井口健二のOn the Production
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2008年03月09日(日) P2、パーク・アンド…、西の魔女が…、ノー・カントリー、幻影師…、悲しみの乾くまで、センター・オブ・ジ・アース(特)、88ミニッツ

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『P2』“P2”
2006年6月に紹介したフランス製サスペンス映画『ハイテン
ション』の監督アレクサンドル・アジャが、本作では脚本と
製作を務めたR−18指定のサスペンス作品。
クリスマス休暇の前日、残業をして最後にビルを出ようとし
た女性が、地下駐車場に閉じ込められる。そこには、いつも
彼女を遠くから見詰めていた警備員がいて…。因に、題名の
『P2』は、パーキングの2階という意味で使われているも
のだ。
休暇中のビルに閉じ込められるというお話は、他にもいろい
ろありそうだが、近年の携帯電話を始めとするコミュニケー
ション手段やセキュリティーの問題を絡めると、なかなか信
憑性のある作品は難しい。
そんな中での本作は、比較的巧みに作られた作品と言えそう
だ。しかも、R−18指定になるような描写も取り入れて、そ
れは観客を満足させるように作られている。他にもトラウマ
になりそうな痛い描写もあって、その辺もよく計算されてい
る感じがした。
通常、セキュリティーと言うのは2重3重に掛けられるもの
だが、こういう犯罪者が警備員として入り込んでしまうと、
こうも無防備になってしまうものか。お話として出来過ぎの
部分も当然あるが、ある意味、これは警鐘として捉えたくな
る部分もある作品だ。
監督は、『ハイテンション』には俳優として出ていたフラン
ク・カルフーン。MTVやCFの経験はあるようで、本作が
長編監督デビューだが手堅い演出を見せている。因に本作で
は出演もしているようだ。
出演は、TV『エイリアス(第5シーズン)』に出演のレイ
チェル・ニコルズと、『アメリカン・ビューティー』などの
ウェス・ベントリー。因にニコルズは、この後、トム・ハン
クス主演“Charlie Wilson's War”、新作“Star Trek”、
映画版“G.I.Joe”などにも出演している。
また、主人公の上司の役を『ダーク・ウォーター』や『SA
W IV』にも出演のサイモン・レイノルズという俳優が演じ
ているのだが、信頼しているIMDbという映画データーベース
に掲載されていなかった。どうした訳なのだろう。

『パーク・アンド・ラブホテル』
2005年に情報誌のぴあが主催するPFFアワードを受賞した
熊坂出監督が、PFFスカラシップによって製作した作品。
今年のベルリン映画祭に出品されて新人監督賞を受賞した。
ラブホテルの女主人と3人の女性の交流が描かれる。
最初の女性は、プチ家出をしている少女。髪を白く染めて、
街角の風景をポラロイドで撮りながらそのラブホテルの前に
やってくる。すると、老人から幼い子供までの男女がそこに
入って行くのが目に留まる。
好奇心から後を追った少女は、そのラブホテルの屋上が小さ
な公園になっていることを知る。それはそのホテルの女主人
が、遊び場のない町の人たちに開放しているものだった。そ
して女主人から寝床を提供された少女は、しばらくそこで暮
らすことにするが…
次の女性は、女主人が毎日路上を履き掃除している頃に、速
歩でその前を通過していた。しかし今まで言葉を交わしたこ
とはなかった。それが16年目に初めて言葉を交わす。その女
性は夫に不満があるらしく、無給でいいから働かさせてくれ
と頼み込む。
3人目の女性は、学究者らしい。彼女は金属製のアタッシュ
ケースを手に、毎日違う男とホテルにやってくる。そんな女
性を疎ましくも思う女主人だったが、ある日女性は、女主人
の秘密を知ってしまう。
こんな3人の女性と女主人の生きる姿が暖かな視線で描かれ
て行く。シチュエーションは特異に見えるが、ふと在っても
いいような感じにも思え、本当に在ったらいいなとも思える
ものだ。そんな温かさも魅力的な作品だった。
熊坂監督は、新人と言ってもテレビマンユニオンに参加して
NHK/BS−Hiのドキュメンタリーに挿入されるドラマ
部分などを手掛けているようだ。従って演出は手堅いものだ
が、本作では全体的に素人っぽい感じに作られているのは狙
いなのだろうか。でもまあ、全体の雰囲気は良い作品だ。
登場する女性たちを演じるのは、リリィの女主人と、梶原ひ
かり、神農幸、ちはる。リリィはいろいろな映画で観ている
気がするが、本格的な主演は初めてだそうだ。また、ちはる
は久しぶりに見たが、アイドル時代とは違って落ち着いた雰
囲気だった。

『西の魔女が死んだ』
1994年の発表以来、すでに発行部数が100万部を越えている
という梨木香歩原作のロングセラーを、長崎俊一監督で映画
化した作品。繊細さ故に登校拒否となってしまった少女を主
人公に、少女が自然の中で暮らす祖母と共に生活し、成長し
て行く日々を描く。
主人公の少女は、新入学の学校でクラスのどのグループにも
入らなかったことから、全員からのいじめを受けることにな
ってしまう。そんな少女を両親は、母方の祖母の許に預ける
ことにする。その祖母はイギリスから来日して祖父と結婚し
たという人だった。
山間の家に住む祖母は、ハーブを育てたり野イチゴを摘んで
ジャムにしたりして暮らしている。そんな祖母の家には、庭
仕事の手伝いをしてくれる近所の男や、郵便配達が出入りし
ていたが、その中で近所の男は何か怪しげだった。
そんな環境の中で少女は、閉じ籠もっていた自分から抜け出
し、徐々に自分を開放していくのだが‥。その基本となるの
が魔女修業。実は祖母はイギリスでは魔女の家系の末裔で、
主人公にもその血が流れていると言うのだ。
映画は、ほとんどのシーンが少女と祖母の2人だけで進行す
るが、大自然の中でそれは心地の良い物語が展開されるもの
だ。僕は原作は読んでいないが、2人の間の温かい雰囲気が
素晴らしく、なるほど原作がロングセラーになるのも判る感
じがした。
しかもテーマは魔女修業。ハリー・ポッターのような魔法が
登場するわけではないが、これが本物の魔女なのだというこ
とは理解できるように描かれており、それもまた素晴らしい
ものだった。
この少女役を新人の高橋真悠、祖母役を、アカデミー賞女優
シャーリー・マクレーンの娘で、2歳から12歳まで日本で暮
らしていたというサチ・パーカーが演じている。
因にパーカーは、1990年代前半まではテレビや映画にも出演
していた(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ペギー
・スーの結婚』などにも出ていたらしい)が、その後は夫の
仕事の都合で芸能界を離れていたようだ。それが久しぶりの
復帰作となり、しかも初主演というものだ。
その演技は、如何にも自然体という感じの素敵な雰囲気で、
日本語のせりふも多少たどたどしくはあるが、元々外国から
来日したという設定なら、こんなものだろうという感じのも
のにはなっていた。
他には、りょう、大森南朋、高橋克美、木村祐一が共演。ま
た、主題歌を『ゲド戦記』での起用が話題になった手嶌葵が
歌っている。

『ノー・カントリー』“No Country for Old Men”
今年のアカデミー賞で、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟
が作品(製作)、監督、脚色、それにハヴィエル・バルデム
が助演男優賞に輝いた作品。
麻薬取り引きに絡む多額の現金を横取りした男と、その犯人
を追って組織から送り込まれた殺し屋、それに地元の警察官
たちがいろいろなドラマを繰り広げる。
物語の展開はかなり殺伐としたもので、特にバルデムが扮す
る殺し屋が、ところかまわず容赦ない殺人を繰り返す様は、
『13日の金曜日』の殺人鬼を思い出させるくらいに凄まじい
ものだ。
しかも、組織の命令という前提はあるが、殺人のほとんどは
無意味なもので、罪がないとは言わないが、あまり無関係な
人間まで次々殺されるのには、かなり参ってしまった。
でもまあ、振り返ってみればコーエン兄弟が初オスカー(脚
本賞)を受賞した『ファーゴ』もかなり殺伐とした話だった
し、これが彼らの持味でそれが評価されているのだから、こ
れは仕方ないとも言えるものだ。
それにしても血しぶき一杯の作品だが、元々コーエン兄弟と
言えば、サム・ライミと共にスプラッター映画を作っていた
時期もあった訳で、その延長線上の作品と考えれば、これも
納得できるところではある。
そう考えれば、この作品は『13日の金曜日』を芸術的に描い
たとも言えるものだし、スプラッター映画もこうやって撮れ
ばアカデミー賞が貰える(しかも3個同時に)ということに
もなる訳で、これはある意味コーエン兄弟がハリウッドに勝
利したとも言えるのかも知れない。
それにしても、バルデムが演じた殺し屋は、史上最恐とも評
価されているようだが、その髪がおかっぱ頭というのも意表
を衝くところで、全体は「ふかわりょう」を思わせる風貌の
男が、有無を言わせず相手を殺すというのもすごい発想と言
えるものだ。
因にこの作品は、『すべての美しい馬』などのコーマック・
マッカーシーの原作によるものだが、原作の殺し屋にはこの
ような風貌の描写はないのだそうで、それをこのように演出
したというところにもコーエン兄弟の非凡さがあると言える
のだろう。
バルデム以外の出演者は、原題の意味を体現しているような
トミー・リー・ジョーンズ。他にジョッシュ・ブローリン、
ウッディ・ハレルソンなど。
なおマッカーシーの原作では、2007年ピューリッツァー賞を
受賞した“The Road”が製作中とされているが、核戦争後の
世界を描くと言われるその作品も楽しみになってきた。

『幻影師アイゼンハイム』“The Illusionist”
ピューリッツァー賞受賞作家のスティーヴン・ミルハウザー
原作による短編小説の映画化。
19世紀末のウィーンを舞台に、オーストリー=ハンガリーの
二重国家となって崩壊寸前のハプスブルグ帝国皇帝の座を巡
り、ハンガリー王家の娘との政略結婚による再統一を企む皇
太子と、その前に現れた1人の幻影師の物語が描かれる。
その幻影師アイゼンハイムは、見事なマジックでウィーンの
人々を魅了していた。ところがある日のこと、劇場に現れた
皇太子の婚約者が幼い頃に手品を見せていた幼馴染みの女性
だったことを知る。その昔の彼は、身分の違いから彼女の許
を去ったのだった。
その少年が、幻影師となって彼女の前に戻ってきた。やがて
その人気から王宮に招かれて技を披露することになったアイ
ゼンハイムは、その見事過ぎる技によって皇太子の不興を買
うことにもなってしまう。
そして幻影師と婚約者の仲も疑う皇太子は、腹心の警部に幻
影師を陥れることを命じる。しかしそれは婚約者の信頼を失
わせることになり、それが引き金となって皇太子はある事件
を起こしてしまう。
その事件の後、アイゼンハイムは皇太子への報復を企むこと
になるが…
この物語が、幻影師にエドワード・ノートン、皇太子にルー
ファス・シーウェル、警部にポール・ジアマッティ、そして
婚約者にジェシカ・ビールの配役で描かれる。
脚本・監督のニール・バーガーは本作が2作目という新鋭だ
が、2002年のデビュー作では映画祭での受賞などもしている
ようだ。そして本作では、短編小説の原作から、当時の歴史
的な背景なども取り入れて見事な脚本を作り上げている。
因に、原作には婚約者の女性は登場しないのだそうだが、映
画はその女性の存在が素晴らしいドラマの根幹となっている
もので、その脚色は見事なものだ。また、観客によって如何
様にも取れる結末が、最高の情感を生み出している。
アメリカでは『プレステージ』と同時期に公開されて魔術師
物の競作となったが、大手スタジオが4000万ドルの製作費を
掛けた作品に対して、1650万ドルのインディペンデント作品
の本作は一歩も退くことなく、51館の封切りから最後は全米
1432館の拡大公開を達成、ほぼ同等の興行成績を記録した。
また本作は、スティーヴン・キングが、「何度でも観たくな
る!」と絶賛し、2006年度のTop 10に推薦したとのことだ。

『悲しみの乾くまで』“Things We Lost in the Fire”
昨年9月に紹介した『ある愛の風景』などのスサンネ・ビア
監督のハリウッド進出作品。
ベネチオ・デル=トロとハリー・ベリーの共演で、銃社会の
アメリカでまったく無辜の夫がその犠牲になった一家と、そ
の夫が唯一の親友だった男性を描くドラマ。
デイヴィッド・ドゥカヴニーが扮するその夫は、子供の頃に
は知恵遅れかと疑われるほどに実直だった男。彼は住宅デザ
イナーとして素晴らしい才能を発揮し、ベリー扮する妻と、
幼い2人の子供と共に幸せな暮らしを送っていた。
ところがある日のこと、家族に頼まれた買い物に出た夫は、
道端で女性に暴力を振るう男を止めに行き、男に銃撃されて
帰らぬ人となってしまう。その葬儀は気丈に進める妻だった
が、やがて夫が支援していたデル=トロ扮する男性の存在を
思い出す。
その男性は以前は優秀な弁護士だったが、麻薬に溺れて、世
間からも疎まれるような存在となっていた。しかし実直な夫
は、そんな彼を支援し続けていたのだ。そんな男性にとって
も夫の死は世間とのつながりを失ってしまうものだった。
そして、夫を失って生活に穴の空いたようになった妻は、夫
の親友だった男性を家に引き取ることにするが…
日本公開はPG-12の指定となっているが、一般的に考えられ
るような描写のある作品ではない。これは飽く迄も銃の表現
に関わるものと考えられる。
もちろん、一つ屋根の下に男女が暮らすのだから、そこには
身悶えするような感情も存在するが、それを女性のビア監督
が見事な演出で表現して行く。
特に、その感情の変化が手に取るように描かれて行くのは、
監督と2人の出演者の見事なパフォーマンスの勝利とも言え
るものだ。そしてそこに描かれる大人の男女の関係が、この
映画のテーマを深く掘り下げる。
製作情報を追っていたときには、fireの文字から「火事」が
テーマになるのかと思っていたが、アメリカでfireというの
は「銃撃」が先になるようだ。そんな銃社会を背景とした作
品で、その恐ろしさも見事に描かれていた。
共演は、アリソン・ローマン(ホワイト・オランダー)、オ
マーベンソン・ミラー(シャル・ウイ・ダンス?)、ジョン
・キャロル・リンチ(ゾディアック)など。見事な共演陣が
物語を支えている。

『センター・オブ・ジ・アース3D』(特別映像)
ジュール・ヴェルヌ原作『地底旅行』の3D映画化が、アメ
リカは7月、日本でも8月に公開予定されており、その冒頭
20分の特別映像が披露された。
まだ全体は観ていないが、物語は現代化されているようだ。
しかし、主人公とその息子が火山に設置された地震計の回収
に行くなどの前振り部分を除けば、地下に潜ってからの冒険
は原作とあまり変わらないことが予想されるものだ。その冒
険が今回は3Dで描かれる。
上映されたのは、その地下世界に入り口に到達するまでの部
分だったが、そこまでにも、『インディ・ジョーンズ/魔宮
の伝説』を髣髴とさせるトロッコの暴走など、3Dの魅力を
最大限に発揮する映像が次々に登場した。
しかも、その映像のほとんどがCGIだからその立体感もク
リアだし、その一方で火山を登るシーンなどの実写で写され
た3Dの素晴らしさも堪能できる物だった。
出演者は、『ハムナプトラ』シリーズのブレンダン・フレイ
ザーと、『テラビシアにかける橋』のジョッシュ・ハッチャ
ースン、それにアイスランド出身の新進女優アニタ・ブライ
ム。フレイザーの主演では当然コメディタッチの作品ではあ
るが、アクションアドヴェンチャーの要素もタップリの作品
になりそうだ。
なお今回の上映は、舞浜イクスピアリにあるReal-Dの劇場で
行われたが、8月の公開ではDolby-3Dと、ニューライン社が
この作品のために新開発した35mmフィルム用の3Dシステム
も採用して、日本全国400館規模での3D上映が目指される
そうだ。
因に、新開発のシステムはカラーフィルタを用いるアナグリ
フ方式のようだが、現状では詳細は秘密にされている。アナ
グリフ方式も最近では、従来の赤青より進化したブルー×ア
ンバーのシステムも報告されており、その詳細を早く知りた
いところだ。
それから、一緒に紹介された宣伝戦略では、イヴェントムー
ヴィ、デートムーヴィ、ファミリーピクチャーとして5〜40
歳の男女がターゲットとされていた。しかし、ヴェルヌの原
作を読んで育った世代は50歳以上にも多いはず。
予告編には地底に携帯電話が掛かってくるなどの描写はある
にしても、物語のテーマからいって、原作からあまりかけ離
れた作品になるとも思えないし、ここはぜひとも、50歳以上
の観客を映画館に引き戻す切っ掛けの作品としてもアピール
してもらいたいものだ。

『88ミニッツ』“88: 88 Minutes”
1995年公開『8月のメモワール』などのジョン・アネット監
督が、アル・パチーノと組んだ犯罪スリラー。パチーノ扮す
る犯罪心理学者が、過去に関った犯罪者の死刑執行の日に、
突然「残された時間は88分間だ」と告げる電話を受ける。
映画の上映時間は107分だが、その中の88分間はほぼ実時間
で物語が進行する。その限定された時間の中で、自分に降り
かかる冤罪の火の粉を振り払いながら、真犯人を追求して行
く主人公の行動が描かれる。
監督と主演がベテラン+ベテランの顔合せを納得させる映画
で、存分に楽しめるサスペンス一杯の作品になっている。特
にパチーノが、ちょっととぼけながら核心を突いて行く演技
は、正にベテランの味という感じのものだ。
それに、携帯電話も駆使した現代的な犯罪実行の手口や、そ
の裏を掻く主人公の推理などの描き方も納得できるもので、
さらにいろいろな仕掛けなどもよく考えて作られている。
なお、脚本のゲイリー・スコット・トムプスンは、2000年の
『インビジブル』や、2001年の『ワイルド・スピード』など
も手掛けた人のようだ。
共演は、『ママが泣いた日』のアリシア・ウィット、『美し
い人』のエイミー・ブレネマン、『ディープ・インパクト』
のリリー・ソビエスキー、『クラッシュ』のデボラ=カーラ
・アンガー。女優たちが見事なアンサンブルを繰り広げる。
他に、2002年『容疑者』のウィリアム・フォーサイス、『父
親たちの星条旗』のニール・マクドノー、テレビの『The O.
C.』のベンジャミン・マッケンジーらが共演。
実時間で進行する作品は最近いろいろ増えてきているが、や
はりトリッキーな作品であることは変りがない。しかしそこ
にパチーノクラスの俳優が出てくると、それなりに締まりの
ある面白い作品ができあがるものだ。
それにしてもパチーノは、2002年の『シモーヌ』や、2003年
の『リクルート』など、いわゆる大作ではない捻った作品に
好んで出ているようで、彼の作品にはいつも驚かされるし、
面白くも観てしまう。


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井口健二