井口健二のOn the Production
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2010年07月25日(日) 怪談新耳袋・怪奇、TENBATSU、REDLINE、夏の家族、プチ・ニコラ、ソルト+製作ニュース

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『怪談新耳袋・怪奇(ツキモノ/ノゾミ)』
怪奇な実話を全国から集めたと称する『新耳袋』は、角川文
庫版全10冊の合計が120万部を突破したという原作からの映
画化。
物語は2つあって、まず「ツキモノ」と題されたその1話目
は、主人公が通学のバスで出会った無気味な女性が、主人公
の学ぶ学園を襲って次々超常的な力で学生や先生を殺して行
くというもの。
その間に犯罪行為者の憑移などは描かれているのだが、肝心
の女性と学園あるいは主人公との因果関係が全く描かれない
ので、作品はただの殺人鬼映画。殺人鬼の行動に脅かされは
するが、例えば後で夢に観るようは恐怖は一切感じられなか
った。
「ノゾミ」と題された2話目は、若い女性が他人には観えな
い幼女の姿を夢の中や現実の世界でも観るようになり、それ
が彼女を追い詰めて行く…という物語。そこには彼女自身の
過去が関わっているようなのだが。
この作品も、恐怖という意味ではかなり疑問に感じる。実際
にこの作品で恐いと言えるのはショックシーンであって、そ
れはホラーの本質ではないし、この作品に背筋がぞくぞくし
てくるような恐怖は感じられなかった。

脚本は、昨年5月紹介『呪怨 白い老女』などの三宅隆太、
監督は2000年『忘れられない人々』や2004年3月紹介『犬と
歩けば』などの篠原誠。因に監督はJホラーの巨匠たちが一
目置く「恐怖映画の最終兵器」だそうだ。
それでなぜ一目置くかと言うと、監督が黒沢清監督との対談
集を出していたりするからのようなのだが、黒沢清監督の恐
怖映画が好きな自分としては、ショックシーンの羅列に過ぎ
ない本作はどうなの?と言いたくなった。
ショックシーンというのはお手本が数多くあって、それを忠
実になぞれば誰にでも演出できる。というかカメラマンやス
タッフキャストにお手本を観せて、こんな風にやりたいと言
えば、監督は何もしなくても出来てしまうようなものだ。
しかし恐怖シーンは、心理描写や状況描写の積み重ねだから
監督に相当の見識と力量が無くては造り出すことが難しい。
ただ本作の篠崎監督にその見識や力量が無いとは思えないの
だが、これはやはり選ばれた題材自体が恐怖映画には向かな
かったのかな。

主演は両作共に真野恵里菜。共演は、それぞれ坂田梨香子、
鈴木かすみ、吉川友、北原沙弥香、伊沢磨紀、秋本奈緒美ら
が出演している。

『TENBATSU』
2008年1月紹介『うた魂♪』や、同年12月紹介『うたかた/
震える月』などに出演の吉川まりあ、手塚治虫原作で2000年
公開の『ガラスの脳』などに出演の吉谷彩子、「2009日テレ
ジェニック」の小泉麻耶らの共演による学園ホラー作品。
学園の開かずの倉庫に仕舞われた過去の学園祭で使われた絵
馬掛けを巡って、そこで他人を呪うとその相手に天罰が落ち
ると共に自分にも仕返しがある…という学園伝説をテーマに
したお話。
主人公はホラー文学研究会に所属する女子生徒。その研究会
の仲間の1人が「ホラー文学賞」の佳作に入選し、そこから
確執が生まれ始める。一方、学園祭に向けて機関誌の企画を
練り始めた主人公たちに、学園七不思議のテーマが提案され
る。
その七不思議とは、過去の学園祭で使われたまま開かずの倉
庫に仕舞われた絵馬掛けを巡るものだったが…。主人公は、
そのときは話を一笑に付したものの、その内容は気掛かりと
なる。そして、文学賞を受賞した生徒に天罰が落ちる。
お話としては多少目新しいところも在ったかな。でも全体と
して学芸会気分というか、恐怖感のちっとも湧かない作品だ
った。でもまあ、出演者たちには経験だろうし、これで将来
伸びてくれれば、それもまた本作の価値になるだろう。
とは言え、恐怖感が全く湧いてこないのは出演者の演技のせ
いばかりとも言えないようで、実際にリズム感の無い編集や
演出には、何か渡された脚本通りに撮って、そのまま編集し
ています…という感じもして、あまり映画らしさが感じられ
なかった。
監督は、『リング』などの助監督を務めて本作で長編監督デ
ビューだそうだが、何かもう一つ映画としての工夫が足りな
い。恐らく単純なコケ脅かしなどの恐怖演出はわざと排除し
たのだろうが、そこから次の段階が観えてこないのだ。
ただ、そのコケ脅かしを排除する考え自体は正しいと思うの
で、今はホラー以外の作品を何本か撮って、それからホラー
に再挑戦してくれたら、その時はきっと良いものが出来そう
な感じもした。その期待値は在りそうだ。


『REDLINE』
2003年に発表された短編9本からなる『アニマトリックス』
の内の1本を手掛けた小池健監督による長編アニメーション
作品。
反重力装置によるエアカーが発達した未来世界を舞台に、そ
れでも4輪に拘わってレースを繰り広げる者たちを描く。
未来のレースというと、実写作品でも『マッハ Go!Go!Go!』
から『デスレース』まで様々作られているが、異惑星の荒野
を背景にしているということでは、『スター・ウォーズ:エ
ピソード1』を思い出すところだ。
そのキャラクターを模したような異星人もいろいろ登場する
作品で、そのパロディというか、オマージュといった感じで
も作られているのかな。でもまあ、主人公が思い寄せる女性
ドライヴァーや裏で糸を引く黒幕なども出てくるから、お話
は違うものだ。
脚本は、『鮫肌男と桃尻女』の石井克人の原作から、石井と
『エヴァンゲリオン』の榎戸洋司、『攻殻機動隊』の櫻井圭
記が共同で執筆したもの。ニトロを使ったりそれより強力な
燃焼剤など、アクセサリーはいろいろ用意されている。
ただ、主人公と女性ドライヴァーの関係などはもう少し描き
込めばもっと面白くできたと思うが、レースとそのアクショ
ンを描くことに力点が置かれて、心理的な点が多少おざなり
なのは残念に感じられるところもあった。

声優は木村拓哉、蒼井優、浅野忠信。木村と浅野はそうだと
思えばそれなりの感じだが、木村は兎も角、浅野のアニメの
キャラクターが本人とかけ離れているのが何となくしっくり
と来なかった。ディズニーが声優は骨格で選ぶという理由が
判ったような気もした。
それに対して蒼井は、『鉄コン筋クリート』のときの抜けた
ような声も見事だったが、今回は木村を相手にしての大人の
女の演技や、その一方で幼い頃のシーンの巧みな声色など、
これもまた聞けるものになっていた。この女優には本当に限
界がないようだ。
毒気満載のキャラクターや途中に挿入されるゲストアニメー
ターによるシーンなど、良くも悪くもマッドハウスのファン
には喜ばれそうな感じの作品で、僕には多少食傷気味なとこ
ろもあったが、多分まだファンは健在なのだろう。


『夏の家族』
フランス在住20年という日本人舞踏家・岩名雅記の脚本監督
主演による作品。
岩名の作品では2007年オランダ・ロッテルダム映画祭などで
公式上映された『朱霊たち』という作品に続く長編第2作と
のことで、本作もブエノスアイレス・インディペンデント映
画祭などで公式上映されているようだ。
異業種の監督の作品というのもいろいろ観させて貰っている
が、大体は自身の日常捉えたセミドキュメンタリーのような
作品が多い。従って、この作品もある程度はドキュメンタリ
ーかなという先入観で観ていた。
その点の本作は、モノクロ16ミリで撮影された作品全体の雰
囲気もそうだが、岩名の舞踏などのパフォーマンスも随所に
挿入されて、それなりのものとしても楽しめた。
それでいてこの作品では、物語の始まりでは画面に登場しな
い子供の声など、何か不思議な雰囲気も持っており、さらに
その子供の存在が途中からいろいろ変化し、それはそれなり
に観客を戸惑わせて、面白い展開になっていた。
ただその展開が、前後の脈絡などがあまり明確に提示されて
おらず、そこら辺が商業映画ではないかなあという感じには
なってしまう。もちろん本作は自主映画なのだし、監督には
商業映画を作るつもりはないのだろうから、それも仕方がな
いとは言えるが…。
でも、作品の全体を通してフィクションの部分には興味を引
かれたし、この方向でもっと進めてくれたら、それは商業映
画としても通用するレヴェルのように感じられた。少なくと
も商業映画として観せられる一部の作品よりは観られる感じ
がした。

ただし、今回の試写で上映されたのは海外の映画祭で上映さ
れたオリジナル版だったが、実は映画に登場する幾つかのシ
ーンは日本の法律にはそぐわないもので、このまま一般上映
をしたら警察の取り締まりは避けられない。
その点に関しては、上映前に挨拶した岩名監督もいろいろと
考えてはいるようだが、10月に予定されている一般公開がど
のようになるか、多少心配になった。
なお画面に登場しない子供の声は、2009年7月紹介『サマー
・ウォーズ』でも声優を務めていた諸星すみれが当てていた
ようだ。他には吉岡由美子、監督の前作にも出演の若松萌野
という人たちが共演している。
一般上映版を観ていないので映画の評価は下し辛いが、作品
としてはそれなりに面白く観られた作品だった。

『プチ・ニコラ』“Le Petit Nicolas”
1959年−1965年にフランスの新聞に連載された人気マンガの
映画化。2004年に出版された単行本は65万部売り上げ、フラ
ンスでは学校の授業でも使われているそうだ。
原作については一応知っていたし、特に昨年からはフランス
の映画情報を観るとやたらに評判が良くて気になっていた作
品。その作品が、日本でも一般公開されることになり試写会
がスタートした。
物語は1960年代のフランス・パリが舞台。ちょっとノスタル
ジックな風景の中で、小学生のニコラとその仲間達が騒動を
巻き起こす。その中心は、同級生に弟が生まれ、その兄は疎
外されるとの情報に、自分にも弟が出来たと思い込んだニコ
ラが…というもの。
そこで弟が誕生しても疎外されることが無いように、仲間達
の協力も得ていろいろな対策が練られるのだが…
その他、学校での授業の様子やニコラの自宅にパパの勤務先
の社長夫妻が訪れる話など、映画では何となく有り勝ちとい
えるエピソードが綴られて行くのだが、それらが何とも微笑
ましくハートウォーミングに描かれている。
そこにはちょっと生意気な学友に対する苛めのようなものも
描かれたりもするが、全体の雰囲気が何とも柔らかくて素晴
らしい作品だった。実際に映画を観ていて、久しぶりに心の
底から屈託なく笑えたような気もした。

出演の子役たちはほとんどが新人と思われるが、ちょっとす
かした感じのニコラを演じるマキシム・ゴラールを始め、原
作にそっくりの個性豊かな子供たちが登場する。
他に、ニコラの父親役は2009年7月紹介『幸せはシャンソニ
ア劇場から』などに出演し、2006年にセザール賞助演男優賞
を受賞したカド・メラッド。母親役は1992年『おかしなおか
しな訪問者』で助演女優賞受賞のヴァレリー・ルメルシュ。
また、1995年新人賞受賞のサンドリーヌ・キベルランがクラ
スの担任役を演じている。
因に、監督を務めたローラン・ティラールはフランスの映画
雑誌STUDIOの元記者で、ジャーナリスト時代にはアレンやリ
ンチ、スコセッシ等へのインタヴューも纏めているそうだ。
映画に対する広範な知識と愛情が、見事に功奏した作品とも
言えそうだ。

『ソルト』“Salt”
1999年の『17歳のカルテ』でオスカー助演賞を受賞した後も
積極的にアクション映画に取り組んできたアンジェリーナ・
ジョリーが、2008年『チェンジリング』でオスカー主演賞に
ノミネートされた後、1年を置いて主演した最新アクション
作品。
米ソ冷戦時代の落とし児とも言うべき旧ソ連KGBの放った
草の組織が、21世紀の今日に突然牙を剥き、世界を破滅の淵
へと追いやる。その中心にいるのはジョリー扮するイヴリン
・ソルト。果たして彼女は敵か味方か。
ソルトは、石油企業を隠蓑にしたCIAの組織で活動してい
た。その彼女に許に、ロシアのスパイを自称する男が送られ
てくる。そして尋問を行った彼女に、男は訪米するロシア大
統領の暗殺計画を告げ、その襲撃者はソルトと名指しする。
それは、アメリカ国内でのロシア大統領暗殺を引鉄として世
界を混乱に陥れんとするソ連時代からの悪魔の計画だった。
そこでソルトは、警備陣を混乱させてその場を脱出、ロシア
大統領が訪れる現場へと向かうのだが…
そのFBIやシークレットサーヴィスが大挙して警備する現
場に見事に潜入した彼女は、自らの目的を着実に果たし始め
る。それは彼女が悪魔の計画を遂行しているかのようにも見
えた。そして彼女が狙う次のターゲットは?
何でもありの最近のハリウッド映画とは言え、スター女優の
ジョリーが旧ソ連の手先はないだろう…と思いながらも、話
はどんどん彼女を追い詰めて行き、もはや絶体絶命という展
開が1時間40分に亙って繰り広げられる。

脚本は、2003年11月紹介『リクルート』などのカート・ウィ
マー。前の作品もかなりトリッキーなCIA内幕ものだった
が、本作はさらにそれを倍加させた感じのもの。虚々実々の
スパイ活動の中で見事なアクションドラマが展開される。
そして主演のジョリーは、2001年、2003年と『トゥームレイ
ダー』に主演。さらに2005年『Mr.&Mrs.スミス』、2008年の
『ウォンテッド』と次々アクションに挑戦してきているが、
その中でも本作は最高のアクションに挑んでいると言える。
しかもこれまでの作品が、『スミス』以外はゲームの映画化
だったり超能力ものだったり、どちらかと言うと二番煎じの
感じもしたものだったが、今回は正に新趣向満載で、彼女が
『ウォンテッド2』のオファーを蹴ってこちらを選んだのも
判る作品だ。
最近のハリウッドアクションは、どれをとっても荒唐無稽の
オンパレードだが、その中でも本作の仕掛けは抜群、しかも
それを生身の人間の設定で行っているのも新機軸と言える。
これなら観客も納得して観ていられる感じだろう。
もちろん生身の人間では絶対に耐えられないと思われるアク
ションの連続ではあるが、それが何故か納得できて仕舞うと
ころが見事だ。

共演は、2005年5月紹介『コレラの時代の愛』に出演のリー
ヴ・シュライバー、昨年11月紹介『2012』などのキウェ
テル・イジョフォー。監督は、1992年『パトリオット・ゲー
ム』、1994年『今そこにある危機』や2002年10月紹介『裸足
の1500マイル』などのフィリップ・ノイスが担当している。
        *         *
 今回の製作ニュースは新規の情報を中心に紹介しよう。
 まずはディズニーから、すでに2008年9月と昨年10月紹介
のアニメーション作品も公開されている妖精=ティンカーベ
ルを主人公にした実写によるロマンティックコメディの計画
“Tink”が発表されている。
 この計画は、『スパイダーマン1〜3』や、昨年4月紹介
『ブッシュ』に出演の女優エリザベス・バンクスが、彼女の
盟友とも言える脚本家エリザベス・ライト・シャピロの脚本
に基づいて進めているもので、その内容は秘密にされている
が、バンクスの主演も計画されているとのことだ。
 そしてこの計画には、製作者として『17アゲイン』などの
ジェニファー・ギボット、『ヘアスプレイ』などのアダム・
シャンクマン、それに『T4』などのMcGの参加も発表され
ており、ディズニーとしてはかなりの体制で計画を進めてい
るものだ。因に、バンクス自身も昨年11月に紹介した『サロ
ゲート』の製作総指揮を担当しており、ディズニーとはしっ
かりしたパイプがあるようだ。
 とは言うものの、幼さが特徴のティンカーベルにローラ・
ブッシュを演じた女優が扮するとは、妖精の国が舞台のアニ
メーションとはかなり違った雰囲気の作品になりそうだ。な
おバンクスがティンクを演じると、実写の女優では、1991年
『フック』でのジュリア・ロバーツ、2003年『ピーター・パ
ン』でのリュディヴィーヌ・サニエに次ぐものになる。
        *         *
 次もディズニーの情報で、ティム・バートン監督がボード
ゲームの“Monsterpocalypse”に基づく映画作品の計画に、
監督を前提として参加していることが報告された。
 オリジナルのゲームはマット・ウィルスンというゲーム作
家が発表しているもので、現代の地球を異次元などからの侵
略で怪獣が襲い始め、すでに大都市などは瓦礫の山となった
世界を背景に、主人公は怪獣を倒しながら生き延びて行く…
というストーリーのようだ。
 そしてこの原作から、2005年の『チャーリーとチョコレー
ト工場』も手掛けたジョン・オーガストがウィルスンの協力
の許で脚本を執筆しており、バートン監督により3Dで映画
化されるとのことだ。因に、計画はドリームワークスの製作
で進められているものだが、同社の作品の配給はディズニー
が担当することになっている。
 なお前回紹介した“Dark Shadows”と本作は、共に脚本家
の決定というよく似た製作状況に在るようだが、これからど
ちらが先行することになるか、それは脚本の上がり方次第に
なりそうだ。
        *         *
 もう1本ディズニーから、すでに2003年に一度映画化した
ディズニーランドのアトラクション“Haunted Mansion”を
再映画化する計画も発表されている。
 2003年の映画化は、ロブ・ミンコフの監督、エディ・マー
フィ主演でコメディタッチで行われたものだが、今回の計画
では監督を『パンズ・ラビリンス』などのギレルモ・デル=
トロが務め、デル=トロの発言によると、「ディズニー自身
が『白雪姫』の邪悪な女王などで描いているようなダークな
イメージで映画化する。我々は、Haunted Mansionを世界一
恐ろしい場所に仕立ててみせる」とのことだ。
 さらにディズニー側の発表では、撮影は3Dで行うことも
表明されており、また『POTC』に続く新たなシリーズ化
も期待されているとのことだ。
 1969年にアナハイムのニューオリンズスクエアで開館した
Haunted Mansionは、オーランド、東京、パリのディズニー
ランドにも建設された人気アトラクションで、2003年の映画
化も全世界で1億8200万ドルを稼ぎ出す大ヒットとなった。
しかしシリーズ化には至らなかったとのことで、今回はデル
=トロ監督が新たなシリーズ化を目指すことになるものだ。
        *         *
 最後はワーナーの情報で、1950年に連載が始まったイギリ
スの少年コミックス“Dan Dare, Pilot of the Future”の
映画化を、『タイタンの戦い』のベイジル・イワニク製作、
サム・ワーシントン主演で進めることが発表された。
 原作はイラストレーターのフランク・ハムプスンが創造し
たもので、物語の背景は1990年代、その時代にすでに宇宙に
進出した人類を襲う脅威と冒険を描いたシリーズのようだ。
一部には『バック・ロジャース』のイギリス版との呼び声も
あり、実際にラジオドラマ化やテレビ化も行われた作品との
こと。イギリス人には懐かしのドラマの再来に期待が集まっ
ている。
 ただしイワニクとワーシントンの間ではすでに“Clash of
the Titans 2”の計画が進められており、本作は進行はその
後になりそうだ。


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井口健二