| 2002年03月01日(金) |
★サスカカSS劇場そのいち |
オマエの子供が見てみたい。
何気なく口にしたとたん、頬を張り飛ばされた。 なんで殴られたのかわからなくて目を丸くしていると、サスケが怒りに燃えた目でオレを睨んだ。
「アンタ、オレを馬鹿にしてるのかよッ!」
そんなつもりはなかったんだけど・・・。 どうやら、遠まわしな別れ話とでも思ったらしい。 なんだ、口で言ってくれればいーのに。先に手が出るなんて、若いなサスケ。
じんじんと次第に強くなる頬の痛みを感じながら、オレは黙ってサスケを見下ろした。
そんなつもりはなかったんだけど。 やっぱりちょっとはそんなつもりも混じってたのかもしれない。
怒りに艶やかさを増した漆黒の瞳。 キリリと引き絞られた形のいい眉。 ああ、こんな時でもイイ男だと惚れ惚れしてしまう。
だって勿体無いだろ? オマエみたいなイイ男の遺伝子、ここで絶やしちゃうなんて。 オレも相当イイ男だけど、オマエには負けるね、ホント。 大蛇丸じゃないが、あいつがあんなに欲しがってるのもわかる気がする。 うちはの血。 2つそろった写輪眼。 そんなものでくくれちまうほど、オマエは安くないけれど。
「馬鹿になんかしてないよ」
オレはふっと目元をゆるませ、困ったように笑ってみせた。
「ただ、そう思っただけ。小さい時のサスケってかわいかったろうなあって」
それだけ。 隠しきれないいとおしさに、ほんのちょっとの偽りを混ぜて。
「ごめんってば」
傷ついたような2つの瞳に、惹かれるようにくちづけて。 絡ませ合った吐息の下で音もなくささやく。
・・・今はまだ、ね。
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