井口健二のOn the Production
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2010年04月18日(日) ブライト・スター、パリより愛…、BEAUTIFUL ISLANDS、書道ガールズ、プリンス・オブ・ペルシャ、トイレット、BECK+製作ニュース

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ブライト・スター/いちばん美しい恋の詩』
                    “Bright Star”
1993年の『ピアノ・レッスン』で、女性監督初のカンヌ国際
映画祭パルム・ドールを獲得したニュージーランド出身ジェ
ーン・カンピオン監督の最新作。25歳で夭逝した英国詩人ジ
ョン・キーツの晩年を、婚約者だったフランシス・ブーロン
の目を通して描く。
カンピオン監督の作品では、2003年5月に『ホーリー・スモ
ーク』と、2004年2月に『イン・ザ・カット』を紹介してい
るが、彼女自身、長編の監督作品はその後者以来となる作品
のようだ。
物語は1818年、キースが23歳でロンドン郊外ハムステッドに
あった友人チャールズの家に転居した頃から始まる。その近
所に住むブローン家の長女フランシス“ファニー”ブーロン
はまだ売れない詩人だったキースに心を惹かれ、徐々に2人
の恋心を育んで行く。
しかし、結核で病弱の弟の看病もしながら詩作を行うキース
には財力もなく、母子家庭のブーロン家としても、長女をそ
のような男に嫁がせることは出来なかった。それでも2人の
恋心は燃えつきることはなかった。
ところが弟が病死した後、キースにも同じ病魔が襲い、友人
たちは南国イタリアへの転地療養を勧めるのだったが…
今でこそ愛の詩人として謳われるジョン・キースだが、その
生前は恵まれていなかったようだ。しかしそんな中で育まれ
る一途な愛が詩人に最高の愛の詩を書かせる。そんな悲しく
も美しい愛が描かれて行く。
カンピオンの作品では、以前に紹介した2作などもかなり激
しい描写があったように記憶しているが、本作では実に静か
に若い2人の愛が描かれている。全体の描写はどちらかと言
うと淡々とした感じだが、それが終盤で一気に盛り上がる演
出は見事だった。

出演は、2007年7月に紹介した『プロヴァンスの贈り物』に
出演のアビー・コーニッシュと、同年1月に紹介した『パフ
ューム』に主演のベン・ウィンショー。他に、2003年12月紹
介『ギャザリング』のケリー・フォックス、2007年12月紹介
『ジェシー・ジェイムズの暗殺』のポール・シュナイダーら
が共演している。
なお、撮影はイギリス・ベッドフォードシャーに建つ2軒の
家を使って四季に亙って行われており、その周囲の美しい自
然の描写も見事だった。さらに室内の撮影でもライティング
などに細心の注意が払われていたようだ。
また、主人公が裁縫上手という設定で、その衣裳には素朴な
がらも見事に時代と美しさが表わされており、アメリカアカ
デミー賞の衣裳デザイン賞にノミネートされたことも納得で
きる作品だった。

『パリより愛をこめて』“From Paris with Love”
昨年6月紹介『96時間』のピエール・モレル監督の新作。
前作同様リュック・ベッソンの原案から、向かう所敵無しの
強烈なアクションが展開される。
主人公はフランス駐在アメリカ大使館で大使の補佐官を務め
る男性。典型的な文官だが、陰では使用する車のナンバープ
レートを偽装したり、そのトランクには暗証で開くケースに
銃器が隠されていたり…そして自宅のアパルトマンには恋人
も同棲している。
そんな主人公に新たな指令が下る。それは空港の税関で足止
めされているエージェントの入国を援助すること。そして税
関を訪れた主人公が目にしたのは、ドリンク缶の持ち込みで
揉めているスキンヘッドで大柄な態度の男だった。
その場を外交官特権で切り抜けた主人公は、その男の指示す
るままに中華街のレストランにその男を連れて行くが…。そ
こでいきなり銃撃戦が始まり、男はそのレストランの従業員
を殲滅、麻薬組織を壊滅するために来たと称して次の行動を
開始する。

出演は、大使館員役に昨年12月紹介『シェルター』などのジ
ョナサン・リース・マイヤーズ、エージェント役にジョン・
トラヴォルタ。他に、ポーランド出身のカシア・スムトゥニ
アク、イギリスのリチャード・ダーデンらが共演している。
『96時間』同様、兎にも角にも滅法強い男が大暴れする話
で、次から次に敵が倒されて行く。ただし、今回の主人公は
その男に随行する方の人間で、あれよあれよという間に危険
に巻き込まれて行く、という展開の作品。
痛快という言葉が見事に填る作品と言えるが、そこにいろい
ろな国際情勢などが影を落としているのはさすがと言うとこ
ろだ。また、物語の進展に従って中華街やエッフェル塔など
の観光地からちょっと危ない感じの地区まで、パリ観光も楽
しめる仕組みにもなっている。
しかも、衛星からのモニターなど最新のスパイ技術が駆使さ
れたり、その一方で謎が謎を呼ぶ展開にも破綻が無く、正に
エンターテインメントをとことん追求した作品と言える。毒
にも薬にもならないかも知れないが、95分の上映時間は一時
のお楽しみには最高だ。
なお、映画には007から『スター・トレック』まで、いろ
いろな作品へのオマージュも描かれていた。

『BEAUTIFUL ISLANDS』
海面上昇で最初に海に沈む国と言われるツバル、高潮の被害
が顕著になってきたイタリアの水の都ベニス、そして永久凍
土の融解で土地が消えて行くアラスカ州のシシマレフ島。地
球温暖化の脅威に晒されている地球上の3カ所に取材された
ドキュメンタリー。
それぞれの土地で起きている事柄に関しては、情報としては
知っていたが、それを映像で目の当りにすると改めて脅威を
感じるものだ。特に美しい自然が一杯のツバルの風景には、
これが失われて行くことへの哀しさも感じた。
僕自身、地球の温暖化に関しては温室ガス云々という考えに
は与しないもので、海面の上昇は避けられないと思っている
が、ここに描かれているいろいろな事物が失われることには
哀しみを感じる。
それにしても、ツバルの民衆が「神を信じているから、この
国は沈まない」と主張する姿には驚きも感じてしまったが、
監督も海面の上昇は避けられないと思っているのか、それを
淡々と撮っている映像には哀しみも感じられた。
一方、ベニスでは人類が作り上げた文化遺産が失われようと
している。それはツバルの自然とは別の意味で失ってはなら
ないものと言える。映画では水浸しのサン・マルコ広場や、
ホテルのロビーに高床の回廊を仮設して凌いでいる様子が写
し出される。
因に、映画の中では「市長が水門を閉じない」と言う発言が
出ていたが、これには近隣の干潟への影響を考慮して市長が
反対の立場を取っている事情があるのだそうで、それも意味
のある考えのようだ。
そしてアラスカでは、人間はそこから立ち去るしかない現実
が突きつけられる。ここでは数10年前からの浸食で海辺の家
屋が倒壊し、脅威は現実のものとなっている。それに対して
人間はなす術もないのだ。
南国のツバル、極寒のアラスカ、そして人類の歴史を物語る
ベニス。それぞれにその美しさがあり、それを失いたくない
と感じさせる。そんな見事な映像が綴られている。その美し
さを感じて、それが失われることへの哀しさが心に刻まれる
作品だった。

『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』
愛媛県四国中央市が主催する「四国中央紙まつり」、そのメ
インイヴェントとして2008年に第1回が開催された「全国高
校書道パフォーマンス選手権大会」の実施までを描いた実話
に基づくドラマ作品。
元々は地元の三島高校書道部が商店街で行っていた活動が評
判になり、行政主催の「紙まつり」のイヴェントに昇格。さ
らにその模様が全国ネットでテレビ放送されて、全国に書道
ブームを巻き起こしたという実話がドラマ化されている。
主人公は地元の書道家の1人娘。高校書道部の部長も務め書
道展での優勝経験も持つが、日々紙に向き合うだけの鍛練に
は疑問も感じ始めている。そんな自身の迷いのせいか他の部
員に辛く当ってしまう部長の態度に、部員の数も徐々に減り
続けている。
そしてその書道部には、主人公が叶わないと思った奔放な書
を書く部員がいたが、少し前に退部しているようだ。
そんな書道部に、産休の顧問の替りとして1人の男性がやっ
てくるところから物語は始まる。ところがその出会いは最悪
の事態に…。そのため互いに意地を張り合う部長と代理顧問
は、事あるごとに対立してしまうことになるが…
ところが、その代理顧問が校庭で行ったパフォーマンスに部
員の1人が感動し、その真似事を始めてしまう。しかし日々
紙に向き合うだけの鍛練が書道と教え込まれている主人公に
はその行動が理解できなかった。
こんな部長と部員たちが、行政をも巻き込んだ書道パフォー
マンスを実現するまでが描かれる。もちろん映画にはフィク
ションの部分も多く含まれるのだろうが、商店街でのデモン
ストレーションなどは実話に基づくエピソードが巧みに融合
されているようだ。

出演は、前々回紹介『シーサイド・モーテル』の成海璃子、
2月紹介『ねこタクシー』の山下リオ、昨年7月紹介『サマ
ー・ウォーズ』でヒロインの声優を務めた桜庭ななみ、舞台
で8代目ピーター・パンを演じている高畑充希、NHK『と
めはねっ!』にも出演の小島藤子。
同様の書道パフォーマンスを描いたNHKのドラマは、書道
の奥深さなども時間を掛けて描いていたが、本作では地方の
過疎化や地場産業の衰弱など、現在の日本が抱えるいろいろ
な問題も背景に置いて、それに立ち向かって行く若者の姿を
爽やかに描いている。
その中にはこのような題材を描く上で欠かせない書道の基本
に立ち返るシーンも在るが、そこはNHKのドラマを観てい
ると判る程度に押さえており、その点での見極めはしっかり
とされていたようだ。
そして本作では、大会に出場した4校のパフォーマンスがそ
れぞれ相応の時間を掛けて写されていて、そのシーンはかな
り見応えのあるものに仕上がっていた。
この大会のシーンには、物語の基となった愛媛県立三島高校
と、埼玉県立松山女子高校、川口高校の書道部がそれぞれ別
の学校名で、主人公たちの対抗馬として登場するが、そのパ
フォーマンスには大画面で観る価値も感じられたものだ。
なお、本作に関しては先にラッシュでの試写も観せて貰った
が、その時は合成や画質調整も未了だったもので、その時と
はかなり印象が変ったことに驚かされた。特に画質の調整が
ここまで有効とは思わなかったもので、その威力を感じた。
それに合成も、ラッシュを観ていなかったらそうとは全く気
付かなかっただろう。それらの出来映えにも感心した。

『プリンス・オブ・ペルシャ:時間の砂』
        “Prince of Persia: The Sands of Time”
『パイレーツ・オブ・カリビアン』ではディズニーランドの
人気アトラクションを見事に映画化してみせた映画製作者の
ジェリー・ブラッカイマーが、今度は1989年から続く人気ヴ
ィデオゲームの映画化に挑戦した。
物語の舞台は古代のペルシャ。アジアからヨーロッパに跨が
る広大な領土を持つ帝国は2人の兄弟によって治められてい
た。その兄王には2人の息子がいたが、ある日に立ち寄った
市場で目にした、場内を駆け抜ける孤児の姿が気に入り宮廷
に王子として招き入れる。
それから15年が経ち、成長した3人の王子は互いに協力しな
がら聖地とされる都を攻め落とす。その都は聖地の名に隠れ
て強力な武器を密造し敵方に売り渡していたという疑い持た
れていたのだが…その都には美しい王女がいるだけだった。
しかも、その戦地を訪れた兄王が謀略で命を落とす。そして
血の繋がらない3男に疑いの目が向けられる。そこでその3
男は居合わせた都の王女と共にその場を逃れ、砂漠に逃亡す
るのだが、その都には想像を絶する秘密が隠されていた。
その秘密とは、題名にもある通りの「時間の砂」。時の流れ
を司るその神秘を巡って、人類の存亡を掛けた大冒険が開幕
する。
オリジナルのゲームは仕掛けが一杯のアクションRPGのよ
うで、市場でのアクションや崩れ落ちる神殿からの脱出劇な
ど、そんなゲームも髣髴とさせるシーンが連続のアクション
ムーヴィが展開される。

主演は、2005年『ブローバック・マウンテン』でオスカーに
ノミネートされたジェイク・ギレンホール。最近では2006年
『ゾディアック』などで演技派とも称されるギレンホールだ
が、本作では実に楽しそうにアクションを演じていた。
実際に今回の撮影ではアクションもほとんどスタントマン無
しで演じているそうだ。そう言えば『スパイダーマン2』の
準備中には、負傷した俳優に替って一時その主演に決まって
いたこともあったから、今回はその思いが叶ったという感じ
かも知れない。
他には『タイタンの戦い』に出演のジェマ・アータートン、
1982年『ガンジー』でオスカー受賞のベン・キングズレー、
『ダ・ヴィンチ・コード』などのアルフレッド・モリーナら
が共演。監督は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』な
どのマイク・ニューウェル。
CGIを駆使した砂漠の都の景観やそこで繰り広げられる戦
闘シーンのアクションなども見事で、エキゾチックな気分を
堪能できる作品に仕上げられていた。

『トイレット』
2006年1月紹介『カモメ食堂』と2007年9月紹介『めがね』
の荻上直子監督による3年ぶりの新作。06年作品でフィンラ
ンドを舞台に日本人の姿を描いた荻上監督が、今回は自身が
映画留学で6年間を過ごしたという北米大陸を舞台に、1組
の家族の姿を描く。
物語は、一家の母親の葬式のシーンから始まる。父親はすで
に居ないらしく、残されたのは、何かの研究所で働いている
らしい次男とパニック障害を持つ長男、大学生の妹と、それ
に「ばーちゃん」と呼ばれる女性。あとセンセーという名の
猫もいる。
その「ばーちゃん」は日本人で母親が日本から探して連れて
きたのだが、血の繋がりが在るのか否かは不明。しかも英語
が通じているかどうかも判らない。そして「ばーちゃん」は
毎朝の忙しい時間に長くトイレを独占し、出てくると深い溜
め息を吐く。
恐らくその家庭は以前は母親の存在によって纏まっていたの
だろう。しかしその存在がなくなって家庭は一気に崩壊の危
機に立たされる。でもそこには家族の絆が在り、それによっ
て危機は回避されるはずなのだが。
物語の中心は、一番しっかりしていそうな次男になるが、そ
の次男は何かというと家族からの電話で引っ張り出され、い
ろいろな雑用に追い回される。そんな観ているだけで苛々の
募りそうな家族関係が、ある切っ掛けで纏まりを取り戻して
行く。
兄弟は他人の始まりという言葉も在るようだが、親がいる内
は兄弟であっても、親がいなくなったら…。骨肉の争いとい
う言葉もよく耳にするものだ。でも本作はそんな殺伐とした
ものではなく、あくまで荻上監督らしい暖かなムードで兄弟
の危機が描かれる。

出演は、デイヴィッド・レンドル、アレックス・ハウス、タ
チアナ・マズラニー、それにもたいまさこ。兄弟を演じる3
人はいずれもカナダで活躍する若手俳優で、特にタチアナは
今年のサンダンス映画祭でブレイクスルー賞を受賞した有望
株のようだ。
一方、「ばーちゃん」役のもたいは英語が理解できるのかも
不明という役柄で、全編ほぼせりふ無しという難役をひょう
ひょうと演じている。他に、2008年3月紹介『西の魔女が死
んだ』のサチ・パーカーも出演している。

『BECK』
1999年から2008年まで月刊少年マガジンに連載され、2002年
講談社漫画賞を受賞したハロルド作石原作による少年漫画の
映画化。
自らこのまま平凡な人生を送るだろうと思っていた少年が、
1人のミュージシャンとの偶然の出会いによってバンドのメ
ムバーとなり、失敗や挫折を経験しながらも一歩一歩音楽の
道を進んで行く姿が描かれる。
主人公のコユキは、横須賀らしい軍港のある町の私立校に通
っていたが、学園生活では番長グループのぱしりのような役
割で、直接の苛めにはあっていないものの自分の生活に不満
を持っていた。しかし、自分ではどうにもならないことも心
得ていたようだ。
しかしある日、米兵に苛められている犬を目にし、その犬を
助けようとしたことから、その飼い主であるミュージシャン
の男(竜介)と知り合いになる。その男はアメリカからの帰
国子女で、日本語も英語も話せるが漢字は苦手だった。
そんな男と知り合いになった主人公は、やがてその男のバン
ドのメムバーとなり、大規模なロックフェスティヴァルにも
出演し、音楽の世界で頂点を夢見るようになるのだが…
そこに男が所有する弾痕の付いたギターや犬の元の飼い主の
話。さらにニューヨーク時代の仲間との約束、バンドメムバ
ー内での確執、男の妹の存在などが絡んで、主人公の周囲で
さまざまな青春ドラマが繰り広げられる。

出演は、コユキ役に『仮面ライダー電王』の佐藤健、竜介役
に『仮面ライダーカブト』の水嶋ヒロ。他に1月紹介『ソラ
ニン』でもバンドメムバー役の桐谷健太、ジュノンボーイグ
ランプリの中村蒼、NHK『ゲゲゲの女房』に出演の向井理
らがメムバーを演じる。
また、同じく帰国子女の妹役で昨年12月紹介『半分の月がの
ぼる空』の忽那汐里。因に、彼女はオーストラリア・シドニ
ー生まれだそうだ。その他、カンニグ竹山、松下由樹、倉内
沙莉、中村獅童らが脇を固めている。
主人公たちがあるの種の天才の集まりという感じで、厳しい
練習や努力などのシーンはほとんど無ないが、その辺は最近
の漫画の傾向のようだ。ただしそれを映像で現わすとなると
…その点では出演者たちは良くやっており、頑張った作品と
言えそうだ。
監督は『20世紀少年』などの堤幸彦。主人公たちの演奏シ
ーンやロックフェスのシーンなどが見事な迫力で演出されて
いた。
        *         *
 製作ニュースは新情報を一つだけ。
 ジェームズ・A・オーエンという作家の“The Chronicles
of the Imaginarium Geographica”というヤング・アダルト
向けファンタシーシリーズの映画化権が、ワーナーと契約さ
れ、その脚色に2008年10月紹介『イーグル・アイ』を手掛け
たトラヴィス・ライトの起用が発表されている。
 内容は、海外の報道では「ファンタシー・ドリームチーム
が『ヤング・インディ・ジョーンズ』に出会う」と紹介され
ていたが、そのドリームチームというのが、JRR・トーキ
ンにC・S・ルイス、チャールズ・ウィリアムズら、オック
スフォード・インクリングズのメムバーたち。さらにH・G
・ウェルズやジェームズ・バリも登場するとのことだ。
 そしてこの物語に登場する神秘の生物たちが、彼らの作品
にヒントを与えたとするもので、2006年にスタートしたシリ
ーズでは、第1巻の“Here, There Be Dragons”に続いて、
2008年に“The Searchfor the Red Dragon”と“The Indigo
King”、2009年に“The Shadow Dragon”が出版され、今年
も10月に“The Doragon's Apprentice”という作品の刊行が
予定されている。
 ワーナーとしては、『ハリー・ポッター』の後釜となる新
シリーズを期待しているもので、取り敢えず最初の2巻の映
画化が、2011年、12年の公開を目指して進められるようだ。


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井口健二