メーコの芋ちゃん日記

2003年05月23日(金) 初検診の後で

初検診後のメーコの日々は、辞書との格闘に明け暮れた。
看護婦さんが渡してくれた雑誌は全部で5冊。 それに加えて、出産までのスケジュール・妊娠中の諸症状に対する対応策や万が一の時の緊急連絡先・及び各種検査の概要などが書かれたファイルが1冊。 これらが全て日本語で書かれているのであれば、「ちょちょいのチョイ」の量であるが、ぜぇ〜んぶ英語、しかも普段使わないような医学用語グッチャリとなるとそうはいかない。 一行読んでは辞書を引き〜、また一行進んでは辞書を引く〜、といった作業が延々と繰り返されるのだ。 堪え性のないメーコにとってはまさにゴーモン。 が、しかし、芋ちゃんのためとあっては致し方ないので、気合いを入れて取り掛かることにしてみた。

まずは、スケジュールなどが入ったファイルを開いてみる。
一目見たところ、難易度は「86」くらいかと思われる。(何を基準に難易度を出したのか分からんが) 5行目くらいまでは辞書なしで何とかクリアー。 「なぁ〜んだ。メーコってば頭いいじゃん」といー気になったのもつかの間、6行目から「魔界の呪文」が続々登場。 日本を出る前にパパちゃんに強請って買ってもらった電子辞書に登場願うが、一般用語でないため敢え無く敗退。 なんかクヤシイ。 仕方がないので、厚さ8センチはあろうかというダーリンの「講談社英和中辞典」を引っ張り出し、本格的に戦闘開始。 ちなみに、本筋には全く関係ないが、メーコは個人的に、辞書は「三省堂」が好きだ。(これまた、別にワイロは貰ってまへん)

戦闘開始から2時間15分。 ようやく1枚のスケジュール表が読み終わった。
言うまでもなく、メーコはこれだけでもうグッタリである。
が、「魔界の呪文」の解読にはどうにか成功した。
「パップスメアー」は、「アールスメーアの花市場」ではなく、「子宮ガン検査」のことであった。
日本ではどーだか分からんが、こちらでは最初の検診の時に必ずやるらしい。
「エーエフピーテスト」は、味の素ギフトフーズであろうはずもなく、妊婦の血中タンパク値を調べ、胎児に器官障害などがないかを調べる検査のことだそーだ。
「トリプルスクリーン」も、この「AFPテスト」を含む同様の検査の総称で、血中タンパク値からダウン症や脊髄障害の有無を調べるらしい。 ・・・同じ内容の検査だったら、わざわざ別称で呼ぶな、っちゅーモンだ。
「ウルトラサウンド」は、そのまま訳して「超音波」。 ちょっと考えれば分かったことだったのに、魔界の呪文に惑わされてしまった自分が嘆かわしい。
これは、病院により実施の時期はまちまちらしいが、メーコが検診を受ける病院では、費用がかかることもあって余り初期段階ではやってくれないらしい。・・・ケチだ。
最後の「アムニオセンティーセス」は、怪獣の名前ではなく「羊水検査」であることが判明した。 日本では、人権問題だとか何だとかで余り一般的でないという話を聞いたが、こちらでは、先に出たAFPテストやトリプルスクリーンで異常が見られた場合、より詳しく調べるためにこの検査を実施するそーだ。 特に、メーコのように、悔しいが世界保健機構規約上「高齢出産(35歳以上での初産)」に当たる人間に対しては、どこの病院も羊水検査を勧めているらしい。 「自称26歳」のメーコとしては、何としても避けて通りたい検査である。

その後も、電子辞書・英和中辞典・タースケが送ってくれた日本語の妊娠手引書を駆使しての格闘が連日続いたが、どー頑張っても「1日2ページ」が関の山。 しかも、おバカなメーコは一度調べた単語をすぐ忘れてしまい、何度も何度も探し直しては「この前出てきたじゃんよー」と、一人でイライラ。 その上、「講談社英和中辞典」が、「中辞典」と謳っているくせに載っていない単語が多くてますますイライラ。 やっぱり、辞書は「三省堂」がいいのだ。

5冊の雑誌が、出産までの心構えや月を追っての体の変化、妊娠中にありがちな諸症状の説明や安産のすすめなどが書かれている「であろう」というところまでは分かったが、詳しい内容はさぁ〜っぱり、のまま2度目の検診の日が近づいてきてしまった。
心配そうに、「メーコさん、勉強の成果はあがりましたか?」と尋ねるダーリンに、「書いてあることは良くわかんないけど、全部の雑誌を読み終わる前に間違いなく出産日を迎えることだけはわかったよー。 あとねー、講談社の辞書は使えないことも良くわかったー」、とノー天気に答えたメーコを見て、「オマエが母親として使えないことも良く分かったぞ・・・」と、ダーリンが心の中で呟いたであろうことも分かったような気がしたメーコであった。

・・・でも、誰が何と言っても、辞書は「三省堂」だ!


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