ただいまマイクのテスト中。

2002年03月05日(火) ★耳の日記念SS

やさしい指先、あたたかな膝枕。
さわさわと耳をくすぐる快い刺激。

カカシくん、気持ちいいかい?

記憶の中のあの人は、いつも陽だまりのような笑顔をオレに向けている。

・・・ん。まあまあ。

うとうとと、ともすれば引き込まれそうな眠気から、はっとまぶたをこじ開ける度、くくっ・・・と小さくひざが揺れる。

ああ、きっとまたからかわれる。
怒っても嫌がっても、それがまた面白いと言ってからかうんだろう。そういう人だ、先生は。
でも、起き上がるにはあまりにこのぬくもりが心地よくて、結局オレは気づかなかったことにして、またまぶたを閉じた。

ひとひら、またひとひら。
白い花びらが小雪のように空を舞う。

いい天気だねえ、カカシくん。

のほほんと笑う遠い声。
それが何より好きでしたと、結局あなたに伝えないままだったけれど。

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「サスケ、気持ちいい?」

ひざに感じるやさしい重み。
つややかな髪を撫でると、満ち足りた猫のように身じろぐ彼がいとしい。

あの頃とは違うぬくもり、仕草、声。

今は遠い、至高の記憶。
もう戻らない幸福の時間。

それでも、何度でも。

ほころびをなぞるようにくり返す、至福の時間。


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