井口健二のOn the Production
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2010年07月04日(日) ミレニアム2/3、愛の言霊、シングルマン、GARO、おにいちゃんのハナビ、スプリング・フィーバー、REDLINE+他

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ミレニアム2火と戯れる女』
            “Flickan som lekte med elden”
『ミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士』
             “Luftslottet som sprangdes”
昨年10月紹介した『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』
に続く3部作の第2弾と第3弾。
前作では、40年前に起きた財閥の令嬢失踪事件に端を発し、
過去の歴史に纏わる巨大な闇が描き出された。その続編とい
うことで、また巨大な闇の歴史が展開するのかと思いきや、
今回は主人公リスベット自身の過去が深く関る物語になって
行く。
物語は、前作の事件が解決した後で海外に行っていたらしい
リスベットがスウェーデンに戻ってくるところから始まる。
そのことは、前作でコンビを組んだミカエルにも伝えられな
かったが、彼女を巡って巨大な陰謀が動き出す。
そしてリスベットは、「ミレニアム」誌に新規に採用された
若手ジャーナリスト殺害の容疑を掛けられ、ミカエルたちと
の関りが再開されるのだが…。その若手ジャーナリストが追
求していた事件は、思わぬ過去の闇を暴き始める。
前作を鑑賞した後、書店に山積みされたスティーグ・ラース
ンの原作本の翻訳にはかなり食指が動いたが、本作を映画と
して純粋に楽しみたいために手に取るのを止めていた。しか
し、その続編が主人公リスベットの過去に関ると言うことは
知ってしまっていた。
という状態で本作を鑑賞したが、正しく予想を超える展開に
思わず息を呑まされ続けた作品だった。しかも前作はかなり
アクティヴに主人公たちが動き回ったのに対し、本作では、
後半に法廷シーンまで用意される緩急の展開で、その構成に
も感服した。
そして暴かれる闇の規模の大きさ。もちろんフィクションで
はあっても、その如何にもありそうな展開がぐいぐいと観客
を引きつけて行く感じの作品だ。これこそがフィクションの
醍醐味というところだろう。

出演は、前作と同じくノオミ・ラパスとミカエル・ニクヴィ
スト。ノオミは前作の奇抜なファッションも魅力だったが、
本作ではそのヘヴィなメイクは封鎖。しかし、ちゃんとその
姿が再現されるシーンがあるのもうまく構成されていた。
上映時間は2時間10分と2時間28分。合計で4時間半を超え
る大作だが、2本立てで行われた試写は、前作同様あっとい
う間に時間が経ってしまった。日本公開は9月の予定だが、
ぜひとも2作続けて観て欲しい作品だ。
それにしても、リスベットは魅力的なヒロイン像。原作者の
ラースンは亡くなっているが、原作には未発表の第4部もあ
るそうで、早くその作品も観てみたい。それに、ハリウッド
ならこの後は自由に続編が作れる条件にもなるはずで、デイ
ヴィット・フィンチャーが進めるリメイクにも期待したいも
のだ。

『愛の言霊』
紺野けい子原作のBLコミックスの映画化。同じ原作からは
2007年にも映画化があるようだが、本作の物語はそれとは独
立しているようだ。
主人公は、広告代理店のIT部門に就職した若者。通勤の都
合から実家を離れ1人生活を始めるが、その引っ越しの最中
に緊急会議で会社に呼び出される。
その会議で待ち受けていたのは、本社からの派遣で、文系出
身者の主人公には意味不明のIT用語を連発する少し年上の
男性だった。しかし、その男性の眼差しに何かを感じた主人
公は、自費でパソコン教室にも通い始め、彼の期待に応えよ
うとして行く。
一方、主人公には幼馴染みの少し年上の女性がいて、彼女は
姉貴面して彼の住まいにも乗り込んでくる。そんな彼女と本
社から来た男性が、実は以前からの知り合いだったことが判
明し、主人公の心が乱れ始める。
まだ自分がゲイと気付いていない男たちの愛の行方が描かれ
て行く。
前作との関りでは、前作の主人公が配役もそのままでパソコ
ン教室の講師役で登場し、主人公にいろいろなアドヴァイス
をしてくれるがその程度。ただ途中でちょっとだけ前作との
絡みは挿入されていたようだが、それが判らなくても問題な
い程度のものだ。
実際、僕は前作を観ていないので、上記の情報はプレス資料
から得たものだが、その資料を読む前に映画を観ていても問
題はなかった。

主演は、TV『笑っていいとも』第13代「いいとも青年隊」
の植野堀まこと、舞台「テニスの王子様」出身で、本作の主
題歌の作詞と歌唱も担当している河合龍之介。他に前作から
引き続きの齋藤ヤスカ。また2003年デビュー作の『蕨野行』
で新人女優賞を受賞した清水美那が共演している。
BL物も、以前は上映時間が70分前後で演技も学芸会程度の
作品が多かったが、本作では90分しっかりと作られていて、
内容もそれなりになってきている。脚本は、2008年2月及び
9月紹介『カフェ代官山シリーズ』などの金杉弘子、監督は
2008年8月紹介『春琴抄』などの金田敬。
因に、金田監督は前作も担当していたとのことで、脚本家の
金杉と共にBL物ではブランドのようだが、僕は2人が組ん
だ作品を観るのは初めてかな。それぞれファンタシー系も作
品も手掛けている人たちだから、次はその方向も期待したい
ものだ。

『シングルマン』“A Single Man”
昨年10月20日付「第22回東京国際映画祭・コンペティション
以外(1)」で紹介した作品が一般公開されることになり、改
めて試写が行われた。
原作は、クリストファー・イシャーウッドが1964年に発表し
た同名の長編小説で、1962年の南カリフォルニアを舞台に、
ロサンゼルスの大学で教授を務めるゲイのイギリス人男性を
主人公とした物語。
その原作を、グッチのデザイナーとしても著名なトム・フォ
ードが自ら脚色し、監督して映画化。その作品はヴェネチア
映画祭に出品されて主演のコリン・ファースが主演男優賞を
受賞。さらに作品はゴールデン・グローブやアカデミー賞の
候補にも挙げられた。
映画は、最初に雪の降り積もる交通事故現場で車から投げ出
された男性の遺体の描写から始まり、そこを訪れた主人公が
遺体に寄り添う姿が写し出される。そして物語は、その衝撃
から立ち直れない主人公が自殺の準備を進めて行く描写へと
繋げられるのだが…
実は映画祭では全く予備知識なしに映画を鑑賞して、そのシ
ーンの積み重ねがなかなか把握できなかった。しかし個々に
描写される映像が素晴らしく、単純に芸術映画として評価す
ることのできる作品だった。
しかし今回は、主人公の置かれた状況などを把握した上で見
直して行くと、その主人公の思いなどが見事に描かれ、ドラ
マとしても素晴らしい作品であることが再確認できた。特に
途中に登場するジュリアン・モーアとのシーンには心が打た
れた。
それに前回の紹介では自殺という観点で映画を観てしまった
が、この作品がそこに帰結させていないことも好ましく思え
る作品だった。その点では余りに皮肉な作品であって、その
意味での悲しみが倍加されているような感じもした。

共演は、『タイタンの戦い』に出演の後、現在撮影準備中の
“Mad Max: Fury Road”には主役級で登場する予定のニコラ
ス・ホルト。他に、2006年6月紹介『マッチ・ポイント』に
出演のマシュー・グードらが出演している。
因に、監督のフォードはゲイをカミングアウトしているとの
ことで、本作はゲイによるゲイの映画といったところだが、
もっと本質的な最愛の人を失った悲しみを描いた作品として
素晴らしかった。
なお、前回の紹介では画質のことを気にしたが、今回の試写
ではそのような問題はなかった。昨年の映画祭では他にも画
質に難のあることが多くて、いくつか指摘したがこれもその
一例だったようだ。ただ他とは傾向が違ったので、製作者の
意図なのかどうかの判断もできなかったが、ディジタル上映
でのこの種の問題は早く解消してもらいたいものだ。

『GARO THE MOVIE 3D:
               RED REQUIEM』
テレビ東京系列の深夜枠で、2005年10月から2006年3月まで
全25話放送された特撮番組『牙狼<GARO>』からの3D
劇場版。
2001年に放送された『鉄甲機ミカヅキ』などの特撮映像クリ
エーター雨宮慶太の原作監督による作品で、ホラーと呼ばれ
る人間の邪心に取り憑く魔獣が蔓延る世界を背景に、その魔
獣を退治する魔界騎士と呼ばれるダークヒーローの活躍を描
く。
先のテレビシリーズで活躍した主人公が再登場し、新たな魔
獣に襲われた港町を巡って、その町を守って来た魔界法師と
呼ばれる者たちと、そこに現れた伝説の魔界騎士の活躍。そ
こに生じる確執などが、CGI・VFXを多用したアクショ
ンドラマで展開される。
魔獣ホラーの気配を追ってその男は港町に現れた。しかしそ
の町には強力なホラーの痕跡はほとんど感知されていなかっ
た。
そんな町中で魔界法師たちが一体のホラーの正体を見破り追
い詰めていた。しかし相手もそこそこに強力で多少手子摺っ
ていたとき、そこに現れた1人の男が伝説の黄金の騎士に変
身してそのホラーを倒してしまうのだったが…
その黄金の騎士の男は、より強力なホラーがその町のどこか
に潜むとして魔界法師たちに協力を求める。しかし3人の法
師の内の1人は、彼との協力を拒否して自らそのホラーを倒
してみせると宣言する。
やがて、怪しげなクラブに潜むホラーの居所が判明するが、
そこには魔界騎士をも危うくする罠が張り巡らされていた。
物語自体はこの手の作品では有り勝ちな展開で、特に目新し
いとは思わなかったが、元々が深夜番組ということで、それ
なりに人間の欲望など大人向けのテーマは取り入れられてい
る。しかも本作はR−12指定ということでそれなりのシーン
も登場する。

主演は、テレビシリーズと同じく小西遼生(番組放送後に改
名)。共演は元新体操選手という松山メアリ、影山ヒロノブ
(声優)、斎藤洋介、倉貫匡弘。また敵役には笠原紳司、江
口ヒロミ。さらに津田寛治、中尾彬らが脇を固めている。
アクション監督をアメリカ版『パワー・レンジャー』などの
横山誠が担当し、実写部分のワイアーアクションからCGI
を駆使したアクションまで見事に描いている。特に、松山の
特技を活かしたアクションはなかなかのものだった。
それに3Dの効果も、妙なケレンもなく的確に描かれていた
ように思えた。R−12指定ということでもあるし、大人の鑑
賞に耐える作品にはなっていたようだ。

『おにいちゃんのハナビ』
毎年9月9日に新潟県小千谷市片貝町で行われ、世界記録の
四尺玉花火が打ち上げられることでも有名な片貝まつり。そ
こで取材されて2005年に放送されたテレビドキュメンタリー
に基づくドラマ作品。
片貝まつりで打ち上げられる花火は、町民たちが子供の誕生
や、その年に逝った家族への追悼、さらに学校の同窓生同士
が成人や還暦を迎えた節目などに、それぞれの思いを込めて
神社に奉納しているものなのだそうだ。
そんな片貝町に住む主人公の一家は、東京から娘の喘息の療
養をかねて引っ越して来た。しかし病身でありながら活発な
妹はすぐに友達もできて新生活に馴染むが、成績優秀だった
兄は馴染めず、妹が退院してきた日も部屋に引き籠もったま
まだった。
そんな兄を心配する妹は、兄を町に誘い出したり、花火を打
ち上げる同窓生の仲間に紹介したり、アルバイトを始めさせ
るなど引き籠りからの脱却を画策するが…。その一方で、妹
の病状は着実に進行していた。

出演は、今年は1月に紹介した『ソラニン』など出演作5本
が公開されるという高良健吾と、2008年6月紹介『コドモの
コドモ』などの谷村美月。他に、大杉蓮、宮崎美子、塩見三
省、佐藤隆太、佐々木蔵之助らが脇を固める。
監督は、テレビ『心療内科医・涼子』で民放連優秀賞を受賞
した国本雅広。脚本はテレビ『怪物くん』などの西田征史。
因に、国本は劇場用映画の監督は初めてだそうだが、演出は
そつなくこなしていた感じだ。
物語自体は難病物だが、そこからの展開が片貝まつりという
背景や、さらに引き籠りなどの要素も加えて見事に描かれて
いる。特に花火との関わり方は、元々がそこから始まった作
品だけに心を打たれるものになっていた。

さらに劇中で紹介される色とりどり、仕掛けも様々な打ち上
げ花火の見事さ。中でも直径800mにも及ぶとされる四尺玉
の豪快さ華麗さには、大画面で観るだけの価値があるとも言
えそうな作品だった。
なお主題歌を、藤井フミヤが書き下ろしで提供。また本作は
今年6月に開催された上海国際映画祭で「日本映画週間」の
オープニングを飾ったそうだ。

『スプリング・フィーバー』“春風沈醉的晩上”
2008年5月紹介した『天安門、恋人たち』のロウ・イエ監督
による2009年作品。
前作の2006年カンヌ映画祭での強行上映から5年間の映画製
作禁止処分を受けた監督が、その解除を待たず、正にゲリラ
的手法で中国の古都南京を舞台に撮影製作した作品。しかも
その内容では中国政府が忌み嫌うゲイの姿が描かれている。
何とも挑戦的な作品だし、それだけで話題性は充分といった
感じだが、物語の展開としては自然だし、特に最近のインデ
ィペンデンス映画の傾向から言えば特別なものではない。む
しろその物語が巧みに作られていたと言える作品だ。
開幕は、雑木林の中の小屋で激しく身体を求め合う2人の男
の姿。その2人が事を終えて帰ろうとしたとき、1人の男が
彼らとすれ違う。その男は町で私立探偵の様なことをしてお
り、彼は学校教師の女性の依頼で彼女の夫の浮気調査をして
いた。
こうして夫の浮気相手が男性だったという事実を知った女性
と、その夫、浮気相手、さらに探偵とその恋人も巻き込み、
様々な人間模様が描かれて行く。それは画一的な社会の中で
翻弄される人々の物語だ。
前作『天安門』の時も、歴史的な事件を背景にしながら、そ
こでの人間の普遍的な営みが描かれていたが、今回もゲイと
いう中国政府には受け入れられないテーマを扱いながら、そ
こに描かれるのは、ある意味、人としては自然な営みなのか
も知れない。
そんな本作は、センセーショナリズムと現実的な事物の捉え
方が巧みに融合された作品とも言えそうだ。脚本は、前作を
監督と共同で手掛け、本作でカンヌ映画祭の脚本賞に輝いた
メイ・フォン。
因に、イエ監督の最初のアイデアでは浮気相手はゲイではな
かったが、脚本家との議論の中でそのテーマが浮かんできた
とのこと。本作の主要な部分はこの脚本家によるところが大
きいようだ。
また脚本家は撮影現場に立ち会い、その場の雰囲気でどんど
ん手直しを行ったとのこと。さらに撮影には家庭用ディジタ
ルヴィデオカメラを使用し、オートフォーカスや自動露出も
利用して自由な撮影を行ったとのことで、そんな自然さが作
品にも現れている感じだ。
なお、出演者は日本に馴染みのない俳優が中心だが、監督は
彼らに、『真夜中のカーボーイ』と『マイ・プライベート・
アイダホ』を観せて作品への理解を求めたそうだ。


『REDLINE』
2003年に発表された短編9本からなる『アニマトリックス』
の内の1本を手掛けた小池健監督による長編アニメーション
作品。反重力装置によるエアカーが発達した未来世界を舞台
に、それでも4輪に拘わってレースを繰り広げる者たちを描
く。
未来のレースというと、実写作品でも『マッハ Go!Go!Go!』
から『デスレース』まで様々作られているが、異惑星の荒野
を背景にしているというところでは、『スター・ウォーズ:
エピソード1』を思い出す。
そのキャラクターを模したような異星人もいろいろ登場する
作品で、そのパロディというか、オマージュといった感じで
も作られている作品のようだ。でもまあ、主人公が思い寄せ
る女性ドライヴァーや、裏で糸を引く黒幕なども出てくるか
ら、お話は違うものだ。
脚本は、『鮫肌男と桃尻女』の石井克人の原作から、石井と
『エヴァンゲリオン』の榎戸洋司、『攻殻機動隊』の櫻井圭
記が共同で執筆したもの。ニトロを使ったりそれより強力な
燃焼剤など、アクセサリーはいろいろ用意されている。
ただ、主人公と女性ドライヴァーの関係などはもう少し描き
込めばもっと面白くできたと思うが、レースとそのアクショ
ンを描くことに力点が置かれて、心理的な点が多少おざなり
なのは残念に感じられるところもあった。

声優は木村拓哉、蒼井優、浅野忠信。木村と浅野はそうだと
思えばそれなりの感じだが、木村は兎も角、浅野のアニメの
キャラクターが本人とかけ離れているのが何となくしっくり
と来なかった。ディズニーが声優は骨格で選ぶという理由が
判ったような気もした。
それに対して蒼井は、『鉄コン筋クリート』のときの抜けた
ような声の演技も見事だったが、今回は木村を相手にしての
大人の女の演技で、これもまた聞けるものになっていた。こ
の女優には本当に限界がないようだ。
毒気満載のキャラクターや途中に挿入されるゲストアニメー
ターによるシーンなど、良くも悪くもマッドハウスのファン
には喜ばれそうな作品で、僕には多少食傷気味なところはあ
ったが、多分まだファンは健在なのだろう。
        *         *
 今回は紹介作品が多かったので、製作ニュースのスペース
が無くなってしまった。代りに今年は10月23日から31日まで
開催される第23回東京国際映画祭の事務局から、コンペティ
ション部門の審査委員長決定のお知らせがあったので報告し
ておこう。
 お知らせによると今年の審査委員長に、アイルランド出身
のニール・ジョーダン監督が決定したとのことだ。
 ジョーダン監督は、本サイトでは2007年9月に『ブレイブ
ワン』を紹介しているだけだが、1992年『クライング・ゲー
ム』でアカデミー脚本賞、1996年『マイケル・コリンズ』で
ヴェネチア映画祭金獅子賞、1997年『ブッチャー・ボーイ』
でベルリン映画祭銀熊賞をそれぞれ受賞という映画祭の審査
委員長には申し分のない名匠。しかも、ファンタシー映画の
ファンにとっては、1984年の監督デビュー作『狼の血族』や
1994年の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』などでも
忘れられない。因に『狼の血族』は、1985年の第1回東京国
際映画祭にも出品されており、今回は25年ぶりの映画祭への
復帰となるようだ。
 コンペティションのエントリーは4月20日に開始されて、
締め切りは7月15日になっているが、ジョーダン監督の審査
委員長就任で、特にファンタシー系の作品が注目されたら嬉
しいところだ。それに回顧上映があったら、『狼の血族』は
もう一度観てみたい。


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井口健二