メーコの芋ちゃん日記

2003年05月09日(金) メーコの不安

初めて妊娠した人は誰でも、大なり小なり色々なことが不安になって落ち込んだりイライラしたりすると言うが、メーコもどうやら人の子だったらしく(チョット安心した)、芋ちゃんの誕生が確認されてからというもの、あれやこれやと色んなことが不安になってきた。
高齢(自分ではそうは思ってないのだが)+外国での出産に始まり、「元気な姿で産まれてきてくれるだろうか?」「お酒やタバコの影響はないだろうか?」、はたまた「育児制度も良く分からない環境で、きちんと育てていくことができるだろうか?」と、行き当たり人生まっしぐらだったメーコからは考えもつかなかったような、先の先のことまでが不安に思えてくる。
「ねー、大丈夫かなぁ?」「本当に平気かなぁ?」と、顔を見る度に口にするメーコに、ダーリンは「俺とメーコの子なんだから心配しなくて大丈夫ですよ」と、優しく答えてくれるが、その、「俺とメーコの子だから」ということが一番メーコを不安にさせているということに彼は気づいていないのである・・・。

そう。何を隠そう芋ちゃんは、メーコ顔負けの負けず嫌いさとせっかちさを持って誕生した。
「自分が初孫を産むんだ!」という、メーコが長年密かに抱いていた夢と使命感を、「僕たちン所には子供は期待しないで下さ〜い」などと公言しておきながら、ねーさんに匹敵する身勝手さでタースケに打ち砕かれてから僅か2週間、「ジージとバーバの愛情をふくちゃんだけに渡してなるものか!」と言わんばかりのスピードで、芋ちゃんは誕生したのだ。
メーコはマジでビビった。 正直言って、嬉しさよりもビビりの方が大きかった。 「陽性」をクッキリと示す妊娠検査薬を眺めながら、「なんつー子だ」と思わず口走ってしまったほどビビってしまったのだ。

それからというもの、初めての妊娠・出産に対する不安よりも、芋ちゃんがどんな子になるのだろう?という不安の方が、大きく大きくメーコの頭の中を駆け巡った。
真夜中に突然、くわえタバコに一升瓶を抱えて産まれてくる芋ちゃんの姿を夢に見て飛び起きたこともある。
「いつまでもこんなトコに閉じ込めておくんじゃねーぞー」と、バシバシ腹を蹴りそうな子になりそうで、枕をお腹に抱えて寝るようになった。
が、しかし、それよりも何よりもメーコを不安にさせたのが、「隔世遺伝」の四文字である。
ねーちゃん・ママちゃん・バーちゃんという、「最強身勝手三官女(?)」の遺伝子が混入し、予定日もへったくれもなく産まれてきてはしないだろうか?
「屁理屈たれ男」のパパちゃんと、「何事もカタチから」のタースケの遺伝子が混じりこみ、「産道を抜けるにはこの角度とこのカタチから」などと考え込む胎児になってはしまわんだろうか?
あるいは、産まれてくるなりメーコに説教をたれる可能性も考えられる。
それよりもっと怖いのは、ダーパパ(「ダーリンのパパ」の意)・ダーママの遺伝子を受け継ぎ、「さしずめアレだな、腹ん中っちゅーのはトンネルみたいなモンだな」とか何とか言いながら、山ほどの薬を抱えて産まれてくるような子供になってしまったらどーしよう?
あー、不安だー。 どーしたらいいのだー?

・・・が、そんなメーコの不安も、ダーリンには一笑されてしまった。
「そーんなあれこれ心配しなくたって、元気ないい子に産まれてくるから大丈夫ですよ。
俺の赤ちゃんなんだから、モリモリ何でも食べて、大きい子で産まれてくるに決まってるでしょー」と。
・・・この瞬間、メーコは自分がもっとも身近な遺伝子を忘れていたことに気がついた。
「肉食怪獣・でかベビー」が産まれてくる可能性があるということを。

この日の夜、メーコは「はじめ人間ギャートルズ」に出てくる骨付きマンモスの肉を、バリバリと食べあさりながら産まれてくる芋ちゃんの姿を夢に見た・・・。
胎教に悪いのは、アメリカの医療制度ではなくメーコ自身とメーコの身内のようだということに気づき始めたメーコは、暗〜い面持ちで初検診の日を待つのであった・・・。 つづく


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