの関係が2人の間にも微妙な影を落として行く
ことになる。
基本的にBLというのはよく判らないが、全員が同性の三角
関係というのは、確かに従来の男女の恋愛を描く作品とは違
う展開を生むものにはなっているようだ。そんなことに何と
なく納得しながら作品を観ていた。

監督は『愛の言霊』と同じ金田敬。脚本は、『星空のむこう
の国』などの小林弘利の原案ストーリーからテレビ『アザミ
嬢のララバイ』などの小鶴が女子向けに仕上げている。
因に金田と小林は2008年8月紹介『春琴抄』でも組んでいた
が、そのコンビネーションは確かなものだ。この2人に『愛
の言霊』の脚本家の金杉弘子を加えた3人の名前が出ている
と、この手の作品では安心して観ていられる感じがする。
主演は、テレビ『仮面ライダー響鬼』や2005年5月紹介『逆
境ナイン』に出演していた栩原楽人。彼はNHK『竜馬伝』
で沖田総司を演じているそうだ。それに今年2月紹介『月と
嘘と殺人』などに出演の高橋優太。共演は2009年公開『カイ
ジ』などの篠田光亮。
他に、2008年の昼メロ『愛讐のロメラ』というのに出ていた
伊佐美紀、以前『おたっくビーム』という番組でキャスター
を務めていたという渡邊まき等が出演している。
プロローグで主人公のいるバス停に停車する路線バスの窓に
マイクの風防が写り込んでいた。後半の同様のシーンでは、
カメラがもう少しバスに寄って写り込みが無いようにされて
いるが、監督も気になったのかな。次からは注意してもらい
たいものだ。

        *         *
 製作ニュースは1つだけ。
 昨年6月21日付でも報告した“Total Recall”のリメイク
について、監督にレン・ワイズマンの起用が発表された。
 ワイズマンは、元は映画の美術部門の出身で1997年『メン
・イン・ブラック』や1998年『GODZILLA』なども手掛けてい
たが、2003年妻のケイト・ベッキンセールと共に作り上げた
『アンダーワールド』の監督で評判となり、その後は『ダイ
・ハード4.0』なども手掛けている。
 リメイクの脚本は、以前にも報告したように前回紹介した
『ソルト』のカート・ウィマーが執筆しており、期待ができ
そうだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


井口健二