| 2009年12月31日(木) |
Gフォース、ミュータント・クロニクルズ、インビクタス/負けざる者たち(改稿)+他 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『スパイアニマル Gフォース』“G-Force” 『POTC』や『ナショナル・トレジャー』などのジェリー ・ブラッカイマー製作によるVFXアクション・コメディ。 特殊な訓練を受けたモルモットのチームが地球の危機に立ち 向かう。 主人公は、FBIの秘密研究所で訓練を受けたモルモットた ち。ところがその秘密研究所に予算打ち切りの危機が迫り、 実力を証明するためにとある企業の機密を盗み出す任務を敢 行する。 その企業は元兵器商人が隠蓑としているもので、そこでは何 か陰謀が進んでいるらしい。しかしFBIでは2年間も調査 を続けているが尻尾を掴めないでいた。そんな企業の会長の 家に潜入した主人公たちは、首尾よく機密資料をメモリーに ダウンロードするが… このモルモットたち小動物や、その他のメカニズムなどをV FXで描いているものだが、そのVFXはソニー・イメージ ワークスの担当で、『スチュアート・リトル』の実績が見事 に活かされている感じだ。 ただし、後半のアクションシーンなどは派手では有るけど、 何処かで観たようなシーンの羅列だったりもして…。でもま あ本作は、基本的にお子様向けのディズニー作品な訳で、こ の辺でOKかなという感じのところだ。 人物の出演は『アンダーワールド』『POTC』などのビル ・ナイが中心。一方、声の出演者にはニコラス・ケイジ、ペ ネロペ・クルス、ジョン・ファヴロウ、スティーヴ・ブシェ ミ、サム・ロックウェルなど錚々たる顔ぶれが並んでいる。 ストーリー原案と監督は、『未知との遭遇』以降の数多くの SF映画でVFXマンとして活躍してきたホイト・イェット マンJr.。因に長編映画の監督はデビュー作。 脚本は、2002年の『アイ・スパイ』や『ナショナル・トレジ ャー』の2作などを手掛けたコーマック&マリアン・ウィー バリー。昆虫のキャラクターなど生物の寿命を考えると多少 無茶なところは有るが、まあお子様映画ということで了解し たい。 なおこの作品に関しては、7月19日のホームページで3Dに ついて少し紹介しているが、今回の試写は2Dだったので、 その点は3D試写が始まってから改めて報告したい。
『ミュータント・クロニクルズ』“Mutant Chronicles” 1987年の『ウォール街』でマイクル・ダグラスにオスカーを もたらしたエドワード・R・プレスマン製作によるアクショ ン・アドヴェンチャー。 西暦2707年。地球はそれぞれがヨーロッパ、アメリカ、アジ ア、オーストラリアを拠点とする4つの企業によって支配さ れ、稀少となったエネルギーを巡る争いに明け暮れていた。 そんな戦場の1つで砲撃によって抉られた地表に巨大な紋章 が現れ、砲弾の作烈によってその紋章が打ち砕かれる。そし て、そこからは異様な風体の怪人の群れが出現し、戦場の兵 士たちを殺戮し始めた。 それは古代に天空から現れ地球を蹂躙したミュータントたち の巣窟で、それは1人の英雄の活躍によって封印されていた ものだった。しかしその封印が説かれた今、地球に英雄は存 在せず、逃げ惑う人類は最後の手段として火星への移住を開 始するが… 一方、古代からの歴史を綴った書「Mutant Chronicles」を 信奉する宗派の修行僧がその書物に書かれた英雄の復活を信 じ、企業に働き掛けて世界中の精鋭を結集、ミュータントの 巣窟へ潜入してその大元の破壊を試みる。それは正しく決死 の闘いだった。 この修行僧を『ヘルボーイ』のロン・パールマンが演じ、世 界から集められた精鋭として『パニッシャー』のトーマス・ ジェーン、『シン・シティ』のデヴォン青木、また企業家の 役で『チェンジリング』などのジョン・マルコヴィッチらが 共演している。 脚本は1997年『イベント・ホライズン』などのフィリップ・ アイズナー。監督はCMディレクター出身のサイモン・ハン ター。因に監督は長編2作目のようだが、CM出身らしく映 像表現に力点を置いた作品になっている。 ただし製作のプレスマンは、過去に1994年『ストリート・フ ァイター』や、同年スタートの『クロウ』シリーズなども手 掛けているが、いずれもトーンが暗めになる傾向が有り、本 作でもそれは踏襲されている。 舞台を28世紀としている割には、戦闘シーンに登場の兵器が あまり未来的でないなど、いろいろ悩ましい部分は有るが、 それなりにグロテスクなミュータントの風体など、そのダー クなイメージを魅力と感じる人はいるだろう。 因に、登場するのがミュータントかどうかは、今さら論議す るほどのことでない。これがSFの現状というところだ。
なお、先に掲載した作品について試写を見直して修正しまし たので、改めて掲載します。
『インビクタス/負けざる者たち』“Invictus”(改稿) 日本代表がニュージーランド代表に145-17という屈辱的な大 敗を喫したことでも記憶される1995年開催第4回ラグビー・ ワールドカップ南アフリカ大会を巡る物語を、モーガン・フ リーマンの製作主演によりクリント・イーストウッド監督で 描いた作品。 1990年に釈放されたネルソン・マンデラが1994年南アフリカ 大統領に就任、アパルトヘイトの撤廃により国際社会への復 帰が認められて開催された第4回大会は、以前はラグビー強 豪国であった南アフリカが世界のラグビー界に返り咲く大会 でもあった。 しかし長年に亙る国際交流の禁止で競技感覚を失っていた代 表チームはイングランドとのテストマッチで惨敗、また、ス プリングボクスとも呼ばれる白人選手を中心に固められた代 表チームは、ある意味アパルトヘイト時代の象徴ともなって 行く。 そして黒人中心で動き出した社会は、スプリングボクスの愛 称や緑と金のチームカラーの変更も決議するが…これに対し て大統領は、これこそが人種間の融和の象徴であるべきと主 張。大統領と代表チーム主将フランソワ・ピナールとの二人 三脚の挑戦が始まる。 このようにして物語は、ラグビーというスポーツ競技を題材 に、人種間の対立とそこからの融和に至るまでの道程を描き 出して行く。それはもちろん限られた範囲の物語でしかない けれど、そのシンプルさが物語のテーマを明確に描き出して いるものだ。 その中では、特に融和や隣人愛などが声高く謳われ、それが 映像でも見事に表現されて行く。これが映画の持つ使命の一 つのようにも感じられた。そしてそのメッセージは、時代を 超えた今こそ熱く語り継がれるべきものとも思えた。 出演は、マンデラ役にモーガン・フリーマン、ピナール役に マット・デイモン。因にマンデラ大統領の登場シーンでは、 当時のニュースフィルムにフリーマンの顔をすげ替えたもの もあるが、その中で子供の持っている新聞の写真が元のまま なのはご愛嬌だ。 その一方で、見事に再現された1995年当時の競技場の風景も 登場するが、特に決勝戦などは超満員の観客席はCGIと思 われ、それも見事だった。また、その競技場に設置された巨 大映像装置の下部に「SONY JumboTron」の文字が観え るのも懐かしかった。 なお原題は、映画の中でも紹介される19世紀イギリスの詩人 ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの著作に因むもので、こ の単語は直訳すると「征服されざる者」というような意味に なるようだ。 * * 年内はこれが最後の更新となるので、一応、僕的な今年の ベスト10を挙げておきます。特に講評は書きませんが、対象 は今年日本公開された作品で、ベスト10は外国映画とSF/ ファンタシー映画のそれぞれについて選出してあります。
外国映画 SF/ファンタシー映画 1スラムドッグ$ミリ… 1屋根裏部屋のポムネンカ 2戦場のレクイエム 2クローンは故郷を目指す 3エレジー 3●REC/レック2 4アライブ 4サマーウォーズ 5それでも恋するバル… 5携帯彼氏 6パイレーツオブロック 6アサルトガールズ 7屋根裏部屋のポムネンカ 72012 8チェンジリング 8鴨川ホルモー 9キングコーン 9きみがぼくを見つけた日 10ホルテンさんの初め… 10TAJOMARU
因に、2009年試写会で観た作品は366本。DVDのサンプ ルで観た作品が7本。計373本は、昨年の400本より多少減り ましたが、こんなものでしょう。なお、試写状を貰ったのに 時間の都合などで観に行けなかったのは2本です。事実上の 試写会が1回しかなかったりしたものですので、止む終えま せんでした。来年もこんな調子でやっていきたいと思ってい ますので、よろしくお願いいたします。
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